2021年9月2日生まれの僕は

十二滝わたる

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2023年弥生 大谷翔平のWBC大会優勝 1歳6ケ月

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 統計史上初めて出生数80万人を下回ったとのこと。僕は貴重な存在なのかと思う。僕のいる地域の高齢化率はおそらく30パーセントに達している。少子高齢化は加速度的に進むのだろう。

 4日土曜日、ジィージとケイちゃんによる昼寝のドライブの最後に城址公園に寄る。城址公園の桜はまだ蕾にもなってない。春のような快晴だけど風はまだ冬の気配を残している。城址公園の小さな砂利道を何度も往復してはシャクシャクと鳴く石音にも僕は楽しい春を感じる。お堀な架かる太鼓橋の傾斜の登り下りの往復にも何かの芽生えの香りを感じる。あっと言う間の1時間の散歩だ。

 5日日曜日、赤い家の前を流れる河原の広場でパパとママとで散歩する。午前と午後の2回の散歩。今日は珍しく何処にも遠くには行かないらしい。澄み切った春まだ浅く薄い青色の上空を不意に爆音たてながら飛行機が飛んでく。僕は大きな音だけ残して悠々と青色の空を飛び去る姿に、理由なく興奮してきたのか腹が立ったのか自分でも判らないけど  「§〰〆♯’∞∉♂」  と叫んでやった。
その後も、「❇※∴∬〒♭✘」 
「~☑〠&」、「#x303D;¶&;x266C;」  と何回も飛行機めがけて叫んでやった。
 パパとママは笑っていたけど、近くを同じように散歩で通りかかったおばさんは、その連れの中型犬共々、立ち止まり、驚いた表情で僕を見つめていたが、直ぐに見てない振りをしてうつむき、黙ってそさくさと僕の前を去っていった。
 僕は「君も犬なら飛行機に吠えろよ」と心の中でで犬を見下し、「真っ黄色のダウンジャケットを着てるから、僕を唯の飛べないひよこだとでも思っているのかよ、この飛行機野郎~」と言う思いを込めて僕は再び飛行機めがけて「➿∋∝✔∀∴⊥」  と顔を真っ赤にして唸り叫び続けるのであった……。
 
 6日月曜日、WBC前哨の阪神タイガースとの強化試合に大谷翔平が出てきた。2打席連続ホームラン。規格外の圧倒的パフォーマンスに球場も、テレビ報道するスタジオも、テレビの前の視聴者も度肝を抜かれて歓声すら忘れる。スーパースターの日本凱旋だ。

 9日木曜日、今日、僕は幼稚園の散歩の途中でてんとう虫を拾った。手のひらから指先まで歩いて行ったと思ったら羽を広げて空高く悠々と飛んで行った。それがこの前の飛行機のようでとても清々しく思えて嬉しかった。夕方、パパは友達と夜会らしく家に居なかったけど、ママの前でそれを思いしてはひとりで楽しく笑っていた。ママは「幼稚園で何か楽しいことあったの?」と仕切に聞くけど、僕は教えない(そもそも喋れない……)。僕は何度も思い出しては一人でイヒイヒと笑って夕方を楽しく過ごしたのだ…。

 11日土曜日、14:46東日本大震災から12年経過したこの時間、僕は黙祷してからママと一緒にジィージの車で昼寝のドライブに行く。途中で名物のちまきをお土産にしてから、山里の丘公園でゴルフ場のような緩やかな傾斜一面に広がる芝生の坂道遊ぶ。ヤマガラという腹がオレンジのスズメのような小鳥を見つけるも僕が騒いだせいで飛んで行ってしまった。カメラに収められなかったのをジィージは残念がってたけど、まあ、元気なのは僕もヤマガラも同じだから、しょうがないんじやない、と僕は悪びれずにそう思ってる。今日も天気がよく、外遊びも出来て良い一日だった。ジィージの家に戻ったらリュウおじさんに吉報が届いていたようで機嫌が良かった。後でケーキでお祝いでもするのだろう。リュウおじさんからも家の中で一杯遊んでもらった…。リュウおじさんにとっても、僕にとっても、やはり良い一日だった。

 12日日曜日、ジィージの庭にはなかなかやって来ないガラ系の白黒模様のヒガラを香久山系の麓で発見。山裾から立ち上がる傾斜地の木々はまだ芽吹くことはないが、啓蟄の言葉どおり、春の陽気で這い出てきたものの、不覚にも残雪に落ちてしまった虫たちを探してはホジクルように啄み、舞いまわる。

 第5回目となるWBCは、東京ドームでの日本の戦いは本当に瞬く間に準々決勝まで圧倒的な強さで勝ち上がり、瞬く間にフロリダでの決勝2戦のため、選手達は飛び立った。大谷翔平の活躍は半端なかったな。

 21日火曜日、春分の日休日、近くの城址公園をパパとママとで散歩する。もう梅の花は八分咲き。薄いピンクの花びらの梅と深紅の花びらのの梅とか混在して美しい。

 21日朝からWBC準決勝がテレビ放映される。昨日はアメリカが決勝進出を決めている。今日のメキシコ戦で日本が勝てば明日はアメリカと決勝を戦う。突然のリーグ組み合わせ交代はアメリカが支配し先導する野球ならではの事だろう。誰もアメリカには文句なんか言わない。すべてはアメリカファースト。準決勝の試合は、佐々木朗希が打たれて序盤で3失点。しかし、なんと7回裏に吉田正尚がホームランを打ち同点へ。その後、1点差で迎えた9回裏に大谷翔平が出塁し、もう吉田正尚も四球を選び走者1塁2塁。栗山監督は吉田の代わりに代走周東佑京を投入。一気にさよならの勝負を賭ける。ここでバッターは不振の村上宗隆。村上は使い続ける栗山監督の期待に答えてホームラン級の長打を打ち、大谷翔平と吉田の代走周東佑京の2人が生還。劇的すぎる、さよなら勝ちを掴む。野球なんか知らない僕でも興奮する試合、記憶に刻まれる名試合だ。それにしても、監督の栗山英樹氏は、サッカー日本代表の森保一氏と並び、これまでの雁字搦めで俺の言う事を聴けとばかりの権威主義と従順根性一辺倒でスポーツ界を支配してき前近代的な指導者像を一新するこれからの時代のスポーツ指導者の姿だ。

 22日水曜日、WBC決勝は日本VSアメリカ全員大リーガーのチーム。アメリカに先制されるも直ぐに不振だった村上宗隆がホームランで同点に。その後も岡本和真もホームランを打ち3対1で迎えた8回、登板したダルビッシュがホームランを打たれ1点差の3対2で迎えた9回表に中盤からブルペンでの投球練習と打者としてベンチを往復するという考えられない離れ業を演じてきた大谷翔平が最終決戦のマウンドに立つ。ランナーを出すもゲッツーで抑えての最後の打者は運命のようなドラマのような同僚トラウト。3ボール2ストライク2アウトのクライマックスの最後にトラウトを三振に打ち取り、栗山サムライジャパンは3大会ぶり3度目の優勝となる。大谷翔平は大会WBP。メッシのドラマチックワールドカップのように、大谷翔平のドラマチックWBC大会となった。感動!

 29日水曜日、雪の降らない今年の冬だったせいか、例年より10日ほど桜の開花は早いようだ。ジィージの家の木蓮や春椿は今が満開だ。今年も去年と同じように、ママと二人でジィージの自慢の庭花の前で記念撮影をする。あと二日で3月も終わる。新しい年となる。幼稚園にも仲良しのお姉ちゃんが巣立ち、新しい友達がやって来る…。

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