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あやかしと神様と子供たちの海水浴
10☆海底の星
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葛葉子は人魚の足を楽しむ。
人魚の足だが自分の人間の足のように動かすことができた。
野薔薇と薫も泳ぐことを楽しむ。
二人も人魚の足になってすぐに馴染んで海を泳ぐ。
「私から離れちゃダメだよ!何があるか分からないからね」
と、葛葉子は二人のことを注意するし、監視をする。
野薔薇と薫は離れないように手を繋いで葛葉子が目の届く範囲で泳ぐが、突然エイが子供たちと葛葉子の間を泳いだ。
二人は固まる。だけど、すごい間近で見れた事に胸がドキドキと高鳴る。
それはアドレナリンが分泌されて興奮する。
あやかしの気配を纏う三人に海の猛獣や毒がある生き物は避けて通るし、呼吸ができて、葛葉子たちも間近安全に見ることができる。
とても満足だ。
本能で危険な生き物には近づこうとは思わない葛葉子と野薔薇だが、薫だけは平気でサメや亀に近づいて喜んでいた。
葛葉子はあわてて薫を脇に抱えて、野薔薇の手を引き海を泳ぐ。
「夢じゃないんでつよね?これ…楽しいでつね!薫くん葛葉子おばちゃん!」
野薔薇が、興奮しているのが伝わる。
「野薔薇ちゃんがちゃんと案内してくれたからこんな素敵な光景が見れたんだよ、ありがとう」
そう言って頭を撫でる。
「そんなことないでつよーえへへ」
照れる野薔薇は可愛い。
子供は桂と薫だけで充分だが、女の子も可愛いし欲しいと思ってしまう。
それかまできない分野薔薇を可愛がる。
昔の事を思い出す。
学校のプールで犬かきしか出来なかった葛葉子が海の中だが空を飛んでいる感覚で泳げて楽しかった。
スイスイと泳げる体験が出来るのは楽しくも貴重な体験だ。
それは菊も同じようで、空は無限の星々が宙を流れるが海には生命力が溢れ天と地と海の違いを知ることに心浮かれていた。
菊は狐であるので大抵の陸や空の出来事は知る事あったが、海を知ることは、幼子が色んなことを夢中になって吸収するように楽しんでいる。
それは薫や野薔薇の年頃に戻ったようだった。
それはもう一人子供を抱えている感覚に等しいと葛葉子は思う……
しかも自分の心と同調するから厄介だ。
《どうせなら奥の方まで潜ってみないか?》
海の中など千年以上存在していて初めてじゃ!
菊はワクワクが止まらない子供のようだ。
この感覚や心浮かれる菊の心は前にも経験したことがある。
また十年前のことを思い出す。
雪女に攫われてろくな事が無かった……
「ダメだよ菊、危険かもしれないよ。」
《誓約があるから大丈夫。お前はまだ死ぬことは無い。》
また同じことを理由に体を乗っ取る気だ。
瑠香が傍にいたら絶対に阻止をしていただろう。
「今は薫や野薔薇ちゃんがいるんだから菊の無茶はダメ!」
《ちっ、ガキ共など瑠香に押し付けておけばよかったのだ…》
と、菊はそこは後悔していた。
「かーたん!野薔薇!星が光ってる」
光が届かない闇の海底にキラキラと輝く星が見えた。
真っ暗な空間から助けを求めるようなチカチカという光にも見える。
それは宇宙のように遠い場所にあるのだろうか……?
それとも結構手の届くものなのだろうか?
