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威津那と高良
1☆騒がしい朝と不穏な気配
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阿倍野の婿候補として、阿倍野の一室をもらえることになった。
だが、秋の時期は宮中は行事で忙しく、陰陽寮は多忙の時期に入ると言う。
初の阿倍野の家で家族団欒し、とても幸せな温かい気分だった。
だが、橘は朝食中突然青ざめてトイレに行ってしまった。
「あ、今日は生理になる日だったわね」
流花はそう言って、ハッとする。
「あら、ごめんなさいねー。うちの家族普通にこう言うこと言っちゃうからー…ねっ、うふふ」
流花は娘の代わりに焦り照れる。
「あはは…いや…女性は大変ですね…」
威津那は苦笑してそういった。
「いやぁぁぁあ!ワンピースがぁぁぁあっ!」
トイレで橘の絶叫が屋敷中に響き渡った。
「あーやっちゃたのね…」
「わかるわー…」
「女の子って辛いわよねー」
三姉妹はうんうんと頷く。
「ま、生理があるから子供が産まれるんだから男は女性を心から労ることが日和男子だぞ。威津那よ」
晴綛は諭すように言う。
「心得ています。」
威津那はそう言って何事もなかったように装う様にお茶を飲んだ。
「うふ、なんか、もう家族の一員見たいねー」
流花は満足げだった。
「そういえば、昨日からお前の式神が屋敷の外を彷徨いていたぞ」
晴綛は朝屋敷の外を妻と散歩をすることが家に帰ってからの日課でその時必死に困ったように彷徨いていたカラスを見つけた。
「ああ!そうでした。住んでいた貸屋から現金と荷物を取りに行かせていたんですよ。でも、どうして入ってこれなかったのかな……?」
「バカタレ、ここはわしの異界じゃ、わしの許可なしに入れるわけなかろう。」
「そ、そうですよね」
阿倍野は特殊な空間で晴綛の許可、もしくは、血族以外は半端の力をもつスパイは異界で彷徨うことになっている。
「もしお前がわしの跡を継いで『阿部野殿』になったら異界の作り方や通じ方を教えてやるぞ」
「お義父さんに勝たなきゃいけないんですよね?」
「そ、そうじゃな、わしに勝てたらな」
お義父さんと言われて、晴綛は照れた。
「うふふ、私のことはお義母さんって言っていいのよ?」
流花は便乗する。
「私のことはアキお義姉様でいいですよ?」
「えー私はミキさんがいいかな?」
「サキ姫で許してあげる」
「あはは…慣れるまで時間かかりそうです…」
調子に乗ると崩されるのは母親の血筋だなぁと、威津那は苦笑した。
「うううぅ、一緒に陰陽寮に行きたかったわ…一週間のお別れね……」
トイレから戻ってきた橘はシャツに半纏をしてモンペ姿でお腹を押さえて青ざめていた。
「橘、無理しなくていいから、安静にしてた方がいいよ」
威津那は本気で心配する。
好きな女が苦しんでいるのは胸が痛いし心配になる。
「ありがとう…威津那が私と結ばれてくれたら十ヶ月は生理ないのに……」
生理痛を恨むあまりそんな言葉が出た。
威津那は言葉の意味を察して顔が赤くなって閉口する。
「うふふ、その反応かわいすぎ…」
橘は、わざとからかったようだ。
「橘、気遣ってくれる殿方をおちょくるのはダメよ。孫は早く見たいけど」
流花もやんわり関係を急かす。
「来年には生理来させないからそれまで我慢しててね」
と威津那は言って最高の笑みをしてあげた。
「うふふふふふふふふふ…痛っ!いたた!」
「ほら、さっさと安静にしてなさい!お姉ちゃんたち、橘を連行して寝かしつけてきて!」
「はーい!」
流花の命令を忠実に聞く三姉は妹を部屋まで連れて行った。
「朝からやかましい家族だろ?」
微笑ましいいつもの日常に晴綛は満足げだった。
「で、カラスが来る事を許可してやるからさっさと荷物を運べ。」
「でも…カラスちゃんなんも持ってる様子なかったわよ?」
「そうなのですか?少し失礼して…」
窓を開けて戻ってくるように念を送ると、カラスが空の異空間から現れて威津那の腕に止まって頬擦りをする。
「よくなれたものだな」
と晴綛は感心する。
「僕の一部でもあるので……なん、だって……」
カラスの報告に威津那は顔を曇らせた。
