41 / 161
阿倍野家の中秋の明月にご招待
2☆幽霊屋敷?妖怪屋敷?近未来の家?
しおりを挟む
「やっとついたわ。ここよ!私の実家!」
ついたときには日は暮れて、星空と満月が登っていた。
満月じゃなかったら真っ暗な危険な道だったと思う。
だが、そんな心配がないほどに阿倍野家に訪れた威津那は驚愕する。
とても大きい西洋風のお屋敷だった。
しかも、各部屋の電灯が煌々と明るい。
阿倍野の隣の以前お世話になった香茂家も日本庭園ぽい作りで対象的に見えるが隣と言っても距離が離れているので違和感はあまり感じないが、僻地の豪邸という感じがする。
「君…お嬢様だったんだね……全く見えなかったけど……」
威津那はあまりの事にぽかんと口を開けてしまって閉じることを忘れていた。
はっきり言って宮家の邸宅と言っても過言ではない。
「うーん……家が立派なだけで大したことないわよ?」
本心でそう思っているから、桜庭の姫のように気取ったところが無いのかと思う。
むしろ、複雑な表情をしている。
「昔、西洋人がこの土地にこの家を建てたんだけれど、誰も住まなくなって幽霊屋敷となっていたのを、古都から東京に引っ越すために移り住んだのがきっかけなの。」
たしかに、芽維治の時代前まで宮中の中心は古都だった。
その家臣たち全員引っ越しなのだから住むところを探したり作ったりしたことだろう。
僻地ならば、土地を得ることができたのは納得がいく。
更に、昔では珍しい西洋造りの幽霊屋敷だったとは……
「もともと、人が住み着きたがらない土地で、あやかしとつながる不思議な空間もあって、不吉の土地として放置状態なのを阿倍野と香茂で奇麗にして今の状態なのよ。」
という、事に納得はいくが、現実問題……
「こんなに広いとお手入れ大変だろうなぁ….使用人とかもいるの?」
使用人がいないと、すぐにでも幽霊屋敷になりそうだな…と思う。
そんなあやかしだらけの家の使用人も香茂家の使用人のように多少力に自身がある修験者見習いや達人の様な者もいる事を想像するが、
「母様が一人で管理していて屋敷に迷い込んだ妖怪を捕まえて使用人にして庭をきれいにさせたり、父様のからくり式神人形が常に万全を期して屋敷の清潔さを保ってるのよ」
橘はとんでもないことを当然のようにさらっと言ったけれど、
「あと、これはすっごい自慢なんだけど、毎日暖かいお風呂にも入れるのよ!父様自慢の妖術機械装置の風呂釜なの!シャワーも使えるのよ!」
橘は瞳を輝かせて興奮するように自慢した。
「………どんなおうちなんだい……?」
見た目のお屋敷以上に信じられない機能を持った家のようだ。
たまに未来の世界を夢で見ることができる威津那には、百年しないでハイテクになるような日和は見たけれど……その未来が阿倍野屋敷にあると思うと恋人の橘の両親家族にご挨拶という緊張とは違うドキドキワクワクに変わった。
ついたときには日は暮れて、星空と満月が登っていた。
満月じゃなかったら真っ暗な危険な道だったと思う。
だが、そんな心配がないほどに阿倍野家に訪れた威津那は驚愕する。
とても大きい西洋風のお屋敷だった。
しかも、各部屋の電灯が煌々と明るい。
阿倍野の隣の以前お世話になった香茂家も日本庭園ぽい作りで対象的に見えるが隣と言っても距離が離れているので違和感はあまり感じないが、僻地の豪邸という感じがする。
「君…お嬢様だったんだね……全く見えなかったけど……」
威津那はあまりの事にぽかんと口を開けてしまって閉じることを忘れていた。
はっきり言って宮家の邸宅と言っても過言ではない。
「うーん……家が立派なだけで大したことないわよ?」
本心でそう思っているから、桜庭の姫のように気取ったところが無いのかと思う。
むしろ、複雑な表情をしている。
「昔、西洋人がこの土地にこの家を建てたんだけれど、誰も住まなくなって幽霊屋敷となっていたのを、古都から東京に引っ越すために移り住んだのがきっかけなの。」
たしかに、芽維治の時代前まで宮中の中心は古都だった。
その家臣たち全員引っ越しなのだから住むところを探したり作ったりしたことだろう。
僻地ならば、土地を得ることができたのは納得がいく。
更に、昔では珍しい西洋造りの幽霊屋敷だったとは……
「もともと、人が住み着きたがらない土地で、あやかしとつながる不思議な空間もあって、不吉の土地として放置状態なのを阿倍野と香茂で奇麗にして今の状態なのよ。」
という、事に納得はいくが、現実問題……
「こんなに広いとお手入れ大変だろうなぁ….使用人とかもいるの?」
使用人がいないと、すぐにでも幽霊屋敷になりそうだな…と思う。
