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陰陽師と呪術師
九星気学と呪術
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威津那は九星気学を高良に教わる。
最初、威津那は占いには興味がなかった。
赤い瞳で未来を見えてしまうのだから…
だけど、占いは奥深いと思うようになってきた。
最初は言われた通りに書いていくだけだったが、宮中職員の吉方位や運気を調べて出していくのは時間がかかるから早く覚えなくてはいけない。
陰陽寮職員は一人一人干支や産まれた年、日、刻まで細かく計算して、見る人がわかるように出していく。
本人一人一人自ずから計算できれば問題ないがそういう面倒臭いことを怠って陛下に障りがあることが危険なのだ。
そういう仕事も請け負って出仕勤務を入れることも陰陽師の仕事で毎日が忙しい。
陰陽五行の基礎さえできていれば簡単な学問であり占い方だ。
簡単だと思えば簡単で難しいと思えば難しく奥の深いものが占いでもある。
「九星気学というのは基本相手を凶の方位に導いて敗北させる呪わせることを基本とした学術なんだよ。」
「へぇ!なんか、呪詛っぽくて、イイね!」
威津那は瞳を輝かせて九星気学の基本を学ぶ気になった。
呪術師の本分なのか呪いに関して興味がある。
「基本、宮中はこの九星気学で行動しているんだ。一人一人生まれを計算して宮中の職員に配り、晴綛様や古参の職員は祝皇両陛下、皇族殿下にお伝えしてその方向に行かないようにしているんだ。」
「じゃ、陛下の行動は陰陽寮長が握ってるということ?」
「その言い方不敬だぞ。」
鋭い瞳をさらに釣り上げて、年上の威津那に注意する。
「もし、間違えて凶方位に行ってしまったらどうすればいいの?」
「方違えの祝詞をして貰えば凶方位でも大丈夫だな。」
よく見るといろんな神様が書かれていて吉方位のなんてない時もある。
基本陰陽五行説で、方位の四方は獣四神、中心に麒麟。
麒麟は帝の位置だ。
宮中にいらっしゃることが帝としての役割でもある。
他にもいろんな方位神がいて覚えるのが大変だった。
「威津那殿の父親は方位神を操る事ができるんじゃないのか?」
「えっ!そうなの⁉︎」
威津那は突然の暴露にびっくりする。
「高良くんは父の過去まで見れるの?」
威津那は本気で驚いでいる。
「僕だって父について深くは知らないのに高良くんが知っていることにびっくりしたよ」
「彼は元は職員だったんだろ……?
晴綛様の記憶覗いだらその事を悔いているところがあった。」
高良は覗いた時のことを思い出す。
強い後悔を思った時に感じて見る程度だ。
高良はそういう時こそチャンスだと思って記憶や思いを覗くようにしている。
「深くは覗かなかったけれど、引っかかっている時、威津那殿が捉えられてきたからな、いろいろ察したよ」
高良の、落ち着いた雰囲気は大人そのものだと思うが、
「君、上司の考えてることまで覗いちゃっていいの?」
大人っぽく振る舞っても好奇心に勝てなくのぞいてしまっているんだろうと、威津那は考えたが、
「将来は陰陽寮長として受け継いでもらわなきゃならんからの。どんどんわしの考えを受け継いでくれればいいさ」
長身の狐耳の影が現れたかと思うと、本人が二人の間に割って入ってきて座る。
さらに架け橋のように両腕を二人の肩にかける。
かなりの至近距離だと思う。
高良は居住まいをただす。
「恥ずかしい記憶とか、見られたくない記憶とかないんですか?」
(威津那殿は何もわからない子供のように質問する…)
高良はため息を吐く。
「高良が皆にいいふらすとは思わんからの」
といって、ザリザリ坊主頭を撫でる。
「信頼されてて、羨ましいね」
さらに、血縁で疑われる余地のない関係は本当に羨ましいと思う。
威津那自身とは真逆の立場だ。
「んー?お前も橘に手を出さないと信頼しているぞ」
「それ、脅しですよ」
ふふっと晴綛は笑う。
「阿部野は恥ずかしいこととか気にしないのは近い血筋の香茂が人の心や、思考を読んで恥ずかしい事を言われるのを恐れてなんとも思わなくなった説もある。」
晴綛はわざとらしく神妙に言った。
「自己防衛ですね…わかります」
「威津那殿はそれを察して心封じの呪術使ってたくらいだからな」
「今はしておらんのか?」
「ふふ…筒抜けの陰陽寮で、無駄な動力使ってしかたないですし…」
と、威津那は苦笑した。
「それと、人の妬み恨みを利用する分、自分の感情や記憶がその呪詛に吸い込まれて己を無くすことがあるので、誰か僕のことを覚えていて欲しいとも思いますね…自分を見失ってしまう方が恐ろしいと感じます」
