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阿倍野家の中秋の明月にご招待
4☆繋がり
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「やっぱり今日の月はとても清らかねぇ。」
一通り騒いだあとは、家族と威津那は月を仰ぐ。
夜空を一層明るくてらして、星の小さな煌めきも美しい。
清かに静かで過ごしやすい気温で、鈴虫の音も風情を感じ、都会の開発の音も聞こえない。
ただありのままの存在という神秘さを感じる。
「まるで、威津那みたい……」
橘はそう思ったことを呟いた。
呪詛を扱うだけあって、闇を纏う雰囲気は怖いときもあるけれど、威津那自身この月のように清く輝く魂だと橘は思う。
橘が威津那のことをそう表現するので、流花はジッっと威津那を見る。
全てを見透かすような瞳で、肉体に宿る目に見えぬ魂を見定められていると感じる神そのものの瞳だ。
橘は母が女神といったことは本当だったことを思う。
「そうねぇ。魂は本当に清々しいわよ。この明月のよう……闇に包まれても変わらず美しく輝く魂のようね」
「それは、橘さんが僕の太陽ですからね。だから、僕の魂は今輝いているんです。」
橘がいなくなったらきっと岩戸隠れのよに身も心も闇に包まれるだろう……
「い、威津那ったら、いつも口説くようなこと言うくせに、絶対に手を出さないのよね…そう言うところも誠実で素敵なんだけど……」
晴綛は煙管をふーっと拭いて、じとっと威津那を見て意地悪く笑うと、
「手の出し方を知らんだけじゃろ。
その年で女と交わったことのない、清い体なのだからな」
そう晴綛はバラした。
「………」
威津那は反論する言葉が無かった。
「じゃ、私の胸を触ったのも揉んだのも、私がはじめての相手?」
橘はお酒を飲んでいるせいかはずかしげもなく言う。
(が、家族の前でそんな事を言わないでくれ……頼むから…)
と思いながらあの時のことを思い出すと顔が赤くなる。
威津那はとても恥ずかしいことをしたと思っている。
「そんなことさせる橘はもう、清い体じゃないわね……」
とアキが呆れて言う。
「清いもん!まだ、処女だもん!」
橘は酔っているせいで、子供っぽい。
「処女が、男に胸をさわらせるわけないでしょうが、慎みなさいな!」
ミキも、橘に本気で注意する。
姉たちは常識的で慎み深くてよかったと威津那は思うが、サキは……
「でも、どうせなら初めて同士のほうが変な病気とか貰わなくて良いわよね。何人もの女と寝る男とは私はお断りだわ」
と、はっきりサキは言った。
「それもそうなのよねーっ!清い体の方が安心よね!」
それに、娘みんなで賛同した。
あまりにもお酒が入っているとはいえおおっぴらなガールズトークに口を閉ざす威津那だった。
「清い、清い言わないでください
……なんか、恥ずかしい。」
威津那はいたたまれない。
恥ずかしがる威津那が流石に晴綛は、ニヤニヤしながら、
「恥ずかしくあるものか、わしも、三十路すぎまで清い体だったからこの呪力よ!」
「え?」
橘にどすけべと称されてる晴綛がそんな事をいうので信じられない。
「……わしも、ずっと、流花の事を思っておったんじゃ。」
そう言って流花と目を合わせると、流花は口元を押さえて照れる。
「兄の嫁だから、手を出さない。亡くなって四年立って、この三つ子がおじさんじゃなくて、お父さんになってほしいとせがまれての。」
三人娘はうんうんと同時に頷く。
「幼いながらヤキモキさせられたわー」
と当時のことを思い出し同時に言う。
「そして、流花に襲われて一発で橘ができたんじゃぃ。」
ワシワシと橘の頭を撫でる。
「言い方悪いですわよ?」
流花は晴綛の煙管を取り上げて容赦なく笑顔で脳天をぶっ叩いた。
笑顔で容赦がない。
「わしの呪力も精力を溜めたぶんこの呪力なんだよ。わかるだろ?呪術を扱うものならば……」
晴綛はニヤニヤして言う。
「わ、わかります…!」
威津那は、初めて陰陽寮長の晴綛に尊敬を抱いた。
(自分は遅すぎておかしいのではないか?これでいいのだろうか?)
