"Welcome, Another World Traveler!”

温州ミカン

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part[6/-?]

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title #3
"Welcome, Mr. Another World!OYOYO ”

part[6/-?]




「こんだけステータスが……成績が揃ってると契約してって事務所が多いから、学校とハロワによく相談しないと駄目ね。簡単にサインしたら風間真とか野田恵みたいに人生棒に振るから気をつけてね」
「事務所って何ですか?」
「そこは説明なかったの?多分するはずだけどな」
「するんですか。じゃあ、多分寝てました」
「ああ、初日か。そりゃ仕方ないか」
初日のカリキュラムは言えば長旅の後だった。しかも沖縄からずっと鈍行で3日ぐらい車中とベンチであったらしいのでそりゃ疲れて寝るわ。
自分たちは個人事業者なので仕事はクライアントとの契約をしなければ始まらない。しかし受注から契約とか法的やらのガイダンスに会計処理に納税まで全て受け取ってくれる代理人が必要。全部一人なんてよっぽどマメか暇か書類仕事を苦に思わない殊勝じゃなければ無理だろう。
「わたし個人事業者なんですか?」
図らずも一国一城の主だと、普通のリーマンとかなら30でやっとぐらいの資格を得たようで戸惑う。
「まあ出前総本山のヒューザー・イーツと契約してる配達業務をしてるみたいなもん」
「手抜きで安全なんか考えてない食材で作った料理が届きそうで頼みたくない出前屋ですね」
「何か有った時は責任を全部かぶるから気をつけないと駄目な立場だから気をつけないと借金地獄だよ。まああまりいないけど、貸し出せる車両一台の個人のレンタカー業者みたいなもん。借りてくれないと直ぐ閉店ガラガラだから気をつけないとね。まあ、あなたの場合は車で言えば 小型軽量ハイパワーにオーバークオリティに好燃費でハンドリングもピック良さそうね。制御系が電子制御無しのキャブ仕様って感じだけど、引手は数多そうだから多分大丈夫」


「じゃあ出してくる」
書類を持って立ち上がろうとする。しかし思い返して座り直す。
「最後もう一度確認」
「はい」
「人間やめるって事はもう分かってるわよね」
スポーツの世界で言えば八百長やドーピングで永久追放で二度とその世界に戻れないと変な脅し方には笑ってしまった。
「ふふ はい」
「じゃあいいんだ」
望んで仮面ライダーになるみたいなもんだと笑う、本郷猛の苦悩は知ってるのかと、自分もしらんけどと笑う。
「わかりません。止めたこと無いんで」
蜘蛛男よりはバッタの方がまだ可愛いいと悩みながら乗る。『後輩ちゃん余裕あるじゃん』と呆れ安心した。
「そういやそうか。人間止めたっていうならヤク中が有名だけど、本郷猛さんからは経験談聞けないけど、ヤク中の施設の頑張ろう会でも見せてもらって参考にしてみる」
「なんですか、それ」
「ヤク中がヤク止めたいんだけど、向精神薬ってヘロインみたいなやつって一度使うと体が求めるから薬との怠慢勝負だと、根性で何とかなるってもんじゃないから、大概この勝負は負ける。だからせめて同類と一緒なら一人じゃないって事で多少頑張れるらしいのよね。一生かけて薬物と戦う、まあ格好良く言えばさっきの話にあるように人間に戻る為に仲良し小好しでがんばろうってサークルね」
人間に戻るのに一生苦労する連中からすると、自ら人間やめようって言葉だけ取られると殺したいほど憎いかもしれん。まあ自業自得だから八つ当たりだってと笑う。
「それで元に戻れるんですか」
「端的に言えば確率がちょこっと良くなるぐらいが関の山。何やっても完治は無い。体はもう忘れないから、インスリン以上に一度使えば一生死ぬまで抗いがたい誘惑との戦い。死んだほうが楽だって、致死量打って死ぬアホもいるらしいが、そんに憎いのに身を任せて死にたいって、よっぽど恋しいんだろうな」
磯の鮑の片思いかストーカーかな?

