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第四章 王立学院中等部三年生
212 ダブルデート⑤ ※
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エロ回ラスト。
会話の中身も、後半も※ばかり。
二人分あるので、いつもより更に文字量多め。
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Side:アルフォード18歳 春
イザベルからのお誘いを色々と理由を付けて断ろうとするアルフォードに、腕の中でイザベルはにこりと笑う。
「別に場所も観客も気にしませんわ。これを逃すと、アル様は理由を付けて結婚までお預けしてきそうですもの。折角反応があるのだから、興奮している今のうちにシて頂きたいわ。それに、先日お母様から頂いた香油がありますの。これがあれば、準備は問題ありませんわよね?」
「……最近サーニャから香油を貰ったのか?俺とのことを何か言ったのか?」
別に母親が娘に香油を贈るのは、特別おかしいことではない。
女性自身の身を守る為にも、お守り代わりに渡す母親も少なくないだろう。
ただ、タイミングが凄く引っかかる。
「いいえ。今日だってアシェル様の準備は全てわたくしがして、お母様には内緒で来ましたもの。帰省した日に母から良い人がいないか聞かれた時も、何も言ってませんし。きっと年頃だからとプレゼントしてくれたんだと思いますわ。」
イザベルは内緒で来たというが、サーニャは侍女長だ。
そして部屋付きの侍女侍従に限らず、ほとんどの使用人のトップはその侍女長だ。
今日出かける顔ぶれだって、数日前に確実に知っているはずである。
そして見送りに来ていないとしても今日のアルフォード達の装いを、確実にサーニャは知っているだろう。
それなのにイザベルに香油を渡したということは、遠回しに許可が降りたということだ。
求婚でサーニャに反対される可能性は消えたが、今日は微笑ましいものを見るような眼で見られるんだろうなと確信する。
「……そうか。でもいくら香油があったって……。」
「……アル様。これだけ身体は素直なのに理性が邪魔だって言うなら、お薬を飲んでいただきますわよ?」
地味に怖いことを言われているが、仮に媚薬を飲まされたとしても体質が分解してくれる。
正直なところ、これだけ密着した状態で興奮するなと言う方が無理だし、情欲を感じていないわけではない。それでも、魔力で分解する時間くらいは耐えられるだろう。
「媚薬を持ってるのか?俺がそれを飲んだとしても分解できるのは知ってるだろ。それに、口に残った薬がベルに入った方が大変だろ。流石に薬を盛ってきたら、誤ってベルに影響が出たとしても解毒してやらないからな。俺はこうやって、ベルが腕の中にいるだけで嬉しいんだから。」
イザベルの身体に回している腕に力をこめて、そうアピールする。
わざわざ急いで身体を繋げる必要はないはずだ。それもこんな場所で。
「えぇ、持っていますわ。お守りとして渡された、アシェル様特製の極悪なものを。」
ニッコリと告げられた製作者の名前に、思わずアシェルの方を見た。
イザベルにお守りとして媚薬を渡したらしいアシェルは、アークエイドに後ろ手に両手を拘束されているのに、必死に欲求に耐えているであろうアークエイドの頸筋に舌を這わせていた。
どうにか口でされることは回避したようだが、今はアシェルにどこまで我慢が効くのか試されているところだろうか。
アシェルの瞳には相変わらず悪戯っぽい輝きが見えるし、アークエイドの脚の間に押し込まれている左脚は、太腿や膝で熱を持った部分を刺激しようとしている。
目にしてしまった光景に、慌てて視線を逸らす。
そしてあれは妹ではないと、色味の違いを理由にどうにか自分に言い聞かせる。妹の情事を覗く兄は最低だろう。
一先ず、イザベルが持っている媚薬をどうするかだ。
市販のものなら間違いなく分解できる自信があるが、アシェルが作ったものは何が入っているのか分からないのが問題だ。
普通のレシピ通りに作ったというなら、それは問題ないだろう。
フォアユウ草は庭にあって味見をしたこともあるし、女に使われることはまずないが、王族は毒薬の次に媚薬を使われる率が高い。
そのためフォアユウ草単体の解毒も、一般的にヒューナイト王国で手に入りやすい媚薬の解毒も、一通り覚えている。
問題は、その一般的に使われる素材がほとんど使われておらず、即効性があって、効果が強かった場合だ。持続力もあれば薬としては最高でも、分解する側からすれば最悪だと言っても過言じゃないだろう。
アシェルはその最悪を全て網羅している可能性がある。というか、間違いなくしているだろう。
アシェルが恐らくアルフォードをその気にさせるためのお守りとして渡したのに、普段から効果を突き詰めたものを作るのが大好きな妹が、媚薬だからと効果を突き詰めていないわけがない。
「それは流石に飲みたくないな。……いや、厳密には味見したいけど、味見するなら実験室に籠れるときだ。」
正直、どんな代物なのか、物凄く味見はしたい。
でもそれは、絶対に今ではないはずだ。
「でしたら味見用に、ティースプーン一杯分だけ残しておいて差し上げますわ。アル様専用の特別調合らしいので、効果はお墨付きですわよ。本当は使うつもりが無かったから、どうにか雰囲気に当てられてくれないかしらと思ったけれど……ここまで言っても手を出していただけないのなら、その限りではないわ。」
アシェルの薬を使うという脅しに、アルフォードは降参するしかない。
このまま拒否し続ければ、間違いなく媚薬を口に突っ込まれるだろう。
イザベルがここまで脅してきているのだから、間違いなく力技で実行してくるはずだ。
それなら薬ではなく、自分の意志でイザベルと初めての繋がりの方が良い。
「分かった、分かったから、アシェの薬を使うのだけは止めてくれ。それと、味見させてくれるとしても、一人の時に味見するからな?……香油を出してくれるか?それと、流石にこの体勢じゃやりにくい。抱えるぞ。」
コトリとイザベルがテーブルに香油を置いたのを確認して、上に乗っていたイザベルを抱えて体勢を入れ替える。
防音以外魔法が使えないと聞いていたが身体強化も使えないらしく、身体を鍛えていて良かったと心底思った。とはいえ、身体強化が無くてもイザベルは軽かったのだが。
流石に寝ころべるほど広くはないので、椅子のアームレストと壁が隣接している場所にイザベルを座らせる。
これくらいの広さなら、ぎりぎりどうにかできるだろう。
出来るだけアシェル達からイザベルの顔が見えないように、壁に腕をつき陰にしてやる。
どれくらい効果があるのか分からないが、最初のキスをする間くらいは隠してやれるだろう。
「なぁ、ベル。本当にココで良いのか?なるべく痛みが無いように気をつけるし、服も脱がさないようにするけど……。ベルが途中で嫌だって言っても、シはじめたら止まれないぞ。流石に途中で我慢できるほどお人好しじゃないからな。俺にも性欲はあるんだ。」
最終警告のつもりでアルフォードはそう告げたのに、イザベルは頬を染めて微笑んだ。
「えぇ。ずっとこの日を夢見ていたんだもの。アル様と繋がれるなら、場所なんて些細な問題だわ。それにわたくしよりも、アル様に気持ち良くなっていただけたら良いわ。」
「それは無理な相談だな。」
イザベルの顎を上げ、お洒落だけではなく色付いた可愛い唇に口付ける。
嬉しそうな、それでいて恥ずかしそうなイザベルの姿はとても新鮮で、自分にしか見せてくれない姿だと思うと嬉しい。
