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ユニークボスと道化
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作者はMMOをかなりやってたんですが攻略頑張ってた特別なボスとか横取りというか先に越されたら気持ちのやり場が無くてあんなふうにキレる気持ちはよく分かります
ーーーーーーーーーーーーー
目に見えない根っこを地面から伝わる振動と勘を頼りに避けつつ 全力で近づく
「っ!?枝も!?」
するとエルダートレントは枝をこちらに何十本も伸ばして貫こうとしてくるので紙一重で避ける
無数の枝と根っこを避け エルダートレントに近づく
根っこや枝が放たれた地面は見るも無惨にぐちゃぐちゃにされてたので当たったら無事ではすまないだろう
「気休めかもしれないけど!!」
火魔法の【ファイヤーボール】を詠唱し2つ発動させこちらに攻撃してくる枝に放つ
『ッ!?』
すると案の定 引火したのでその隙を狙いつつ博士お手製のワイヤーをエルダートレントの頂点部分に引っ掛け巻きとる
その勢いのままエルダートレントの目?の部分を軍刀で斬り裂く
『ッ!!?ッ!!!』
「暴れないで...じゃないと..上手く斬れない」
軍刀に魔力を流し込む
「わっ!?」
すると軍刀が淡い光で包まれる
「よく分からないけど..斬る」
エルダートレントの枝をどんどん切り落としていく
スパスパと切れていく姿は実に快感
だが流石にやり過ぎたのかエルダートレントがかなり暴れだしたので距離を取る
「...枝が再生してる」
切り落とした枝がまた生えてきている それにエルダートレント自体も何かが変わった
そういえば...
『RPGのボスっつーのはな 第二形態や第三形態があるのがお約束だ こうなったら攻撃力や防御力が上がったり新しい技を使ってくる用になる』
ジルがそんなことを言っていた覚えがある
そう考えてると
「ッ!!!」
直感で横に大きく避ける
先の何倍も早く根っこと枝が私がさっきまで居た場所を貫いていた
「...第二形態...ってとこかな?」
このボスが形態をどれくらい持ってるかは知らないけど
「ただ倒すのみ」
そう思い近づこうとすると
『!!!!!』
エルダートレントが何かスキルを使った
「? 」
すると地面から...複数体のトレントが現れた
「...ズルい」
1vs1だったのに...
「なら私も遠慮しない」
さっきより物量が多くなった枝や根っこを避けつつトレントを処理していく
トレント自体はそんなに強くないので火魔法で簡単に倒せる
だけど問題はエルダートレント
「シッ!!」
こちらの斬撃や魔法は向こうの放つ闇魔法で相殺されてしまう
「どうしよう...」
スターレイトトレントみたいな弱点も無い
目を狙おうにもさっき攻撃したからか一段と警戒されている
ならば相手が予想しない行動を取ろう
エルダートレントの枝や根っこを使用した攻撃はいわば自分から攻撃される場所を出してるようなもの
そこを狙う
『!!』
エルダートレントの枝がこちらを貫かんと迫ってくる
それを避けつつ 枝を斬り裂..けなかった
「えっ!?」
さっきより強度が増してるのか博士お手製の軍刀は枝の途中で止まってしまった
「ってわっ!?」
エルダートレントは軍刀ごと私を枝で振り回し始めた
「きゃあああああああ!!?」
軍刀がすっぽ抜け私は近くにあった木に叩きつけられる
「痛た...まさかあんなに硬いなんて...」
軍刀に魔力は流し込んでたし【魔化】も使っていたのに...
