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愛しの息子の名前

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「桂と薫って女の子でも使えていい名前だよね。」
 改めて愛しの息子達の名前が素敵だと葛葉子は思う。
「でも、僕の名前、頭のカツラってバカにされてあんまり好きじゃない……かも……」
 桂は少し困ったようにそういった。
「そうなのか?その言ったやつの名前教えてくれ……とーさんが締めてきてやるから……」
 瑠香は荒御魂オーラを背後に背負い本気だった。
「だ、大丈夫だよ!カツラとしか思えないなんて、低脳のガキなんだから!」
 桂は慌ててそう言った。
 口が悪いのは瑠香に似ている。
 桂はそこを直そうと努力して言わないようにしているのは知ってるので葛葉子は叱らない。
「女の子だったらどんな名前考えてたの?」
 薫は首を傾げて疑問を口にする。
「それは、女の子だったら
桂子かつらこ
薫子かおるこだぞ?
葛葉子に似ていて可愛いだろ!お揃いで。」
 父の瑠香は自慢げに胸を張りそう言い、
「男の子だから仕方ないから子をとっただけ。」
 と女の子だったらこういう名前もいいなぁと思って考えていたらしい。
「ふーん。女の子のほうがやっぱ欲しかったんだ……。」
 と桂に冷たい視線で見られる。
「いや、男の子でよかったよ。
もっと束縛してたぞ。」
 ポンっと桂の頭に手を乗せてそのまま撫でながらしみじみ言った。
(それはそうかも……)
 今だって、もう十歳になるのにトイレに行くのですらなぜだか一緒についてくるのに女の子だったらと思うと……変態な父親になりかねない。
 桂は父の束縛に正直、辟易していた。
「男の子に生まれてほんっと良かった!」
 と本心から言って、
「桂って名前付けてくれてありがとう。とーさん。」
 満面の葛葉子に似た笑い方でそう言われて思わず瑠香は愛しの息子をぎゅーーっと抱きしめた。
「とーさん、俺もっ!」
 薫はヤキモチを焼いて父の背中に抱きつく。
 そんな様子を葛葉子は見てとても幸せに思う。
 今日も素敵な宝物の日々を送れたことに感謝したことを日記に書き込むのだった。
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