啄むように口付けたあとそのまま離れようとした唇を、そっとイザベルの舌が舐めてきた。
それも、盛大に顔を真っ赤にして。
そんな可愛いおねだりに答えて舌を押し込めば、すんなりと受け入れられる。
やり方は知っているが、やったことはないし上手なわけではない。
お互いたどたどしく舌を絡めながら、快楽とは程遠いのに、心が満たされるのを感じる。
アシェルがアークエイドにキスをねだる気持ちが、なんとなく分かる気がする。
流石に服を脱がせるわけにはいかないので、デザイン的に開いている首筋と鎖骨に舌を這わせながら、ワンピースの上から優しく柔らかな双丘を揉む。
恥ずかしさはあるだろうが、初めてならこうして揉んだところで、そこまで気持ちよくはないだろう。
単純に、アルフォードが揉みたかっただけだ。
「あ、の……アル様。このワンピース……胸元をはだけさせれますの……。」
そう言いながらイザベルは、肩紐と本体を繋ぐ飾りだと思っていた金属のリングを二つとも外してしまう。
それだけで肌着を隠していたワンピースはパサリと落ちてしまう。
ウエストを絞っているリボンを解いてしまえば、恐らくすんなり脱げるワンピースだったのではないだろうか。
顕わになった豊かな双丘と、彩りながらソレを薄っすらと隠す下着に、見すぎては失礼だと思うのに目を逸らすことが出来ない。
どう見てもこの薄いレースの下着は、閨着だろう。
「アル様……そんなに見られると、流石に恥ずかしいですわ……。アシェル様ほど大きくもありませんし……。」
自分から見せてくれたのに、イザベルの腕がむにゅッと柔らかい肉を変形させながら胸元に寄せられる。
「恥ずかしがるベルも可愛いけど、もっとベルのことを見せてほしいな。ほら、隠さないで。それに、ベルだって大きいだろ。凄く触り心地が良くて好きだぞ。」
イザベルの手を下ろさせて、突起が透けている場所をレースの上から擦りながら、柔らかい胸を揉みしだく。
チュッチュと鎖骨や胸に口付けを落としながらレース越しに突起を舐めると、イザベルから艶めかしい声が上がった。
そんな声が出ると思っていなかったのだろう。真っ赤な顔で、口元を覆ってしまっている。
「クスッ……気持ち良かったのか?本当ならベルの可愛い声を聴きながらシたいとこだけど……アシェはともかく、殿下には聞かせたくないからな。ちゃんと声抑えてくれよ?」
「アル、様っ。そんなこと言いながら、っん、攻めないで下さいませっ。思ってた感じと違うんですもの……。」
「痛かったりしたか?」
デリケートな部分なので痛がらせたのかと思ったが、イザベルはフルフルと首を振る。
「違うわ……その……触っていただくところ全てが、ジンジンして、気持ち良いんですの……。閨事に慣れるまで、そういう気持ち良さは無いと聞いてましたから……。」
「相性もあるだろうけど、ベルだって殿下たちを見て興奮したんだろ?興奮したほうが感度は上がるからな。……なぁ、流石に所有印を付けたらダメか?ココなら見えないと思うんだが。」
双丘の盛り上がった部分をぺろりと舐めると、イザベルの身体がビクンっと跳ねた。
撫でるより舐めたほうが気持ち良いのだろうか。
「……お好きにしてくださいませ……わたくしはアル様のものですわ……。」
許可を得て柔らかい肌に吸い付いた。
イザベルの綺麗な肌に、赤い花びらが散る。
それから時間をかけてキスをしたり胸を愛撫したりしながら、イザベルを蕩けさせていく。
イザベルがもじもじと股をすり合わせ始めたので、そろそろ頃合いだろう。
指の隙間から零れるイザベルの嬌声と、声を押さえようとしているのだろうがしっかり聞こえてくるアシェルの嬌声が部屋を満たしている。
サーニャからだという香油を有り難く使わせていただいて、イザベルの秘部を擦り上げ、溢れる蜜でさらに花芽までヌルヌルにしていく。
ブラジャーと同じレースの使われた面積の少なすぎる紐パンは、汚れないように先に脱がせた。
「凄いな。まだ指を入れてないのに、もうびちょびちょだぞ。どんどん溢れてくる。ベルにも分かるか?」
「言わないで下さいませ。それに……焦らしてばかりで意地悪ですわ……わたくし、もっと、ひゃっ、ダメッ。一緒にシないでくださいませっ。ぁん、んんっ……アルおにぃさまっ、おかしくなりそうですのっ、それ以上はイヤですわ……はぁん、ダメ、ですのにぃ……っんん、んぅっ。」
焦らすなと言われたので指を一本だけ埋めてやり、硬くなっている花芽へも刺激を与える。
指を入れられた違和感は減るはずなのだが、どうも花芽への刺激が気持ちよくて仕方ないらしい。
一本しか入れていない指をきゅうきゅうと締め付けてきて、解すどころではない。
一度イかせてやるべきだろう。
「嫌って言っても止めないって言ったろ。そんなにココが好きなのか?それにイキそうなのはベルも分かってるんだろ——自分でシてるんだから。」
「~~っ!!」
アルフォードの指摘にイザベルの身体が大きく跳ね、指がぎゅうぎゅうと締め付けられる。
あまりにも花芽への刺激だけ反応が良いのでカマを掛けたのだが、どうやら図星だったようだ。
イった後に緩んで柔らかくなった中に、もう一本指を埋める。
本当は三本分くらいは慣らしてやりたいのだが、そこまで我慢できるだろうか。
「エッチなベルも可愛いな。ココは自分で弄ってるのに、中は手付かずなんだな。そんなにココが良かったのか?」
また花芽も擦りながら、指はゆっくりと抽送する。
どんどん愛液が溢れてくるので、香油は無くても良かったかもしれない。
イザベルは真っ赤な顔で口を抑えて、フルフルと首を振っている。
まさか自慰しているとバレるとは思っていなかったのだろう。
真っ赤な顔で涙を浮かべるイザベルが愛しくて、そして虐めたくて仕方ない。
「本当はもう少しゆっくりって思ってたけど……ベルが可愛すぎて無理だ。挿れても良いか?」
一応確認を取れば、コクコクと頷かれる。
必要ないだろうが自身のモノを香油で濡らして、イザベルの中にゆっくりと埋めていく。
表情を見ても痛くはなさそうなので、ゆっくりと一番奥まで挿れてしまった。
スカートが隠してくれるので、丸見えにはならないはずだ。
「……っふ……。ベル、痛くないか?」
「えぇ、大丈夫ですわ。それよりも、こうしてアル様と繋がれたことが嬉しくて……。」
イザベルはボロボロと涙を流し始めてしまう。
好きな女性の涙は、こんなにも扇情的に見えるものなのか。
「泣かないでくれ、ベル。ごめんな、あんまり我慢できそうにない。動くからな。」
アルフォードは動いていないのに、先程から暖かなうねりが、ぎゅうぎゅうと締め付けて刺激してくるのだ。
激しく腰を突き動かしたい衝動を抑えながら、ゆっくりと抽送する。
やっぱり中は、花芽ほど良くはないようだ。
「ベル。俺のことは気にせず、好きなだけイっていいからな?」
イザベルが何のことかを問う前に、花芽を指で刺激しながら腰を振る。
もう動きを加減してやれなかった。
それだけで脳を溶かしてしまいそうな嬌声が聞こえてきて、イザベルの中がきゅうきゅうと締め付けを増す。
何度も小さな絶頂を迎えていたようだったが、イザベルの身体が大きく跳ね、一際強く締め付けてくる刺激に、名残惜しさを振り払い自身のモノを引き抜いた。
そして出しておいたタオルに、自身の欲をぶちまける。
——このタオルは捨ててしまおう。
何度もイったせいで少しぼぅっとしてるイザベルの洋服を手早く整え、自身も身なりを整える。
身体強化は使えないのに、『クリーン』は使えるようだったので使っておいた。