持久戦は些か分が悪い 明確に即座に大打撃を与えられる技がこちらには無い
強いて言うなら最後の手段である...拳銃とスナイパーライフル
その中でもスナイパーライフルは博士お手製のとっておきの弾丸をまだ使っていない
とりあえず拳銃を重点に使おう スナイパーライフルはこの敵相手にはリスクがありすぎる
こちらが攻撃方法を変えるのを悟ったのかエルダートレントは複数の枝を纏めて貫く攻撃から魔法を使用して巨大な弦のようなものでこちらを貫いてこようとしてきた
「むしろチャンス」
私は弦を右に避けその巨大な弦に乗っかって走り抜ける
拳銃を発砲しながらこちらを貫こうとする枝を今度は左に避け 魔法はこちらの魔法で相殺する
「右、左、ジャンプ、仰け反って、くるりんぱ、また右」
段々とリズムのように敵の攻撃を避けれるようになってきた
この調子で距離を詰める
ある程度距離を詰めたら高く跳躍しエルダートレントの目に向けて弾丸の雨を浴びせる
同じ方向からだと防がれるのでワイヤーで移動しながら射撃を行う
勿論 エルダートレントは防ごうとするが何十と様々な方向から飛来する弾丸を完璧に防ぐことは出来ない
案の定 何発か目に入ったのか悶絶しており 一瞬だけど攻撃が止む
「今だっ!!」
スナイパーライフルを取りだし お手製の弾丸を込め狙い撃つ
場所は...眉間
人間であれば即死の場所
「これで終わり」
お手製の弾丸は白い軌道を残しながらエルダートレントに着弾
そして..爆発した
「わぁ...」
何とか地面に着地する
すると
『ワールドアナウンス!!黒夢の森のユニークボス【黒夢】のエルダートレントが討伐されました』
『報酬を付与します 』
宝箱が出たので中身を確認せず全部仕舞う
「はぁ...はぁ...」
アドレナリンが出てたのか分からないが疲れがどっと身体を襲ってくる
魔力はカラカラ
もう立つ気力もない
そんな時
「なっ...」
「倒されてる...」
「彼奴の仕業か?」
謎の集団がやってきた...身なりを見るに..プレイヤーだろうか?
彼らは恐らく攻略組と呼ばれるプレイヤーの最前線にいる人物達だ
ならここに居るのはマズイ
今の私は弱っている 倒される可能性が高い
「はぁ...はぁ...」
「ったくここまで来たのに横取りだァ!?許せねぇなぁ...俺らがこんだけ努力してきたのによォ!!!」
「待て!!レグルス!!」
男の放った矢が私の左肩に突き刺さる
「うっ...」
「離せ!!彼奴を殺らなきゃ気がすまねぇ!!こいつらの!!仲間の時間を無駄に帰しやがった野郎を!!!」
「馬鹿野郎!!何をしてるんだ!!あんな幼い少女を!!」
「そうよ!!ごめんね!今回復魔法をかけるから...」
何か口論をしている...頭がクラクラする...
貧血なのだろうか...
『おやぁ..これはこれは..中々面白い状況だ』
貴方は...誰?
『私ですか?今はそんなのどうでもいい...悔しくないのですか?』
え...?
『姉に褒められる為 来たのは夥しい魔物蔓延る森 果てしない激戦の上 主を倒すも後から来た者に横取り』
確かに...悔しいし...許せない
「許せない...」
「えっ?」
「何がゆるせないだ あぁ?!!横取りしやがってよ!!俺らがどれだけ時間かけたのか分かってんのか!?」
『そうでしょう!そうでしょう!自身の手柄を奪う不届き者には罰を与えねば行けません!』
彼奴らに...奪われる訳にはいかない...
「貴方達に...絶対に奪わせない...!!」
「ちょ、ちょっと待って!!悪いのは此奴だから!!一旦 落ち着きましょう?」
『ならば契約です 汝 我が【愚者】のアルカナと契約を結ばん 見せてみよ 己の信念に従い たとえどれだけ打ちのめされ心折られようが貫いてみせる...己の意志の強さを!!』
良いよ...構わない...今は此奴らに負けなければいい..!!