「深刻になるのは関心しないけど、真剣には成らないとね。下手すると一生背負わないと駄目って十字架だから」
「元に戻るとかはききましたけど」
「どんなに鍛えた体でも加齢とか賞味期限切れで薄まって元に戻るけど、それは決まった事じゃない。戻らないヒトだっている」
一般人でも体質か生活習慣か知らんが戻るもの、戻らないものがいる。それはトランスファーでも当てはまるらしい。
「戻らないんですか?」
それは多分誰にもわからないとお手上げポーズだ。
「たまにいるけど無期懲役だと言い渡されて7年ぐらい大人しく改心のフリしてれば釈放だって都合の良い前例を引き合いに出して喜ぶ勘違いいるけど、いるって話もたまに聞くけどそれは例外中の例外らしいよ」
馬鹿に限って自分は事故に会わない 自分は捕まらない 何故なら自分は選ばれた運がいい人間で特別なんだ とか都合の良い事例を引っ張ってくるけど、現実は案外平等。お前は普通じゃないかもしれんが決して上じゃなく下だってやつばかりがそんな妄想抱く。
「無期は無期。ずっと塀の中が基本らしいから、自分の都合や意志で釈放や人間に戻れるなんて思ってるなら止めた方がいいんじゃない」
手前勝手な夢を見るのはお好きにどうぞだが、他人を巻き込むな。
先に言ったヤク中だって、止めたければ止めればいい、自分は意志が強いから大丈夫。それに金がなくなりゃどうしたって止めて元に戻れる。そう思っていても止める気も起きないほど程身も心も偏心して、金が無くなれば奪えばいいんだって考えになってヤクから抜けれないのも多いと聞く。
「言っとくけどあたし自身は知らんぞ。そんな知り合いもいないぞ」
朱に交わればでなんとやらで、そんなご立派な意志は持ってないから君子危うき近寄らず人生を歩んでいると何故か焦っている。
「知ってますよ。センパイ自分に自信ない人ですもんね」
ギクッ
「な なぜそれを」
「知らないと隠そうと思って無駄な努力を続けてるセンパイをみんな生暖かい目で見てます」
「みんなって?」
ケーキ強盗犯?の保育園の園児まで知ってると可哀想な子を見るような目で見られてショックを受けていた。
(本当に気がついていなかったんだ)
取り敢えずセンパイの人生相談はコッチがおわってからにしよう。


「う~~~~~ん。じゃあ、どうしようかな どうしましょう どうしたらいいんだろう」
「ここまで来て今更そこで悩むかね」
事前のカリキュラムでそこは最重要案件だけに徹底していた筈だと不思議がる。
個別指導で徹底的につめて不安を払拭して納得してもらわないと後で奴隷契約だ肉の盾だとなんだと騒がれるのでそこはキッチリやった筈だ。まあオッチのヒトに金で買われ行動の自由が制限され強制的に労働させられるんだから奴隷は奴隷なんだけど。
「タダでさえ後輩ちゃんはモノ知らないんだからもっと説明しろよ。進路指導やライフプランは担任の仕事だろう。サボりやがって、ちょっとナシをつけてくるから」
静かに怒って飛び出して行こうとするのを止める。ナシをつけてくるって、ハナシで終わらないのはもう分かっている。
「まってください まってください」
イキナリ殴り込みなんてどこのモンスターペアレントですかと泣いて止める。
「武士の情け せめて せめて 一太刀」
「センパイなら指先一本で大怪獣もデンぐり返るんですから、担任さん一般人だから死んじゃいます」
ピタッ
「それは問題だな。人殺しはいかん」
「センパイが常識ジンで安心しました」
「棺桶は結構高いからな」
殴り込んで殺せば刑法は司法取引でなんとかなるが、遺族への賠償は国は払ってはくれないで自分で出すことになるのでどうすれば正当防衛で民事でも無罪を勝ち取る算段をする。
「少し褒めれば……」