くたっとしているイザベルを膝に乗せ、まだ余韻から戻ってこないイザベルの頬や耳元にキスを落としていると、ようやくイザベルの声が聞こえてきた。
「……中に出してくださって良かったのに……。」
「良いわけないだろ。まだベルは学生なんだ。子が出来たら困るだろ。」
「アシェル様のお世話が出来れば十分ですわ。」
しっかりとした声で話しているが、恥ずかしいのか顔をうつむかせてしまっている。
可愛いイザベルの顔を見ながら話したいのだが仕方ない。
「もし身重になったら、アシェの世話はサーニャにさせるからな。最悪、マルローネを貸してもらってくる。」
「もしそうなったら旦那様にお願いして、臨月付近だけマルローネをアシェル様に付けて頂きますわ。メルティー様に付いていかず、邸に残ると言ってましたので。」
「そうなのか?それ、メルも知ってるのか??」
アルフォードは初耳だ。
メルティーはマリクと婚約したので、メルティー専属侍女のマルローネは、二人が婚姻を済ませたら一緒にテイル家に行くのだと思っていた。
「えぇ、ご存知のはずですわ。わたくしはアシェル様に仕えるためにメイディーの使用人になりましたし、旦那様もそれを承知ですけど……本来使用人は家に仕える者ですわ。結婚をして家を出られる場合、忠誠を誓った主が専属として仕えている主ならついていくかもしれないけれど……そういうのは基本的に侍従ね。テイル公爵家なら申し分ないけれど、侍女は婚活やステータスの為に仕えていることが多いから、あまり勤め先を変えたくないのよ。」
伯爵令嬢でありながら、既に何年も侍女として働いているイザベルだからこその視点なのだろう。
アルフォードの知らなかった話だ。
「殿下たちはもう少しかかりそうだし、そういう話を聞かせて貰っても良いか?普段聞くことが無いから、面白そうだ。」
「良いですわよ。でも……下ろしてはいただけませんの?」
「なんでだ?」
「いいえ、分かっていましたから大丈夫ですわ。」
流石に妹の嬌声をBGMにしたくないので、あの二人の周りにだけ『防音』をかけて、ゆっくりとイザベルとお喋りをして過ごした。
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Side:アシェル14歳 春
アークエイドの熱を口で受け止めてあげると言ったのに拒否され、それでも刺激してやればどうにかなるだろうと思ったのに、両手は後ろ手に拘束されてしまった。それも片手で。
だが、手が使えないなんて些細な問題だ。
そのまま身を屈めてテントを張っているズボンのチャックを咥えて、そのまま下ろす。
もう既に飛び出てきてしまいそうな膨らみを、下着からも解放してやろうとしたところで、グッと身体が起こされる。
「くそっ、手が使えないから大丈夫だと思ってたのに……。」
まさか口だけで自身を剥き出しにされそうになるとは思っていなかったのだろう。
真っ赤な顔で悪態を吐くアークエイドが可愛い。
「別に手が使えなくても問題ないわ。こういう方法も、一杯練習したもの。それに、もうずっと我慢をしていて辛いんでしょう?一杯気持ちよくしてあげるわ。」
「しなくていいっ。」
「こんなにおっきくなってるのに?それに散々わたくしに手を出しておいて、自分は嫌なんて理由は聞かないわ。クスッ、そうね。アークが我慢できなくて、抜いて欲しいってお願いできるようにしてあげるわ。」
「そんなこと、っ!!」
口での下半身への刺激は諦めて、首筋やアークエイドの弱い鎖骨にピチャピチャと音を立てながら舌を這わせていく。
それに手や口がダメだったとしても、脚がある。
アークエイドの脚の間に左脚を押し込んで、一際熱い塊にも刺激を与える。
その刺激にビクッとアークエイドの身体が跳ね、艶めかしい吐息が漏れるのが聞こえる。
そのまま暫く刺激を与えてみるが、アークエイドは必死に我慢しているようだ。
「ふふっ、我慢しているアークも可愛いわ。」
「それはっ、男に言うセリフじゃないだろ。」
「だって可愛いんだもの。」
こうやってアシェル達が絡んでいる姿は、イザベルの希望に添えているだろうか。
本当は男が手を出している姿を見せたいのだろうが、イザベルはアルフォードに迫り始めたし、今言っていたお膳立てはきっと、エッチな雰囲気に当てさせたいのだと思う。
それならば、アシェルから攻めていても問題ないはずだ。
時折聞こえてくるイザベルとアルフォードの声に耳を傾けながら、今日の目的であろう荒療治のため、たっぷりとアークエイドを可愛がる。
普段やり返せないお返しだ。
「くっ……アシェ、止めてくれ……。」
赤く染まって快楽に蕩けかけている表情で、アークエイドに懇願される。
どうやらイザベルの方は決着がついたようだし、香油の瓶も見えた。
もう十分だろう。
「良いよ、もう目的は達成したみたいだから。」
チュッと荒い息を吐く唇にキスをして、アークエイドに与えていた刺激を止めてやる。
あっさりと身を引いたアシェルの目的と言う言葉に、アークエイドがイザベル達を確認した。
「……まさか、最初っからそのつもりだけで……?」
「うん。だって、今日の目的はソレなんでしょ?あっちはもうその気みたいだし、コレでいいはず。だから、手、離してくれる?」
何かおかしいこと言った?と首を傾げるアシェルに、散々我慢して、さらにはたっぷりと刺激を与えられたアークエイドは、もう我慢しなくて良いと思った。
というか、我慢の限界だ。
どうやら使えるらしい『ストレージ』から制服のネクタイを取り出して、拘束しておいたアシェルの手首に巻き付けていく。
縄抜けをアシェルが習得しているかどうかは分からないが、一番難しい結び方できつく結べば抜け出すにも時間がかかるだろう。
それに荒縄よりも、こういう少し柔軟性のある布の方が抜け出しにくい。
「ちょ、アーク?何で、手を縛るのさっ。」
両手の拘束が解けることがないどころか、物理的に拘束しにかかるアークエイドに抗議の声を上げる。
「なんで?言葉遣いも戻ったし、俺で遊んでいたアシェに、たっぷりお仕置きしてやろうと思ってな。」
火傷しそうなほど熱のこもった瞳の持ち主に指摘されて、気が緩んで言葉遣いが戻ってしまっていたことに気付く。
「ごめんなさい、気を付けるわ。それに、これ以上は——。」
「必要ないって言うんだろ?だが悪いな。もう我慢するつもりはない。」
グッと力がかかったと思ったら、あっという間にうつ伏せで椅子に身体を押し付けられる。
それも狭いからか、腰だけを上げた状態で。
「シたいなら、ちゃんとお口で抜いてあげるって言ってるじゃない。それに、この体勢は嫌だわっ。」
「良い眺めだし、仰向けじゃ手が痛いだろ?それにお仕置きなんだ。」
「解けば——ひゃん!?やだぁ、舐めないでっ。」
背中から覆いかぶさってくるアークエイドの体重を感じたと思ったら、背筋をぬるりとした快感が襲う。
今日のワンピースは下着こそ見えないものの、大きく襟ぐりも背中も開いているものだ。
直接肌に持たされた甘美な刺激に、背中をゾクゾクとしたものが駆け上がってくる。
更には太腿も布越しではなく直接撫でられる。
その幾度となく与えられたことのある男らしい手の感触に、頭の芯まで蕩けてしまいそうだ。
「ゃん、あーく、だめなのぉ……っん、それやぁっ……。」
「本当に嫌なのか?それに声を押さえないと、アルフォードやイザベルに丸聞こえだぞ。アシェがイヤらしい声をもっと聞いてほしいなら、部屋にかけた防音をキャンセルしても良いな。」
「やっ、キャンセルしないでっ。こえっ、がまんするからぁ。んっ……っ……ん……。」
さっき少し寝てしまった時に探査魔法を止めてしまったので、今部屋にちゃんと防音がかかっているのか判別が出来ない。