「此奴らに負けなければいい...」
『我が名は"クラウン" この退屈な世界に変革を齎し光を魅せる者』
私の名は 己龍 大切な者を守り抜きこの世界を楽しむ者
『さぁさぁ!!契約も済みました!!それではいざ晴れ舞台と行きましょう!!』
途端に激痛が頭に走り 頭を抱えてしまう
「うっ...ああっ...」
「なんだ?様子がおかしいぞ?」
「だ、大丈夫か!?君!!」
目立たずに行動する?それも良いかもしれない
でもどちらにしろこうやって目立ってしまう
お姉ちゃんや有栖 時雨のような美人な人達と関わってたら尚更
なら..今この場で 隠れるのを止めよう
本当の私も...第2の私も...全てを1つの仮面として 彼女らを守る為に 幸せを作る為に どれだけの困難 障害 それがたとえ神であろうと 彼女らに害をなすものは排除する 私の生きる意味であり 私の光だ
この身が腐り果てようと 朽ち落ちようと 光を守る為の闇に私はなる
そう決意した私は身につけているいつの間にか変わったピエロの紋章が刻まれた仮面に手をかける
「くっ..あぁ...いくよ...【道化】!!!」
仮面を勢いよく外すと同時に大量の血が飛び出る
「なっ...」
「様子がおかしい...あれはなんだ!?」
「何かのイベントか!?」
「あはっ..」
「っ!?」
「なんだこの悪寒は...?」
「あはははははっ!!!」
私の身体を蒼い炎が覆っていく
私の身体の何かが作り替えられていく
身長 髪色 服装 武器 人格 何もかも
「あはは...人の手柄を奪うとは...よろしくありませんね?」
炎が私の中に消えていったあと
そこに居たのは 赤と緑の髪に道化師の衣装
そして...ピエロの仮面を身に付けた謎の人物だった
「なっ...」
「なんだあれは..見たことがない...」
「あんなの初めて...」
「くっ...何が起こったか知らねぇがしねぇっ!!」
放たれる矢を私は片手でキャッチする
「なっ!?」
「おやぁ...いけませんよ?まだ話の途中ですのに...まったく...あの激戦を制した勝者を横から討ち取るなんて美しくない...エンターテインメント性が無い!!そんな事をした貴女方に魅せてあげましょう 貴方達のような手柄を横から掻っ攫う賊とは違う真の勝者の力を!!」
『プレイヤー キリューがユニークボス:【道化】として君臨しました このアナウンスはプレイヤー キリューにしか聞こえていません』
『レイドボス【道化】が出現しました』
「なっ!?」
「レイドボスだって!?」
「あんな少女が...?」
「ちっ...だがいい 倒す理由が出来たもんなぁ!!!」
「Ladies and gentleman!!今宵始まりますは美しい演武劇 悪しき賊とそれを打ち倒す道化師の圧倒的な戦いでございます 舞台は月明かり照らす静かな森 残念ながら観客のお方は居られません...さぁ始めましょう!この愉快な演武劇を!!」
「さっきからごちゃごちゃうるせぇなぁ!!」
「さぁ まず最初に戦いますのは 不届き者である弓使いの盗賊でございます!!」
無数に放たれた矢はまるで手品のように道化師が被っているシルクハットに吸い込まれて消えていった
「なっ!?」
「さぁ 次に皆様にお見せしますのは美しい白鳩でございます!!是非ご覧あれ!」
そのシルクハットから物凄い数の白鳩が飛び出てきて弓使いを襲う
白鳩は弓使いに体当たりをし 嘴で突き刺し 視界を白で埋め尽くす
「なっ..がぁっ!?」
「レグルス!!?くっ...皆!!戦うしかない!!」
白鳩を斬り落としつつ【剣聖】と呼ばれたプレイヤーは【道化】を切り裂こうとするが
「さぁ踊りましょう!!」
「なっ!?」
【道化】は跳躍して剣を避け 剣の上でタップダンスを踊り出した
「舐めないで!!」
魔法が何発も放たれるもそれは【道化】が華麗に振り抜いたトランプによってかき消される
「嘘でしょ!?」
「ざーんねんながら真でございます!!」
【剣聖】による剣の猛攻をトランプを使って片手でいなしながら【道化】はニヤリと笑う
「隙ありっ!!」
その瞬間【剣聖】は【道化】を斬り裂いた...と思いきや その身体はトランプに変わり身体を構成していたトランプがパラパラと落ちていく
「嘘っ!?」
「さぁ お次はお手玉でございます!!」
何処から出したのか分からない大玉に乗りながら【道化】は3つの..爆弾をお手玉しながら【剣聖】達に近づいていく
「どっから出したのよ!!!」
「めちゃくちゃ過ぎる」
「勝てねぇ...」
「おやぁ?どうやら演武劇はもう終幕の予感がしますね..ならば最後は派手に飾りましょう!!」
手に持っていた爆弾を【剣聖】達に投げ 今度は何処からか取り出した投げナイフを使い
爆弾に向かって投げる
「マズイ!!全員防御体制!!」
「それでは終幕です!!」
大きな爆発を起こし 【剣聖】達は光の粒子となって消えていった..