距離の感覚が全くわからない……
そんな危険な光に近づきたくないが興味はとてつもなく惹かれる。
《葛葉子、体を借りるぞ……ふふ、そういう運命か……ルカの神が気前がいいはずだ》
そういって菊は問答無用で葛葉子の体を操り星に向かって泳ぎ出した。
「手のひらサイズの星?」
星は海底の岩に軽く挟まっていただけ、取れるよう引っ張ったらすぐに取れた。
それは、ひし形のくちばしみたいな形のものだった。
試しに口に被せようとしたら、
《他のあやかしになってしまうからやめておけ。子どもたちにもやらせるな》
葛葉子を、待つ子どもたちのもとに泳ぎ戻る。
「くちばしの真似をしたら呪われるらしいからやっちゃだめだよ?」
そういうと、子供たちは警戒して葛葉子の手のひらでそれを見るだけにした。
«葛葉子、来てくれ。人魚の恋が叶いそうだ»
式神うさぎから瑠香の伝言が伝わった。
人魚の足だが自分の人間の足のように動かすことができた。
野薔薇と薫も泳ぐことを楽しむ。
二人も人魚の足になってすぐに馴染んで海を泳ぐ。
「私から離れちゃダメだよ!何があるか分からないからね」
と、葛葉子は二人のことを注意するし、監視をする。
野薔薇と薫は離れないように手を繋いで葛葉子が目の届く範囲で泳ぐが、突然エイが子供たちと葛葉子の間を泳いだ。
二人は固まる。だけど、すごい間近で見れた事に胸がドキドキと高鳴る。
それはアドレナリンが分泌されて興奮する。
あやかしの気配を纏う三人に海の猛獣や毒がある生き物は避けて通るし、呼吸ができて、葛葉子たちも間近安全に見ることができる。
とても満足だ。
本能で危険な生き物には近づこうとは思わない葛葉子と野薔薇だが、薫だけは平気でサメや亀に近づいて喜んでいた。
葛葉子はあわてて薫を脇に抱えて、野薔薇の手を引き海を泳ぐ。
「夢じゃないんでつよね?これ…楽しいでつね!薫くん葛葉子おばちゃん!」
野薔薇が、興奮しているのが伝わる。
「野薔薇ちゃんがちゃんと案内してくれたからこんな素敵な光景が見れたんだよ、ありがとう」
そう言って頭を撫でる。
「そんなことないでつよーえへへ」
照れる野薔薇は可愛い。
子供は桂と薫だけで充分だが、女の子も可愛いし欲しいと思ってしまう。
それかまできない分野薔薇を可愛がる。
昔の事を思い出す。
学校のプールで犬かきしか出来なかった葛葉子が海の中だが空を飛んでいる感覚で泳げて楽しかった。
スイスイと泳げる体験が出来るのは楽しくも貴重な体験だ。
それは菊も同じようで、空は無限の星々が宙を流れるが海には生命力が溢れ天と地と海の違いを知ることに心浮かれていた。
菊は狐であるので大抵の陸や空の出来事は知る事あったが、海を知ることは、幼子が色んなことを夢中になって吸収するように楽しんでいる。
それは薫や野薔薇の年頃に戻ったようだった。
それはもう一人子供を抱えている感覚に等しいと葛葉子は思う……
しかも自分の心と同調するから厄介だ。
《どうせなら奥の方まで潜ってみないか?》
海の中など千年以上存在していて初めてじゃ!
菊はワクワクが止まらない子供のようだ。
この感覚や心浮かれる菊の心は前にも経験したことがある。
また十年前のことを思い出す。
雪女に攫われてろくな事が無かった……
「ダメだよ菊、危険かもしれないよ。」
《誓約があるから大丈夫。お前はまだ死ぬことは無い。》
また同じことを理由に体を乗っ取る気だ。
瑠香が傍にいたら絶対に阻止をしていただろう。
「今は薫や野薔薇ちゃんがいるんだから菊の無茶はダメ!」
《ちっ、ガキ共など瑠香に押し付けておけばよかったのだ…》
と、菊はそこは後悔していた。
「かーたん!野薔薇!星が光ってる」
光が届かない闇の海底にキラキラと輝く星が見えた。
真っ暗な空間から助けを求めるようなチカチカという光にも見える。
それは宇宙のように遠い場所にあるのだろうか……?
それとも結構手の届くものなのだろうか?
距離の感覚が全くわからない……
そんな危険な光に近づきたくないが興味はとてつもなく惹かれる。
《葛葉子、体を借りるぞ……ふふ、そういう運命か……ルカの神が気前がいいはずだ》
そういって菊は問答無用で葛葉子の体を操り星に向かって泳ぎ出した。
「手のひらサイズの星?」
星は海底の岩に軽く挟まっていただけ、取れるよう引っ張ったらすぐに取れた。
それは、ひし形のくちばしみたいな形のものだった。
試しに口に被せようとしたら、
《他のあやかしになってしまうからやめておけ。子どもたちにもやらせるな》
葛葉子を、待つ子どもたちのもとに泳ぎ戻る。
「くちばしの真似をしたら呪われるらしいからやっちゃだめだよ?」
そういうと、子供たちは警戒して葛葉子の手のひらでそれを見るだけにした。
«葛葉子、来てくれ。人魚の恋が叶いそうだ»
式神うさぎから瑠香の伝言が伝わった。
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