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初めての魔物討伐
しおりを挟む部屋を出ると先ずはアヤネが用意してくれた朝食を取る
俺は今、自分の家の敷地内にある一軒家に住まわされている
それは何故か?
簡単に言えば、このアオミネ家に関する事だ
このアオミネ家では力が全てと言う、はっきり言うとまさに【ザ・悪役】と言われる家庭で俺は父親と長男、次男から疎まれているみたいだ
ちなみにカイトは四男の末っ子で上に三人の兄と四人の姉が居る
そしてこの環境があるからカイトは寝取りと言う行為に入った理由の一つでもある
「うん 今日も美味しかったよ
ご馳走様」
俺がアヤネにそう伝えるとアヤネは少し驚いた表情を浮かべた
「どうしたのですか? カイト様
今までそのような事は仰ってくださらなかったのに」
「俺もいつまでも子供じゃないってことさ」
そう言い、食器を片付けようとするとアヤネが素早く止めた
「カイト様!! これは私の仕事です!!
取らないでくださいね?」
「あ、あぁ…… わかった
それじゃあ任せるよ」
物凄い表情をしたアヤネに迫られ、俺は頷くしか出来ず、そう答えるとアヤネはニッコリと微笑むと俺の食器を持ち、流しに向かった
その間に俺は今日の予定である魔物討伐に向けての準備を進めようとすると扉がノックされた
「カイト 僕だ」
扉から聞こえる声に俺はすぐに出るとそこにはめっちゃイケメンがそこに居た
「おはようございます オイト兄さん」
【オイト・アオミネ】
俺の三男の兄である 性格は聖人君子と言われ、屋敷内でもメイドに人気があるお人だ
「珍しいね いつもはノックしてもアヤネが出迎えてくれるのに」
オイト兄さんは珍しいと表情を変えながら俺を見てくるが俺は苦笑いを浮かべた
(カイト…… 本編、始まる前に何してくれとるんだ?)
カイトの性格はこの時点でかなり本編の性格に近いようで、アヤネやオイト兄さんの様子を見ると相当、荒れていたみたいだ
「オイト兄さん 俺も学園に入学するのですから今一度、自分を見つめ直すのは必要かと思いまして」
そう答えるとオイト兄さんはキョトンとした顔から満面の笑みになり、俺の頭を撫でてきた
「まったくぅ~ 可愛い弟が成長して、お兄さん 悲しいぞぉ~?」
オイト兄さんに撫でられ、俺は思わず頬を赤くして照れてしまった
流石に前世では長男として頑張ってきたから誰かに褒められるなんて無かったからな……
妙に照れ臭い……
「ところでオイト兄さん
今日はどうしてこちらに?」 「あぁっと、そうだった」
そう言うとオイト兄さんは俺に剣と盾を渡してきた
「今日、森に出かけるんだろ?
護身用にと思ってな 兄ちゃん 奮発しちゃった♪」
凄くご機嫌な様子のオイト兄さんだが、俺は逆に肝が冷える気持ちだよ……
(俺…… 森に行くなんて誰にも言ってなかったのに…… オイト兄さん…… 恐ろしい子!!)
そんなブラコン気質のオイト兄さんに見送られてから一時間後……
「だぁぁー!? 魔物が一向に現れねぇ!?」
俺は森の中でおもいっきり叫んでいた
魔物が一匹も居ないどころか、動物の姿もなく静寂な空気が森に漂っている
(どうなってやがるんだよ? この森にも出るって一応、アヤネに聞いたんだけど)
出かける前にアヤネに確認したところ、『カイト様が危険です!!』と泣きじゃくりながら引き止めようとしてきたが、説得をして、無事に帰ってくる事を約束として魔物が居る森の区画までやってきたのだが……
現状はこの通りだ……
(魔物が居ないとなると戦えないんだよな……
それに動物も見当たらないとなると刈りとかも出来ない……)
周りを見渡しながらため息を吐くと遠くから何かが聞こえてきた
(なんだ? 何かの息遣いというかなんというか……)
音のする方へ 足を進ませていく
その道中、激しく争った形跡があるのに気付くとこの先に居るヤツが争ったのだと理解した
そして気配を殺しながら進み続ける事、五分……
木の木陰に隠れるとゆっくりと顔を覗かせた
そこには巨大な影が見えた
そしてザコモンスターのビジュアルだが明らかに強そうなあの見た目……
(おいおいおい……!? 初日からとんだ最高の相手に合わせてくれたじゃねぇの!! 神様よぉ!!)
その正体に気付くと俺はおもいっきりニヤリ顔を晒していた
アレはゴブリンロード
ゴブリンを従えるボスクラスの一角だ
そして周りにはゴブリンが数十と……
転生初日から相手にするのは馬鹿な事は百も承知だ……
だが、体の奥底から湧き出るこの熱量を抑える事は出来ない、出来るはずが無い!!