最近は自分の感情に右往左往されるようになっていると思う。
特に橘と一緒にいると、装っていた黒い腐った皮が剥かれている感じがする。
新しい…本当の自分になれる気がすると言うよりかなっている。
「だから、記憶が希薄、橘を求めて己自身を保っているのか……」
と、高良は威津那の考えを除き分析を口に出していった。
「なっ!そ、そういう恥ずかしい事は口に出さないで!」
威津那は突然大いに照れた。
「ふん、それほど、橘を魂から求めているという事だな……父としては複雑じゃ…」
複雑といいながら、それほど橘に惚れている事は良いことだと思っている。
「『肉体よりも、魂…心から通じていたい…わかり合いたい……』
なんてすっごく純粋な心すぎて、どんな恥ずかしいキザな言葉や想いよりも、気恥ずかしくなるよ」
高良は意地悪で暴露してやった。
「こ、言霊にださないで!」
意地悪な高良の口を威津那は顔を真っ赤にして抑えた。
「香茂家はそういう意地悪大好きだからのぉ。対の阿部野は素直になるしかないのじゃ」
晴綛はなんとも思ってない。
思考を隠すときは流花との睦愛を妄想すると、高良は思考を読むのをやめる。
むしろ、晴綛の方が意地悪だ。
「思考を覗いて見てしまう代わりに僕も威津那殿のそういう悩みを、相談して良い方向に導いてあげますよ。それが心を覗いてしまう能力者の信念だと思ってるんですよ」
「ま、それも占い師としての、信念でもあるな。威津那も宮中陰陽師として仕事しているならそういう信念を持て。」
「はい。」
晴綛は二人の背中をバンバンと叩くと他の職員の様子を見に行った。
晴綛は他の職員にも同じようなことをして仲を深めて行っている。
朗らかな会話が弾んだことに…威津那の心はポカポカしてしまう。
呪術師という冷たい闇に身をやつしていた時よりも呪術の暗い楽しみよりも、明るい楽しみを、知ってしまうとやはりこういうことが幸せな日常なのではないかと考え直す。
父は『偽りの平和』だと、嘆いていてそれに威津那も同じ考えで呼応していたけれど……
祝皇陛下おわすこの宮中の気の気配はとても穏やかで闇に染めた体すら徐々に浄化されているのを実感する。
うちに秘めた闇の力がなくなるわけではないけれど……
ただこの平和を守りたい……そう思いが強くなる一方だった。
最初、威津那は占いには興味がなかった。
赤い瞳で未来を見えてしまうのだから…
だけど、占いは奥深いと思うようになってきた。
最初は言われた通りに書いていくだけだったが、宮中職員の吉方位や運気を調べて出していくのは時間がかかるから早く覚えなくてはいけない。
陰陽寮職員は一人一人干支や産まれた年、日、刻まで細かく計算して、見る人がわかるように出していく。
本人一人一人自ずから計算できれば問題ないがそういう面倒臭いことを怠って陛下に障りがあることが危険なのだ。
そういう仕事も請け負って出仕勤務を入れることも陰陽師の仕事で毎日が忙しい。
陰陽五行の基礎さえできていれば簡単な学問であり占い方だ。
簡単だと思えば簡単で難しいと思えば難しく奥の深いものが占いでもある。
「九星気学というのは基本相手を凶の方位に導いて敗北させる呪わせることを基本とした学術なんだよ。」
「へぇ!なんか、呪詛っぽくて、イイね!」
威津那は瞳を輝かせて九星気学の基本を学ぶ気になった。
呪術師の本分なのか呪いに関して興味がある。
「基本、宮中はこの九星気学で行動しているんだ。一人一人生まれを計算して宮中の職員に配り、晴綛様や古参の職員は祝皇両陛下、皇族殿下にお伝えしてその方向に行かないようにしているんだ。」
「じゃ、陛下の行動は陰陽寮長が握ってるということ?」
「その言い方不敬だぞ。」
鋭い瞳をさらに釣り上げて、年上の威津那に注意する。
「もし、間違えて凶方位に行ってしまったらどうすればいいの?」
「方違えの祝詞をして貰えば凶方位でも大丈夫だな。」
よく見るといろんな神様が書かれていて吉方位のなんてない時もある。
基本陰陽五行説で、方位の四方は獣四神、中心に麒麟。
麒麟は帝の位置だ。
宮中にいらっしゃることが帝としての役割でもある。
他にもいろんな方位神がいて覚えるのが大変だった。
「威津那殿の父親は方位神を操る事ができるんじゃないのか?」
「えっ!そうなの⁉︎」
威津那は突然の暴露にびっくりする。
「高良くんは父の過去まで見れるの?」
威津那は本気で驚いでいる。
「僕だって父について深くは知らないのに高良くんが知っていることにびっくりしたよ」
「彼は元は職員だったんだろ……?
