58 / 161
桜庭の姫の婚約者を召喚してみる大魔法
3☆運命の人と未来の幸せ
しおりを挟む
「あー、子供六人くらいできるから、橘と一蓮托生は無理だね。良かったね」
それはお互いのために良かったと思う。
「他の男と結婚して子供作る気はないわよ……」
不安そうな顔して咲羅子は言う。
「その言葉は季節さんを諦めてるように聞こえるけど?」
威津那は意地悪を言う。
「諦めてないわよ!絶対に生きてるんだからぁ……うっうっ…」
我慢していた涙がポロポロとあふれだす。
本当の咲羅子は女の子らしい、か弱さを持っているのかもしれない……
威津那は意地悪いうんじゃなかったと罪悪感になる。
咲羅子は色々思うこともあるらしく若い娘二人きりで晴綛の部屋で占いをしていたところだったのだ。
それを威津那は赤い瞳でズバリと未来を当ててしまうものだから不安に押し潰されて泣いてしまったのだ。
橘は咲羅子の涙を拭きつつ、
「威津那さん。咲羅子姐さんをいじめちゃだめよ…?」
と、低い声をして睨んだ。
「ごめん、わざとじゃないよ……」
「うそつくなっ!」
軽くポカリと威津那の頭を叩く。
橘の感はやはり冴えている。
橘にこんなことで嫌われたくない。
誠実になろうと心がけることにする。
「僕は季節さんの容姿はわからないけど、屈強な体格の男と君の幸せの姿が見えたよ」
「えっ、ほんと?」
咲羅子の涙は引っ込んで威津那に手のひらを進んで見せる。
威津那は赤い瞳で手のひらをじっと見る。
「ほんとだよ。背が高くて、頑固オヤジそうな顔してる人で僕より少し年上かな?結婚式の様子が見えるよ。君も容姿が年取ってないから僕が見るのは近い未来だよ」
ニコッと何も裏がなく微笑まれるとドキッとしてしまった。
「頑固そうなのは本当だけどオヤジは余計よ!十歳年上なだけだし!」
咲羅子はあたふたする、嬉しすぎて頬が緩むのを押さえる。
「早く無事に季節さんには帰ってきてほしいと僕も思うよ……これ本心ね。」
「……それって、さっさと結婚させて私と威津那の関係を邪魔しないでほしい…って思ってんじゃ……」
「橘は鋭いね。でも、それは、君もじゃないの?」
と、意地悪を言ってみる。
「えっ?私は…咲羅子姐さんとずっと仕事してたいけど……」
と、素で答えるが、
「季節さんが、無事帰ってきて咲羅子姐さんを安心させてほしいなあって、いつも思ってるよ、私だって威津那に再び出逢えたんだから咲羅子姐さんも幸せになってほしいもん」
咲羅子に向かって真摯な瞳で言った。
威津那は橘の純粋な言葉に胸が温かくなってこっちが感極まって泣いてしまいそうな顔を両手で押さえる。
「橘っ!あんたいい子!」
ひしっ!と抱きつく。
「あんた!こんないい子を不幸にさせたら許さないからね!」
「てことは……」
「ふん!橘がそんなに、私よりこの男が良いって言うなら認めてやるわよっ!」
咲羅子は照れ隠しでそう言った。
未来を希望の言葉をくれた感謝もあるだろう。
(少しは僕のこと信用してくれたってことかな?)
