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第五章
急展開
しおりを挟むスケッベからリーファ達を預かった日から数日が過ぎた頃、今日、学園では夏休み前のパーティーが開かれていた
なんでも終業式と同じ感覚でパーティーをやってから夏休みに入ると言う流れみたいなノリだ
流れ的にも終業式をやってからの方がいいと思ったけどそのまま帰省する人たちも居るからだったらパーティーをやって、終わったら夏休みという形をとったそうだ
一年生はその二日後には海に実習に向かうとの事……
だからパーティーでも緊張している者たちも居るらしい……
さて、そんな中……
俺はようやく学園の自室に戻ってくるとすぐに支度を済ませて、既に始まっているパーティー会場に向かっていた
何故、俺がパーティーに遅れているのかと言うと……
新たに来たオデュール達の家を建ててたからだ
フェルストリー領に転移し、ミュレーヌ達の隣に二軒、建てたのだが意外に凝ってしまい、気がついたら、パーティー開始時刻を超えていた
ちなみに遅れた理由としては他にも色々ある……
『私に会いに来ないってどういうことよォォ!?」
久しぶりに会ったヒュレムに抱きつかれ、宥めてたら一服、盛られ、そのままヒュレムに襲われた(途中からメイドが数名、混ざって来た)が数分で終わらせた
そしてユリネとアサガオの部屋を和風に揃えたらユリネが突然、大声で泣き出し、ペタンと地面に座り込んでしまった
アサガオの話だと、昔、アサガオの父……
つまりユリネの旦那と共に過ごした日々を思い出したそうだ
ユリネの旦那はアサガオが小さい時にユリネの前で首を落とされたと言う……
理由は簡単だ
鬼人族と家庭を持ったと知った近くの村の人達に捕まり、禁忌の罪とかでユリネの前で処刑された
ユリネは逆上し、その村を滅ぼすと旦那の頭を持ちながらずっと泣いていたと言う……
その事を知り、ユリネ達が安心できるように家具も出来る限りの物は和で揃えた
そしてダークエルフの女性……
名前はヤミと名付けた
ヤミのステータスを調べるとユキと同じで俺がキャラメイクしたことになっているが、俺はその時、何も考えてなかったからヤミの欠損理由とか、精神が何故、退化しているのかは分からなかった
ヤミはしばらくの間、ユリネに面倒を見てもらうと決めたが、今度はヤミが駄々をこね、泣きじゃくりながら俺にしがみついてきた
きっと俺が離れるのが嫌だと分かってるが流石にこの状態のまま、学園に戻ったら色々とアウトになる為、とりあえずヤミを抱き上げ、あやすとウトウトし始め、眠り出した
そしてユリネに渡す事に成功した
オデュールには馬房に似た家を建ててやったが、本人の希望により大浴場と言えるくらいの風呂を用意する事になった
『前々からゆっくりと湯に浸かりたいと思っていたのだ
我達はケンタウロス族故、このように全身を浸からせる事が出来なくてな』
と、目の前で浴槽に横になるとリラックスしながら俺を見上げてくる
正直、横になった時にムギュ、と潰れる胸に視線が行かないようにするのがやっとだった
リーファは姿を見られたりするのはヤバいと考え、リーファの中指に指輪を嵌めて、《クリエイトエリア》の大銭湯に住まわせる事になった
大銭湯には温泉、泡風呂、水風呂……
マッサージ等が行える施設の他にも温泉プール、海上風プールなどがあるから人魚であるリーファには過ごしやすいと思ったからだ
夕食はユリネ達と共に食べてもらう事になっているが、リーファは見たことのないモノに目をキラキラさせていて、『あの!! これは何ですか!? アレは何ですか!?』と俺を引っ張り回しながら聞いてきた
一通りの案内を終えるとリーファは温泉に浸かり、『あ~~…… ダメになるぅぅ~』と手遅れの言葉を言いながら蕩け切っていた
最後に『シモン様も一緒にどうですか?』と服を脱がせにかかってきた辺り、俺は必死に断った
流石に王女と風呂はマズイ……
(まぁ、シャルロッテに手を出した時点でヤバいか……)
そんなこんなでパーティーに遅れてしまい、急いで会場に来るとフォルティアが出迎えてくれた
だが……、その表情は戸惑いが現れていた
「フォルティア? どうした?」
「あっ!? シモン様!!
今、大変な事になってまして!?」
フォルティアに手を取られるとそのまま会場に引き込まれた
会場に入ると異様な静けさとピリピリとした圧を感じる……
そして中央の方に来ると五人の男生徒と1人の女が、対面している女生徒と対立していた
だが、対立されている女生徒は戸惑いと訳が分からないと言った顔をしながら涙目になっていた
「突然、あの男どもがあの庇ってる雌を虐めたと虚偽の罪であの先輩を断罪しているのです
あの中央であの雌の手を取ってる男は自分の婚約者なのにもです」
フォルティアが丁寧に説明してくれているけど……
フォルティア…… 見事に俺の影響出ちゃってるな……
口が悪いぞ?
