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威津那と高良
6☆人を陥れる呪術師、人を導く占い師
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「オレの祖母は阿倍野家の者で晴綛さまの妹だ。
まだ十三で結婚するのは当時としては不思議ではなかったけれど、三十手前で亡くなった……あまり詳しくはわからないし知らないけれど…阿倍野の娘は命を一度なくすと白狐に生まれ変わり十五年で死ぬんだよ……」
狐の嫁入り事件の時晴綛がすこぶる不機嫌で、
「橘の命を削る事になる」
とは、そういう事なのか……寿命を削ることもいけないことだしやめるべきだが、まさか一度死ぬ事とは思っていなかった……
『橘に死んでほしい』と言っていたのも同じではないか……
そう思うと本気で申し訳なく思うと反省する……闇に心が落ちるように落ち込む。
あまりの事実と自分の浅はかさに目眩がいて額を押さえる。
それに白狐じゃなくて良いと思っていたのに、赤い瞳に見える未来は白狐に戻りウカ様から神呪を受けて未来を取り戻した時に橘は白狐だったから『瑞兆』を産むためにも白狐になるのは定めと思い込んだ。
白狐にさせないと決めていたのに……
白狐にこだわるのは父の呪詛なのか…?
思い込みなのか….?
すでに思考を父に操られているのか……?
ならば……
「もし、僕が裏切る事があるなら…君に全てを頼んでいいかい……?」
そう、言霊が出た。
高良は、すぐうだうだ考え出す威津那の思考にうんざりになる。
そんな威津那にとって橘が希望の光と思っているのも納得がいく。
彼女のそばにいる威津那はこんなに考え込まないだろう……
「はぁぁぁぁぁぁ……!」
高良は怒りと呆れをを吐き出すようなため息をわざとして、キッと鋭い瞳を威津那に合わせる。
「威津那殿が裏切らない様に監視するのがオレの役目だから、いかなる時も道を外さないように良い方向に導いてやる!
占い師と呪術師の違いはそこだ!」
ビシリ!と威津那の額に指を指して言う。
「色々一人で悶々と悩んでいる威津那殿が可哀想で可哀想で仕方ないからな!将来の陰陽寮長として良き方に導いてやるからありがたく思え!」
わざと大声で偉そうに宣言した。
「うん…!ありがとう!そう言ってもらえてすごく嬉しいよ!」
威津那はいつになく笑顔で頬を赤らめてニコニコ顔で高良の手を握った。
多分、橘にも、この表情は見せたことがないだろうと威津那は思う。
自然と顔がにやけて仕方がないのだ。
「僕は改めて君にも宣言するよ!レッドスパイを壊滅させて白狐にもさせなければ九尾にもさせない。そして、橘と結婚する。
それが僕の望むことだ…絶対にそうしてみせる!」
決意に満ちた本気の赤い瞳で、高良に宣言をした。
「僕に宣言されても困るんだけど」
高良には意地悪げに即答したが、にゃりとと笑う。
「年は十三も離れているのに……なんだか心が通じる友達に出会ったみたいで嬉しいよ!」
「いや、通じるというよりか、能力で筒抜けなだけだ……」
知られると嫌がれる能力なのに喜んでくれる威津那の態度に高良は照れる。
「あと、言葉遣いが威津那殿といると定まらない……。
威津那殿は年上なのに敬語じゃなきゃいけないのに…それがもどかしい…不快な思いをさせたら申し訳ない」
と高良は自分の気になるところを先にあやまっておいた。
「全然構わないよ!そこが君の良いところだからね!面白いし。もっと親しくなりそうだしね。」
威津那はそう言って高良のジャリジャリ坊主頭を撫でまくった。
数時間のうちに互いの事を知り仕事を支えあえる信頼を得た友になると感じる一日でもあった。
まだ十三で結婚するのは当時としては不思議ではなかったけれど、三十手前で亡くなった……あまり詳しくはわからないし知らないけれど…阿倍野の娘は命を一度なくすと白狐に生まれ変わり十五年で死ぬんだよ……」
狐の嫁入り事件の時晴綛がすこぶる不機嫌で、
「橘の命を削る事になる」
とは、そういう事なのか……寿命を削ることもいけないことだしやめるべきだが、まさか一度死ぬ事とは思っていなかった……
『橘に死んでほしい』と言っていたのも同じではないか……
そう思うと本気で申し訳なく思うと反省する……闇に心が落ちるように落ち込む。
あまりの事実と自分の浅はかさに目眩がいて額を押さえる。
それに白狐じゃなくて良いと思っていたのに、赤い瞳に見える未来は白狐に戻りウカ様から神呪を受けて未来を取り戻した時に橘は白狐だったから『瑞兆』を産むためにも白狐になるのは定めと思い込んだ。
白狐にさせないと決めていたのに……
白狐にこだわるのは父の呪詛なのか…?
思い込みなのか….?
すでに思考を父に操られているのか……?
ならば……
「もし、僕が裏切る事があるなら…君に全てを頼んでいいかい……?」
そう、言霊が出た。
高良は、すぐうだうだ考え出す威津那の思考にうんざりになる。
そんな威津那にとって橘が希望の光と思っているのも納得がいく。
彼女のそばにいる威津那はこんなに考え込まないだろう……
「はぁぁぁぁぁぁ……!」
高良は怒りと呆れをを吐き出すようなため息をわざとして、キッと鋭い瞳を威津那に合わせる。
「威津那殿が裏切らない様に監視するのがオレの役目だから、いかなる時も道を外さないように良い方向に導いてやる!
占い師と呪術師の違いはそこだ!」
ビシリ!と威津那の額に指を指して言う。
「色々一人で悶々と悩んでいる威津那殿が可哀想で可哀想で仕方ないからな!将来の陰陽寮長として良き方に導いてやるからありがたく思え!」
わざと大声で偉そうに宣言した。
「うん…!ありがとう!そう言ってもらえてすごく嬉しいよ!」
威津那はいつになく笑顔で頬を赤らめてニコニコ顔で高良の手を握った。
多分、橘にも、この表情は見せたことがないだろうと威津那は思う。
自然と顔がにやけて仕方がないのだ。
「僕は改めて君にも宣言するよ!レッドスパイを壊滅させて白狐にもさせなければ九尾にもさせない。そして、橘と結婚する。
それが僕の望むことだ…絶対にそうしてみせる!」
決意に満ちた本気の赤い瞳で、高良に宣言をした。
「僕に宣言されても困るんだけど」
高良には意地悪げに即答したが、にゃりとと笑う。
「年は十三も離れているのに……なんだか心が通じる友達に出会ったみたいで嬉しいよ!」
「いや、通じるというよりか、能力で筒抜けなだけだ……」
知られると嫌がれる能力なのに喜んでくれる威津那の態度に高良は照れる。
「あと、言葉遣いが威津那殿といると定まらない……。
威津那殿は年上なのに敬語じゃなきゃいけないのに…それがもどかしい…不快な思いをさせたら申し訳ない」
と高良は自分の気になるところを先にあやまっておいた。
「全然構わないよ!そこが君の良いところだからね!面白いし。もっと親しくなりそうだしね。」
威津那はそう言って高良のジャリジャリ坊主頭を撫でまくった。
数時間のうちに互いの事を知り仕事を支えあえる信頼を得た友になると感じる一日でもあった。
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