そんなあやかしだらけの家の使用人も香茂家の使用人のように多少力に自身がある修験者見習いや達人の様な者もいる事を想像するが、
「母様が一人で管理していて屋敷に迷い込んだ妖怪を捕まえて使用人にして庭をきれいにさせたり、父様のからくり式神人形が常に万全を期して屋敷の清潔さを保ってるのよ」
橘はとんでもないことを当然のようにさらっと言ったけれど、
「あと、これはすっごい自慢なんだけど、毎日暖かいお風呂にも入れるのよ!父様自慢の妖術機械装置の風呂釜なの!シャワーも使えるのよ!」
橘は瞳を輝かせて興奮するように自慢した。
「………どんなおうちなんだい……?」
見た目のお屋敷以上に信じられない機能を持った家のようだ。
たまに未来の世界を夢で見ることができる威津那には、百年しないでハイテクになるような日和は見たけれど……その未来が阿倍野屋敷にあると思うと恋人の橘の両親家族にご挨拶という緊張とは違うドキドキワクワクに変わった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
【完結】イケメンイスラエル大使館員と古代ユダヤの「アーク探し」の5日間の某国特殊部隊相手の大激戦!なっちゃん恋愛小説シリーズ第1弾!』
あらお☆ひろ
キャラ文芸
「なつ&陽菜コンビ」にニコニコ商店街・ニコニコプロレスのメンバーが再集結の第1弾!
もちろん、「なっちゃん」の恋愛小説シリーズ第1弾でもあります!
ニコニコ商店街・ニコニコポロレスのメンバーが再集結。
稀世・三郎夫婦に3歳になったひまわりに直とまりあ。
もちろん夏子&陽菜のコンビも健在。
今作の主人公は「夏子」?
淡路島イザナギ神社で知り合ったイケメン大使館員の「MK」も加わり10人の旅が始まる。
ホテルの庭で偶然拾った二つの「古代ユダヤ支族の紋章の入った指輪」をきっかけに、古来ユダヤの巫女と化した夏子は「部屋荒らし」、「ひったくり」そして「追跡」と謎の外人に追われる!
古代ユダヤの支族が日本に持ち込んだとされる「ソロモンの秘宝」と「アーク(聖櫃)」に入れられた「三種の神器」の隠し場所を夏子のお告げと客観的歴史事実を基に淡路、徳島、京都、長野、能登、伊勢とアークの追跡が始まる。
もちろん最後はお決まりの「ドンパチ」の格闘戦!
アークと夏子とMKの恋の行方をお時間のある人はゆるーく一緒に見守ってあげてください!
では、よろひこー (⋈◍>◡<◍)。✧♡!
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!
あさきゆめみし
八神真哉
歴史・時代
山賊に襲われた、わけありの美貌の姫君。
それを助ける正体不明の若き男。
その法力に敵う者なしと謳われる、鬼の法師、酒呑童子。
三者が交わるとき、封印された過去と十種神宝が蘇る。
毎週金曜日更新

(学園 + アイドル ÷ 未成年)× オッサン ≠ いちゃらぶ生活
まみ夜
キャラ文芸
年の差ラブコメ X 学園モノ X オッサン頭脳
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。
子役出身の女優、芸能事務所社長、元セクシー女優なども登場し、学園の日常はハーレム展開?
第二巻は、ホラー風味です。
【ご注意ください】
※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます
※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります
※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます
【連載中】は、短時間で読めるように短い文節ごとでの公開になります。
(お気に入り登録いただけると通知が行き、便利かもです)
その後、誤字脱字修正や辻褄合わせが行われて、合成された1話分にタイトルをつけ再公開されます。
(その前に、仮まとめ版が出る場合もある、かも、しれない、可能性)
物語の細部は連載時と変わることが多いので、二度読むのが通です。
表紙イラストはAI作成です。
(セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)
題名が「(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ」から変更されております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる