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橘の狐の嫁入り
13☆陰陽寮に春芽吹いて☆エンド☆
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三日後。
「僕は宇迦之紺太!陰陽寮に見習いとしてお使いにきました!皆さんこんな僕をよろしくねー!」
紺太は明るく挨拶をした。
「陛下の夢枕にウカ様が現れて、紺太を陰陽寮に入れてくれと頼まれたそうだ。」
晴綛はそう説明して、紺太の頭を撫でる。
娘以外にも同じ半妖が増えて、しかも男の子で気にいった様子だ。
「陛下お墨付きの僕をどうかよろしくね!」
いじめたら、陛下が許さないよ?と言ってるような……
(まさに虎の威を借る狐……)
と橘は思う。
それに、あの時の事を思い出すとあまり近づきたくないなぁ……と思っていたら、
わざと可愛らしくトコトコと橘のそばに近づいて、頭を下げて、
「あのときはごめんね?ほんと子供っぽい事やって…すごく反省してるんだ……本当にごめんなさい。これだけは橘に謝りたかったんだぁ……」
紺太はうるうると瞳を潤ませて耳と尻尾を、下げて反省している。
謝られると橘もあのときのことは水に流すことができそうだ。
「うん、もう、あんなこと私にしたらだめよ?」
「うん!やらないよ!、絶対…」
威津那が黒い羽をチラつかせながら微笑んでいたので冷や汗をかきながら宣言した。
威津那は、良い考えを閃いた顔をして、橘と紺太に、エンガチョで悪縁を切るのをやらせる。
両の人差し指を出させてくっつけさせて、紺太が、手刀で指の間を切り、橘もそれをやった。
「で、これってなんなの?」
橘と紺太は首を傾げて威津那に聞く。
「これは戦国の世から続く悪縁切りの呪法だよ。」
威津那は屈託なく微笑んだ。
何かスッキリしたというかんじだ。
「そんなのしなくても、もう手を出さないし……」
紺太はむすーとして、威津那をみる。
むしろ威津那とエンガチョをしたい。
そして、威津那は橘に小指をからませると自らの唇に持っていき軽く口づけをする。
橘は顔を真っ赤にする。
「僕にもやって…」
橘もキスをする……
目には見えないが恋人の赤い糸を強くする呪いのように見える。
そして二人ははばかりもせず見つめ合って、二人だけの世界を作り出す。
帰ってきてからこの調子だ。
職員たちは見てみぬふりをして仕事にかかる。
そんな様子をみた新人職員の紺太は白い目で
「仕事中、人前で恥ずかしくないの?」
冷静に突っ込んだ。
「狐たちの前でおっぱいもんだあんたに言われたくないわよ!」
やはり、あのときの怒りは流せないらしい。
言霊に出すほうが恥ずかしいからと思いながらも威津那の冷たいオーラに紺太はビビる。
「そうだ、威津那、結婚したら、ちゃんと、威津那から触ってくれる?」
ふと、思い出しついでに言ってみた。
「いや、その、それは、あの…あ、当たり前だけど……」
いざとなる事を考えると威津那は戸惑うし、最悪、本心を隠して真逆な事を言って怒らせてしまう。
「まぁ、とりあえず仕事しよう、仕事…」
そう言って自分の持ち場に行ってしまった。
「威津那っていつもは言葉では甘いことやるのに、いざってなると乙女のように純粋なのよね……」
橘はため息を吐いたが、そこが新たな威津那の素敵なところだと思う。
「もう、橘から襲っちゃえばー?」
紺太は呆れていった。
陰陽寮長は、紺太の仕事を四神のあやかしの任を任せようと考えながらとりあえず、
「紺太は、高良と同い年だし、仲良くしてやれ」
「はい。わかりました。」
冷静な高良と明るい紺太は意外とはやく仲良くなった。
親友と言えるほどに。
陰陽寮は仕事ばかりではなく、恋の花も咲けば友情の絆も、深めていく雰囲気が混沌の世から十年経ってやっと緑が芽吹いてきたな…と晴綛はしみじみと思うのだった。