きっといつものアシェルなら、自分で防音し直せば良いだけだと気付いただろうが、既に甘美な快楽に蕩けてしまっていて思いつきもしなかった。
お仕置きと言いつつアシェルをドロドロに溶かしてくる快楽に声を必死に抑えていると、不意にかかっていた体重が無くなり、ピシッという何かをは弾いた音と、太腿にピリッとした痛みを伴う刺激が襲う。それも何度も。
「ひゃんっ!?やっ、なにっ!?あっ、ゃん。いじわるしないでぇ……ぁんっ、んんっ。」
それがガーターベルトを何度も弾かれていることは分かるのだが、ジンジンとする痛みは他の愛撫の刺激に混ざり、それすらも甘い痺れに代わる。
「お仕置きなんだ、少しくらい痛いものだろ。まぁ……アシェの淫乱な身体は、気持ちよくて仕方ないみたいだがな。コレが気持ち良いなんて、アシェはエッチで変態だな。」
アークエイドの艶っぽい言葉に、羞恥でカァっと全身が熱を持つのを感じる。
今アークエイドはどんな気持ちで、ソレを口にしたのだろうか。
色気たっぷりの熱っぽい瞳で笑っているのか、それとも、痛みにすら嬌声を上げたアシェルを侮蔑した瞳をしているのだろうか。
椅子に押し付けられてしまってアークエイドの姿が見えないことに、急激に不安感が襲ってくる。
「きもちぃ、きもちぃからっ。あーく、顔みたいのっ。キスもしたいから、だからこのかっこうやだぁ。」
椅子に押し付けられているアシェルの顔に、アークエイドが近づいてくる。
その瞳に嫌な色は無く、熱を含んだいつものアークエイドだということに安心する。
どれだけ不安に感じていても、アークエイドはアシェルの嫌な眼をしたことがない。それがとても落ち着く。
動かしにくい顔をグッと引き寄せられながら唇が重なり、激しくアシェルの口の中を貪られる。
角度が悪くて唇の隙間からアシェルの嬌声と、どちらのものともいえない唾液が滴り落ちていく。
その間にもアークエイドは、先程痛みを与えられて赤く熱を持っている太腿を、優しく撫で上げてくる。
痛みで腫れた肌は普通に撫でられるよりも敏感に刺激を感じてしまい、そのもどかしいまでの快楽に、早くアークエイドのモノでお腹を満たしてほしいと下腹部が疼く。
アークエイドは無意識に腰を揺らしながらおねだりしているアシェルの、唾液で口の端を汚しながら蕩けきった姿に、いくらアシェルが遊びで誰かと肌を重ねても、快楽でドロドロに蕩けた姿は自分にしか見れないだろうと優越感に浸る。
少しばかり……いや、かなり快楽に弱すぎる気がするので、乱暴に奪われない限りは、だが。
「くくっ、やらしい表情だ。それに……そんなにコレが欲しいのか?」
アシェルの視線を感じて、アークエイドが自身のモノを寛げさせた。
そのアシェルの目の前に出された熱く滾っているアークエイド自身に、アシェルは「ちょうだい。」と呟いて、その熱い塊に口付け舌を這わせる。
今すぐこの熱棒を挿れて、アシェルをもっとドロドロに溶かしてほしい。
刺激すればきっと挿れてくれるはずだと、一生懸命大きなそれを口に含んで、動かしにくい頭も舌も動かして刺激する。
「……っ……アシェ、一回出す……飲んでくれよ?」
アークエイドが自分の欲を飲めというのは珍しいが、アシェルは気にしないし、口に頬張ったままこくんと頷いた。
アークエイドは一度出したくらいじゃ終わらないので、このまま口に出してもらっても問題ないはずだ。
すると頭を押さえられ、アークエイドに好き勝手に口の中を犯される。
フェラチオをしていたはずなのにイラマチオになり、喉の奥まで激しく犯そうとしてくるアークエイドを、息苦しさに涙を浮かべながらもむせ込んだりしないように一生懸命受け入れる。
口の中でどんどん大きくなっていく欲望が弾けて、アシェルの口の中にたっぷりの白濁を注ぎ込む。
コクコクと喉を鳴らしながら、一生懸命飲み干そうとしているのに、量が多すぎるソレは唾液と一緒にアシェルの口元を汚す。
その椅子に零れてしまった欲を、アシェルが舌を伸ばしてピチャピチャと舐めとった。
それも涙に濡れて頬は赤く染まり、蕩けきったどこか恍惚とした表情で。
確実にアークエイドを煽る為ではなく、何も意図せずにそうしているのだとは理解している。
それでも嗜虐心と情欲を掻き立てる艶めかしい姿に、アークエイドのモノは今欲を吐き出したばかりだというのに、またグンっと硬さを増した。
早くアシェルを突き上げて、ドロドロに蕩けた身体を貪りたい。
酸素の薄くなった頭で、少しだけ苦味を感じる欲を舐めとっていると、割れ目を下着ごと擦り上げてくる。
「くくっ、もうびちょびちょだな。それに——こんな男を誘うような下着をつけて。」
アークエイドの指摘に、羞恥心が襲う。
今日の下着は三人で、エリュシオンという下着屋で買ったものだ。
アシェルの着ているサファイアブルーのレースで作られた閨着は、大事な部分がパックリと割れて、服を着たままでも問題なく男性を受け入れられるようになっている。
「やっ、ちがうのっ。」
「そうか。じゃあお腹には要らないんだな?」
ぬちぬちと花芽まで刺激しながら、アークエイドのものがアシェルの秘部に擦り付けられる。
そんな前戯は要らないので、早くこのお腹の疼きを鎮めて欲しい。
「はぁん……んっ……。っはぁ……じらさないでぇ……あーくのほしいの……。さっきからお腹が疼いて、はやくあーくのでいっぱいにしてほしいの……。慣らさなくて良いから、はやく、はやくちょうだいっ。もっといっぱいきもちよくしてぇ。」
アークエイドが挿れようとした指はアシェルに拒否され、艶めかしく腰を振りながら早く挿れろとアシェルがおねだりしてくる。
——本当に、こんな風に男の情欲を煽る言葉や仕草ばかり。いくら前世の記憶があるといっても、無意識にこうやって煽ってくるのは反則だ。
「痛くても知らないからな。」
「~~~~っ!……っは……っは……んっ。……なんでぇ、なんでうごいてくれないのぉ……もっとほしいの……いじわる、しないで……。」
いきなり挿れたし痛くないかも気にしていたのだが、アークエイドのものを受け入れただけでアシェルは達してしまったようだった。
知らないと言ったものの、少しくらい馴染ませる時間をと思っていたのに、アシェルは意地悪されていると思ってしまったようだ。泣きそうな表情と声で、早く動いてくれとおねだりしてくる。
アークエイドがバックから激しく突き上げれば、アシェルは背を反らしながらそれを受け入れ、もう抑える気もない嬌声を響かせる。
アークエイドが何度もアシェルのお腹を欲で満たし、アシェルも数えられないほど達していたはずなのに、アシェルはもっと欲しいとおねだりをして、アークエイドを焚き付けてきた。両手の拘束を解いてやってもだ。
きっと快楽に蕩けきったアシェルは、アルフォードとイザベルのことなんて覚えていないのだろう。ただただ貪欲に、アークエイドから与えられる快楽を求めてきた。
どれくらいそうしていたのかは分からないが、結局首にしがみついてきておねだりを続けるアシェルが満足して気をやるまで、アークエイドとアシェルは交わり続けた。
アルフォード達はわざわざアークエイド達の周りに防音をかけてくれて、行為が終わるのを待ってくれていたらしい。
アシェルは全く声を抑えていなかったし、アルフォードだって妹の艶めかしい声など聴きたくなかっただろう。
ドロドロのまま気をやって寝息をたてるアシェルを抱えたアークエイドに、アルフォードは苦笑しながら。
「アシェがすまない。それと……凄いな。俺には無理だ。」
とだけ言われた。
『クリーン』をかけて身なりを整えてやったものの、アシェルをアークエイドから引き剥がすことが出来なかったため。