と威津那はフフッと笑った。
「ね、それよりそろそろ夜の見回りのお仕事一緒にいきましょ!」
「うん!夜の見回り行ってくるね」
「何かあやしげな呪詛があったら僕を呼んでね。僕が処理してあげるから」
「……もしかして、あんたが仕掛けた不発弾みたいなもんじゃないわよね?」
「うーん…………。そんなことはないと思うけど…一応だよ」
「威津那さん、あなたも今度見回り手伝ってね…未処理なものがあったら陰陽寮の威信に関わるんだから…」
威津那が仕掛けてきた呪詛の手強さを思い出して橘と咲羅子は威津那を、白い目で見た。
今は宮中の為に働くことを決意してくれたからいいけれど、
(陰陽寮に匿ってなかったら…と思うと末恐ろしい存在だったわね…)
と、橘と咲羅子は同時に思いため息を吐いた。
威津那は二人が行った後、季節の事について黙って考える。
床に長い髪の毛が落ちてる。
それを、威津那は拾ってニヤっと笑う。
「これを媒体にすればもしかして……」
ある考えが威津那にはあった。
一度もやったことのない大掛かりな召喚術。
自分一人では出来なくても陰陽寮の異能者と晴綛の力があれば可能かもしれない……
(やってみるしかないかな?僕達の恋愛のためにも邪魔な咲羅子を橘と少しでも離れさせる為には……ね。)
翌朝出仕した陰陽寮長に面白い相談をするのだった。
それはお互いのために良かったと思う。
「他の男と結婚して子供作る気はないわよ……」
不安そうな顔して咲羅子は言う。
「その言葉は季節さんを諦めてるように聞こえるけど?」
威津那は意地悪を言う。
「諦めてないわよ!絶対に生きてるんだからぁ……うっうっ…」
我慢していた涙がポロポロとあふれだす。
本当の咲羅子は女の子らしい、か弱さを持っているのかもしれない……
威津那は意地悪いうんじゃなかったと罪悪感になる。
咲羅子は色々思うこともあるらしく若い娘二人きりで晴綛の部屋で占いをしていたところだったのだ。
それを威津那は赤い瞳でズバリと未来を当ててしまうものだから不安に押し潰されて泣いてしまったのだ。
橘は咲羅子の涙を拭きつつ、
「威津那さん。咲羅子姐さんをいじめちゃだめよ…?」
と、低い声をして睨んだ。
「ごめん、わざとじゃないよ……」
「うそつくなっ!」
軽くポカリと威津那の頭を叩く。
橘の感はやはり冴えている。
橘にこんなことで嫌われたくない。
誠実になろうと心がけることにする。
「僕は季節さんの容姿はわからないけど、屈強な体格の男と君の幸せの姿が見えたよ」
「えっ、ほんと?」
咲羅子の涙は引っ込んで威津那に手のひらを進んで見せる。
威津那は赤い瞳で手のひらをじっと見る。
「ほんとだよ。背が高くて、頑固オヤジそうな顔してる人で僕より少し年上かな?結婚式の様子が見えるよ。君も容姿が年取ってないから僕が見るのは近い未来だよ」
ニコッと何も裏がなく微笑まれるとドキッとしてしまった。
「頑固そうなのは本当だけどオヤジは余計よ!十歳年上なだけだし!」
咲羅子はあたふたする、嬉しすぎて頬が緩むのを押さえる。
「早く無事に季節さんには帰ってきてほしいと僕も思うよ……これ本心ね。」
「……それって、さっさと結婚させて私と威津那の関係を邪魔しないでほしい…って思ってんじゃ……」
「橘は鋭いね。でも、それは、君もじゃないの?」
と、意地悪を言ってみる。
「えっ?私は…咲羅子姐さんとずっと仕事してたいけど……」
と、素で答えるが、
「季節さんが、無事帰ってきて咲羅子姐さんを安心させてほしいなあって、いつも思ってるよ、私だって威津那に再び出逢えたんだから咲羅子姐さんも幸せになってほしいもん」
咲羅子に向かって真摯な瞳で言った。
威津那は橘の純粋な言葉に胸が温かくなってこっちが感極まって泣いてしまいそうな顔を両手で押さえる。
「橘っ!あんたいい子!」
ひしっ!と抱きつく。
「あんた!こんないい子を不幸にさせたら許さないからね!」
「てことは……」
「ふん!橘がそんなに、私よりこの男が良いって言うなら認めてやるわよっ!」
咲羅子は照れ隠しでそう言った。
未来を希望の言葉をくれた感謝もあるだろう。
(少しは僕のこと信用してくれたってことかな?)
