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第三章
突然の襲撃
しおりを挟むアパーに戻り、宿で休み、二日程、滞在した
そして滞在中は依頼主の店に行き、帰ってきたかの確認をしていたが、ようやく戻ってきたらしく先程、依頼品の薬を納品し、サインを貰ってから他で拾った薬草を買い取ってもらった
依頼主はとても喜んでいたから問題ないと思う
それとここの冒険者ギルドに行き、ブェルクウルフを解体と買い取りを頼んだ
最初は受付の嬢が俺達を怪しんだけど母上を見た瞬間に顔を真っ青にし、怯えながら猛スピードで手続きを済ませた
(母上…… 一体、現役時に何やったんですか?)
その後、素材の数個を貰い、他はギルドに買い取ってもらったので金貨100枚が今、手持ちにある
何でこんなに貰ったかと言うと、ブェルクウルフの毛は貴族間で高価に売れるとの事で、ここのギルドマスターは貴族の知り合いに良いのが入ったら売ってるらしい
俺が取ったのは毛の傷みは無く、最上級の物だとギルドマスターに褒められた
ただ単に即死させただけだけどな……
その後、その資金でミュレーヌ達の衣服を買ってやったり、それぞれ好きな物を一つだけ買ってやり、残りは貯金する事にした
「……なぁ、本当にソレでよかったのか?」 「「はい!!」」
なんだが……、三人に買ってやった物を見ながら俺は渋い顔をして聞いたがミュレーヌとネロは満面の笑みで頷いてきた
ユキも何処か、満足そうに頷いている
何で俺が渋い顔をしているかと言うと三人とも、めっちゃ薄くて布地の少ない……、いわゆる紐型ビキニを強請ってきたからだ
隠すのは最小限で他はほぼ紐だ
いや、布地も機能してるかも分からないくらい薄いから意味が無いのかも知れない……
俺だったら、恋人に強請られても絶対に買ってやらない一品だが、ミュレーヌ達に涙目で迫られて結局、買わされた……
買った時、会計してくれた店員が物凄く何とも言えない表情をしていたのは覚えている
ちなみに母上もちゃっかり自分のと、フローラ用に購入している
俺も自腹で何か買いたいがどれにするか迷っていると裏路地みたいな所に売店が見えた
そこに寄ってみると「な!?」と驚いて声が出た
そこで売られていたのは《聖誕の秘薬》と言われるこの世界ではあり得ない……
アルタナシア・ドリームのステ振り用のアイテムだった
他のを見てもコレだけが異質であった
「おや? お客さん
ソレが気になるんかい?」
俺が《聖誕の秘薬》を手に取ると座ってた老人が話しかけてきた
「ご老人 これを何処で仕入れたんだ?」
「ソレはなぁ 上流から流れてきたんじゃよ
場所はそうじゃのぉ…… おぉ、赤杉の巨木が生えてる近くの川じゃ」
赤杉の巨木とはその森自体がダンジョンと化した異質な森で、国管理下にあるが安全とは言い切れない場所である
そこのレベルは冒険者ランクBクラスでないと攻略の為に入ることを許されない程のレベルだから中級クラスだろう
「ご老人 良い話を聞けた
礼だ」
老人に白金貨を五枚渡して、ソレを買い、アイテムボックスに入れた
正直、誰かに悪用される前にコッチで回収出来て良かったと思っている
(明日には出発してもいいかもな……
目的の主人公探しもアッサリ終わったし)
困難かと思えた主人公探しも一日で終わってしまったからそろそろここを発とうと考える
やる事もほとんど無くなったから後はギルドに報告するだけだ
だけど…… その前にやることが出来たな……
俺は人知れず、建物の陰で誰も来なさそうな所に来た
そして息を吐くと振り返った
「出てこい バレてるぞ」
俺がそう言うと建物の屋根から数人の男達が俺目掛けて飛び掛かってきた
だが、それに気づいていた俺は右手で払うと一瞬にして男達は氷漬けになった
《アイスロック》
