孤児院経営の魔導士

ライカ

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本編

魔法指導 初級

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あれから孤児院に戻ってきて、一夜が過ぎた
俺も今日は珍しく早めに起きて、孤児院から少し離れた丘で準備をしていた
離れた所に木で作った的を数個…………

あとは桶とかに水を入れて、置いておく

今日は孤児院に居る子供達に魔法を教えるからな…………
準備は入念にしておかないと…………

「ノア~、持ってきたよ~」

「ありがとう、アン
そこに置いておいてくれ」

声がして、見ればアンが大きな柵を数十、持ってきて、置いているのが見えた
その柵を俺が魔法で浮かしながらここら一帯に刺して、囲んでいく
これで目印になって、子供達が勝手に外に出ないようにするのが目的だ
迷子になったら可哀想だしな

柵を刺し終え、汗を拭えば、丁度いい頃合いになった為、孤児院に戻った
もうそろそろで朝食の時間だと思っていたが、まさにベストタイミングだったみたいで、子供達が綺麗に整列して、顔を洗ったりしていた

「おはよう!!お父さん!!」

「あぁ………、おはよう
今日は頼むな」

「まっかせて~!!」

そんな子供達をほのぼのと見ていたら、マーシャに声をかけられた
今日、学園の方は休みと言うことから、マーシャ達にも手伝いを頼んだのだ
暇があれば俺が魔法を見てやるが、今日は子供達の方を重点的に見ないとな

「あっ、院長
おはよう」

「おはよう、【ディボレス】
って、今日は何か凄い髪してんな」

「朝起きたら、見事にクルクルになってて……………
あーもー!! この髪、ウザったい!!」

ディボレス・チェルナーム
獣人の犬獣人でその中でも毛並みなのか?
まぁ、髪とかが綺麗な種類に入る
だけどディボレスはその中でも癖っ毛が付いてる
男だがそこが可愛いと、学園では人気だとか

「ほら、櫛を貸してみろ?
俺がやってやる」

「っ!?//////
い、いいって!!/////」

俺が手を出して、ディボレスが持ってる櫛を見れば、ディボレスは顔を真っ赤にして早足で去って行った
その姿に昔を思い出して、思わず笑えばズボンを引っ張られ、そちらを見た

「っと、どうした?」

「いんちょー…………、お眠…………」

眠そうに目を擦りながらマナリアが俺を見上げていた
そんな姿に思わず笑みが溢れ、マナリアを抱き上げれば、ちゃんと目を覚まさせる為に皆が居る広場に向かった

朝食後、少し時間を得てから全員を練習場に連れてきた

「さてと……………
今日は魔法を教えるけど無理はしない
勝手に居なくならない、ティア達の傍を離れない
いいな?」

「「「はーーーい!!!」」」


俺が注意事項などを伝えれば、全員が元気よく返事をしてくれた
そして魔法を教えるのだが………………

「見事にティア達に取られたな……………」

グループを作って、分けさせたら見事にティア達の方に子供達が集中してしまって、俺が暇を持て余す感じになってしまった
……………まぁ、こうして見ればあの頃と比べて、孤児が少なくなったと喜ぶべきか…………

「ノア、少しいい?」

「どうした?」

しみじみと思い老けていれば、ティアに呼ばれて、そちらに向かえば、数名の子供達が集まっていた

「この子達に最初の魔法を教えたいんだけど……………
どの属性か、調べてくれない?」

「属性か、分かった」

ティアに言われ、俺は子供達の前にしゃがめば、じっと顔を見た

「さて、一人ずつ、俺の前に来てくれ」

「は、はい………」

そう言って、最初に俺の前に来たのはダークエルフの【カリンバ】だ
普段は少し引っ込み思案で怖がりだからあんまり目立たないようにしているが、今回は俺が居るから一番、最初に来てくれたんだな

「カリンバ、少し動かないでくれな?」

「う、うん……」

カリンバが頷くのを確認すれば、俺はカリンバの頭に手を置いて、じっと魔力の流れを見た
俺が手を置いてる間、カリンバは少し照れてるのか、頬を赤くして俺を見上げているが嫌がってなさそうだから安心して俺は集中できた

「…………わかった
カリンバは火だな」

「じゃあ初級の【ファイヤ】を教えるね」

ティアが持ってた名簿にサラサラと書き加えていってる中、俺は次の子の属性を見てやった
そして全員分のを調べ終え、立ち上がれば既にバケツの水を浮かばせてる子供達が見えた
そしてその向こう側では、作った的に風と雷の魔法を当てようと練習している子供達も見えた

(流石に飲み込みが早いな…………
今までの子達と同じだな…………)

周りを見て、困ってたりする子が居ないか、探したがティア達が教えているだけあってか、そんな子は居なくて、着実に初級の魔法を身につけていっていた

「これなら問題なさそうだな
よかった」

「院長」

俺がホッと息を吐いていれば、呼ばれてそちらに顔を向ければ、ディボレスと後二人がそこに居た

「実は…………、魔法の実技で自信が無くて…………」

「見てもらえますか~?」

「【オルシア】と【アナシア】は分かった
だが、ディボレス
お前もか?」

「俺は二人の付き添いだ
それとどうせなら復習の為に院長に見てもらいたい」

エルフのオルシアとアナシアも学園では成績がいい方だ
だが、実技となれば不安に思うのは仕方ない
そんな二人を見かねて、ディボレスが付き合うのだろう

オルシアとアナシア、ディボレスはほぼ同時期にチェルナームで保護してそれ以来、本当の兄妹のように過ごしてきた
オルシアとアナシアも、事ある事にディボレスに頼って、そんな二人をディボレスが甘やかして……………
そんな昔の事を思い出し、微笑めば俺は頷いた

「分かった
久しぶりに三人まとめて見てや「「「きゃあぁぁぁぁ!?」」」って、何だ!?」

俺が話してる最中、悲鳴が聞こえ、慌ててそちらを見れば…………
巨大な水柱が立っていた

「お、お父さん!!
ど、どうしよう!?
魔力をバケツに流してもらったらこうなっちゃった!?」

「ちょっと待ってろ!!
すまん!!後で見てやるからな!!」

俺は慌てて、ディボレス達に言えば、マーシャの方へ、駆けていった

「お前!!
あれほどバケツ一個に対して、複数人で魔力流すなって言ったろ!!」

「ふぇぇぇん!?」

マーシャを叱りながら子供達に魔力を止めるように言ってる中、ディボレス達がその光景を笑いながら見てるのに気付きながら俺は、心の中では、俺も笑っていた
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