負け犬からの遠吠え。

１吠え～

持っていたDVDを全て割ったー……。


そんな事がなぜ起こったのかというと、それは深いわけがあったのです。

ある意味それは仕方ない事であり、またある意味それは狂気だったのかもしれません。

ここでいうDVDとは、市販の録画用のDVDの事です。

DVDに録画が出来るDVDレコーダーという物が初めて世に出た頃、
うちではなぜかそれを手に入れる事が出来たのです。
なので市販の録画用DVDも買った。それも出始めの頃だったので、
高かった。
そのDVDで好きな歌手の出てる歌番組とか録画しまくっていた。
まだアナログ放送なのが懐かしい。

で、録画したのを繰り返し見るわけです。
もう頭の中でそのシーンを全て振り返られる位。
出演者がこういう表情でこういったとか、
カット割りはこうだったとか、頭の中で再生出来るのです。

しかし、好きで録画したものでも、繰り返し見ていると
マンネリになってくる。
果ては、好きな歌手の嫌な部分が出てきてしまう。
そして、
最大の問題は、自分の人生が上手くいっていない時と
重なったという事であるー……。

１５年ほど前の事です。
非常にネガティブな時がありました。
どうにか状態を変えたい。でも変える術を知らない。
それで結局何に意識が向かったかというと、
身近な部屋の物でした。

同じ映像を繰り返し見てるなんて、
本当お前はよくやるよ、何て自虐的な気分もありました。

それと、あるミュージシャンが多感な時期今まで好きだった
レコードを全部割ったというエピソードを思い出しました。

そうだ！自分を変えるにはこれしかない！！
今の自分からの脱却だ！！
そんな事を本気で思っていました。

それで見事に録画していたDVDは捨ててしまったのですが、
今になって後悔が押し寄せてくるのです。

映像なんて、またどっかで見れると楽観的だったのが
迂闊でした。
というのも、私が録画した映像は、どマイナーな部類だったのです。
地方のローカル番組、CD５０００枚位しか売ってない
アーティスト等……。
一部の人しか見てない番組だったのです。
当然、１５年たった今、過去録画したのと同じ映像は
見られていません。

後悔後に立たずー……。

一時のイライラで衝動的になったのが愚かというか。
また、自虐的にならず、自分を許してあげれば
こうはならなかったはずです。

もし、その割ったDVDを保管して今に引き継いでいれば、
きっと今の私は過去の私に「お前、よくやったな！」と言っているでしょう。

といっても、その当時は
それで仕方がなかった、とも思いますし、
過去の自分を責めているわけではありません。
ただ、買い替えのきかないものは、大事に取っておく事を
おすすめする。
これは自分に言っているのですがー……。