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第四章

世界樹ダンジョンからの帰還

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デスガイストナイトとの戦闘から数分後……
俺達はダンジョンから帰還した

俺のシフォンケーキとしてのアバターの姿は何でか知らないけど、装備を外したら元のシモンの姿に戻った

その事からして、どうも[装備を全て付ける=アバターの姿に戻る]と考えて良さそうだ
ちなみに元の姿に戻った時、フォルティアに物凄く強く抱きつかれた
見ると、頬がプクッーと膨れていて聞くと『私より身長、高いです……  私からキス……、出来ないです……』と可愛い理由だった

とりあえず色々と片付いたらフォルティアを独り占めにしようと決めた

そんな事は置いといて、入り口に戻ってくるとユリアナ先生が慌てて駆け寄ってきた

「シモン!! 皆も怪我は無いな!?」

「先生 何があったんですか?」

「あぁ 一部の生徒が第一階層のボス部屋に辿り着いてしまったらしく慌てて帰還してきたんだ
幸いにも怪我はしてなかったがまさかダンジョンの構造が変わっているとは……」

ユリアナ先生は持ってた地図をクシャッと握りつぶすと悔しそうにそう言った

「そう悲願するでないぞ ユリアナ先生」

「っ!? サクラ学園長!?」

突然、声が聞こえて振り返ると、桜花……
いや、今はサクラ学園長がコチラに歩いてきていた

「此度のダンジョンはあまりにも変化をしておった
全員の証言を集めた結果、この世界樹ダンジョンは独自の進化をしたと考えられる」

サクラ学園長はそう言いながらダンジョンの入り口を見た
さっき言った事は本当の事だろう……
だが、その言い方だとこの世界のダンジョンは変化しないシステムだったのだと分かった

つまりダンジョンの変化は今年から……
キッカケとしてはイリアやベル……   主人公が学園に入学したからと見ていい……

するとサクラ学園長が俺を見るとチャットが送られてきた

[気付いてるかもしれないけど伝えとくとな
此度の件は明らかに異常じゃ
毎年、ダンジョンに入っておるがダンジョンが変化したなど、聞いたことがないのぉ]

桜花からのチャットに(やはり……)と思いながら改めて世界樹を見上げた
ダンジョンの変化……  デスガイストナイトの出現……  そして複数エンカウント……

それらは何かしらの原因で発生したか、世界の理が変わってしまった……

その二つが挙げられる

「だからそう悲観しないでください
ユリアナ先生 今回、ダンジョンに入って怪我をした者は居ない
ソレを喜びましょう そして今回の事を次に生かせば良いのです」

「っ、はい」

サクラ学園長の言葉にユリアナ先生が涙を浮かべながら頷いた


「おーーい お前ら、無事か?」

ユリアナ先生との話し合いが終わったと見て、遠くからルークが駆け寄ってきた

「ルーク マルタは?」

「アイツなら保健室で寝かせてもらってる
今は落ち着いたみたいで寝ているさ」

ヴィヴィアンがルークにマルタの事を聞くとルークはそう言い、保健室の方を見た

「今はエルに見てもらってるけど俺もすぐに戻って、マルタの看病しないといけなくてな」

「そう……  マルタに言っておいて?
また一緒にダンジョンに入るのを楽しみにしてるって」

「あぁ、しっかり伝えとく
ありかどな ヴィヴィアン」

ヴィヴィアンがルークにそう言うと頷き、ルークは保健室の方に駆けていった

「今日は色んな事を経験できて楽しかったね」

ちょっとしんみりした空気を変えるようにシャルロッテがニコニコと笑いながら言うとティファがシャルロッテの額をチョップした

「あぅ」  「アンタらはね 私なんて攻撃の出番すらなかったんだからね?」

「まぁまぁ……  次に入るならティファちゃんが先頭で進もうね?」

ティファがほっぺを膨らましているとフローラが苦笑いを浮かべながらティファを慰めていた

「「ご主人様のご褒美……  ご主人様の○○○……」」

ミュレーヌとネロは涎を垂らしながらビクビクと体を震わせている隣でユキも少し興奮しているのか、頬が赤くなっている

「ベル 帰ったらパンツとズボン洗うわよ?
アンタ いっぱい潮、出してたでしょ?」

「う、うん 女の子のパンツだとやっぱりダメだね……
今度からお、オムツ……  履かないと……」

イリアはベルの股を触り、何度も撫で回しながら言うとベルは落ち込んでいた
どうやら何度か、同じ事をやってるみたいだ……


「あら?」

すると周りを見渡してからフォルティアが声を上げた

「シモン様は?」






ここはデスガイストナイトを討伐した部屋……
部屋には何もなく、まるで何も無かったかのような光景だ
だが、ふと部屋の中央に不自然な影が立っていた
その影は部屋の中央に来るとしゃがんで床を調べているようだ

そして立ち上がった瞬間、部屋が一気に明るくなれば、その影に3本の剣が迫り、首筋に押さえつけられた

「「「動くな」」」

ソイツに剣を向けながら俺、ルシファー、アモンが言い放った
そして周りにはベルフェゴール達やアイリスが居る

あの時、俺はデスガイストナイトが何者かに召喚させられたと考えていた
そしてソレは倒された後、確認の為にここを訪れると思い、俺はルシファー達とアイリスを呼び、待ち伏せをした