と威津那はフフッと笑った。
「ね、それよりそろそろ夜の見回りのお仕事一緒にいきましょ!」
「うん!夜の見回り行ってくるね」
「何かあやしげな呪詛があったら僕を呼んでね。僕が処理してあげるから」
「……もしかして、あんたが仕掛けた不発弾みたいなもんじゃないわよね?」
「うーん…………。そんなことはないと思うけど…一応だよ」
「威津那さん、あなたも今度見回り手伝ってね…未処理なものがあったら陰陽寮の威信に関わるんだから…」
威津那が仕掛けてきた呪詛の手強さを思い出して橘と咲羅子は威津那を、白い目で見た。
今は宮中の為に働くことを決意してくれたからいいけれど、
(陰陽寮に匿ってなかったら…と思うと末恐ろしい存在だったわね…)
と、橘と咲羅子は同時に思いため息を吐いた。
威津那は二人が行った後、季節の事について黙って考える。
床に長い髪の毛が落ちてる。
それを、威津那は拾ってニヤっと笑う。
「これを媒体にすればもしかして……」
ある考えが威津那にはあった。
一度もやったことのない大掛かりな召喚術。
自分一人では出来なくても陰陽寮の異能者と晴綛の力があれば可能かもしれない……
(やってみるしかないかな?僕達の恋愛のためにも邪魔な咲羅子を橘と少しでも離れさせる為には……ね。)
翌朝出仕した陰陽寮長に面白い相談をするのだった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
【完結】イケメンイスラエル大使館員と古代ユダヤの「アーク探し」の5日間の某国特殊部隊相手の大激戦!なっちゃん恋愛小説シリーズ第1弾!』
あらお☆ひろ
キャラ文芸
「なつ&陽菜コンビ」にニコニコ商店街・ニコニコプロレスのメンバーが再集結の第1弾!
もちろん、「なっちゃん」の恋愛小説シリーズ第1弾でもあります!
ニコニコ商店街・ニコニコポロレスのメンバーが再集結。
稀世・三郎夫婦に3歳になったひまわりに直とまりあ。
もちろん夏子&陽菜のコンビも健在。
今作の主人公は「夏子」?
淡路島イザナギ神社で知り合ったイケメン大使館員の「MK」も加わり10人の旅が始まる。
ホテルの庭で偶然拾った二つの「古代ユダヤ支族の紋章の入った指輪」をきっかけに、古来ユダヤの巫女と化した夏子は「部屋荒らし」、「ひったくり」そして「追跡」と謎の外人に追われる!
古代ユダヤの支族が日本に持ち込んだとされる「ソロモンの秘宝」と「アーク(聖櫃)」に入れられた「三種の神器」の隠し場所を夏子のお告げと客観的歴史事実を基に淡路、徳島、京都、長野、能登、伊勢とアークの追跡が始まる。
もちろん最後はお決まりの「ドンパチ」の格闘戦!
アークと夏子とMKの恋の行方をお時間のある人はゆるーく一緒に見守ってあげてください!
では、よろひこー (⋈◍>◡<◍)。✧♡!
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
あさきゆめみし
八神真哉
歴史・時代
山賊に襲われた、わけありの美貌の姫君。
それを助ける正体不明の若き男。
その法力に敵う者なしと謳われる、鬼の法師、酒呑童子。
三者が交わるとき、封印された過去と十種神宝が蘇る。
毎週金曜日更新

(学園 + アイドル ÷ 未成年)× オッサン ≠ いちゃらぶ生活
まみ夜
キャラ文芸
年の差ラブコメ X 学園モノ X オッサン頭脳
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。
子役出身の女優、芸能事務所社長、元セクシー女優なども登場し、学園の日常はハーレム展開?
第二巻は、ホラー風味です。
【ご注意ください】
※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます
※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります
※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます
【連載中】は、短時間で読めるように短い文節ごとでの公開になります。
(お気に入り登録いただけると通知が行き、便利かもです)
その後、誤字脱字修正や辻褄合わせが行われて、合成された1話分にタイトルをつけ再公開されます。
(その前に、仮まとめ版が出る場合もある、かも、しれない、可能性)
物語の細部は連載時と変わることが多いので、二度読むのが通です。
表紙イラストはAI作成です。
(セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)
題名が「(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ」から変更されております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる