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2023年5月 初結婚式招待と蝶ネクタイまでは良かったんだけど… 1歳8ケ月
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5月の連休は外国人旅行者も交えて、日本各地の観光地は久々の賑わいだ。家の近くのイベントすらも大変な人出だ。山里を流れる川を跨いた鯉のぼり ですら鯉のぼりの数十倍を超す人で溢れている。気温も25℃を超える夏のような気候だから尚更に誰もがテンションが上がってくるらしい。
川面の光が乱反射して煌めきが眩しい鯉のぼり、悠々と狭い水路を楽しげに泳ぎ回るオットセイが愛らしい水族館、消防はしご車や大きなタイヤのブルドーザーが所狭しと街中に集まった働く車。連休の毎日を日替わりで過ごす。パパもママも一緒で楽しいことばかりの連休だった。
暗い水族館の水槽の硝子の向こうで、光の陰影を纏い怪しげにうらうらと漕きなから漂う無数のクラゲが夢に出てくる。この世ものではない何かのような不思議な空間が忘れられない。
連休最後の日の夕方、楽しかった連休も終わったなと色々と思い出しては家ではしゃいでいたら、つまずいて、今まではぶつからなかった高さの机の角が丁度口に当たるまでに僕は成長していたのだろう。つまずいたきっかけで、机の角に唇を強く打った。口の中が真紅の血で一杯になり、唇からも血が勢いよくほとばしっている。パパもママも焦ってどうしたらいいのかおろおろとしている。ママが今どきの救急電話相談に電話している間に、何とか出血も収まってきたので大事には至らなかった。
翌日、一応、連休開けからママが時間休で僕を子供口腔外科に連れて言ってくれたけど、なんともないらしい。とんだ連休最後の騒動をやらかしてしまった。
リ叔父さんも風邪をこじらして一ケ月半の入院だとは大変だ。流行りのインフルエンザでは無いにしろ、大人が長期間、高熱を出して入院しなくてはいけないことなんてもあるんだと思った。最終的には、何事もなく完治したらしい。まずは安心と言うことだからよかったけど。
ジィージの友達のおじいちゃんもインフルエンザのようなインフルエンザでない症状の体調不良で、楽しみにしていたゴルフは欠場だそうだ。6回もワクチン打ってるのになんか怪しい。まあ、季節気候の変化、寒暖差も20度を越えてるし、誰もが何が原因なのか解らない不調が増えてるな。
5月14日日曜日、山を越えて隣町に移動し、パパの妹ナアちゃんの結婚式に僕も呼ばれて行ってきた。パンデミック以降、益々、今流行りとなった街の中の小さな結婚式場でだ。僕にも蝶ネクタイの素敵な衣装を準備してくれていた。何やら僕にも重要な任務が科せられているらしいからなおさらなんだろう。
けど、今まで見たこともない知らないおじさんおばさん達が一杯いて、一斉に僕を歓声を挙げて見つめるから僕は恥ずかしさと怖さでママに抱きついて大泣きしてしまった。僕の任務はついに全く遂行されなかった。
僕は白い子供用の高級自動車に乗って、二人に結婚指輪を運ぶ仕事だったらしい。悪いことをしたなあ…。二人の結婚指輪は無きものとなった。
結婚式場も終わりに近づいた頃、ようやく雰囲気にも慣れた僕は一人でニコニコしながら、くだんの高級自動車を式場の隙間を迷惑を省みずに乗り回し、思う存分に遊んで来た。それはそれで僕だけは楽しかったのだ。
G7広島サミットも難無く終わった。ただ、珍しくデモ行進中の小競り合いがあったとSNSで発信がある。テレビではあまり流れないから詳しいことは判らない。
遠い国の戦争に変化の兆しなのだろうか。
1年4ケ月経過しても、未だに微妙な占領地域の押し合い、膠着と続いてきたけど、ここに来て、自由軍団、義勇軍団なるものが発生している。もはや完璧な一枚岩ではない様相が出ている。
週間朝日が廃刊となる。最終号だ。創刊から101年だそうだ。SNSの発展もあり、新聞が伝えない情報の補完としての役目が終わったのだろう。新聞も危ういが、オピニオンリーダーがあってこその補完だ。批判する基準としての存在意義とは、有るようで無いようで有るようなものか
1才8ケ月の僕の言葉のレベルは単なる一言単語などではない。完璧な5~6連なる言語の塊を会話として話せるレベルに一気に来てしまった。
単語なんて話す気はない。「何才?」と聞いてくるけど決してニコニコしながら「1才!」なんてかわいい子供のように答えて機嫌を取る気などないのだ。
僕は言葉を鮮やかに流暢に並べて話している。
ただ、何故か伝わらないだけだ。
カッコ良かったのに、見てくれ良かったのに、ダンディだったのに、世界に出しても遜色なく振る舞えたのに、なんとも言葉だけが虚しく空を切る。テレビに出てくるあのおじいちゃんも言葉を鮮やかに流暢に並べて話しているだけで、重みもないし実態も伴わない。僕と違うのは誠意もないところだ。
川面の光が乱反射して煌めきが眩しい鯉のぼり、悠々と狭い水路を楽しげに泳ぎ回るオットセイが愛らしい水族館、消防はしご車や大きなタイヤのブルドーザーが所狭しと街中に集まった働く車。連休の毎日を日替わりで過ごす。パパもママも一緒で楽しいことばかりの連休だった。
暗い水族館の水槽の硝子の向こうで、光の陰影を纏い怪しげにうらうらと漕きなから漂う無数のクラゲが夢に出てくる。この世ものではない何かのような不思議な空間が忘れられない。
連休最後の日の夕方、楽しかった連休も終わったなと色々と思い出しては家ではしゃいでいたら、つまずいて、今まではぶつからなかった高さの机の角が丁度口に当たるまでに僕は成長していたのだろう。つまずいたきっかけで、机の角に唇を強く打った。口の中が真紅の血で一杯になり、唇からも血が勢いよくほとばしっている。パパもママも焦ってどうしたらいいのかおろおろとしている。ママが今どきの救急電話相談に電話している間に、何とか出血も収まってきたので大事には至らなかった。
翌日、一応、連休開けからママが時間休で僕を子供口腔外科に連れて言ってくれたけど、なんともないらしい。とんだ連休最後の騒動をやらかしてしまった。
リ叔父さんも風邪をこじらして一ケ月半の入院だとは大変だ。流行りのインフルエンザでは無いにしろ、大人が長期間、高熱を出して入院しなくてはいけないことなんてもあるんだと思った。最終的には、何事もなく完治したらしい。まずは安心と言うことだからよかったけど。
ジィージの友達のおじいちゃんもインフルエンザのようなインフルエンザでない症状の体調不良で、楽しみにしていたゴルフは欠場だそうだ。6回もワクチン打ってるのになんか怪しい。まあ、季節気候の変化、寒暖差も20度を越えてるし、誰もが何が原因なのか解らない不調が増えてるな。
5月14日日曜日、山を越えて隣町に移動し、パパの妹ナアちゃんの結婚式に僕も呼ばれて行ってきた。パンデミック以降、益々、今流行りとなった街の中の小さな結婚式場でだ。僕にも蝶ネクタイの素敵な衣装を準備してくれていた。何やら僕にも重要な任務が科せられているらしいからなおさらなんだろう。
けど、今まで見たこともない知らないおじさんおばさん達が一杯いて、一斉に僕を歓声を挙げて見つめるから僕は恥ずかしさと怖さでママに抱きついて大泣きしてしまった。僕の任務はついに全く遂行されなかった。
僕は白い子供用の高級自動車に乗って、二人に結婚指輪を運ぶ仕事だったらしい。悪いことをしたなあ…。二人の結婚指輪は無きものとなった。
結婚式場も終わりに近づいた頃、ようやく雰囲気にも慣れた僕は一人でニコニコしながら、くだんの高級自動車を式場の隙間を迷惑を省みずに乗り回し、思う存分に遊んで来た。それはそれで僕だけは楽しかったのだ。
G7広島サミットも難無く終わった。ただ、珍しくデモ行進中の小競り合いがあったとSNSで発信がある。テレビではあまり流れないから詳しいことは判らない。
遠い国の戦争に変化の兆しなのだろうか。
1年4ケ月経過しても、未だに微妙な占領地域の押し合い、膠着と続いてきたけど、ここに来て、自由軍団、義勇軍団なるものが発生している。もはや完璧な一枚岩ではない様相が出ている。
週間朝日が廃刊となる。最終号だ。創刊から101年だそうだ。SNSの発展もあり、新聞が伝えない情報の補完としての役目が終わったのだろう。新聞も危ういが、オピニオンリーダーがあってこその補完だ。批判する基準としての存在意義とは、有るようで無いようで有るようなものか
1才8ケ月の僕の言葉のレベルは単なる一言単語などではない。完璧な5~6連なる言語の塊を会話として話せるレベルに一気に来てしまった。
単語なんて話す気はない。「何才?」と聞いてくるけど決してニコニコしながら「1才!」なんてかわいい子供のように答えて機嫌を取る気などないのだ。
僕は言葉を鮮やかに流暢に並べて話している。
ただ、何故か伝わらないだけだ。
カッコ良かったのに、見てくれ良かったのに、ダンディだったのに、世界に出しても遜色なく振る舞えたのに、なんとも言葉だけが虚しく空を切る。テレビに出てくるあのおじいちゃんも言葉を鮮やかに流暢に並べて話しているだけで、重みもないし実態も伴わない。僕と違うのは誠意もないところだ。
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