その日はそれぞれ二人ずつ別れ、メイディー邸と王宮へと戻った。
あまりにも激しくて淫靡な二人の行為に、アルフォードとイザベルが二回戦に突入したことも。イザベルと邸に戻ったアルフォードが、サーニャとウィリアムに生暖かい視線を送られたことも。
アークエイドもアシェルも知らないお話。
エロ回ラスト。
会話の中身も、後半も※ばかり。
二人分あるので、いつもより更に文字量多め。
*********
Side:アルフォード18歳 春
イザベルからのお誘いを色々と理由を付けて断ろうとするアルフォードに、腕の中でイザベルはにこりと笑う。
「別に場所も観客も気にしませんわ。これを逃すと、アル様は理由を付けて結婚までお預けしてきそうですもの。折角反応があるのだから、興奮している今のうちにシて頂きたいわ。それに、先日お母様から頂いた香油がありますの。これがあれば、準備は問題ありませんわよね?」
「……最近サーニャから香油を貰ったのか?俺とのことを何か言ったのか?」
別に母親が娘に香油を贈るのは、特別おかしいことではない。
女性自身の身を守る為にも、お守り代わりに渡す母親も少なくないだろう。
ただ、タイミングが凄く引っかかる。
「いいえ。今日だってアシェル様の準備は全てわたくしがして、お母様には内緒で来ましたもの。帰省した日に母から良い人がいないか聞かれた時も、何も言ってませんし。きっと年頃だからとプレゼントしてくれたんだと思いますわ。」
イザベルは内緒で来たというが、サーニャは侍女長だ。
そして部屋付きの侍女侍従に限らず、ほとんどの使用人のトップはその侍女長だ。
今日出かける顔ぶれだって、数日前に確実に知っているはずである。
そして見送りに来ていないとしても今日のアルフォード達の装いを、確実にサーニャは知っているだろう。
それなのにイザベルに香油を渡したということは、遠回しに許可が降りたということだ。
求婚でサーニャに反対される可能性は消えたが、今日は微笑ましいものを見るような眼で見られるんだろうなと確信する。
「……そうか。でもいくら香油があったって……。」
「……アル様。これだけ身体は素直なのに理性が邪魔だって言うなら、お薬を飲んでいただきますわよ?」
地味に怖いことを言われているが、仮に媚薬を飲まされたとしても体質が分解してくれる。
正直なところ、これだけ密着した状態で興奮するなと言う方が無理だし、情欲を感じていないわけではない。それでも、魔力で分解する時間くらいは耐えられるだろう。
「媚薬を持ってるのか?俺がそれを飲んだとしても分解できるのは知ってるだろ。それに、口に残った薬がベルに入った方が大変だろ。流石に薬を盛ってきたら、誤ってベルに影響が出たとしても解毒してやらないからな。俺はこうやって、ベルが腕の中にいるだけで嬉しいんだから。」
イザベルの身体に回している腕に力をこめて、そうアピールする。
わざわざ急いで身体を繋げる必要はないはずだ。それもこんな場所で。
「えぇ、持っていますわ。お守りとして渡された、アシェル様特製の極悪なものを。」
ニッコリと告げられた製作者の名前に、思わずアシェルの方を見た。
イザベルにお守りとして媚薬を渡したらしいアシェルは、アークエイドに後ろ手に両手を拘束されているのに、必死に欲求に耐えているであろうアークエイドの頸筋に舌を這わせていた。
どうにか口でされることは回避したようだが、今はアシェルにどこまで我慢が効くのか試されているところだろうか。
アシェルの瞳には相変わらず悪戯っぽい輝きが見えるし、アークエイドの脚の間に押し込まれている左脚は、太腿や膝で熱を持った部分を刺激しようとしている。
目にしてしまった光景に、慌てて視線を逸らす。
そしてあれは妹ではないと、色味の違いを理由にどうにか自分に言い聞かせる。妹の情事を覗く兄は最低だろう。
一先ず、イザベルが持っている媚薬をどうするかだ。
市販のものなら間違いなく分解できる自信があるが、アシェルが作ったものは何が入っているのか分からないのが問題だ。
普通のレシピ通りに作ったというなら、それは問題ないだろう。
フォアユウ草は庭にあって味見をしたこともあるし、女に使われることはまずないが、王族は毒薬の次に媚薬を使われる率が高い。
そのためフォアユウ草単体の解毒も、一般的にヒューナイト王国で手に入りやすい媚薬の解毒も、一通り覚えている。
問題は、その一般的に使われる素材がほとんど使われておらず、即効性があって、効果が強かった場合だ。持続力もあれば薬としては最高でも、分解する側からすれば最悪だと言っても過言じゃないだろう。
アシェルはその最悪を全て網羅している可能性がある。というか、間違いなくしているだろう。
アシェルが恐らくアルフォードをその気にさせるためのお守りとして渡したのに、普段から効果を突き詰めたものを作るのが大好きな妹が、媚薬だからと効果を突き詰めていないわけがない。
「それは流石に飲みたくないな。……いや、厳密には味見したいけど、味見するなら実験室に籠れるときだ。」
正直、どんな代物なのか、物凄く味見はしたい。
でもそれは、絶対に今ではないはずだ。
「でしたら味見用に、ティースプーン一杯分だけ残しておいて差し上げますわ。アル様専用の特別調合らしいので、効果はお墨付きですわよ。本当は使うつもりが無かったから、どうにか雰囲気に当てられてくれないかしらと思ったけれど……ここまで言っても手を出していただけないのなら、その限りではないわ。」
アシェルの薬を使うという脅しに、アルフォードは降参するしかない。
このまま拒否し続ければ、間違いなく媚薬を口に突っ込まれるだろう。
イザベルがここまで脅してきているのだから、間違いなく力技で実行してくるはずだ。
それなら薬ではなく、自分の意志でイザベルと初めての繋がりの方が良い。
「分かった、分かったから、アシェの薬を使うのだけは止めてくれ。それと、味見させてくれるとしても、一人の時に味見するからな?……香油を出してくれるか?それと、流石にこの体勢じゃやりにくい。抱えるぞ。」
コトリとイザベルがテーブルに香油を置いたのを確認して、上に乗っていたイザベルを抱えて体勢を入れ替える。
防音以外魔法が使えないと聞いていたが身体強化も使えないらしく、身体を鍛えていて良かったと心底思った。とはいえ、身体強化が無くてもイザベルは軽かったのだが。
流石に寝ころべるほど広くはないので、椅子のアームレストと壁が隣接している場所にイザベルを座らせる。
これくらいの広さなら、ぎりぎりどうにかできるだろう。
出来るだけアシェル達からイザベルの顔が見えないように、壁に腕をつき陰にしてやる。
どれくらい効果があるのか分からないが、最初のキスをする間くらいは隠してやれるだろう。
「なぁ、ベル。本当にココで良いのか?なるべく痛みが無いように気をつけるし、服も脱がさないようにするけど……。ベルが途中で嫌だって言っても、シはじめたら止まれないぞ。流石に途中で我慢できるほどお人好しじゃないからな。俺にも性欲はあるんだ。」
最終警告のつもりでアルフォードはそう告げたのに、イザベルは頬を染めて微笑んだ。
「えぇ。ずっとこの日を夢見ていたんだもの。アル様と繋がれるなら、場所なんて些細な問題だわ。それにわたくしよりも、アル様に気持ち良くなっていただけたら良いわ。」
「それは無理な相談だな。」
イザベルの顎を上げ、お洒落だけではなく色付いた可愛い唇に口付ける。
嬉しそうな、それでいて恥ずかしそうなイザベルの姿はとても新鮮で、自分にしか見せてくれない姿だと思うと嬉しい。
