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第一章
オーガ、拠点を作る
しおりを挟む会社に向かう途中、トラックに轢かれ、死んだ俺は、シェアのお陰で、この世界にオーガとして転生した
だからこの世界で生きてみようと思っているが…………
(先ずは飲み水からだな)
森を歩きながら、周りを見渡し、川を探した
最低でも水が無かったら、生きていくのは不可能だ
だからこうして森を耳を澄ましながら進んでいるんだが…………
(一向に川が見当たらない…………)
汗を拭いながら思わず溜息を漏らした
歩いて、一時間ぐらい経とうとしているが、水の音がしない…………
と、いうか、ここがゲームと同じなら魔物も居るって事になるから…………
早めに水を確保しとかないと、このままじゃ、また死んじまう…………
そう考えていると、微かに音が聞こえた
一瞬で分かりにくかったが、微かに“チャポン”と言う音がした
(音の方は…………、あっちか………)
音のした方へ、歩いていく事、二、三十分くらいだろうか………
いきなり視界が開け、目の前に大きな湖が現れた
湖に近づき、覗き込めば、水は透き通り、飲み水としては、大丈夫だろう………
手で水を掬い、一飲みすれば、乾いた喉に冷たい水が染み渡るのを感じた
ようやく一息つけると、腰を下ろして、改めて周りを見た
周りは、森に囲まれ、視界は良好………
それに周りに気配は無く、ここなら住みやすそうだ
(ん?
気配が無いって何で分かるんだ?)
素朴な疑問が浮かんでくれば、急に目の前にウィンドウが出てくれば、《気配察知スキル・発動中》と現れた
どうやらスキルで気配が分かっていたらしい………
まぁ、そんな事より…………
「大分、大きな湖だな」
呟いながら湖を見ていると、ふと、首を傾げた
(あれ?
何だか、見覚えがあるような?)
恐らくゲームで登場した所だろうか、何処か見覚えがあるような気がしてならない
湖の周りをゆっくり歩きながら見ていくと、ある地点で足を止めた
そこは、湖の光景だが、そこだけ珍しい花が咲き誇っていて、そこだけ花畑だった
「…………あっ!!」
その光景を見た瞬間、俺は思わず声を出した
そう、この光景を俺は一度、見た事があり、それを思い出したからだ
(そうだ、そうだよ!!
何で忘れてたんだ!!
ここは【プリンセス・セレナーデ】のエンディングで主人公がヒロインに告白する場所だ!!)
ここは【プリンセス・セレナーデ】のエンディング中に、主人公がヒロインをここへ、花を見せる為にここに連れてきて、ここでヒロインに告白し、将来を誓い合う場面の場所だった
見れば見るほど、その光景を思い出す………
(って、言われても俺…………
ヒロイン全員をクリアした訳じゃ無いんだよな…………)
トホホ………、と思いながら俺は再び周りを見た
ここは花畑を避ければ、家を建てるには、最適な場所であり、畑を作ったりしても花畑や湖には、影響が無い広さをしていた
(ここにするか…………
いや、ここでいいのか? ストーリーの通りならここに家があったりしたらマズいんじゃ…………、それにオーガがいちゃマズいんじゃ…………)
腕を組み、首を傾げ、考えてみる
考えてみるが……………
「まぁ、いいか」
結局のところ、もう脳死でもいいのかも知れない………
そんな訳で最初の拠点をここにする事にした
家を建てるに辺り、範囲を決めたが…………
(どう作ろう……………
建築士の資格なんて持ってねえからなぁ…………)
家をどう建てようかと悩んでいれば、急に目の前にウィンドウが現れれば、手が勝手に動き、地面に家の設計図が書かれた
ウィンドウを見れば、《建築スキル・発動中》と出ていた
(これは…………、チートだな…………)
俺は苦笑いをするも、体が勝手に動き、モノの足らずに立派な家が出来た
外見は、至って何処にでもありそうな家だが、家の後ろに鍛冶所があり、離れた所に畑まで出来上がった
(見事なまでに全自動で作ったみたいだな………
何か変な感じがするがまぁ、いいか……….、その内、慣れるだろうしな)
考えても異世界だからと片付けるしか出来ない俺は、もう気にする事をやめて、柵を作り、一応、拠点が出来た
(あとは鉱石類を集めて…………)
一息をつき、空を見上げながら俺は今後に必要となってくるであろう鉱石を集めたいと考えていた
流石に木だけの道具を作って使うにしてもボロすぎるし、耐久もない…………
出来るなら鉄………、それかそれ以上の鉱石が欲しい………
あと服も作りたいからそれにも鉄とかが必要になってくる………
(ん、待てよ?
ここがゲームと同じだと言うことは)
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