「口が悪いと言うのなら後でシモン様が塞いでください
私の口から言葉が出ないくらいに」
シレッと心を詠まれて、フォルティアが俺の唇を指でなぞると微笑んできた
正直、そんなフォルティアにドキッとしているが今はこの惨状だな……
俺は改めて庇われてるあの女生徒を見た
髪はピンクとまるで淫乱女と言ってるような見た目をしている
だけど見た限り、傷をつけられた形勢が無い……
[ワカメ 今、大丈夫か?
憑依したい]
[わ~か~りま~した~]
ワカメに断りのチャットを入れてから俺は《憑依天使》を発動させ、ワカメを憑依させた
《憑依天使
テイムした天使を憑依させる初歩的なスキル
ここから派生が生まれていく》
ワカメを憑依させた事で真実が見えるようになった
そしたら予想通りにあの女生徒は断罪を受けている彼女からイジメなどを受けていない
むしろ自分が陰から彼女を傷つけていたみたいだ
だが、俺が気になったのはあの女生徒から出ているあのオーラだ
まるで人の形をしたオーラでソレが男生徒達を操っているように見える……
[アレ、攻撃~出来ま~すね~]
ワカメのチャットが届いた瞬間、俺はすぐに動いた
「ショオラァァ!!」
《クロックタイム》で一気に接近すると《脚法家スキル 刃鋭脚》をオーラにぶちかました
《脚法家スキル 刃鋭脚
文字通り、脚を極めた拳法の一つであり、そのスキルの中でも刃鋭脚は鋭い爪先からの蹴りはレイピアのように鋭く突き刺さる
熟練度カンスト時効果・50%の確率で即死又は毒状態にする》
だが、蹴り出した足はオーラを通り抜けた
(通り抜けたか…… ならば今度は!!)
通り抜けたのを確認した俺は《脚気・聖光》を発動させた
《脚気 拳気や闘気と同じである》
脚に光が集まり、《脚気・聖光》状態になるとオーラが苦しみ出した
だが、それでも女生徒から離れる気はなさそうだ
「なら、蹴り飛ばして引き剥がす!!」
俺は脚をオーラから抜くとすぐさま蹴りを喰らわせた
今度はちゃんと蹴った感触があり、脚が通り抜けない事を確認してから、《50ショットガン》を発動させた
《脚スキル 50ショットガン
50の弾丸のような蹴りを一回で、それこそショットガンのように放つ》
50ショットガンが当たるとオーラからズガァァァ!!と凄まじい音を鳴り響かせなら吹き飛んだがある程度のところで止まった
よく見ると女生徒とオーラに線のようなモノが繋がっていた
どうやらそれを断ち切らない限り、この惨状は終わらないらしい
「このぉ… すぐに引きちぎって「飛べぇ!! シフォォォン!!」っ!?」
俺がすぐに女生徒との線を断ち切ろうと動こうとした瞬間、背後からシモンでは無く、シフォンケーキとしての名を呼ばれ、咄嗟にバク宙をして、退けると俺の下を影が通り抜けた
見るとそれは見た事のない生徒だったが、手にしている武器に目を奪われた
「あの大剣は!?」
「《真名解放》!! 起きろ!! 《ニーズヘッグ》!!」
男が叫ぶと大剣はヒビ割れ、割れると柄に蛇があしらわれ、刀身は蛇のように緑の線が蠢いていた
そのまま男が一気に加速すると大剣を振りかぶった
「《大・韋・魂》!!」
振りかぶった大剣を縦に振り下ろし、線を断ち切ると斬った線が凄まじい光を放ちながらオーラに戻っていくと激しい爆発と共にオーラが浄化され、消えていった
オーラが完全に消えたと確認すると男は大剣を肩に背負うと俺を見て、ニヤリと笑った
「久しぶりだと言うのにピッタリのタイミングって、俺達、最高の相棒じゃねぇか?
そう思うだろ? 相棒」
そう言い放った男に俺は目を見開きながらアワアワと口が動いていた
俺は目の前の男を知っている
いや、正確には【この男の前世を知っている】!!
何故ならあの大剣 ニーズヘッグは俺がアイツの為に打った武器の一つだ!!
そしてあの《大根》を別文字で当てただけのダサいセンス!!
そして俺を相棒と言うのは世界で!! いいや!! アルタナシア・ドリームでたった一人!!
「ま、まさか!?
お前、ボロネーゼ卿!?」
俺が指差し、思わず叫ぶと【ボロネーゼ卿】は昔のように髪を払う仕草をしながら懐かしむように俺を見た
「あぁ…… お前にその名前を呼ばれるだけで何でこうも…… 懐かしいんだろうな……」
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