「それではまたお会いしましょう」
そうして悪しき賊を下した【道化】は優雅にお辞儀をして何処かへと去って行った
「.....貴方は...何者?」
『私ですか?私の名は【道化】!【愚者】のアルカナでございます 可愛らしいお嬢さん』
「アルカナ...?聖霊みたいなもの?」
『概ねその認識で間違いはありません 聖霊とアルカナ これらは同じ存在ですから!』
「..ならカイザーやエルメス ハーミットと同じ?」
『勿論です!まさかその御三方と?』
「契約はしてない 貴方が初めて」
『これはこれは!何たる光栄!!貴方様の初めての契約がこの私であることに この道化 感激でございます!!』
今 疲れて座っている私の目の前に居るのは赤と緑の光を放つ聖霊
どうやら天使召喚で身体を得たエルメス達とら違い 本来はこっちの姿みたい
「身体...要る?」
『もしかして下さるのですか?』
「帰ったらだけど...多分出来る」
『おお!!それは素晴らしい!!この私の長年の夢が叶いそうで嬉しく思います!!』
「それは良かった 」
『ですが私の事よりもまずは戦利品を確認しては如何でしょうか?』
「..それもそうだね じゃあ確認する」
初回ボス討伐報酬 ボス討伐報酬 ユニークボス初回討伐報酬 ユニークボス討伐報酬があるみたい それに加えてユニークボスの素材だ
これは博士にあげよう
初回ボス討伐報酬は杖だった
詳細を見たいけど 私はそういうスキルを持ってなかったのでSPを20使って【鑑定】を習得して見る
エルダートレントの杖
土魔法と闇魔法に補正が掛る大きな木の杖
【鑑定】の熟練度が低いから情報が全然出ない...戻ったら博士に見てもらおう
次にボス討伐報酬は木の指輪だった
魔力の指輪
装備者の魔力のステータスに+2
純粋なステータス強化をしてくれる装備だった だけどこっちも説明欄が見れるだけで装備の詳細は分からない
『そちらの指輪ですが左手の薬指に付けてはいかがでしょうか?』
「ん、わかった」
指輪を装備しつつ次の戦利品確認に移る
次にユニークボス初回討伐報酬だ
これはスキルオーブだった
と言っても見た目から判断しただけではあるが
『おや...これはまた珍しい...』
「なんのスキルか分かるの?」
『ええ、勿論 お教えしましょうか?』
「いや..面白くないから良い」
『ふふ...それでこそ私の契約者です さぁ!早速使ってみましょう!!』
「ん」
スキルオーブを使うと
『特殊スキル【無詠唱】を習得しました』
「無詠唱...魔法の詠唱が必要ない?」
【無詠唱】
一部の魔法を除き詠唱の必要が無くなる また一部の魔法は詠唱短縮が可能となる
『その通りです 普通は【詠唱短縮】から進化させるのですが...スキルオーブとして見るのは非常に珍しい』
「珍しいんだ...」
それにしても強そう
最後にユニークボス討伐報酬だけど...
「これは...」
黒夢の弓
黒夢の森の主の素材で作られた強力な弓
「む...内容が分からない」
『おや...お嬢さんはまだ【鑑定】を習得したてでしたか』
「帰ったら博士に見てもらう」
『では帰りましょう』
私は戦利品の確認を終えたので【道化】と一緒に研究所へと戻った
ーーーーーーーーーーーーーー
実は裏話でユニークボスの【黒夢】のエルダートレントはキリューに何回も状態異常である夢見 というのを掛けていたがキリューのステータスの精神ステータスが高かった為 レジストされていた...というオチです
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目に見えない根っこを地面から伝わる振動と勘を頼りに避けつつ 全力で近づく
「っ!?枝も!?」
するとエルダートレントは枝をこちらに何十本も伸ばして貫こうとしてくるので紙一重で避ける
無数の枝と根っこを避け エルダートレントに近づく
根っこや枝が放たれた地面は見るも無惨にぐちゃぐちゃにされてたので当たったら無事ではすまないだろう
「気休めかもしれないけど!!」
火魔法の【ファイヤーボール】を詠唱し2つ発動させこちらに攻撃してくる枝に放つ
『ッ!?』
すると案の定 引火したのでその隙を狙いつつ博士お手製のワイヤーをエルダートレントの頂点部分に引っ掛け巻きとる
その勢いのままエルダートレントの目?の部分を軍刀で斬り裂く
『ッ!!?ッ!!!』
「暴れないで...じゃないと..上手く斬れない」
軍刀に魔力を流し込む
「わっ!?」
すると軍刀が淡い光で包まれる
「よく分からないけど..斬る」
エルダートレントの枝をどんどん切り落としていく
スパスパと切れていく姿は実に快感
だが流石にやり過ぎたのかエルダートレントがかなり暴れだしたので距離を取る
「...枝が再生してる」
切り落とした枝がまた生えてきている それにエルダートレント自体も何かが変わった
そういえば...
『RPGのボスっつーのはな 第二形態や第三形態があるのがお約束だ こうなったら攻撃力や防御力が上がったり新しい技を使ってくる用になる』
ジルがそんなことを言っていた覚えがある
そう考えてると
「ッ!!!」
直感で横に大きく避ける
先の何倍も早く根っこと枝が私がさっきまで居た場所を貫いていた
「...第二形態...ってとこかな?」
このボスが形態をどれくらい持ってるかは知らないけど
「ただ倒すのみ」
そう思い近づこうとすると
『!!!!!』
エルダートレントが何かスキルを使った
「? 」
すると地面から...複数体のトレントが現れた
「...ズルい」
1vs1だったのに...
「なら私も遠慮しない」
さっきより物量が多くなった枝や根っこを避けつつトレントを処理していく
トレント自体はそんなに強くないので火魔法で簡単に倒せる
だけど問題はエルダートレント
「シッ!!」
こちらの斬撃や魔法は向こうの放つ闇魔法で相殺されてしまう
「どうしよう...」
スターレイトトレントみたいな弱点も無い
目を狙おうにもさっき攻撃したからか一段と警戒されている
ならば相手が予想しない行動を取ろう
エルダートレントの枝や根っこを使用した攻撃はいわば自分から攻撃される場所を出してるようなもの
そこを狙う
『!!』
エルダートレントの枝がこちらを貫かんと迫ってくる
それを避けつつ 枝を斬り裂..けなかった
「えっ!?」
さっきより強度が増してるのか博士お手製の軍刀は枝の途中で止まってしまった
「ってわっ!?」
エルダートレントは軍刀ごと私を枝で振り回し始めた
「きゃあああああああ!!?」
軍刀がすっぽ抜け私は近くにあった木に叩きつけられる
「痛た...まさかあんなに硬いなんて...」
軍刀に魔力は流し込んでたし【魔化】も使っていたのに...
