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あやかしと神様と子供たちの海水浴
4☆ロマンチックな夜空と異界のあやかし
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子供達をうさぎのお守りに命じた。
危機が起こった時に直ぐに瑠香に伝えてくれ、多少は守ってくれる手のひらサイズの最強マスコット式神だ。
夫婦の久々なデートに、子供たちが付いてこないための対策だった。
☆
上弦の月が夜空に浮かび、星々が小さくキラキラと輝く。
都会では見られない天の川が空に広がる。
海の地平線から光が溢れだしているみたいで幻想的だ。
さざ波が押し返し、心地よい波の音が響く。
葛葉子と瑠香以外にもカップルがこの幻想的な夜空を堪能し、肩を寄せて愛を語り合っていた。
子供が来ては行けない、恋人のみのルールがあるため、けたたましく興奮する子供の声は一切しない。
本来ならば、夜は立ち入り禁止の砂浜だが海にさえ近ずかなければは入っても良いと許可されている。
マッチョな漢がイベント管理人らしき海の家の管理人が二十人待機している。
しっかりと住所と名前も記入する係もマッチョだ。
葛葉子は夜でも目立つ白い百合の花を逆さにしたようなワンピースを着てお嬢様に見える。
誕生日に買ってもらったサファイアの、ネックレスが月の光に輝いて、あやかしの葛葉子は純粋な乙女のようでもあり、女性としての色気が増していつも夫である瑠香は魅了される。
(何よりも葛葉子が、一番綺麗で美しい……)
昼のような混雑した浜辺ではなく、人のいない浜辺は独特感がある。
さらに、足が砂に埋もれる感覚を遠慮なく楽しめた。
子供の手前はしゃぐことをひかえていたが、夜のために魂の中にいる菊もこの感覚を楽しんでいるのを感じる。
「足もとに気をつけろ、ガラス瓶や危険なものがあるかもしれない」
瑠香は慎重に足元を見ているのはそのためだった。
「私の足より空を見ようよ。綺麗だよ。」
「オレは葛葉子の綺麗な足に傷をつけるのはやだ」
瑠香はそれほどまでに葛葉子を愛している。
「その気持ちは嬉しいけど夜の海の神秘さを一緒に楽しみたいのに……」
葛葉子はムッとする。
「ムードか?背負って歩こうか?お姫様抱っこがいいか?」
そのまま危険な海から退場しそうだ。
葛葉子に目を向けない男なんていなくて、よそ見をした彼氏達を睨む彼女達がいた。
瑠香は葛葉子の手を取って恋人繋ぎをして並んで歩いて空を見上げる。
三日月に天の川を時たま隠す薄雲に、ホテルの夜景の明かり。
暗闇に灯る光はどれも幻想的すぎて見とれる。
「瑠香、今回夏休みに海に連れてきてくれてありがとう……」
葛葉子はニパッと微笑み、瞳はいつもキラキラと星が輝いているほど美しいと思う。
その輝きが、今日はさらに増している。
「みんなが満足ならそれでいい」
瑠香はそう言って、微笑む。
月明かりに照らされる瑠香の顔は美しい。
子供たちがいないので、名前で自然に呼びあうと結婚する前の気分になる。
「こういうのって久しぶりだね。子育てで、外で二人っきりになるのなかったかも……山とか遊園地で子供たちと遊ぶのは楽しいけど」
「そうだな。やっと子供たちも大きくなってくれてオレたちに時間をくれるしな」
しみじみと桂の大人の対応と成長に感謝する。
「海も初めてだし、静かな夜空を砂浜で見上げながらを寄り添って歩くのもなんかドキドキする。」
葛葉子は少し照れながら言った。
そんな葛葉子は可愛いし愛おしすぎる。
「夫婦じゃなくて恋人に戻った気分か?」
瑠香にとってはどちらも愛おしさは変わらないが、プラトニックな気持ちなのだろうか?
こんなに人がいなければ、浜辺で押し倒してみたかった。
「ううん。なんか、もっと、艶っぽい純粋な気持ち」
どこからか、美しい切ない歌声が聞こえる……
それは、優しい歌声で、この海のためにCDを流しているのだろうか……
それにしても透き通っていて機械音がしない……
ただ、隣にいる瑠香を、葛葉子を、とても切なく愛おしく思う。
今すぐにひとつに溶け合いたいくらいに切なく焦る思い……
それは、葛葉子の寿命の短さをさらに、切なく悲しく切り裂く思いのように時がおしく感じるほどに……
葛葉子も、あまりの胸の痛さに涙が溢れ出し、瑠香を見つめて、どちらともなく唇を何度も何度も重ねて、深いキスを繰り返す。
周りに人がいると思うと、キスをするのをはばかる葛葉子は少し気になって周りを見ると人が一人もいない。
さらに、周りの光が水中に揺れている。
何かが、おかしい……
私の異界でキスをしたね!?