と密かに思っていたこがおかしくないたことを、陰陽寮長が示してくれたことが、ほっとした。
「まぁ、ワシの場合は妻が初めてじゃ無かったから手取り足取りおしえてもらえたがのぉーっ!」
もう一発煙管を脳天に落とされる。
「まぁ。神誓いするまで、その清い体で、いてもらったほうがいいの…流花も結婚するまで巫女で神誓いをしたからの」
流花が女神だという理由を威津那は理解した。
「威津那は呪詛を扱う禍々しい力はあるが、体も魂も未だ清いことはいいことだぞ。
女経験一切ないから清い体なら、神を降ろすのにちょうどよい。」
『神の化身の器』の話かと威津那は思う。
『神の器』の条件に清いことは絶対のようだ。
「器に…体に神を入れたら橘と結ばれないってことにはならないのですか?」
それでは橘を手に入れられない妻にできない未来になってしまうのは勘弁だ。
「ふふ、大切なものを守りたいと思う気持ちがあれば神は許してくださるわ……国を思う心、陛下を思う心、家族を思う心…恋人を思う心…全ては繋がっているのだから……」
「全てが…繋がっている……?」
国を思う大切な気持ちはあるけれど、威津那の国を守る本心は、西洋に支配されている偽りの平和を壊すことだとおもっていた。
壊すと言うことは……
レッドスパイが志す革命ということは……
心が癒やされる温もりが絶望に変わること……
温かい家族を消し去ること……
みんなの幸せを壊すこと……
家族の温かみなど憧れであって、実際感じたことが無かった威津那はとんでもないことをしようとしていたことに今気がついた……
一通り騒いだあとは、家族と威津那は月を仰ぐ。
夜空を一層明るくてらして、星の小さな煌めきも美しい。
清かに静かで過ごしやすい気温で、鈴虫の音も風情を感じ、都会の開発の音も聞こえない。
ただありのままの存在という神秘さを感じる。
「まるで、威津那みたい……」
橘はそう思ったことを呟いた。
呪詛を扱うだけあって、闇を纏う雰囲気は怖いときもあるけれど、威津那自身この月のように清く輝く魂だと橘は思う。
橘が威津那のことをそう表現するので、流花はジッっと威津那を見る。
全てを見透かすような瞳で、肉体に宿る目に見えぬ魂を見定められていると感じる神そのものの瞳だ。
橘は母が女神といったことは本当だったことを思う。
「そうねぇ。魂は本当に清々しいわよ。この明月のよう……闇に包まれても変わらず美しく輝く魂のようね」
「それは、橘さんが僕の太陽ですからね。だから、僕の魂は今輝いているんです。」
橘がいなくなったらきっと岩戸隠れのよに身も心も闇に包まれるだろう……
「い、威津那ったら、いつも口説くようなこと言うくせに、絶対に手を出さないのよね…そう言うところも誠実で素敵なんだけど……」
晴綛は煙管をふーっと拭いて、じとっと威津那を見て意地悪く笑うと、
「手の出し方を知らんだけじゃろ。
その年で女と交わったことのない、清い体なのだからな」
そう晴綛はバラした。
「………」
威津那は反論する言葉が無かった。
「じゃ、私の胸を触ったのも揉んだのも、私がはじめての相手?」
橘はお酒を飲んでいるせいかはずかしげもなく言う。
(が、家族の前でそんな事を言わないでくれ……頼むから…)
と思いながらあの時のことを思い出すと顔が赤くなる。
威津那はとても恥ずかしいことをしたと思っている。
「そんなことさせる橘はもう、清い体じゃないわね……」
とアキが呆れて言う。
「清いもん!まだ、処女だもん!」
橘は酔っているせいで、子供っぽい。