幸せ気分だった心は冷めて赤い瞳には怒りのオーラが宿った。
「陰陽寮長…また謹慎させてもらうことになります…どうか外出の許可をお許しください……」
だが、秋の時期は宮中は行事で忙しく、陰陽寮は多忙の時期に入ると言う。
初の阿倍野の家で家族団欒し、とても幸せな温かい気分だった。
だが、橘は朝食中突然青ざめてトイレに行ってしまった。
「あ、今日は生理になる日だったわね」
流花はそう言って、ハッとする。
「あら、ごめんなさいねー。うちの家族普通にこう言うこと言っちゃうからー…ねっ、うふふ」
流花は娘の代わりに焦り照れる。
「あはは…いや…女性は大変ですね…」
威津那は苦笑してそういった。
「いやぁぁぁあ!ワンピースがぁぁぁあっ!」
トイレで橘の絶叫が屋敷中に響き渡った。
「あーやっちゃたのね…」
「わかるわー…」
「女の子って辛いわよねー」
三姉妹はうんうんと頷く。
「ま、生理があるから子供が産まれるんだから男は女性を心から労ることが日和男子だぞ。威津那よ」
晴綛は諭すように言う。
「心得ています。」
威津那はそう言って何事もなかったように装う様にお茶を飲んだ。
「うふ、なんか、もう家族の一員見たいねー」
流花は満足げだった。
「そういえば、昨日からお前の式神が屋敷の外を彷徨いていたぞ」
晴綛は朝屋敷の外を妻と散歩をすることが家に帰ってからの日課でその時必死に困ったように彷徨いていたカラスを見つけた。
「ああ!そうでした。住んでいた貸屋から現金と荷物を取りに行かせていたんですよ。でも、どうして入ってこれなかったのかな……?」
「バカタレ、ここはわしの異界じゃ、わしの許可なしに入れるわけなかろう。」
「そ、そうですよね」
阿倍野は特殊な空間で晴綛の許可、もしくは、血族以外は半端の力をもつスパイは異界で彷徨うことになっている。
「もしお前がわしの跡を継いで『阿部野殿』になったら異界の作り方や通じ方を教えてやるぞ」
「お義父さんに勝たなきゃいけないんですよね?」
「そ、そうじゃな、わしに勝てたらな」
お義父さんと言われて、晴綛は照れた。
「うふふ、私のことはお義母さんって言っていいのよ?」
流花は便乗する。
「私のことはアキお義姉様でいいですよ?」
「えー私はミキさんがいいかな?」
「サキ姫で許してあげる」
「あはは…慣れるまで時間かかりそうです…」
調子に乗ると崩されるのは母親の血筋だなぁと、威津那は苦笑した。
「うううぅ、一緒に陰陽寮に行きたかったわ…一週間のお別れね……」
トイレから戻ってきた橘はシャツに半纏をしてモンペ姿でお腹を押さえて青ざめていた。
「橘、無理しなくていいから、安静にしてた方がいいよ」
威津那は本気で心配する。
好きな女が苦しんでいるのは胸が痛いし心配になる。
「ありがとう…威津那が私と結ばれてくれたら十ヶ月は生理ないのに……」
生理痛を恨むあまりそんな言葉が出た。
威津那は言葉の意味を察して顔が赤くなって閉口する。
「うふふ、その反応かわいすぎ…」
橘は、わざとからかったようだ。
「橘、気遣ってくれる殿方をおちょくるのはダメよ。孫は早く見たいけど」
流花もやんわり関係を急かす。
「来年には生理来させないからそれまで我慢しててね」
と威津那は言って最高の笑みをしてあげた。
「うふふふふふふふふふ…痛っ!いたた!」
「ほら、さっさと安静にしてなさい!お姉ちゃんたち、橘を連行して寝かしつけてきて!」
「はーい!」
流花の命令を忠実に聞く三姉は妹を部屋まで連れて行った。
「朝からやかましい家族だろ?」
微笑ましいいつもの日常に晴綛は満足げだった。
「で、カラスが来る事を許可してやるからさっさと荷物を運べ。」
「でも…カラスちゃんなんも持ってる様子なかったわよ?」
「そうなのですか?少し失礼して…」
窓を開けて戻ってくるように念を送ると、カラスが空の異空間から現れて威津那の腕に止まって頬擦りをする。
「よくなれたものだな」
と晴綛は感心する。
「僕の一部でもあるので……なん、だって……」
カラスの報告に威津那は顔を曇らせた。
幸せ気分だった心は冷めて赤い瞳には怒りのオーラが宿った。
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