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橘の狐の嫁入り
3☆母の流花
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「お姉ちゃんたちにもいい人がいればねぇ…」
橘は屋敷に帰って母の流花に結婚式用の振袖を着付けをしてもらった。
母の流花はいつ見ても美しく神の化身であるがために品がある。
美男の父様と並ぶとお似合いの夫婦でイザナギとイザナミの夫婦神のようだとよく言われている。
本来は宮中の巫女でもあったが、阿部野に嫁ぎ宮中の鬼門を守っている。
陰陽寮長として忙しい夫の代わりもして、西洋風の屋敷には時たま神やあやかしがお客として泊まる事もあるのだ。
人の道を通らなくても宮中と阿部野屋敷を繋いで帰れるようになっているのは流花と神誓いしているルカの神のお陰である。
癖っ毛の髪の毛に母が趣味で作っている、つまみ細工の髪飾りをつけてもらい化粧もしてもらい鏡を見るといつもよりかわいい姿に満足する。
なんとなくお淑やかな女性らしいお嬢様に見える。
(威津那が見たらどう思うかな…?威津那の感想が聞きたいけれどなんか気恥ずかしい……いつも普段の私とは違うから……)
橘はにやにやが止まらない。
流花は自分の娘の可愛さと、自分の美的センスに、ふふんとドヤ顔している。渾身の出来らしい。
母の流花は人一倍器用だ。
「四人とも私に似て美人さんなのに、みんな行き遅れは悲しいわね……」
橘の上の姉は五歳上の三つ子で、父の兄の子供だ。
のちに、晴綛と結ばれて今に至る。
「お母さんの時は十五、六が多かったかもしれないけど、今は時代が違うよ!」
と橘は抗議する。
「アキ、ミキ、サキ、にも言われたわ。」
と言ってため息を吐かれた。
三人の姉は自立してそれぞれ仕事を持っている。
学校教師、美容師、花道香道師範とそれぞれ独立している今時の働く女性だった。
三つ子は阿部野の娘といえど、妖怪に関わることを避けている。
家族以外の妖怪とは関わりたくないと早々に家を出たのは良いがいい人が見つからなかった。
「でも、橘は…好きな人出会えたんですってね?」
母はにやにやして聞いてくる。
「もう、お付き合いしているの?」
「まだ正式にお付き合いしてないけど……」
好きだと伝えてあるけれど、威津那は、ちゃんとした返事をしていないし、まだ信用はできない人だけど……
お付き合いしたいと橘は思っている。
「口付けと、おっぱい触らせてあげた」
「………は?」
恥ずかしげもなく橘は言った。
母はしばらく、うーん…と考えて
「それはもう子作りしてるってことかしら?」
「し、してないわ!父様が男を落とすには口付けとおっぱい揉ませることが一番だって……母様もそれで父様を落としたんでしょ?」
橘は純粋のまだ乙女のようだ。
「あんのどすけべ……!娘になんてこと教えてんのよ……帰ってきたらお仕置き決定ねぇ………!」
母は声を地を這うかの如く低くして荒御魂をヤマタノオロチの頭の如くゆらめかせていた。
その様子を見ると女としてやっては行けないことをやはりやってしまったのかと思うと恥ずかしくなった。
母様と一緒に父様にお仕置きしようと決めた。
「いい?乙女ならば女から誘っちゃダメよ!……はしたない事なんだからね」
「母様は?母様から誘ったから半妖な私ができたんだよね?」
橘は証拠だというように自らに指をさす。
「わ、私は再婚だからいいのっ!」
純粋な娘に質問されると恥ずかしい流花だった。
「ウカ様は縁結びの神様でもあるから、お姉さんたちと橘の恋の縁結びをお願いすれば良いわよ」
橘は狐耳をピンと立てて、
「そうね!そうしてみるわ!」
