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第一章

オーガとオーク ゲームの攻略キャラに会う2

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そして視線は、次にゾールスの隣に向けた

そしたらゾールスの腕に引っ付いていた少女と目が合い、少女は、ゾールスから離れると姿勢を正した

「お初にお目にかかります
私は、【シャルロット・ゴドルフィル】と申します
ファンシア様とエルミナ様とは、昔からの親友でございます」

シャルロット・ゴドルフィル
【プリンセス・セレナーデ】での第一のヒロインだ
確か作品の設定では、王都の第二姫君だったが、この世界では、既にエルーガとファンシアが王位に居る為、今は、貴族と言う立場らしい…………
だけど、見るからにその貴族の中でも高位の貴族だろうと、見て分かる
ストーリーでは、水魔法を得意とし、主人公のサポートを得意としていて、その結果、水魔法では、右に出る者は居ないと言われている
……………正直、【プリンセス・セレナーデ】に関しては、全然プレイをしていなかったから、分かんないけど………
何も言えねぇ……………

「私は、【ルーシャ・オンミャ】
必要な物があったら言ってね
父の商会で用意するから♪」


ルーシャ・オンミャ

【プリンセス・セレナーデ】では、商会ギルドの愛娘であり、後の【絶剣】と呼ばれる国一の剣士だ
ストーリーでは、ギルドのゴタゴタ、父親の死に主人公と共にクリアし、パーティの一員として、頼りになる姉御…………

(うん……………、やっぱり積みゲーを溜めるとダメだな……………
全然、キャラが一致してねえ…………)

隣のツッキーを見れば、二人の顔を見て、感激してるのが見える
…………まぁ、夢中になったゲームのキャラに会ってテンションが上がってるのが分かるがな

「初めて………、まして…………
【ユーリカ・ファント】………、です………」

「お、おぅ…………、よろしくな………」

消えそうなくらいか細い声で自己紹介してきた少女に俺は引き笑いながら答えた

ユーリカ・ファント?
……………誰だ?
ゲームをやる前にネタバレになるのは、避けつつ、調べたけど、印象に残ってないな…………
おかしいな…………、俺って、記憶力は、いい方なんだが……………

「…………っっっ」

ふと、隣から声を我慢してる息遣いが聞こえ、見れば、ツッキーが思いっきり唇を噛み締め、声を上げるのを我慢していた

(何やってんだ?コイツ…………)

そんなツッキーをほっとき、エルミナが自慢げに俺の前に来た

「ユーマ、アカツキ!!
以上が私の自慢の親友達よ!!」

「そうか…………、いい友人達が出来たな」

「えぇ」

エルミナが誇らしげに笑えば、釣られて俺も笑った
ふと、ユーリカがこちらに近づいて来るのが見えた

「あ、あの………」

「ん?
どうした?」

声をかけられ、俺は目線を合わせるようにしゃがみ、ユーリカを見た

「わ、私を見ても…………、大丈夫なんですか?」

「…………? どういうことだ?」

突然、そんな事を言われ、俺は首を傾げれば、エルミナがゾールスが俺に近づいて来た

「ユーマ、彼女は、【魔眼】の持ち主で、目線を合わせたら、相手の魔力を吸ってしまうらしい…………」

「は? どういう事だ?」

「ここでは説明は省くが、魔眼の暴走…………、コントロールが出来てないみたいだ」

ゾールスがそう耳打ちをしてきて、俺は、改めてユーリカの眼を見た
ユーリカの眼は、確かに魔力が帯びていて、薄くだが、魔法陣が浮き出ている

(…………あれ?
そう言えば、魔眼のキャラが居て、それの攻略が高難易度で、『難しい~』って、ツッキーが嘆いてたが……………)

そこで改めてツッキーを見れば、他の連中には、分からないだろうが、天を仰ぎ、感動に耽っていた

(…………コイツか~)

ツッキーの反応で、納得すれば、改めてユーリカの眼を見た
確かに魔力が吸われる感覚はあるが、俺………
いや、ツッキーやエルミナ達は大丈夫だろう
そうそう魔力切れにはならないからな

「あ、あの…………」

「ん? あぁ、すまん
魔眼か……………、ソレの制御の仕方を考えていてな」

「で、出来るのですか!?」

「まぁ、手探りになるだろうが、出来るはずだ
少し時間がかかるし、お前にも負担を強いるかもしれんから時間をかければ、な」

そう言えば、ユーリカは、嬉しそうにほくそ笑んだのを見て、その頭を撫でてやる
何か、こうした姿を見ると頭を撫でたくなる気持ちになるな…………

「とりあえず…………、これで攻略キャラは、一通りだな…………」

ツッキーが小さく呟きながら今後の事を考えてるのを、俺は聞きながら俺も今後の事を考えた

残りの攻略キャラは、未だ面識は誰も無い…………

(こりゃあ…………、長い道のりになりそうだな……………)

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