歌声が一瞬止まったかと思うと、嬉嬉として喜ぶ美しい声が大きく響いた。
瑠香も、異変に気づき葛葉子を抱きしめて辺りを警戒して分析する
「あやかしの、異界か……」
《ほう、普通の人間ではないとは思ったが直ぐにみやぶるとはなぁ……》
闇のような岩陰から、水かきのような手を表す。
そして、ニヤリと耳までの三日月の口をニヤけて、金の瞳を光らせて、体を宙に浮かせて回転する。
その姿は人魚だった。
しっぽの色は輝くピンクの色、髪は緑色。
耳は大きな水かきのような形。
西洋の童話の人魚姫そのものだった。
闇の岩に腰を下ろして、香茂夫婦を指さす。特に葛葉子の方を……
《私の願いを叶えるために、その足を貰うよ……》
危機が起こった時に直ぐに瑠香に伝えてくれ、多少は守ってくれる手のひらサイズの最強マスコット式神だ。
夫婦の久々なデートに、子供たちが付いてこないための対策だった。
☆
上弦の月が夜空に浮かび、星々が小さくキラキラと輝く。
都会では見られない天の川が空に広がる。
海の地平線から光が溢れだしているみたいで幻想的だ。
さざ波が押し返し、心地よい波の音が響く。
葛葉子と瑠香以外にもカップルがこの幻想的な夜空を堪能し、肩を寄せて愛を語り合っていた。
子供が来ては行けない、恋人のみのルールがあるため、けたたましく興奮する子供の声は一切しない。
本来ならば、夜は立ち入り禁止の砂浜だが海にさえ近ずかなければは入っても良いと許可されている。
マッチョな漢がイベント管理人らしき海の家の管理人が二十人待機している。
しっかりと住所と名前も記入する係もマッチョだ。
葛葉子は夜でも目立つ白い百合の花を逆さにしたようなワンピースを着てお嬢様に見える。
誕生日に買ってもらったサファイアの、ネックレスが月の光に輝いて、あやかしの葛葉子は純粋な乙女のようでもあり、女性としての色気が増していつも夫である瑠香は魅了される。
(何よりも葛葉子が、一番綺麗で美しい……)
昼のような混雑した浜辺ではなく、人のいない浜辺は独特感がある。
さらに、足が砂に埋もれる感覚を遠慮なく楽しめた。
子供の手前はしゃぐことをひかえていたが、夜のために魂の中にいる菊もこの感覚を楽しんでいるのを感じる。
「足もとに気をつけろ、ガラス瓶や危険なものがあるかもしれない」
瑠香は慎重に足元を見ているのはそのためだった。
「私の足より空を見ようよ。綺麗だよ。」
「オレは葛葉子の綺麗な足に傷をつけるのはやだ」
瑠香はそれほどまでに葛葉子を愛している。
「その気持ちは嬉しいけど夜の海の神秘さを一緒に楽しみたいのに……」
葛葉子はムッとする。
「ムードか?背負って歩こうか?お姫様抱っこがいいか?」
そのまま危険な海から退場しそうだ。
葛葉子に目を向けない男なんていなくて、よそ見をした彼氏達を睨む彼女達がいた。
瑠香は葛葉子の手を取って恋人繋ぎをして並んで歩いて空を見上げる。
三日月に天の川を時たま隠す薄雲に、ホテルの夜景の明かり。
暗闇に灯る光はどれも幻想的すぎて見とれる。
「瑠香、今回夏休みに海に連れてきてくれてありがとう……」
葛葉子はニパッと微笑み、瞳はいつもキラキラと星が輝いているほど美しいと思う。
その輝きが、今日はさらに増している。
「みんなが満足ならそれでいい」
瑠香はそう言って、微笑む。
月明かりに照らされる瑠香の顔は美しい。
子供たちがいないので、名前で自然に呼びあうと結婚する前の気分になる。
「こういうのって久しぶりだね。子育てで、外で二人っきりになるのなかったかも……山とか遊園地で子供たちと遊ぶのは楽しいけど」
「そうだな。やっと子供たちも大きくなってくれてオレたちに時間をくれるしな」
しみじみと桂の大人の対応と成長に感謝する。
「海も初めてだし、静かな夜空を砂浜で見上げながらを寄り添って歩くのもなんかドキドキする。」
葛葉子は少し照れながら言った。
そんな葛葉子は可愛いし愛おしすぎる。
「夫婦じゃなくて恋人に戻った気分か?」
瑠香にとってはどちらも愛おしさは変わらないが、プラトニックな気持ちなのだろうか?
こんなに人がいなければ、浜辺で押し倒してみたかった。
「ううん。なんか、もっと、艶っぽい純粋な気持ち」
どこからか、美しい切ない歌声が聞こえる……
それは、優しい歌声で、この海のためにCDを流しているのだろうか……
それにしても透き通っていて機械音がしない……
ただ、隣にいる瑠香を、葛葉子を、とても切なく愛おしく思う。
今すぐにひとつに溶け合いたいくらいに切なく焦る思い……
それは、葛葉子の寿命の短さをさらに、切なく悲しく切り裂く思いのように時がおしく感じるほどに……
葛葉子も、あまりの胸の痛さに涙が溢れ出し、瑠香を見つめて、どちらともなく唇を何度も何度も重ねて、深いキスを繰り返す。
周りに人がいると思うと、キスをするのをはばかる葛葉子は少し気になって周りを見ると人が一人もいない。
さらに、周りの光が水中に揺れている。
何かが、おかしい……
私の異界でキスをしたね!?
歌声が一瞬止まったかと思うと、嬉嬉として喜ぶ美しい声が大きく響いた。
瑠香も、異変に気づき葛葉子を抱きしめて辺りを警戒して分析する
「あやかしの、異界か……」
《ほう、普通の人間ではないとは思ったが直ぐにみやぶるとはなぁ……》
闇のような岩陰から、水かきのような手を表す。
そして、ニヤリと耳までの三日月の口をニヤけて、金の瞳を光らせて、体を宙に浮かせて回転する。
その姿は人魚だった。
しっぽの色は輝くピンクの色、髪は緑色。
耳は大きな水かきのような形。
西洋の童話の人魚姫そのものだった。
闇の岩に腰を下ろして、香茂夫婦を指さす。特に葛葉子の方を……
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