「いいから今から来い」
と電話で呼び出すと家族サービス中だったらしい気弱そうないかにも文系教師って感じの担任が1908ロンドンマラソンのピエトリさんのフラフラ汗だく状態て飛んできた。
「金栗四三さんもこうだったのかな」
ここで人事不省に陥って世界一遅いマラソン記録を作られても大変だと今は庁舎の椅子に座らさて滝の様な汗をかいていたので優しい風魔法で落ち着かせる。
「それにしても凄い圧力団体」
全面装甲追加して『七生報国』とか『神州不滅』とかのプラカード張って、天井にスピーカーから軍歌流れるジャングル迷彩のバスがグルグルインディアンの炎の舞状態で囲まれていてもこんだけ怯えないだろう。
「殴らなくても先生死んじゃいそう」
そう思って謝った。後輩ちゃんが。
「ん?どゆこと。なんで後輩ちゃんが謝るの」
こんなヘロヘロ状態に多少同情するが、生徒の将来をどう考えているんだと思って怒っていたが、どうやら事情は違うらしい。
どうやら適正検査に受かることなどコレッポッチも考えずに、夏休みぐらい窮屈な故郷から離れたかったので交通費は出るとこの機会を幸いにやってきたら、サボる口実ぐらいと思っていたのにあれよあれよと言う間に事態が動き後戻り出来ないようになったらしい。
「ここはエリア88かよ」
よく分からんウチに否応無し戦場の出向かなければって本人的にはそうらしい。
「だから全部上の空で個別指導はあたしがやってるって体でサボっていいたと」
生徒の進路の責任は取らなければいけない立場と言えどもセンパイをダシにすればここではセンパイには誰も何も文句は言われないのでそういうで逃げ回っていたらしい。
「あんたはジャイアンの衣を借りるスネ夫か… ちょっと待ってあたしジャイアン?」
「立ち位置はそうです」
ガーン
「センパイ死にましたね」
パイプ椅子で真っ白に矢吹ジョーしていた。あれはいやらしい。あれより怖いのだが。
まあ直ぐに復活して、後輩と二人でペコペコと頭を下げっぱなしで平身低頭して許しても貰った。


「と 取り敢えず今からでも間に合うらしいから先生様の言うことをちゃんと聞きなさいよ」
三者面談で生徒側親子のペコペコ状態でおべんちゃらを使う。
「キャハ!センパイ他人に “様” なんて使えるんですね。初めて見たんで感動です。そんな敬語も使えるんだ~」
ガシッ
後輩ちゃんの頭をバイオハザードのラスボスキャラみたいな硬質化された腕が掴み上げる。
「誰のせいでこうなったと思ってる?」
これが夜叉だと居合わせた先生が後ずさる。悪鬼羅刹じゃないですかと頭を掴まれて逃げられない後輩が涙目で煽る。
「大部分はあたしです。でも早とちりをしたのはお魚くわえドラネコを裸足で駆け出したみたいな慌てん坊のサンタクロースみたいなセンパ …[ギリギリ] ごめんなさい、全部あたしが悪かったです」
痛恨の一撃かクリットはやめてと嘘泣きをする。
ペコペコと謝って、明日からちゃんと相談させて頂きますのでと付け届けのケーキ大盛りをご家族に宜しくと言っておかえり願った。


「あ~恥かいた」
手扇でパタパタを紅潮した顔をあおぐ。
「もう少し悠然としていたほうがいいと思いますよ」
「お前が言うな」
赤髪には負けるが顔は相当紅い。相当恥ずかしかったようだ。年長だが思わず可愛いと言うと、更に顔が赤くなったので『なんで男性にはもてないんだろう』モテるのは子供とお年寄りばかりなので不憫に思ってしまった。
狼狽を隠すように、後の進路指導はあの担任に任せるので後で悔やまないようにしろと言う。
行きがけの駄賃でも無いが、参考になるかもしれんと先程のヤク中参観は出来るからどうすると聞く。
「お国って親切ですね」
「責任回避よ。そんだけ、どうなるかコッチは言ったぞってね。便利な言葉で個人の自由 自己責任 民主主義 とか言ってるわね」
あんまりヤク中とは出会いたくないので遠慮する。
「よく考えれば人間を止めたヒトって他にいかなくても大丈夫じゃないですか」
「ふ~ん。どこ?」
「眼の前に」
「あたし」
そういやそうかと灯台もと暗しであった。
ツノも生えてれば魔法も使えるし空も飛べれば死ぬ予定も無い。十分やめてる うっかりさんのあたしとテヘッっと笑うがのってこない。再び顔が紅潮するので、どうせ受けないんだから何故ボケると呆れる。