晴綛様の記憶覗いだらその事を悔いているところがあった。」
高良は覗いた時のことを思い出す。
強い後悔を思った時に感じて見る程度だ。
高良はそういう時こそチャンスだと思って記憶や思いを覗くようにしている。
「深くは覗かなかったけれど、引っかかっている時、威津那殿が捉えられてきたからな、いろいろ察したよ」
高良の、落ち着いた雰囲気は大人そのものだと思うが、
「君、上司の考えてることまで覗いちゃっていいの?」
大人っぽく振る舞っても好奇心に勝てなくのぞいてしまっているんだろうと、威津那は考えたが、
「将来は陰陽寮長として受け継いでもらわなきゃならんからの。どんどんわしの考えを受け継いでくれればいいさ」
長身の狐耳の影が現れたかと思うと、本人が二人の間に割って入ってきて座る。
さらに架け橋のように両腕を二人の肩にかける。
かなりの至近距離だと思う。
高良は居住まいをただす。
「恥ずかしい記憶とか、見られたくない記憶とかないんですか?」
(威津那殿は何もわからない子供のように質問する…)
高良はため息を吐く。
「高良が皆にいいふらすとは思わんからの」
といって、ザリザリ坊主頭を撫でる。
「信頼されてて、羨ましいね」
さらに、血縁で疑われる余地のない関係は本当に羨ましいと思う。
威津那自身とは真逆の立場だ。
「んー?お前も橘に手を出さないと信頼しているぞ」
「それ、脅しですよ」
ふふっと晴綛は笑う。
「阿部野は恥ずかしいこととか気にしないのは近い血筋の香茂が人の心や、思考を読んで恥ずかしい事を言われるのを恐れてなんとも思わなくなった説もある。」
晴綛はわざとらしく神妙に言った。
「自己防衛ですね…わかります」
「威津那殿はそれを察して心封じの呪術使ってたくらいだからな」
「今はしておらんのか?」
「ふふ…筒抜けの陰陽寮で、無駄な動力使ってしかたないですし…」
と、威津那は苦笑した。
「それと、人の妬み恨みを利用する分、自分の感情や記憶がその呪詛に吸い込まれて己を無くすことがあるので、誰か僕のことを覚えていて欲しいとも思いますね…自分を見失ってしまう方が恐ろしいと感じます」
最近は自分の感情に右往左往されるようになっていると思う。
特に橘と一緒にいると、装っていた黒い腐った皮が剥かれている感じがする。
新しい…本当の自分になれる気がすると言うよりかなっている。
「だから、記憶が希薄、橘を求めて己自身を保っているのか……」
と、高良は威津那の考えを除き分析を口に出していった。
「なっ!そ、そういう恥ずかしい事は口に出さないで!」
威津那は突然大いに照れた。
「ふん、それほど、橘を魂から求めているという事だな……父としては複雑じゃ…」
複雑といいながら、それほど橘に惚れている事は良いことだと思っている。
「『肉体よりも、魂…心から通じていたい…わかり合いたい……』
なんてすっごく純粋な心すぎて、どんな恥ずかしいキザな言葉や想いよりも、気恥ずかしくなるよ」
高良は意地悪で暴露してやった。
「こ、言霊にださないで!」
意地悪な高良の口を威津那は顔を真っ赤にして抑えた。
「香茂家はそういう意地悪大好きだからのぉ。対の阿部野は素直になるしかないのじゃ」
晴綛はなんとも思ってない。
思考を隠すときは流花との睦愛を妄想すると、高良は思考を読むのをやめる。
むしろ、晴綛の方が意地悪だ。
「思考を覗いて見てしまう代わりに僕も威津那殿のそういう悩みを、相談して良い方向に導いてあげますよ。それが心を覗いてしまう能力者の信念だと思ってるんですよ」
「ま、それも占い師としての、信念でもあるな。威津那も宮中陰陽師として仕事しているならそういう信念を持て。」
「はい。」
晴綛は二人の背中をバンバンと叩くと他の職員の様子を見に行った。
晴綛は他の職員にも同じようなことをして仲を深めて行っている。
朗らかな会話が弾んだことに…威津那の心はポカポカしてしまう。
呪術師という冷たい闇に身をやつしていた時よりも呪術の暗い楽しみよりも、明るい楽しみを、知ってしまうとやはりこういうことが幸せな日常なのではないかと考え直す。
父は『偽りの平和』だと、嘆いていてそれに威津那も同じ考えで呼応していたけれど……
祝皇陛下おわすこの宮中の気の気配はとても穏やかで闇に染めた体すら徐々に浄化されているのを実感する。
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