押さえつけたヤツを見れば、ソイツはフェルストリー襲撃時に現れた白ローブだ
今回の件と言い、全ての騒動はコイツが絡んでいると考えていいだろう……

「貴様には色々と聞きたいことがある
ここで何をしている? 何故、フェルストリー家を襲撃させた? 貴様の狙いは何だ?」


俺が警戒しながら質問するとローブ野郎はため息を吐くとユラッと俺を見た

「質問は一つにしてくれないか? シフォンケーキ」

「っ!? がはっ!?」

突然、俺の名を呼ばれ、驚いて遅れてしまい、腹に拳が捩じ込まれて、吹き飛んだ

「主人!?」  「ルシファー!? アモン!?」

「「ぐっ!?」」

ルシファーが俺に意識を向けた瞬間、ベリアルが叫んだ
ルシファーとアモンはベリアルの声を聞き、迫ってくる蹴りを防いだが俺同様に吹き飛ばされた

「ガァァァァ!!」

「やれやれ……  やはり獣は好かん」


ローブ野郎の背後からキリスが強襲するがローブ野郎は少し体をズラして、避けるとキリスの首を掴んだ

「ァァァァアアアア!?」  「キリス!?」

するとキリスが強烈な雷撃を浴び、悲痛な叫びを上げるとベルゼブブとベリアルがその隙にローブ野郎の横に鎌と槍を突き刺す

「っ!? 刺した感触が無い!?」  「マズイ!! ベルゼブブ!! 離れ「遅いですよ」

刺した時の感触が無い為、ベルゼブブが困惑の声を上げ、ベリアルがベルゼブブに指示しながら離れようとするが突然、ローブ野郎の体が膨らみ、爆発した

キリス、ベルゼブブは吹き飛び、地面を転がっていく
ベリアルはいち早く距離を少し空けてたから直撃したがそれ程のダメージでは無いがベリアルの右腕に大きな火傷があった

そしてそんな彼らを見下ろすようにローブ野郎は宙を浮いていた

「ベルフェゴール!! 合わせなさい!!」  「コッチのセリフ!!」

バロンとベルフェゴールがお互いに手を翳すと魔法陣が出現し、《エンシェントストーム》を放った

「最大魔法ですか……  なかなかのお手並みで」

ローブ野郎はそう言うとデコピンをするような仕草をすると《エンシェントストーム》がそのまま跳ね返った

「何!?」  「な、んで!?」

バロンとベルフェゴールが驚き、避けようとするが一歩遅く……
二人は《エンシェントストーム》に飲み込まれると地面に叩きつけられた

「やれやれ……  悪魔王がコレですか
期待外れですかね」

「まだ私が居ることを忘れないでよね!!」

ローブ野郎が首を振りながらそう言う後ろでアイリスが強襲を仕掛けた
ローブ野郎の背中目掛けて蹴りを繰り出したが軽く避けられてしまった

しかしアイリスの影からルシファーが出てくるとローブ野郎を剣で突いた
しかしローブ野郎はソレすら予想通りなのか、軽々と避けられ、ルシファーの顔面に拳を叩き込んだ

「オラぁぁぁぁ!!」  「っ」

ルシファーが吹き飛ぶ中、俺が《闘気・炎龍》を発動させ、突っ込むとローブ野郎は驚いた様子で俺の拳を受け止めた
さっきプリセットにセットしていた装備を付けたから元の威力に戻っている
ローブ野郎は受け止めたがギリギリと押し勝っている

「アモン!! アイリス!!」

ソレが分かると俺は二人の名を呼び、肘に受け皿を作るとアモンとアイリスがおもいっきりその受け皿に蹴りを当て、ローブ野郎を吹き飛ばした

だが、ローブ野郎は吹き飛んでいたが急にゆっくりとなり、フワッと着地した

「流石はNo.2プレイヤー
さっきのは効きましたよ」

そう言うと受け止めた腕を撫でていたが、手が離れるとそこの傷が治っていた

「お前……  何者だ?
何故、魔法王のローブを身につけている?」

「おやおや お気づきになりましたか?
流石はシフォンケーキだ」

俺は構えながら問いかけるとローブ野郎は何処か、嬉しそうに声が弾んでいた
ヤツが身につけている[魔法王のローブ]は自身の魔法攻撃威力を上げる効果があるが、そのローブにはテキストには載ってない隠し効果があり、それは【召喚獣の攻撃ダメージを強制的に低減させる】と言うスキルが備わっていた

そのスキルはどんなレベルの召喚獣であっても二桁のダメージにしてしまうと言うバグクラスのチート装備の一つだった

「これは私のモノです」

「……そうか 何処かで拾ったか
それともそもそもがお前のモノか……
分からないがこれ以上、俺の友達を傷付けさせる訳にはいかないな」

俺は構えながら《ソウル・オブ・ドラゴン》を発動させようとしたがローブ野郎は手を前に出して、静止した

「もう良い 今回はお前達の勝ちだ
だが……  次は私がお前に勝つ
待っていろ シフォンケーキ」

そう言われ、突っ込んだが凄まじい閃光が走り、目を庇いながら停止した
そして閃光が止むとローブ野郎はどこかに消えていた

「逃げられたか……
アイツ……   何者だ?……」


ローブ野郎……
ヤツがこの騒動の原因である事は間違いない
その事に俺は先の未来がどうなるか、不安になったが、立ち塞がるなら……

戦うまでだ……


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