「空飛べるんですよね?」
そう言えば飛んだの見たこと無い。
「龍が空飛べないって問題でしょう」
ぼぉや 良い娘だ ネンネしな♪ってみたいには誰かを背中に乗せては飛べないが飛べる。
「コモドドラゴンや土龍(モグラ)じゃないんだから」
「どうやって飛ぶんですか。羽無いですよね」
「ダイエットよ」
ジー
「はい。嘘です。でも半分は本当か。魔力で周りより比重を軽くして浮かぶ。そして周りの空間の体積を可変や空間捻じ曲げて推進か牽引されて移動。だから羽はいらない」
羽で空気を蹴って飛ぶなら全翼長で20メートルはいるし、余裕をもって飛ぶなら50馬力は必要で、こんなひょろい胸………胸筋の事だぞ で飛べるワケがない。
「それは人間やめてもいいってメリットですね」
私はかもめって言える。
「それポエムじゃなくて実は遭難信号だぞ」
「ソウナンですか」
「ベタだけど好きだ」
「ありがとうございます。本当ですか」
「本当。多分テレシコワのホンネは『誰か助けてくれ』だったはずだけど」
お前は遭難しに行くのかと笑う。

「あとスカートは履けないぞ」
「夏は暑いですね」
バタバタとあおげない。あれは実にズボンにない機能で、気持ちが良いってスカートの醍醐味だって言う女子も多い。
「100メートル登れば1弱度下がるからそうでもない。風吹けば1メートルで1度体感温度下がるから飛んでれば寒いぐらいだ」
「風が強いからめくれたら大変ですよ」
「多分そのときはスカートじゃないと思うけど」
アニメとかだとなんでかスカートをはくのが常だが、多分アレはサービスカットのためだな。国民全員高精細カメラを持ってるような現代で、リアルに飛ぶ女性でスカートはく馬鹿はいない。
「ブルマーがいりますか?」
「それは一部に偏執なファンが出来そうだから止めたほうがい
い」
昭和の時代学校に忍び込みJSやJC・JKのブルマー300枚盗んで部屋に撒いてクロールしていた変態もいたらしい。あの世界は変な奥が深い。
「じゃあ他のトランスファーのヒトも飛べるんですか?」
「誰も一番に考える魔法だから結構マストよ」
短期間しかいないが、ここで見たこと無い。
「ここ飛行禁止区域。アメリカ軍やら進駐軍いないけど結構うるさい」
外にはここがオカルトな土地だって思ってる連中が見張ってるのでそれもあって飛んだら罰金らしい。
「おまけに記憶処理要員の日給が罰金に加算されるんで飛ぶは一瞬タダ働き一ヶ月[個人差があります]だから、酔っ払って人事不省にならないかぎりそうはいない。人間はどんなに金持っていても基本ケチだからいらん金は使いたくない。そんな事にこんな金を使うのかって奴がいるが、あれは使いたいから使ってるだけだ。金に執着しないケツのアナのデカいヤツじゃなくて、ストレスでいらん物まで買って破産している自己破産者と変わらん。純粋に消費欲求のウインドーショッピングと同じ」
「それじゃ誰も飛ばない筈だ。でもよくバレませんね。ネット社会ですよ」
「ウチのプレハブ街で他の町と違うもの有るんだけど気がついた事ある?」
「あ~?なんでしょうね・・・・・・他と違うって言えばやたらアドバルーンとかが上がってますね。そう言えば駐車場の警備さんがここは景観条例で高い建物立てちゃ駄目だってなってるんであれが携帯電話の基地局の送受信やってるとか聞きました」
第二次世界大戦の阻塞気球みたいだと思ったが、折角浮かべているんで携帯アンテナの機能も持たせていたと聞いた。
「そういえば時々飛んでますね。なんかロープが切れとかでときどき騒いでますけど、今どきロープって切れるのかな?あれっ」
「はい正解。UFOが飛んでいたってってビリーバーが騒いでも、あそこは気球のメッカだと追加情報で出したら、な~んだって事になって何度かやってれば誰も信じなくなる」
傭兵とか警備で別の場所で元トランスファーが空を飛ぶ時はイベント屋に頼んで風船の放球を広告名目とかで飛ばして目撃に対しているらしい。
「でもいつまでも通用しますかね。風船は丸いですけど人間は細長いですよ」
透明化魔法が使えないヒトは着ている服を青空迷彩にして見つかったときでも丸い風船と言い逃れ出来るようなモノを着ているらしい。
「まあそれでもいつまでの事だか分からんけど、たぶんそれも折り込み済みみたいだよ」
いつまでそんなザル対応が通用するのか分からんが、なんかの施策か知らんが自分達は隠そうしたが、偶然バレたんだって体裁を取ろうとしているってもっぱらの噂だ。理由はしらんが。

