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第一章
オーガ 目を覚ます
しおりを挟む20xx年…………
今日も太陽が燦々と照りつけてくる中…………
スーツを身につけ、家に鍵をかければ、会社に向かうべく、駆け足で、俺は駅へ向かった
俺、【佐久間悠馬】[訳・サクマユウマ]は、今年で32歳…………
そんで彼女いない歴=年齢…………
ま、まぁ、そんなのは置いておくか
駆け足で走っていれば、目の前で赤信号になり、足止めを食らって、溜息を吐いた
時間には余裕があるが、なるべくなら、早く着いておきたいが…………
仕方ない…………
息を整いつつ、ポケットからスマホを取り出せば、検索履歴から攻略サイトを開いた
会社の同僚の女性から、お薦めされた【貴方に届ける幸福の光】って言う乙女ゲームのサイトだ
内容は、【聖域の乙女】に選ばれたヒロインが、数々の攻略キャラである男性から言い寄られたり、時には対立し、協力し、幸せになるって、言う至って、テンプレ地味な内容だ
だが、他のゲームと異なるとするならば、悪役令嬢までもが、攻略キャラになっているって所だろう
実は、俺は、どちらかと言えば、悪役令嬢の方が好きだな
まぁ、そのルートに行かなければ、悪役令嬢は死亡するから、悲しいなぁ…………
まぁ、そんな事を考えながら、実は、並走しながら、もう一つのゲームをやっている
【プリンセス・セレナーデ】って言ういわゆる恋愛ギャルゲーだ
内容は、ある日、学園に入った主人公が、攻略対象の女性達と切磋琢磨しながらして、愛を育み、最終的には、卒業と同時に結婚と言うエンドするストーリーだ
この二つは、同じ会社が作ってるからか、ストーリーは、似てるところがあったり、ゲームシステムも似てるから、並走しても問題ない
まぁ、それも同僚に勧められたんだがな…………
そんな事を考えていれば、青信号になり、メロディーが流れれば、俺はスマホをポケットにしまって、左右を確認すれば、また駆け出した
しかしそんな俺は、そん時、知らなかった…………
居眠り運転をしたトラックが、俺の方に突っ込んできているのを…………
そして気が付いた時には…………、俺はトラックに撥ねられ、宙を舞い、そして地面に叩きつけられれば、そこで意識を失った
頬を撫でる風……….、背中に感じるコンクリートとは、違う感触…………
そして顔にかかった朝露の飛沫で俺はゆっくりと目を開けた
「………………何処だ?」
真っ先に俺が思った事は、そんな事だった
体を起こし、周りを見渡せば、そこは先程まで居た街並みでは無く、木々が生い茂る森だった
空は快晴、気持ちのいい気温で風が気持ちいい…………
「………………っ!?
そうだ!! 俺、トラックに!?」
しばらくそんな光景を眺めていたが、気を失う前の光景を思い出し、立ち上がれば、自分の体を触って確かめた
だが、ここで違和感が生まれた
「何処も痛くねえ?
いや、それどころか、さっきまでスーツだったのに…………」
そう、体は何処も痛く無く、むしろ疲労感も無い…………
至って健康的だ
だが、先ほどまで着ていたであろうスーツは何処にも無く、何も着ていなくて、唯一、身につけているのは、新品っぽい腰布のみ…………
(どうなってやがる?)
訳が分からず、思わず額に手を置いた
すると、手に違和感があった
いつものように額に手を置いているのだが、親指から人差し指の間に何かが、当たっているのだ
しかも二つ…………
「何だ?コレ」
ゆっくりと指を動かして、その違和感の物体を触っていく
感触は硬く、それにどんどんと額から離れ、曲線を描き、天へ向かって伸びている
全く分かんなくて、首を傾げれば、ふと、近くに水溜りがあった
ゆっくりと近付いて、水溜りを覗き込んだ
そこに映し出されたのは、間違いなく自分だ…………
だが、その姿は、人とは違っていた
額から伸びた二本の角………、尖った犬歯が下から生えていて…………
その姿はまるで…………、鬼のようだった
「………………………はぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
目の前の自分が理解できた時、俺は思わず叫びながら頭を抱えた
(いやいやいやいや!?
何で俺が鬼の姿に!?まさか夢か!!)
夢かもしれないと言う期待を胸に頬を摘めば、引っ張れば、激しい激痛が走った
「イタタタタタ!?
めっちゃ痛え!?」
指を離し、頬を摩りながらコレが現実の事なんだと、分かれば落胆し、地面に座り込んだ
何故と言う思いが、湧いてくる中、深く息を吐けば、両頬を叩き、気合いを入れ直した
(どう言う訳か、知らないが…………
これは現実…………、つーことは、あの時、俺はトラックに撥ねられて死んだって事か…………)
冷静に自分の事を分析していれば、音が聞こえてきた
それはこの静かな森に似つかわしくない機械音だ
「っ、何だ?」
耳を澄まし、音の出所を探れば、音は自分の腰辺りから聴こえてきていた
腰辺りを探れば、腰の所にケースがあり、蓋を開けて、中のモノを取り出せば、ソレを見た
「スマホ?」
それは何処から見ても見間違いようの無いスマホであった
そして画面に映ってる文字が全てを物語っていた
《ようこそ、【貴方に届ける幸福の光】と【プリンセス・セレナーデ】の世界へ》
「…………はっ?」
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