啄むように口付けたあとそのまま離れようとした唇を、そっとイザベルの舌が舐めてきた。
それも、盛大に顔を真っ赤にして。
そんな可愛いおねだりに答えて舌を押し込めば、すんなりと受け入れられる。
やり方は知っているが、やったことはないし上手なわけではない。
お互いたどたどしく舌を絡めながら、快楽とは程遠いのに、心が満たされるのを感じる。
アシェルがアークエイドにキスをねだる気持ちが、なんとなく分かる気がする。
流石に服を脱がせるわけにはいかないので、デザイン的に開いている首筋と鎖骨に舌を這わせながら、ワンピースの上から優しく柔らかな双丘を揉む。
恥ずかしさはあるだろうが、初めてならこうして揉んだところで、そこまで気持ちよくはないだろう。
単純に、アルフォードが揉みたかっただけだ。
「あ、の……アル様。このワンピース……胸元をはだけさせれますの……。」
そう言いながらイザベルは、肩紐と本体を繋ぐ飾りだと思っていた金属のリングを二つとも外してしまう。
それだけで肌着を隠していたワンピースはパサリと落ちてしまう。
ウエストを絞っているリボンを解いてしまえば、恐らくすんなり脱げるワンピースだったのではないだろうか。
顕わになった豊かな双丘と、彩りながらソレを薄っすらと隠す下着に、見すぎては失礼だと思うのに目を逸らすことが出来ない。
どう見てもこの薄いレースの下着は、閨着だろう。
「アル様……そんなに見られると、流石に恥ずかしいですわ……。アシェル様ほど大きくもありませんし……。」
自分から見せてくれたのに、イザベルの腕がむにゅッと柔らかい肉を変形させながら胸元に寄せられる。
「恥ずかしがるベルも可愛いけど、もっとベルのことを見せてほしいな。ほら、隠さないで。それに、ベルだって大きいだろ。凄く触り心地が良くて好きだぞ。」
イザベルの手を下ろさせて、突起が透けている場所をレースの上から擦りながら、柔らかい胸を揉みしだく。
チュッチュと鎖骨や胸に口付けを落としながらレース越しに突起を舐めると、イザベルから艶めかしい声が上がった。
そんな声が出ると思っていなかったのだろう。真っ赤な顔で、口元を覆ってしまっている。
「クスッ……気持ち良かったのか?本当ならベルの可愛い声を聴きながらシたいとこだけど……アシェはともかく、殿下には聞かせたくないからな。ちゃんと声抑えてくれよ?」
「アル、様っ。そんなこと言いながら、っん、攻めないで下さいませっ。思ってた感じと違うんですもの……。」
「痛かったりしたか?」
デリケートな部分なので痛がらせたのかと思ったが、イザベルはフルフルと首を振る。
「違うわ……その……触っていただくところ全てが、ジンジンして、気持ち良いんですの……。閨事に慣れるまで、そういう気持ち良さは無いと聞いてましたから……。」
「相性もあるだろうけど、ベルだって殿下たちを見て興奮したんだろ?興奮したほうが感度は上がるからな。……なぁ、流石に所有印を付けたらダメか?ココなら見えないと思うんだが。」
双丘の盛り上がった部分をぺろりと舐めると、イザベルの身体がビクンっと跳ねた。
撫でるより舐めたほうが気持ち良いのだろうか。
「……お好きにしてくださいませ……わたくしはアル様のものですわ……。」
許可を得て柔らかい肌に吸い付いた。
イザベルの綺麗な肌に、赤い花びらが散る。
それから時間をかけてキスをしたり胸を愛撫したりしながら、イザベルを蕩けさせていく。
イザベルがもじもじと股をすり合わせ始めたので、そろそろ頃合いだろう。
指の隙間から零れるイザベルの嬌声と、声を押さえようとしているのだろうがしっかり聞こえてくるアシェルの嬌声が部屋を満たしている。
サーニャからだという香油を有り難く使わせていただいて、イザベルの秘部を擦り上げ、溢れる蜜でさらに花芽までヌルヌルにしていく。
ブラジャーと同じレースの使われた面積の少なすぎる紐パンは、汚れないように先に脱がせた。
「凄いな。まだ指を入れてないのに、もうびちょびちょだぞ。どんどん溢れてくる。ベルにも分かるか?」
「言わないで下さいませ。それに……焦らしてばかりで意地悪ですわ……わたくし、もっと、ひゃっ、ダメッ。一緒にシないでくださいませっ。ぁん、んんっ……アルおにぃさまっ、おかしくなりそうですのっ、それ以上はイヤですわ……はぁん、ダメ、ですのにぃ……っんん、んぅっ。」
焦らすなと言われたので指を一本だけ埋めてやり、硬くなっている花芽へも刺激を与える。
指を入れられた違和感は減るはずなのだが、どうも花芽への刺激が気持ちよくて仕方ないらしい。
一本しか入れていない指をきゅうきゅうと締め付けてきて、解すどころではない。
一度イかせてやるべきだろう。
「嫌って言っても止めないって言ったろ。そんなにココが好きなのか?それにイキそうなのはベルも分かってるんだろ——自分でシてるんだから。」
「~~っ!!」
アルフォードの指摘にイザベルの身体が大きく跳ね、指がぎゅうぎゅうと締め付けられる。
あまりにも花芽への刺激だけ反応が良いのでカマを掛けたのだが、どうやら図星だったようだ。
イった後に緩んで柔らかくなった中に、もう一本指を埋める。
本当は三本分くらいは慣らしてやりたいのだが、そこまで我慢できるだろうか。
「エッチなベルも可愛いな。ココは自分で弄ってるのに、中は手付かずなんだな。そんなにココが良かったのか?」
また花芽も擦りながら、指はゆっくりと抽送する。
どんどん愛液が溢れてくるので、香油は無くても良かったかもしれない。
イザベルは真っ赤な顔で口を抑えて、フルフルと首を振っている。
まさか自慰しているとバレるとは思っていなかったのだろう。
真っ赤な顔で涙を浮かべるイザベルが愛しくて、そして虐めたくて仕方ない。
「本当はもう少しゆっくりって思ってたけど……ベルが可愛すぎて無理だ。挿れても良いか?」
一応確認を取れば、コクコクと頷かれる。
必要ないだろうが自身のモノを香油で濡らして、イザベルの中にゆっくりと埋めていく。
表情を見ても痛くはなさそうなので、ゆっくりと一番奥まで挿れてしまった。
スカートが隠してくれるので、丸見えにはならないはずだ。
「……っふ……。ベル、痛くないか?」
「えぇ、大丈夫ですわ。それよりも、こうしてアル様と繋がれたことが嬉しくて……。」
イザベルはボロボロと涙を流し始めてしまう。
好きな女性の涙は、こんなにも扇情的に見えるものなのか。
「泣かないでくれ、ベル。ごめんな、あんまり我慢できそうにない。動くからな。」
アルフォードは動いていないのに、先程から暖かなうねりが、ぎゅうぎゅうと締め付けて刺激してくるのだ。
激しく腰を突き動かしたい衝動を抑えながら、ゆっくりと抽送する。
やっぱり中は、花芽ほど良くはないようだ。
「ベル。俺のことは気にせず、好きなだけイっていいからな?」
イザベルが何のことかを問う前に、花芽を指で刺激しながら腰を振る。
もう動きを加減してやれなかった。
それだけで脳を溶かしてしまいそうな嬌声が聞こえてきて、イザベルの中がきゅうきゅうと締め付けを増す。
何度も小さな絶頂を迎えていたようだったが、イザベルの身体が大きく跳ね、一際強く締め付けてくる刺激に、名残惜しさを振り払い自身のモノを引き抜いた。
そして出しておいたタオルに、自身の欲をぶちまける。
——このタオルは捨ててしまおう。
何度もイったせいで少しぼぅっとしてるイザベルの洋服を手早く整え、自身も身なりを整える。
身体強化は使えないのに、『クリーン』は使えるようだったので使っておいた。
くたっとしているイザベルを膝に乗せ、まだ余韻から戻ってこないイザベルの頬や耳元にキスを落としていると、ようやくイザベルの声が聞こえてきた。