「じゃあ隠す事はやってるけど、いることはいるんですね」
「いるけど大概飽きる。そんなに良いもんじゃない。髪や服は風で乱れるしスカートじゃ無理。紫外線もきついし大概寒い。歩かないと足腰弱るんで体が資本なだけに飛ぶよりは皆歩く。嘘か真か知らんが、魔法には使える回数券制度あるんで使えば使うほど力が失われるのが早くなくなるって話もあって要らん時は使わないって奴も多い」
「それは学校でも話に出ますけど、総量が決まってるって派と期間でキマてってる派がいますけど、本当はどうなんですかね」
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「つまり分からんって事ですか」
「うん。ただゲームだと使えば使うほど威力が増す設定とは逆に現実はどうも威力は落ちるのが当たってるみたい」
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「無視って効くからね」
イジメか何かイベントが始まっても周りが無視ってたらあの諍いは続くんだろうか。多分馬鹿らしくなってお開きじゃないかな?
昔から一人の女を争って男どもが喧嘩していたら、女が飽きたっていなくなっていたら馬鹿らしくなって喧嘩止めたとか結構聞く。
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「哀れまれてるのがそんな連中には一番キツイと思うけど」


「まあ話戻すけど、体だって使えばガタが来て、若い時は無理もきいいたケド年食ったら無理出来ないし動きも鈍くなるし、軽かった荷物も重たくなる。魔法も同じなんじゃない?」
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「メラがメラゾーマにはなりませんか」
「あの大魔王おじいちゃんボケたんじゃない?。どの呪文使ったのか忘れた『おじいちゃん、ご飯はもう食べたでしょう』的な。何かをしようと立ち上がったら『はて?わしは何の為に立ったんじゃろう』みたいな」
「大魔王様がそうなりますかね。老病死生 いや生老病死 ドッチだ。まあいいや、ともかく老いは怖いですね」
「だからあんな老体なんだから現場から引退して、家業?の魔王は息子あたりに譲って、孫を膝に乗せて縁側でクロコダインあたりと将棋打って『息子の嫁が孫の好物だってカレーとハンバーグばかり出しよる』とか息子の嫁の悪口言ってればいいのにな」
「それは、って言うか勇者と戦う展開よりみたいですね」
大魔王メイド喫茶に行く とか 大魔王出入り禁止 とか セニョリータ大魔王さん とかだったら見てみたい。
「サザエさんですか」


「ついでの空を飛ぶのも結構大変だよ。当たり前だけど空には生きてきてあったはずの地面ないから腰をいれて足も踏ん張れない」
ふわふわ浮かんでいるので地面をしっかり踏みしめて体の固定が出来ないので、空中でとんぼ返りとかして地面に頭ぶつけて怪我をする人間も多いので一度でも怪我したら飛ぶのはもう結構になるらしい。
「浮かぶって結構大変よ。MSパイロットが宇宙船の中で修正だって殴られていたけど、地面踏ん張って腰いれてないパンチなんかミッカー・□ークの猫パンチなみに効かない。確かに殴られれば痛いだろうけど、一発貰ったら壁がない限り永遠にさよなら。殴った方も殴られた方も『逃げるな卑怯者』って言ってもお互い二度と出会わないから喧嘩には成らないだろうな」
地面って当たり前にあるから気が付かないけど無いとニッチモサッチも行かないから空を飛ぶ事にはあんまり夢は見ないほうがいい。
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以前それを聞いて怖い目にあったので直接には聞かなかったので、ちょっと笑い話風に口を滑らす。
「だから先輩言うことがババむさいんで説教臭 ・・・(ビクっ)・・ あああ いえ、何でもありません」
生物的優劣(弱肉強食)に悪寒が走ったので止めた。
(本当の年は幾つなんだ。JKに見えなくもないしJDぐらいだろうし、OLには若そうだし)
命の危険と平穏な生活の為にJKとして接しようと決めた。



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