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第六章
サインを貰おう 錬金部
しおりを挟む地図を頼りに廊下を進んでいく
スグ委員長に『まだゴキ○○が居るかもしれないから一緒に居て!?』と言われたが引き剥がして、錬金部の元へ、向かっていた
正直、スグ委員長に抱きつかれた時に臭いが凄かった……
何と言うか…… 男の本能を刺激するような……
「ってか スグ委員長!!
今すぐに仕事に戻ってくれませんか!?」
そんな考えを振り払うように俺は思わず振り返りながら叫ぶと後ろにプルプルと子鹿のようについて来ているスグ委員長を見た
「やぁーだぁー!? 一人にしないーでー!?
いい子にするからー!?」 「アンタは俺の子供か!? 何でそんな幼児退行してんだ!? ちょっ!? 腰に抱きつかないでください!? 離れて!?」
スグ委員長に腰に抱きつかれ、ぐりぐりと頭を押し付けてくるのを俺は必死に引き剥がそうとした
何でゴキ○○一匹にこうなるんだよ!?
結局、五分ロスしたが引き剥がす事には成功した……
言う事、聞かない為、スグ委員長を引き連れて行く事になったが…… 桜花…… 明日の弁当に大嫌いなオクラを入れてやる
[絶対、やめてぇ!?] (……毎回思うけど何で俺の思ったことが分かるんだよ?)
桜花からのチャットのメッセージを見ながらそう思いつつ、ようやく錬金部前まで来た
錬金部の扉は如何にも『錬金術してますよ~』と言ってるような作りをしていた
ってか、勝手に改造していいのかよ……
そんな事を思いつつ、ようやくスグ委員長を引き剥がせると錬金部の扉をノックした
だが、返事は無く…… 嫌な予感して扉に手をかけると鍵は開いてたので勝手に中に入ると……
とんがり帽子を被った小さな女性が椅子で天を仰ぎ、魂が飛んでいた
「ちょっと待てやぁ!? 何なん!? 教室で気絶せなアカンノルマあるんか!?」
しばらくして……
「助かった 感謝」
そう言い、とんがり帽子を取ると器用に礼をしていて来たこの女性……
聞けば丸三日、何も食ってないとの事……
そして風呂にも入ってないのか スグ委員長もいるのもあって、俺の周りが女性臭が凄くしていた
とりあえずお昼として作り置きしていたカツサンドをあげたが全て食べきられてしまった……
軽く五十人前はあったはずなのに……
「貴方 良い人 錬金部 認める」
「ちょっと待ってください!? 何かサラッと聞き流しそうになりましたが俺が入部する形になってませんか!?」
サラッと女性の話を聞き流していたがサラッと入部を認めるような事を言われたので流石にツッコミを入れると首をコテンと傾げた
「違うの?」 「俺は今年の学年別総合試合の大会委員の手伝いを頼まれたので此処に来たんです
その証拠に委員長も居ます」 「 あぁ 居たんだ」 「居たわよ!?」
そう聞かれたので説明しながらスグ委員長を指すとボソッと女性がそう言えば、スグ委員長は勢いよくツッコミを入れた
何気にツッコミ属性なんですね……
「分かった 錬金部 部長 マリア・クリスタル
サイン する」
「ありがとうございます」
書類を差し出すと錬金部のサインを書いてもらって確認を済ませるとマリアが俺を見ているのに気づいた
「あの…… 何か?」 「貴方 錬金出来る人 やって見せて?」 「えぇ? いきなり?」 「やる 貴方 一年 私 四年 先輩 えっへん」
そう言い、マリアが胸を張ればバルルン、と音を立てるように胸が揺れた
……先輩 下着は付けてるのですよね?
「やる」 「シモン君 諦めた方がいいわよ マリアはこうなると発情期のピポグリフよりしつこいから」
マリア先輩にそう言われる中、スグ先輩に肩を掴まれ、ボソッと呟かれた
(学年…… 同じなんですね……)
そんな事実を知りつつ、俺は気の進まないまま、錬金釜まで来た
錬金部とだけあって、ここの錬金釜はかなりの大きさだ
俺の目の前にあるヤツだけでも一気に回復薬を十個同時に作れそうな程の大きさがある
じっと釜を見てから振り返るとマリア先輩がじっと俺を見て来ている
(に、逃げられないな……)
俺は諦めるとアイテムボックスから薬草を数個、取ってから錬金釜に入れて、手を翳して魔法陣を展開する
すると薬草はすぐに液状化になるとボフンと音を立てて、回復薬になった
「こ、コレで如何でしょうか?」
そう聞きながら振り返るとマリア先輩とスグ先輩が目を見開き、驚いていた
「ちょ、ちょちょちょ!? シモン君!?
アンタ!? 何やったの!?」
「えっ? 錬金ですが?」
「火をつけてないじゃん!? 魔法陣を描いてないじゃん!? 呪文唱えてないじゃぁぁん!?」
スグ先輩が捲し立てるようにそう言うと俺は「はっ!?」と口を押さえた
(や、やっちまった!? ついアルタナシア・ドリームの錬金法をやっちまった!? まぁ、実際にはもっと早く出来るけど……)
俺が慌てているもマリア先輩が突然、俺の手を取った
「ま、マリア先輩?」 「合格 錬金部 入る もしくは私の婿 なる」
マリア先輩が今までに無い程のイキイキとした眼差しで見てくる
「ちょっ、マリア!?
流石に落ち着いて!? 貴女と同等の錬金術師が現れて嬉しいのはわかるけど、シモン君は婚約者が居たはずよ!?」
「知らない 決定 変えられない」
スグ先輩が慌ててマリア先輩を掴み引き剥がそうとするがマリア先輩は逆に俺に抱きつき、離れようとしない
「ちょっ、先輩方…… 落ち着いてください……
臭いが……」
流石にこのまま臭いを嗅いだらマズイと感じ、止めようとするが二人はヒートアップしている
(へ、ヘルプ……)
俺は次に向かおうを二人を引き摺り、歩き出した
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