「処女が、男に胸をさわらせるわけないでしょうが、慎みなさいな!」
ミキも、橘に本気で注意する。
姉たちは常識的で慎み深くてよかったと威津那は思うが、サキは……
「でも、どうせなら初めて同士のほうが変な病気とか貰わなくて良いわよね。何人もの女と寝る男とは私はお断りだわ」
と、はっきりサキは言った。
「それもそうなのよねーっ!清い体の方が安心よね!」
それに、娘みんなで賛同した。
あまりにもお酒が入っているとはいえおおっぴらなガールズトークに口を閉ざす威津那だった。
「清い、清い言わないでください
……なんか、恥ずかしい。」
威津那はいたたまれない。
恥ずかしがる威津那が流石に晴綛は、ニヤニヤしながら、
「恥ずかしくあるものか、わしも、三十路すぎまで清い体だったからこの呪力よ!」
「え?」
橘にどすけべと称されてる晴綛がそんな事をいうので信じられない。
「……わしも、ずっと、流花の事を思っておったんじゃ。」
そう言って流花と目を合わせると、流花は口元を押さえて照れる。
「兄の嫁だから、手を出さない。亡くなって四年立って、この三つ子がおじさんじゃなくて、お父さんになってほしいとせがまれての。」
三人娘はうんうんと同時に頷く。
「幼いながらヤキモキさせられたわー」
と当時のことを思い出し同時に言う。
「そして、流花に襲われて一発で橘ができたんじゃぃ。」
ワシワシと橘の頭を撫でる。
「言い方悪いですわよ?」
流花は晴綛の煙管を取り上げて容赦なく笑顔で脳天をぶっ叩いた。
笑顔で容赦がない。
「わしの呪力も精力を溜めたぶんこの呪力なんだよ。わかるだろ?呪術を扱うものならば……」
晴綛はニヤニヤして言う。
「わ、わかります…!」
威津那は、初めて陰陽寮長の晴綛に尊敬を抱いた。
(自分は遅すぎておかしいのではないか?これでいいのだろうか?)
と密かに思っていたこがおかしくないたことを、陰陽寮長が示してくれたことが、ほっとした。
「まぁ、ワシの場合は妻が初めてじゃ無かったから手取り足取りおしえてもらえたがのぉーっ!」
もう一発煙管を脳天に落とされる。
「まぁ。神誓いするまで、その清い体で、いてもらったほうがいいの…流花も結婚するまで巫女で神誓いをしたからの」
流花が女神だという理由を威津那は理解した。
「威津那は呪詛を扱う禍々しい力はあるが、体も魂も未だ清いことはいいことだぞ。
女経験一切ないから清い体なら、神を降ろすのにちょうどよい。」
『神の化身の器』の話かと威津那は思う。
『神の器』の条件に清いことは絶対のようだ。
「器に…体に神を入れたら橘と結ばれないってことにはならないのですか?」
それでは橘を手に入れられない妻にできない未来になってしまうのは勘弁だ。
「ふふ、大切なものを守りたいと思う気持ちがあれば神は許してくださるわ……国を思う心、陛下を思う心、家族を思う心…恋人を思う心…全ては繋がっているのだから……」
「全てが…繋がっている……?」
国を思う大切な気持ちはあるけれど、威津那の国を守る本心は、西洋に支配されている偽りの平和を壊すことだとおもっていた。
壊すと言うことは……
レッドスパイが志す革命ということは……
心が癒やされる温もりが絶望に変わること……
温かい家族を消し去ること……
みんなの幸せを壊すこと……
家族の温かみなど憧れであって、実際感じたことが無かった威津那はとんでもないことをしようとしていたことに今気がついた……
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