この戦闘欲は元々、カイト・アオミネが持っていたモノだ
それに俺のが加わってしまったら言うまでもない……
止まる事のない暴走列車の完成だ
よく観察するとそのゴブリンの群れが大きな大木の根元を囲んでいるように見えて、よく見ると何か豪華そ~な装飾の服を着た女性とメイド合わせて、五人が囲まれていた
服はビリビリ…… 今にもR-18指定の展開になりそうになってるから俺はおもいっきりジャンプすると彼女達の前に着地した
「あ、貴方は「よぉ!! デカブツクソザコモドキ!!」
後ろで女の人の声が聞こえたがソレを掻き消すくらいに俺のドスの入った声が響き渡り、剣を抜くとゴブリンロードに剣先を向けた
「なぁ!? 強いんだろ!? お前ぇ!!
なぁ、なぁ、なぁぁ!? 俺と殺し合おうぜ!!」
殺気全開で俺は歯茎を剥き出しにするとゴブリンロードはどうやら俺の言葉を理解したのか、咆哮と共にゴブリン共が道を作った
どうやら奴もヤル気みたいだな!!
「さぁ!! 楽しもうぜぇ!!」
俺はいつものセリフを吐くと一気に駆け出すとゴブリンロードも同時に駆け出すと背中の大剣を抜き放ち、片手で振り下ろしてきた
その一撃を盾で受け流すと剣を振り、ゴブリンロードの腰元を狙いを定めて、振った
だが、ゴブリンロードの腰防具の隙間に入った途端、簡単にパキンと軽い音を立てて、折れた
「……折れたぁぁあ!?
ウッソだろぉおぉ!? まだ一回も振ってない新品なんですけどぉぉお!?」
あまりの衝撃に叫びながら折れた剣を見ていると風圧が来るのを感じ、体を逸らして、大剣が俺の顔スレスレを通り抜けた
俺はもうヤケクソ気味に盾の留め金を外すとゴブリンロードの顔面目掛けて、フリスビーの用用でぶん投げると盾は回転しながらゴブリンロードの頭に当たった
だが、その瞬間、ゴブリンロードの左頭を吹き飛ばした
(っ!? 何だ!? あのゴブリンロードの頭を吹き飛び方、まるでライフルの弾丸がヘッドショットで当たった時の吹き飛び方だ!!
グロ注意と書いてあったFPSをやり尽くした結果、肉片の飛び方すら似てる!! だけど何でだ!? 何で盾であの飛び方したんだよ!?)
そんな事を考えているとゴブリンロードは吹き飛んだ左頭を気にすることなく、大剣を俺に振り下ろしてきたから剣も盾も無い俺は、おもいっきり体を捻らせ、大剣を避けると大剣の腹の部分を蹴った
すると大剣は凄い勢いで粉々に砕け散った
(ちょっと待てやぁぁ!? 俺、割と本気で蹴ったけどそんなに粉々になるなんて思ってなかったぞ!?
カイト!? お前、剣より肉弾戦した方が強いじゃねえのか!?)
粉々になった大剣を見れば、俺は流石に自分自身…… いや、カイト・アオミネにドン引きするがゴブリンロードが大剣を砕かれたことに驚いてるので、隙が出来ている為、ゴブリンロードの左腕を足場に跳躍するとゴブリンロードの頭目掛けて、飛び蹴りを繰り出した
すると、何処からともなく《ショットストライク》と機械音がすると俺の飛び蹴りが一気に加速するとゴブリンロードの上半身が粉々になりながら吹き飛んだ
返り血や肉片を払いながら振り返るとゴブリンロードの下半身が力無く地面に転がった
「えぇ~…… どんだけ~……」
そんなテレビでやってたセリフを呟くと機械音が聞こえてきた
《おめでとうございます
レアボスモンスター ゴブリンロードの討伐が確認
固有スキル《モンスターブレイク》の効果により、カイト・アオミネのレベルが十アップ
レアスキル《能力率強化》を手に入れました》
「は? 《モンスターブレイク》? 《能力率強化》? 何の話だ?」
突然にアナウンスされた言葉に不思議に思っているがどうやらその時間はなさそうだ
ボスをやられた事で下っぱのゴブリン共が逃げたりしようとしているのが見え、俺は素早く移動すると逃げ道を防いだ
「何処に行こうとしてるのかな?
なぁ? まだまだ戦い足りねえんだよ だからさ…… お前らで満足させろ!!」
そう叫ぶと俺はゴブリンの群れに突っ込んだ
三十分後…… この場に居たゴブリンの群れは俺が全て、抹殺した
《ゴブリン討伐を確認
一気にレベルが十二アップ
《攻撃能力》が600アップ ゴブリンウィッチの討伐を確認
魔法スキル《炎系》を取得》
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