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2022年11月 ミューズ・ジュリエット・グレコの季節、枯葉だ

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 5日、生まれて初めての一泊旅行の旅、旅館に泊まる。小さな山間の旅館でくつろぎ、遊園地に遊ぶ。遊園地の僕のお気に入りは、ただの坂道。

 連なる山々の木々は紅葉の色付きをなさず、枝に枯れ葉のまま留まり、乾燥した枯れ葉は力なく地面にハラハラと落ちる。悲しい枯れ葉だ。

 12日、ジィージとケイちゃんと3人で車で小一時間の大きな公園に車で遊びに行く。
 木々で一杯の公園は、自然公園ではなく植栽されたもので林間を自由に歩ける。大きな木道の両脇には大きなポプラの並木があり、ほとんどの鮮やかな黄色に染まった葉っぱは、黄色の絨毯のように敷き詰められている。
 ポプラ並木まで行く途中の楓の道は、それとは対象的にカサカサと乾いて丸くなった枯れ葉で、それがクッションのように風で揺れ動いている。
 僕は吹き溜まりの枯れ葉を、銀杏の匂いがする絨毯を、どこでも蹴散らしながら歩いた。

 制限緩和で街や旅行先も少しだけ活気づいてきてが、それに伴い、この地域でもBAフィーバー5が過去最高となる。しかも、冬に向けては次の8波が予想されるが、それは更に異なるBQフィーバー1となるらしい。波の数だけフィーバーの顔は変わっていく。

 13日、日曜日。僕は初めてのパーマ屋さんで髪を切ってもらった。今までは、長髪でよく女の子と間違えられていたけど、今度のスタイルは精悍で凛々しくて、間違いなく男の子だろう。

 19日、土曜日。今日もジィージの家でジィージとケイちゃんとで過ごす。パパはお仕事だし、ママは接骨院だ。急激に寒くなって雨も多くなったから、なかなか公園の落ち葉で遊ぶようなこともできない。

 僕はまだ頭が重いせいなのか、あまり上手には歩けない。ずっこけるときは手が間に合わずに地面に顔で制動しまう。
 
 ジィージの家の楓はここ一週間で紅葉もほとんど通り越してあっと言う間に落葉になっている。まだ緑色の葉を持つ木蓮は、ここに来てようやく冬の到来を感じ始めたらしい。

 ジィージが小鳥のために作った餌台には雀しか来ないからと、餌をヒマワリの種だけにしてシジュウカラを呼ぼうとしているようだか、雀の警戒心とは断違いでシジュウカラは餌場を素早く調査するように飛び越していくだけで寄り付かないらしい。白と黒色の可憐シジュウカラの鳴き声は、地鳴きもさえずりも音楽のように美しい。早く寄り付かないかと楽しみなのは、ジィージだけではない、僕もだ。

 20日、日曜日。パパとママとで僕は初めて空港にいく。寒空の中、遠くから大きな鳥のような物が飛んできて滑走路に大きなエンジンの音を轟かせてやっと止まってった。大きな車なのか大きな鳥なのか、僕にはよくわらない。でも、僕らも何らかの方法で空を飛べるんだろ。

 ジィージの家には大きなゴムボールがあり、時々、ジィージやり叔父さんが部屋で僕にボールを蹴ってくれるけど、どうしても僕はまだボールを蹴れない。片足で立ち、もう一つの足を前後に振り上げるという動作が歩き始めた僕にはできないのだ。ボールを蹴るつもりがボールを踏みつけてしまい転ぶばかりだ。

 23日水曜日、カタールで始まったワールドカップサッカー初戦、日本代表が優勝候補のひとつであるドイツを2対1で破ぶり、世界中が驚き、日本中が歓喜した。後ろから来たボールを後ろ向きのまま進行方向にトラップ、競り合う相手バックを瞬時に振り切り、キィーパーの盲点となるゴールニアポスト上に豪快に蹴り込み、これが決勝点となった。指定校推薦と揶揄されたそうだが、有能なる指導者たればこそ有能なる人物を知るということだろう。と思って感心していたら、27日日曜日、コスタリカにカウンター逆襲一発で、あっさりと負ける。ドイツに勝ったのにコスタリカに負ける。相手陣地内のパス廻しで決定力不足って、何年も前の日本と変わらない。ドリブルでの切り込み崩し、ミドルシュートの精度、そんなのがあればいいのに、惜しい。

 昨日の26日土曜日は、近くの公園でジィージとケイちゃんとで散歩して滑り台。ジィージのお友達が公園の花壇の清掃をしていた。ジィージの家の中にに僕用のカラフルな三輪車があった。いつも何か小さな物が増えている。

 27日日曜日、今日はパパとママとで、トモちゃん家でお食事、お食事後には僕の冬用ダウンジャケットのお買い物に行く。トモちゃんが買ってくれた。もうすぐに雪が舞う季節。今週、雪が降るって予報だ。僕にとっては、初めてまともに雪を見る事になるだろう。

 28日月曜日、僕と同じ年のママの友達、シロさん親子と午前中、大きな体育館のような児童施設で遊ぶ。午後から、また、ジィージの家により、それからまた、あの嫌な痛い予防接種接種なんだ。

 トルコの仲裁も膠着したままウクライナで起きている戦争は冬の季節となる。ロシアを後ろ盾にしたシリアとその中で活動するIS。それを攻撃させたアメリカを後ろ盾にした国持たぬクルド。そのクルドは融和しようとしていたトルコのナショナリズムを刺激する。謎のイスタンブールの爆破テロ。トルコはクルドを空爆する。
 中国ウイグル自治区、上海、北京では、ゼロフィーバーに向けた不満からの大規模な体制批判の噴出を力で押さえつける。中国の抱える台湾問題と台湾を支えるアメリカ勢力。一方で、中国の一帯一路構想を反映するかのように高原国家エチオピア内を走り去る最新新幹線など、アフリカの目を見張る近代化はアフリカを中国寄りにする。
 中東のオイルマネー、インドの振興、アフガニスタンの過激政権、東南アジアのクーデター政権、そして海の向こうの隣国のミサイル。
 世界はユーラシアは揺れ動く。
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