18禁ゲームの貴族に転生したけどステータスが別ゲーなんだが? え? 俺、モブだよな?(リメイク)

ライカ

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突然、始まった世界

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「……知らねえ天井だ そして知らねえ部屋だ」

目を覚ますと全く知らない天井が目に入り、まず第一声がそれだった
そして視線を脇へ移すと自分の部屋ではない事がすぐに分かった
ゆっくり体を起こすと着ていた寝衣を確認してみる
何処となく高級なヤツって事だけは分かるがそれ以外は全くもって分からないままだった

(えっと……  確か俺は……)

とりあえず俺は頭を冷静にしながら記憶を振り返る
俺はいつも通りに【アルタナシア・ドリーム】と言うVRオンラインゲームにログインをして、一時間ほどギルドでメンバーと喋り合った後、ソロでダンジョンに潜り、クリアしてその報酬を確認していた……

(ダメだ……  その後の事が思い出せない……
ってか、この状況からしてアレか? よくあるテンプレの異世界転生ってヤツか?
まぁ、そう言う小説は好きだから読んでたけど……  まさか俺がこうなっちまうとわな……)

そんな事を考えているがふと、ギルドのメンバーの事を思い出した
アイツらに会えないと思うと寂しいと感じる……
アルタナシア・ドリームをやり始めた頃からずっと一緒にやってた親友とも会えないのは辛いがこれが現実だと理解するのには然程、時間は掛からなかった
何故なら現在進行形で頬を引っ張り続けているからだ

「いってぇぇ!? 流石に強く引っ張りすぎた……
マジかぁ……」

ホッペを撫でながら深いため息を吐いてから俺はベットを下りた
流石に転生したとしてここが何処だか理解しないといけないからな……

まずは部屋を見渡すと丁度、奥の方に扉が見えた
近付いて、中に入るとそこは服が大量にあるクローゼットみたいな感じの場所だ
しかしかなりの量があるから俺は相当、金持ち……  異世界風に言うと貴族に転生したのだろう……
部屋の内装を見て、薄々気付いていたがまさかと思ったが合ってるみたいだ

とりあえず着替えようとするがふと、手に取った服に違和感があった

(何だ? 俺の背丈に合ってないな……)

その服は何処となく小さくて、今の自分の背丈では入らないサイズであった
ふと、近くに姿鏡があったから近くに行ってみると……

「……やっぱり転生してんだな」

そこに写ったのは背丈は訳、169くらいでやや痩せ気味の青少年がそこに居た
見た感じだと大体、十三、十四くらいの年齢だろうな……

リアルの俺の姿でもなく、ゲームのアバターの姿でも無い……
それだけでやっぱり現実だと理解した

(髪は……  黒髪か
ここだけはリアルの俺と同じで助かった……  と言っていいのか?)

髪を弄りながらふと、長さが腰丈より長いのに気付いた
まるで切らないまま、伸び続けていたように思えるくらいに髪が長かった

「何でここまで長いんだ?
ってか、このパジャマだけ背丈がピッタリしてるのも気になるな……」

髪は置いておいて、今着ている寝衣以外の服を見てもどれも大体、子供が着てるくらいのサイズだ
だが、この寝衣だけがピッタリと体に合ってるのはおかしい……

ふと、後方からガシャン!! と音がして慌てて見るとそこには同じ年か、2歳くらい上のメイドが口を手で押さえて、驚いていた
メイドを見て、何か言おうとした時、ふとそのメイドの名前らしいモノが頭に浮かんできた

「メル?」  「っ~~!? だ、誰か!! シモン様が!! シモン様がお目覚めに!!」

名前を呼んだ途端、メイド……  メルは涙を流しながら駆け出していった
状況が飲み込めないままの俺だがメルが口にした名前を思い出していた

「シモン……  それが今の俺の名前か……
で、確か……  苗字がフェルストリーだよな?」

自分で名前を言うと【シモン・フェルストリー】と言う名前が浮かんできて、それが自分の名前だと不思議と把握できた
とりあえずメルが落とした桶とタオルを手に取り、近くの台に置いた

「ん?」

そこでふと、俺はこの名前を何処かで聞いた気がしてきた



俺は大学生で二十歳を超えた頃……
小学校からの親友と共に【アルタナシア・ドリーム】に付いて、攻略とかを食堂で練っていた

アルタナシア・ドリームとは今、全世界で人気が爆発しており、その勢いは留まらず、ランキングでは何連続一位を死守している
このゲームは簡単に言うと自由だ
魔法も、職業も、何で自由に行う事ができるVRRPGオンラインだ
中学の頃に発売となり、俺達は発売日当日に小遣いを使って、何とか買うとやり込んできた
無茶苦茶にドハマリしていた

「○○氏と△△氏
聞いて欲しいでごわす~」 

「何だよ? またお前、エロゲーでも勧めにきたか?」  「俺達は勧められてもやらねえぞ エロゲー野郎」

そして俺たちの前の席に座り、ザ・オタクと言わんばかりの言葉遣いしてくる男は俺達からはエロゲー野郎と呼ばれている
その名の通り、この男は年中無休でエロゲーをやり込んでいる生粋のエロゲーマニアだ
しまいには俺達に勧めてくるからタチが悪いが意外と話が合うから集まってしまう

「今回はアルタナシア・ドリームと同じ部類のヤツでごわすよ~
デュフフwww  これがリアルでも気持ちよくなってしまうから凄まじいのなんのwww」

「おーい その顔は他所ではするなよ~? 一発で警察行きだぞ~?」  「無駄にイケメンなだけにコイツに惚れた女性は残念だろうな~……  趣味を受け入れてくれるヤツじゃ無いとな~」

そんなエロゲー野郎の話を聞いていくと【ルミナス・エルド】とか言うこれまた人気爆発しているゲームだ
何が人気かは置いておいて、エロゲー野郎がノリ始めた

「で、攻略キャラの一人に兄が居るんですがコイツが不運にもあの世へ行ってる風になってましてねぇ でそのキャラの名前なんですがねぇ」

そこで一息付くとエロゲー野郎は言葉を続けた




「シモン・フェルストリー!?」

そこで俺は現実に戻ってきて、思わず叫んでいた
そして改めて自分の名前と照らし合わせると全くの同名である
そして周りの装飾、メイドが紛れもない証拠だ

(と言うことはここはルミナス・エルドの世界か!?
何でここに!?いや!? それよりもマズイ!?)

ワナワナとしながら膝から崩れ落ちると俺は頭を抱えて、天を仰いだ

「ルミナス・エルドなんてやったことねぇよおぉぉおおおお!?」

俺は今、この悲劇的な絶望を叫ばずにはいられなかった
俺がどの立場のキャラなのか? モブなのか? それとも敵キャラなのか?

そんな事すら分からなかった

だが、そんな俺を置き去りにして俺の転生ライフが今、スタートしてしまった……

「エロゲー野郎ぅうううう!? 頼むから教えてくれぇええ!?」



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