「……中に出してくださって良かったのに……。」
「良いわけないだろ。まだベルは学生なんだ。子が出来たら困るだろ。」
「アシェル様のお世話が出来れば十分ですわ。」
しっかりとした声で話しているが、恥ずかしいのか顔をうつむかせてしまっている。
可愛いイザベルの顔を見ながら話したいのだが仕方ない。
「もし身重になったら、アシェの世話はサーニャにさせるからな。最悪、マルローネを貸してもらってくる。」
「もしそうなったら旦那様にお願いして、臨月付近だけマルローネをアシェル様に付けて頂きますわ。メルティー様に付いていかず、邸に残ると言ってましたので。」
「そうなのか?それ、メルも知ってるのか??」
アルフォードは初耳だ。
メルティーはマリクと婚約したので、メルティー専属侍女のマルローネは、二人が婚姻を済ませたら一緒にテイル家に行くのだと思っていた。
「えぇ、ご存知のはずですわ。わたくしはアシェル様に仕えるためにメイディーの使用人になりましたし、旦那様もそれを承知ですけど……本来使用人は家に仕える者ですわ。結婚をして家を出られる場合、忠誠を誓った主が専属として仕えている主ならついていくかもしれないけれど……そういうのは基本的に侍従ね。テイル公爵家なら申し分ないけれど、侍女は婚活やステータスの為に仕えていることが多いから、あまり勤め先を変えたくないのよ。」
伯爵令嬢でありながら、既に何年も侍女として働いているイザベルだからこその視点なのだろう。
アルフォードの知らなかった話だ。
「殿下たちはもう少しかかりそうだし、そういう話を聞かせて貰っても良いか?普段聞くことが無いから、面白そうだ。」
「良いですわよ。でも……下ろしてはいただけませんの?」
「なんでだ?」
「いいえ、分かっていましたから大丈夫ですわ。」
流石に妹の嬌声をBGMにしたくないので、あの二人の周りにだけ『防音』をかけて、ゆっくりとイザベルとお喋りをして過ごした。
========
Side:アシェル14歳 春
アークエイドの熱を口で受け止めてあげると言ったのに拒否され、それでも刺激してやればどうにかなるだろうと思ったのに、両手は後ろ手に拘束されてしまった。それも片手で。
だが、手が使えないなんて些細な問題だ。
そのまま身を屈めてテントを張っているズボンのチャックを咥えて、そのまま下ろす。
もう既に飛び出てきてしまいそうな膨らみを、下着からも解放してやろうとしたところで、グッと身体が起こされる。
「くそっ、手が使えないから大丈夫だと思ってたのに……。」
まさか口だけで自身を剥き出しにされそうになるとは思っていなかったのだろう。
真っ赤な顔で悪態を吐くアークエイドが可愛い。
「別に手が使えなくても問題ないわ。こういう方法も、一杯練習したもの。それに、もうずっと我慢をしていて辛いんでしょう?一杯気持ちよくしてあげるわ。」
「しなくていいっ。」
「こんなにおっきくなってるのに?それに散々わたくしに手を出しておいて、自分は嫌なんて理由は聞かないわ。クスッ、そうね。アークが我慢できなくて、抜いて欲しいってお願いできるようにしてあげるわ。」
「そんなこと、っ!!」
口での下半身への刺激は諦めて、首筋やアークエイドの弱い鎖骨にピチャピチャと音を立てながら舌を這わせていく。
それに手や口がダメだったとしても、脚がある。
アークエイドの脚の間に左脚を押し込んで、一際熱い塊にも刺激を与える。
その刺激にビクッとアークエイドの身体が跳ね、艶めかしい吐息が漏れるのが聞こえる。
そのまま暫く刺激を与えてみるが、アークエイドは必死に我慢しているようだ。
「ふふっ、我慢しているアークも可愛いわ。」
「それはっ、男に言うセリフじゃないだろ。」
「だって可愛いんだもの。」
こうやってアシェル達が絡んでいる姿は、イザベルの希望に添えているだろうか。
本当は男が手を出している姿を見せたいのだろうが、イザベルはアルフォードに迫り始めたし、今言っていたお膳立てはきっと、エッチな雰囲気に当てさせたいのだと思う。
それならば、アシェルから攻めていても問題ないはずだ。
時折聞こえてくるイザベルとアルフォードの声に耳を傾けながら、今日の目的であろう荒療治のため、たっぷりとアークエイドを可愛がる。
普段やり返せないお返しだ。
「くっ……アシェ、止めてくれ……。」
赤く染まって快楽に蕩けかけている表情で、アークエイドに懇願される。
どうやらイザベルの方は決着がついたようだし、香油の瓶も見えた。
もう十分だろう。
「良いよ、もう目的は達成したみたいだから。」
チュッと荒い息を吐く唇にキスをして、アークエイドに与えていた刺激を止めてやる。
あっさりと身を引いたアシェルの目的と言う言葉に、アークエイドがイザベル達を確認した。
「……まさか、最初っからそのつもりだけで……?」
「うん。だって、今日の目的はソレなんでしょ?あっちはもうその気みたいだし、コレでいいはず。だから、手、離してくれる?」
何かおかしいこと言った?と首を傾げるアシェルに、散々我慢して、さらにはたっぷりと刺激を与えられたアークエイドは、もう我慢しなくて良いと思った。
というか、我慢の限界だ。
どうやら使えるらしい『ストレージ』から制服のネクタイを取り出して、拘束しておいたアシェルの手首に巻き付けていく。
縄抜けをアシェルが習得しているかどうかは分からないが、一番難しい結び方できつく結べば抜け出すにも時間がかかるだろう。
それに荒縄よりも、こういう少し柔軟性のある布の方が抜け出しにくい。
「ちょ、アーク?何で、手を縛るのさっ。」
両手の拘束が解けることがないどころか、物理的に拘束しにかかるアークエイドに抗議の声を上げる。
「なんで?言葉遣いも戻ったし、俺で遊んでいたアシェに、たっぷりお仕置きしてやろうと思ってな。」
火傷しそうなほど熱のこもった瞳の持ち主に指摘されて、気が緩んで言葉遣いが戻ってしまっていたことに気付く。
「ごめんなさい、気を付けるわ。それに、これ以上は——。」
「必要ないって言うんだろ?だが悪いな。もう我慢するつもりはない。」
グッと力がかかったと思ったら、あっという間にうつ伏せで椅子に身体を押し付けられる。
それも狭いからか、腰だけを上げた状態で。
「シたいなら、ちゃんとお口で抜いてあげるって言ってるじゃない。それに、この体勢は嫌だわっ。」
「良い眺めだし、仰向けじゃ手が痛いだろ?それにお仕置きなんだ。」
「解けば——ひゃん!?やだぁ、舐めないでっ。」
背中から覆いかぶさってくるアークエイドの体重を感じたと思ったら、背筋をぬるりとした快感が襲う。
今日のワンピースは下着こそ見えないものの、大きく襟ぐりも背中も開いているものだ。
直接肌に持たされた甘美な刺激に、背中をゾクゾクとしたものが駆け上がってくる。
更には太腿も布越しではなく直接撫でられる。
その幾度となく与えられたことのある男らしい手の感触に、頭の芯まで蕩けてしまいそうだ。
「ゃん、あーく、だめなのぉ……っん、それやぁっ……。」
「本当に嫌なのか?それに声を押さえないと、アルフォードやイザベルに丸聞こえだぞ。アシェがイヤらしい声をもっと聞いてほしいなら、部屋にかけた防音をキャンセルしても良いな。」
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お仕置きと言いつつアシェルをドロドロに溶かしてくる快楽に声を必死に抑えていると、不意にかかっていた体重が無くなり、ピシッという何かをは弾いた音と、太腿にピリッとした痛みを伴う刺激が襲う。それも何度も。