「僕は宇迦之紺太!陰陽寮に見習いとしてお使いにきました!皆さんこんな僕をよろしくねー!」
紺太は明るく挨拶をした。
「陛下の夢枕にウカ様が現れて、紺太を陰陽寮に入れてくれと頼まれたそうだ。」
晴綛はそう説明して、紺太の頭を撫でる。
娘以外にも同じ半妖が増えて、しかも男の子で気にいった様子だ。
「陛下お墨付きの僕をどうかよろしくね!」
いじめたら、陛下が許さないよ?と言ってるような……
(まさに虎の威を借る狐……)
と橘は思う。
それに、あの時の事を思い出すとあまり近づきたくないなぁ……と思っていたら、
わざと可愛らしくトコトコと橘のそばに近づいて、頭を下げて、
「あのときはごめんね?ほんと子供っぽい事やって…すごく反省してるんだ……本当にごめんなさい。これだけは橘に謝りたかったんだぁ……」
紺太はうるうると瞳を潤ませて耳と尻尾を、下げて反省している。
謝られると橘もあのときのことは水に流すことができそうだ。
「うん、もう、あんなこと私にしたらだめよ?」
「うん!やらないよ!、絶対…」
威津那が黒い羽をチラつかせながら微笑んでいたので冷や汗をかきながら宣言した。
威津那は、良い考えを閃いた顔をして、橘と紺太に、エンガチョで悪縁を切るのをやらせる。
両の人差し指を出させてくっつけさせて、紺太が、手刀で指の間を切り、橘もそれをやった。
「で、これってなんなの?」
橘と紺太は首を傾げて威津那に聞く。
「これは戦国の世から続く悪縁切りの呪法だよ。」
威津那は屈託なく微笑んだ。
何かスッキリしたというかんじだ。
「そんなのしなくても、もう手を出さないし……」
紺太はむすーとして、威津那をみる。
むしろ威津那とエンガチョをしたい。
そして、威津那は橘に小指をからませると自らの唇に持っていき軽く口づけをする。
橘は顔を真っ赤にする。
「僕にもやって…」
橘もキスをする……
目には見えないが恋人の赤い糸を強くする呪いのように見える。
そして二人ははばかりもせず見つめ合って、二人だけの世界を作り出す。
帰ってきてからこの調子だ。
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そんな様子をみた新人職員の紺太は白い目で
「仕事中、人前で恥ずかしくないの?」
冷静に突っ込んだ。
「狐たちの前でおっぱいもんだあんたに言われたくないわよ!」
やはり、あのときの怒りは流せないらしい。
言霊に出すほうが恥ずかしいからと思いながらも威津那の冷たいオーラに紺太はビビる。
「そうだ、威津那、結婚したら、ちゃんと、威津那から触ってくれる?」
ふと、思い出しついでに言ってみた。
「いや、その、それは、あの…あ、当たり前だけど……」
いざとなる事を考えると威津那は戸惑うし、最悪、本心を隠して真逆な事を言って怒らせてしまう。
「まぁ、とりあえず仕事しよう、仕事…」
そう言って自分の持ち場に行ってしまった。
「威津那っていつもは言葉では甘いことやるのに、いざってなると乙女のように純粋なのよね……」
橘はため息を吐いたが、そこが新たな威津那の素敵なところだと思う。
「もう、橘から襲っちゃえばー?」
紺太は呆れていった。
陰陽寮長は、紺太の仕事を四神のあやかしの任を任せようと考えながらとりあえず、
「紺太は、高良と同い年だし、仲良くしてやれ」
「はい。わかりました。」
冷静な高良と明るい紺太は意外とはやく仲良くなった。
親友と言えるほどに。
陰陽寮は仕事ばかりではなく、恋の花も咲けば友情の絆も、深めていく雰囲気が混沌の世から十年経ってやっと緑が芽吹いてきたな…と晴綛はしみじみと思うのだった。
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