持久戦は些か分が悪い 明確に即座に大打撃を与えられる技がこちらには無い
強いて言うなら最後の手段である...拳銃とスナイパーライフル
その中でもスナイパーライフルは博士お手製のとっておきの弾丸をまだ使っていない
とりあえず拳銃を重点に使おう スナイパーライフルはこの敵相手にはリスクがありすぎる
こちらが攻撃方法を変えるのを悟ったのかエルダートレントは複数の枝を纏めて貫く攻撃から魔法を使用して巨大な弦のようなものでこちらを貫いてこようとしてきた
「むしろチャンス」
私は弦を右に避けその巨大な弦に乗っかって走り抜ける
拳銃を発砲しながらこちらを貫こうとする枝を今度は左に避け 魔法はこちらの魔法で相殺する
「右、左、ジャンプ、仰け反って、くるりんぱ、また右」
段々とリズムのように敵の攻撃を避けれるようになってきた
この調子で距離を詰める
ある程度距離を詰めたら高く跳躍しエルダートレントの目に向けて弾丸の雨を浴びせる
同じ方向からだと防がれるのでワイヤーで移動しながら射撃を行う
勿論 エルダートレントは防ごうとするが何十と様々な方向から飛来する弾丸を完璧に防ぐことは出来ない
案の定 何発か目に入ったのか悶絶しており 一瞬だけど攻撃が止む
「今だっ!!」
スナイパーライフルを取りだし お手製の弾丸を込め狙い撃つ
場所は...眉間
人間であれば即死の場所
「これで終わり」
お手製の弾丸は白い軌道を残しながらエルダートレントに着弾
そして..爆発した
「わぁ...」
何とか地面に着地する
すると
『ワールドアナウンス!!黒夢の森のユニークボス【黒夢】のエルダートレントが討伐されました』
『報酬を付与します 』
宝箱が出たので中身を確認せず全部仕舞う
「はぁ...はぁ...」
アドレナリンが出てたのか分からないが疲れがどっと身体を襲ってくる
魔力はカラカラ
もう立つ気力もない
そんな時
「なっ...」
「倒されてる...」
「彼奴の仕業か?」
謎の集団がやってきた...身なりを見るに..プレイヤーだろうか?
彼らは恐らく攻略組と呼ばれるプレイヤーの最前線にいる人物達だ
ならここに居るのはマズイ
今の私は弱っている 倒される可能性が高い
「はぁ...はぁ...」
「ったくここまで来たのに横取りだァ!?許せねぇなぁ...俺らがこんだけ努力してきたのによォ!!!」
「待て!!レグルス!!」
男の放った矢が私の左肩に突き刺さる
「うっ...」
「離せ!!彼奴を殺らなきゃ気がすまねぇ!!こいつらの!!仲間の時間を無駄に帰しやがった野郎を!!!」
「馬鹿野郎!!何をしてるんだ!!あんな幼い少女を!!」
「そうよ!!ごめんね!今回復魔法をかけるから...」
何か口論をしている...頭がクラクラする...
貧血なのだろうか...
『おやぁ..これはこれは..中々面白い状況だ』
貴方は...誰?
『私ですか?今はそんなのどうでもいい...悔しくないのですか?』
え...?
『姉に褒められる為 来たのは夥しい魔物蔓延る森 果てしない激戦の上 主を倒すも後から来た者に横取り』
確かに...悔しいし...許せない
「許せない...」
「えっ?」
「何がゆるせないだ あぁ?!!横取りしやがってよ!!俺らがどれだけ時間かけたのか分かってんのか!?」
『そうでしょう!そうでしょう!自身の手柄を奪う不届き者には罰を与えねば行けません!』
彼奴らに...奪われる訳にはいかない...
「貴方達に...絶対に奪わせない...!!」
「ちょ、ちょっと待って!!悪いのは此奴だから!!一旦 落ち着きましょう?」
『ならば契約です 汝 我が【愚者】のアルカナと契約を結ばん 見せてみよ 己の信念に従い たとえどれだけ打ちのめされ心折られようが貫いてみせる...己の意志の強さを!!』
良いよ...構わない...今は此奴らに負けなければいい..!!