相手を凍らせて、動けなくする魔術スキルだが、殺傷能力は無い為、プレイヤーによるが覚えない魔術師が居るがそれはハッキリ言うとアホだ
このスキルはMP消費が少ないし、熟練度を上げるとボスを数十秒間、拘束できる優秀なスキルだ
「クソッタレ!!」
俺の背後から大男が斧を振り上げ、俺目掛けて振り下ろそうとしているが俺の跡を付けてたであろうネロが間に入り、大男を盾でブン殴ると大男は宙を飛び、壁に当たって気絶した
「ご主人様 お怪我は?」 「無い それにしても流石はネロだ アレなら余裕だな」
ネロは盾を背負い、俺に駆け寄ってきて聞いてきたからそう答えながら頭を撫でてやるとネロはふやけた表情をすると今度はしゃがみ、下着をずらすとそのままビシャーと勢いよく嬉ションを漏らした
もうネロがご主人様に褒められると喜びすぎて漏らす大型の犬に見えてきて、ダメだった
「ご主人様~ リーダーらしいヤツ、捕えました~」
ネロの嬉ションが止まる頃にミュレーヌが手をフリフリと振りながらこちらにやってきた
その後ろでユキが男を引き摺ってきて、俺の前で押さえつけた
「ぐっ!?」
「お前、何で俺を狙った?
素直に話すのなら命は奪わねえけど」
「お前が俺たちの仲間を殺ったヤツだからだよ!!
その報復だ!!」
男は俺を睨みながらそう言ってくるが俺はその男の仲間を殺した覚えが無い
むしろアパーに来てから人を殺すなんてしてないからな
「ご主人様 コイツ 盗賊」
ユキが臭いを嗅ぎ、男の素性を特定すると俺は「あっ……」と声を出した
ユキが
イリアとベルを救った際に殺した盗賊……
コイツはその仲間ということか……
「なるほどなぁ……
じゃあとりあえず仲間の居所やアジトを話す気は無さそうだから、記憶を見させてもらうか」
そう言うと男が何か言おうとしたがグシャッと男の頭に指が刺さった
「バロン…… ノータイムかよ」
「すまないねぇー、主人様
けど、良い情報は入ったぜ」
俺は隣を見るとニヤニヤと笑いながら男から記憶を抜き取るバロンがそこにいた
ちなみにミュレーヌとネロ、そして珍しくユキが驚いてるが気にしない
「主人よ
少し急いだ方が良い 此奴ら、魔物を誘き寄せる香薬を使い、ここにモンスターハザードを起こさせる気だ」
バロンがそう言うと三人は驚きた様子だが、俺はマップを開くとバロンを見た
「バロン 場所は何処だ?」
「場所はここの街から離れたココに香薬を置き、モンスターハザードを起こさせる手筈です
アジトはココです そして時刻は今日の夜」
バロンはマップに赤いマーカーと青いマーカーを立てるとそう言ってきた
確かに赤いマーカーが指した地点はモンスターが集まりやすい平原で、香薬が広まるまでそれ程、時間がかからないと見る
そして今日は夜には風が吹きやすいと言うことで広まるとしたら数分だろう……
そしてアジトはかなり森の中にあるから見つかり難い所にあった
何故ならそこの近くにはゴブリンの巣があるから並大抵の冒険者なら全滅が当然だろうな……
(ん? ちょっと待て
ここの位置関係って……)
俺はマップを見てるとある事に気付いて、確認すると冷や汗が出てきた
(マッズイ!? モンスターハザードがアパーに侵攻するのであれば、進路上にイリア達が居る村があるじゃねえか!?)
そう…… 進路上にイリア達が住んでる村がある事に気付いたからだ
流石に主人公とは言え、まだ鍛え途中で大量のモンスターに襲われたら命を失う可能性だってある
「ははは…… こうなったらヤケだ……
全滅させてやる」
とりあえず盗賊達には捕えて、拷問を与えるとしてモンスター達には悪いが俺の八つ当たりの対象になってもらおう
そしてコレの裏で糸を引いてるヤツは絶対に捕えて、俺が直接、叩きのめしてやる……
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