縁結びの神様でもあるウカ様にお願いすれば良いという事を聞いて尚更狐の嫁入りに行くことが楽しみになった。
橘は屋敷に帰って母の流花に結婚式用の振袖を着付けをしてもらった。
母の流花はいつ見ても美しく神の化身であるがために品がある。
美男の父様と並ぶとお似合いの夫婦でイザナギとイザナミの夫婦神のようだとよく言われている。
本来は宮中の巫女でもあったが、阿部野に嫁ぎ宮中の鬼門を守っている。
陰陽寮長として忙しい夫の代わりもして、西洋風の屋敷には時たま神やあやかしがお客として泊まる事もあるのだ。
人の道を通らなくても宮中と阿部野屋敷を繋いで帰れるようになっているのは流花と神誓いしているルカの神のお陰である。
癖っ毛の髪の毛に母が趣味で作っている、つまみ細工の髪飾りをつけてもらい化粧もしてもらい鏡を見るといつもよりかわいい姿に満足する。
なんとなくお淑やかな女性らしいお嬢様に見える。
(威津那が見たらどう思うかな…?威津那の感想が聞きたいけれどなんか気恥ずかしい……いつも普段の私とは違うから……)
橘はにやにやが止まらない。
流花は自分の娘の可愛さと、自分の美的センスに、ふふんとドヤ顔している。渾身の出来らしい。
母の流花は人一倍器用だ。
「四人とも私に似て美人さんなのに、みんな行き遅れは悲しいわね……」
橘の上の姉は五歳上の三つ子で、父の兄の子供だ。
のちに、晴綛と結ばれて今に至る。
「お母さんの時は十五、六が多かったかもしれないけど、今は時代が違うよ!」
と橘は抗議する。
「アキ、ミキ、サキ、にも言われたわ。」
と言ってため息を吐かれた。
三人の姉は自立してそれぞれ仕事を持っている。
学校教師、美容師、花道香道師範とそれぞれ独立している今時の働く女性だった。
三つ子は阿部野の娘といえど、妖怪に関わることを避けている。
家族以外の妖怪とは関わりたくないと早々に家を出たのは良いがいい人が見つからなかった。
「でも、橘は…好きな人出会えたんですってね?」
母はにやにやして聞いてくる。
「もう、お付き合いしているの?」
「まだ正式にお付き合いしてないけど……」
好きだと伝えてあるけれど、威津那は、ちゃんとした返事をしていないし、まだ信用はできない人だけど……
お付き合いしたいと橘は思っている。
「口付けと、おっぱい触らせてあげた」
「………は?」
恥ずかしげもなく橘は言った。
母はしばらく、うーん…と考えて
「それはもう子作りしてるってことかしら?」
「し、してないわ!父様が男を落とすには口付けとおっぱい揉ませることが一番だって……母様もそれで父様を落としたんでしょ?」
橘は純粋のまだ乙女のようだ。
「あんのどすけべ……!娘になんてこと教えてんのよ……帰ってきたらお仕置き決定ねぇ………!」
母は声を地を這うかの如く低くして荒御魂をヤマタノオロチの頭の如くゆらめかせていた。
その様子を見ると女としてやっては行けないことをやはりやってしまったのかと思うと恥ずかしくなった。
母様と一緒に父様にお仕置きしようと決めた。
「いい?乙女ならば女から誘っちゃダメよ!……はしたない事なんだからね」
「母様は?母様から誘ったから半妖な私ができたんだよね?」
橘は証拠だというように自らに指をさす。
「わ、私は再婚だからいいのっ!」
純粋な娘に質問されると恥ずかしい流花だった。
「ウカ様は縁結びの神様でもあるから、お姉さんたちと橘の恋の縁結びをお願いすれば良いわよ」
橘は狐耳をピンと立てて、
「そうね!そうしてみるわ!」
縁結びの神様でもあるウカ様にお願いすれば良いという事を聞いて尚更狐の嫁入りに行くことが楽しみになった。
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