「此奴らに負けなければいい...」
『我が名は"クラウン" この退屈な世界に変革を齎し光を魅せる者』
私の名は 己龍 大切な者を守り抜きこの世界を楽しむ者
『さぁさぁ!!契約も済みました!!それではいざ晴れ舞台と行きましょう!!』
途端に激痛が頭に走り 頭を抱えてしまう
「うっ...ああっ...」
「なんだ?様子がおかしいぞ?」
「だ、大丈夫か!?君!!」
目立たずに行動する?それも良いかもしれない
でもどちらにしろこうやって目立ってしまう
お姉ちゃんや有栖 時雨のような美人な人達と関わってたら尚更
なら..今この場で 隠れるのを止めよう
本当の私も...第2の私も...全てを1つの仮面として 彼女らを守る為に 幸せを作る為に どれだけの困難 障害 それがたとえ神であろうと 彼女らに害をなすものは排除する 私の生きる意味であり 私の光だ
この身が腐り果てようと 朽ち落ちようと 光を守る為の闇に私はなる
そう決意した私は身につけているいつの間にか変わったピエロの紋章が刻まれた仮面に手をかける
「くっ..あぁ...いくよ...【道化】!!!」
仮面を勢いよく外すと同時に大量の血が飛び出る
「なっ...」
「様子がおかしい...あれはなんだ!?」
「何かのイベントか!?」
「あはっ..」
「っ!?」
「なんだこの悪寒は...?」
「あはははははっ!!!」
私の身体を蒼い炎が覆っていく
私の身体の何かが作り替えられていく
身長 髪色 服装 武器 人格 何もかも
「あはは...人の手柄を奪うとは...よろしくありませんね?」
炎が私の中に消えていったあと
そこに居たのは 赤と緑の髪に道化師の衣装
そして...ピエロの仮面を身に付けた謎の人物だった
「なっ...」
「なんだあれは..見たことがない...」
「あんなの初めて...」
「くっ...何が起こったか知らねぇがしねぇっ!!」
放たれる矢を私は片手でキャッチする
「なっ!?」
「おやぁ...いけませんよ?まだ話の途中ですのに...まったく...あの激戦を制した勝者を横から討ち取るなんて美しくない...エンターテインメント性が無い!!そんな事をした貴女方に魅せてあげましょう 貴方達のような手柄を横から掻っ攫う賊とは違う真の勝者の力を!!」
『プレイヤー キリューがユニークボス:【道化】として君臨しました このアナウンスはプレイヤー キリューにしか聞こえていません』
『レイドボス【道化】が出現しました』
「なっ!?」
「レイドボスだって!?」
「あんな少女が...?」
「ちっ...だがいい 倒す理由が出来たもんなぁ!!!」
「Ladies and gentleman!!今宵始まりますは美しい演武劇 悪しき賊とそれを打ち倒す道化師の圧倒的な戦いでございます 舞台は月明かり照らす静かな森 残念ながら観客のお方は居られません...さぁ始めましょう!この愉快な演武劇を!!」
「さっきからごちゃごちゃうるせぇなぁ!!」
「さぁ まず最初に戦いますのは 不届き者である弓使いの盗賊でございます!!」
無数に放たれた矢はまるで手品のように道化師が被っているシルクハットに吸い込まれて消えていった
「なっ!?」
「さぁ 次に皆様にお見せしますのは美しい白鳩でございます!!是非ご覧あれ!」
そのシルクハットから物凄い数の白鳩が飛び出てきて弓使いを襲う
白鳩は弓使いに体当たりをし 嘴で突き刺し 視界を白で埋め尽くす
「なっ..がぁっ!?」
「レグルス!!?くっ...皆!!戦うしかない!!」
白鳩を斬り落としつつ【剣聖】と呼ばれたプレイヤーは【道化】を切り裂こうとするが
「さぁ踊りましょう!!」
「なっ!?」
【道化】は跳躍して剣を避け 剣の上でタップダンスを踊り出した
「舐めないで!!」
魔法が何発も放たれるもそれは【道化】が華麗に振り抜いたトランプによってかき消される
「嘘でしょ!?」
「ざーんねんながら真でございます!!」
【剣聖】による剣の猛攻をトランプを使って片手でいなしながら【道化】はニヤリと笑う
「隙ありっ!!」
その瞬間【剣聖】は【道化】を斬り裂いた...と思いきや その身体はトランプに変わり身体を構成していたトランプがパラパラと落ちていく
「嘘っ!?」
「さぁ お次はお手玉でございます!!」
何処から出したのか分からない大玉に乗りながら【道化】は3つの..爆弾をお手玉しながら【剣聖】達に近づいていく
「どっから出したのよ!!!」
「めちゃくちゃ過ぎる」
「勝てねぇ...」
「おやぁ?どうやら演武劇はもう終幕の予感がしますね..ならば最後は派手に飾りましょう!!」
手に持っていた爆弾を【剣聖】達に投げ 今度は何処からか取り出した投げナイフを使い
爆弾に向かって投げる
「マズイ!!全員防御体制!!」
「それでは終幕です!!」
大きな爆発を起こし 【剣聖】達は光の粒子となって消えていった..