「ひゃんっ!?やっ、なにっ!?あっ、ゃん。いじわるしないでぇ……ぁんっ、んんっ。」
それがガーターベルトを何度も弾かれていることは分かるのだが、ジンジンとする痛みは他の愛撫の刺激に混ざり、それすらも甘い痺れに代わる。
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椅子に押し付けられてしまってアークエイドの姿が見えないことに、急激に不安感が襲ってくる。
「きもちぃ、きもちぃからっ。あーく、顔みたいのっ。キスもしたいから、だからこのかっこうやだぁ。」
椅子に押し付けられているアシェルの顔に、アークエイドが近づいてくる。
その瞳に嫌な色は無く、熱を含んだいつものアークエイドだということに安心する。
どれだけ不安に感じていても、アークエイドはアシェルの嫌な眼をしたことがない。それがとても落ち着く。
動かしにくい顔をグッと引き寄せられながら唇が重なり、激しくアシェルの口の中を貪られる。
角度が悪くて唇の隙間からアシェルの嬌声と、どちらのものともいえない唾液が滴り落ちていく。
その間にもアークエイドは、先程痛みを与えられて赤く熱を持っている太腿を、優しく撫で上げてくる。
痛みで腫れた肌は普通に撫でられるよりも敏感に刺激を感じてしまい、そのもどかしいまでの快楽に、早くアークエイドのモノでお腹を満たしてほしいと下腹部が疼く。
アークエイドは無意識に腰を揺らしながらおねだりしているアシェルの、唾液で口の端を汚しながら蕩けきった姿に、いくらアシェルが遊びで誰かと肌を重ねても、快楽でドロドロに蕩けた姿は自分にしか見れないだろうと優越感に浸る。
少しばかり……いや、かなり快楽に弱すぎる気がするので、乱暴に奪われない限りは、だが。
「くくっ、やらしい表情だ。それに……そんなにコレが欲しいのか?」
アシェルの視線を感じて、アークエイドが自身のモノを寛げさせた。
そのアシェルの目の前に出された熱く滾っているアークエイド自身に、アシェルは「ちょうだい。」と呟いて、その熱い塊に口付け舌を這わせる。
今すぐこの熱棒を挿れて、アシェルをもっとドロドロに溶かしてほしい。
刺激すればきっと挿れてくれるはずだと、一生懸命大きなそれを口に含んで、動かしにくい頭も舌も動かして刺激する。
「……っ……アシェ、一回出す……飲んでくれよ?」
アークエイドが自分の欲を飲めというのは珍しいが、アシェルは気にしないし、口に頬張ったままこくんと頷いた。
アークエイドは一度出したくらいじゃ終わらないので、このまま口に出してもらっても問題ないはずだ。
すると頭を押さえられ、アークエイドに好き勝手に口の中を犯される。
フェラチオをしていたはずなのにイラマチオになり、喉の奥まで激しく犯そうとしてくるアークエイドを、息苦しさに涙を浮かべながらもむせ込んだりしないように一生懸命受け入れる。
口の中でどんどん大きくなっていく欲望が弾けて、アシェルの口の中にたっぷりの白濁を注ぎ込む。
コクコクと喉を鳴らしながら、一生懸命飲み干そうとしているのに、量が多すぎるソレは唾液と一緒にアシェルの口元を汚す。
その椅子に零れてしまった欲を、アシェルが舌を伸ばしてピチャピチャと舐めとった。
それも涙に濡れて頬は赤く染まり、蕩けきったどこか恍惚とした表情で。
確実にアークエイドを煽る為ではなく、何も意図せずにそうしているのだとは理解している。
それでも嗜虐心と情欲を掻き立てる艶めかしい姿に、アークエイドのモノは今欲を吐き出したばかりだというのに、またグンっと硬さを増した。
早くアシェルを突き上げて、ドロドロに蕩けた身体を貪りたい。
酸素の薄くなった頭で、少しだけ苦味を感じる欲を舐めとっていると、割れ目を下着ごと擦り上げてくる。
「くくっ、もうびちょびちょだな。それに——こんな男を誘うような下着をつけて。」
アークエイドの指摘に、羞恥心が襲う。
今日の下着は三人で、エリュシオンという下着屋で買ったものだ。
アシェルの着ているサファイアブルーのレースで作られた閨着は、大事な部分がパックリと割れて、服を着たままでも問題なく男性を受け入れられるようになっている。
「やっ、ちがうのっ。」
「そうか。じゃあお腹には要らないんだな?」
ぬちぬちと花芽まで刺激しながら、アークエイドのものがアシェルの秘部に擦り付けられる。
そんな前戯は要らないので、早くこのお腹の疼きを鎮めて欲しい。
「はぁん……んっ……。っはぁ……じらさないでぇ……あーくのほしいの……。さっきからお腹が疼いて、はやくあーくのでいっぱいにしてほしいの……。慣らさなくて良いから、はやく、はやくちょうだいっ。もっといっぱいきもちよくしてぇ。」
アークエイドが挿れようとした指はアシェルに拒否され、艶めかしく腰を振りながら早く挿れろとアシェルがおねだりしてくる。
——本当に、こんな風に男の情欲を煽る言葉や仕草ばかり。いくら前世の記憶があるといっても、無意識にこうやって煽ってくるのは反則だ。
「痛くても知らないからな。」
「~~~~っ!……っは……っは……んっ。……なんでぇ、なんでうごいてくれないのぉ……もっとほしいの……いじわる、しないで……。」
いきなり挿れたし痛くないかも気にしていたのだが、アークエイドのものを受け入れただけでアシェルは達してしまったようだった。
知らないと言ったものの、少しくらい馴染ませる時間をと思っていたのに、アシェルは意地悪されていると思ってしまったようだ。泣きそうな表情と声で、早く動いてくれとおねだりしてくる。
アークエイドがバックから激しく突き上げれば、アシェルは背を反らしながらそれを受け入れ、もう抑える気もない嬌声を響かせる。
アークエイドが何度もアシェルのお腹を欲で満たし、アシェルも数えられないほど達していたはずなのに、アシェルはもっと欲しいとおねだりをして、アークエイドを焚き付けてきた。両手の拘束を解いてやってもだ。
きっと快楽に蕩けきったアシェルは、アルフォードとイザベルのことなんて覚えていないのだろう。ただただ貪欲に、アークエイドから与えられる快楽を求めてきた。
どれくらいそうしていたのかは分からないが、結局首にしがみついてきておねだりを続けるアシェルが満足して気をやるまで、アークエイドとアシェルは交わり続けた。
アルフォード達はわざわざアークエイド達の周りに防音をかけてくれて、行為が終わるのを待ってくれていたらしい。
アシェルは全く声を抑えていなかったし、アルフォードだって妹の艶めかしい声など聴きたくなかっただろう。
ドロドロのまま気をやって寝息をたてるアシェルを抱えたアークエイドに、アルフォードは苦笑しながら。
「アシェがすまない。それと……凄いな。俺には無理だ。」
とだけ言われた。
『クリーン』をかけて身なりを整えてやったものの、アシェルをアークエイドから引き剥がすことが出来なかったため。
その日はそれぞれ二人ずつ別れ、メイディー邸と王宮へと戻った。
あまりにも激しくて淫靡な二人の行為に、アルフォードとイザベルが二回戦に突入したことも。イザベルと邸に戻ったアルフォードが、サーニャとウィリアムに生暖かい視線を送られたことも。
アークエイドもアシェルも知らないお話。
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そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
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