「それではまたお会いしましょう」
そうして悪しき賊を下した【道化】は優雅にお辞儀をして何処かへと去って行った
「.....貴方は...何者?」
『私ですか?私の名は【道化】!【愚者】のアルカナでございます 可愛らしいお嬢さん』
「アルカナ...?聖霊みたいなもの?」
『概ねその認識で間違いはありません 聖霊とアルカナ これらは同じ存在ですから!』
「..ならカイザーやエルメス ハーミットと同じ?」
『勿論です!まさかその御三方と?』
「契約はしてない 貴方が初めて」
『これはこれは!何たる光栄!!貴方様の初めての契約がこの私であることに この道化 感激でございます!!』
今 疲れて座っている私の目の前に居るのは赤と緑の光を放つ聖霊
どうやら天使召喚で身体を得たエルメス達とら違い 本来はこっちの姿みたい
「身体...要る?」
『もしかして下さるのですか?』
「帰ったらだけど...多分出来る」
『おお!!それは素晴らしい!!この私の長年の夢が叶いそうで嬉しく思います!!』
「それは良かった 」
『ですが私の事よりもまずは戦利品を確認しては如何でしょうか?』
「..それもそうだね じゃあ確認する」
初回ボス討伐報酬 ボス討伐報酬 ユニークボス初回討伐報酬 ユニークボス討伐報酬があるみたい それに加えてユニークボスの素材だ
これは博士にあげよう
初回ボス討伐報酬は杖だった
詳細を見たいけど 私はそういうスキルを持ってなかったのでSPを20使って【鑑定】を習得して見る
エルダートレントの杖
土魔法と闇魔法に補正が掛る大きな木の杖
【鑑定】の熟練度が低いから情報が全然出ない...戻ったら博士に見てもらおう
次にボス討伐報酬は木の指輪だった
魔力の指輪
装備者の魔力のステータスに+2
純粋なステータス強化をしてくれる装備だった だけどこっちも説明欄が見れるだけで装備の詳細は分からない
『そちらの指輪ですが左手の薬指に付けてはいかがでしょうか?』
「ん、わかった」
指輪を装備しつつ次の戦利品確認に移る
次にユニークボス初回討伐報酬だ
これはスキルオーブだった
と言っても見た目から判断しただけではあるが
『おや...これはまた珍しい...』
「なんのスキルか分かるの?」
『ええ、勿論 お教えしましょうか?』
「いや..面白くないから良い」
『ふふ...それでこそ私の契約者です さぁ!早速使ってみましょう!!』
「ん」
スキルオーブを使うと
『特殊スキル【無詠唱】を習得しました』
「無詠唱...魔法の詠唱が必要ない?」
【無詠唱】
一部の魔法を除き詠唱の必要が無くなる また一部の魔法は詠唱短縮が可能となる
『その通りです 普通は【詠唱短縮】から進化させるのですが...スキルオーブとして見るのは非常に珍しい』
「珍しいんだ...」
それにしても強そう
最後にユニークボス討伐報酬だけど...
「これは...」
黒夢の弓
黒夢の森の主の素材で作られた強力な弓
「む...内容が分からない」
『おや...お嬢さんはまだ【鑑定】を習得したてでしたか』
「帰ったら博士に見てもらう」
『では帰りましょう』
私は戦利品の確認を終えたので【道化】と一緒に研究所へと戻った
ーーーーーーーーーーーーーー
実は裏話でユニークボスの【黒夢】のエルダートレントはキリューに何回も状態異常である夢見 というのを掛けていたがキリューのステータスの精神ステータスが高かった為 レジストされていた...というオチです
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