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第三章

冒険者ギルド うさうさ亭

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朝を迎えて、朝食を済ませるとすぐに俺達は宿を出立した
目的の冒険者ギルドは王都の離れの場所にあると聞いているので、この時間帯に出れば、着く頃にはお昼になっているだろう

後ろを確認するとミュレーヌ達がきちんと付いてきている
だが、その服装等の装備一式全てが変わっている

まずはミュレーヌは聖職者にとっては当たり前の聖職女の服で帽子が少し大きいくらいだ
腰にはバックを付け、右耳にはサファイアで作ったイアリングを付けてもらっている

ネロは前線を張ってもらう為に騎士防具一式を着込んでもらっている
何より目立つのは背中に背負った大盾だ
人が持つには大き過ぎる盾だがネロは軽々と背負っている
そして腰防具のスカートがよく似合っている

ユキは軽装備の防具で動きやすさを重視している
獣人のユキには重い防具は逆にデバフになると考えたから素早さを活かせる装備にした

これらの装備や武器は俺があらかじめに作ったヤツらだ
だが、正直な事を言うと一人分しか作ってなかったからミュレーヌとネロのは鍛冶屋の熟練度を上げる為に作った中の一つを渡してある
だからどの装備も特殊能力ガン積み何だが……

そんな事はさておき、俺はとある悩みを抱えていた

(ユキはまぁ、わかる……
だが……、誰か教えてくれ!? 何でミュレーヌとネロの好感度が異様に高いんだよ!?)

それもこれもこの三人のせいである
今日の朝になり、目が覚めた途端に性器に異様な感触があって、動きからして舌だと分かってからまたユキが勝手にしてんだと思い、毛布を取るとそこには熱心に俺のを咥え込んで涎を垂らしながら奉仕するミュレーヌとその横で羨ましそうにミュレーヌを見ながら舌を伸ばして、玉部分を舐めるネロが居た

ユキはその後ろでまるで順番待ちをしているかのように大人しく二人を見つめていた

そんな事があり、結局、三人に2回ずつ、絞られて今に至るのだが……

ミュレーヌは設定上では聖女と言うことでこういった事は出来なくて、攻略は難しいとエロゲー野郎の話で聞いていた
更にネロは設定上ではかなり後に男嫌いと分かって、攻略難易度が跳ね上がったとエロゲー野郎の嘆きを聞いた

(何でコイツらがこんなに奴隷として何の躊躇もなく俺の性処理なんて自発的に行ってるんだ?
設定と少し違うのか? そもそもコイツらが奴隷になった事自体がイレギュラーなのは分かるが、それとこれとで関連性はあるのか?)

「ご主人様 目的地はここでしたか?」

考えに更けているとミュレーヌの声にハッとして、ミュレーヌの指を指した方を見ると、そこには確かに目的地である冒険者ギルドがあった
だが、名前を聞いた時から思っていたが看板を見て、俺は引き笑いが出た

(うさうさ亭……
母上から聞いた時から思ってたんだがこの名前、ふざけて付けたとかじゃないよな?)

看板には大きく【冒険者ギルド うさうさ亭】と書かれている
何故、母上にここを紹介されたかと言うと母上が所属していたギルドだからだ
見た感じ、中規模のレストランに見えるがそれはそのはずだ
冒険者ギルドはここの地下に設立されていて、冒険者はここで食事をしてから地下に行き、依頼を受けると言うのが朝の日課みたいになっているらしい

「入るぞ」

三人に言ってから扉を開け「シモンちゃあ~ん!!」「ぶぐっ!?」だ瞬間に突然、何かに抱きしめられ、視界が真っ暗になった

「シモンちゃん!! シモンちゃあん!!
遅いから心配したわ~!!」

「っ~、ぷはっ!?
は、母上!? 何でコチラに!?」

聞き慣れた声を聞きながら必死に顔を抜け出せば、目の前に母上の顔がドアップで映り込み、思わず尋ねていた

「シモンちゃんが冒険者になるのだから、母親として見届けたいだけよ
だからお屋敷からコッチに来て、ずっとシモンちゃんが来るのを待ってたのよ~」

母上はそう言い、俺の頬に頬ずりしながら頭を撫でてくる
そんな母上に恥ずかしいながらも少しだけ安心した
やっぱり冒険者になるって、緊張するから母上が一緒だと心強く思った

(やっぱり母上は凄い……)

そんな母上に身を預けながら頭を撫でられてたが母上が俺を下ろすと今度はミュレーヌ達を見た

「貴女方がシモンちゃんが雇った人ね」

「「は、はい!!」」  「……ん」

母上が尋ねるとミュレーヌとネロは姿勢を正して返事をし、その横でユキがコクンと頷いた
母上は三人を見ると満足そうに頷いた

「ミュレーヌちゃん ネロちゃん それにユキちゃんね?
シモンちゃんが雇ったのなら腕は大丈夫でしょう
けど、油断しない事ね 冒険者はあくまで危険と隣り合わせ……
貴女達がシモンちゃんを守って死んだら、シモンちゃんが悲しむのを忘れないでね」

母上が三人が名を名乗ってないのに言い当てると真剣な表情でそう伝えた
ミュレーヌとネロは名を言い当てられ、驚いだが母上の真剣な表情に真っ直ぐと頷いた
そしてユキも母上に頷くと俺を見て、また頷いた

ユキは俺とも『約束』と言ってるようだ

「うん!! 貴女達がシモンちゃんに雇われてよかったわ
それとシモンちゃんの初めては婚約者の人に譲ってあげてね?
その後だったら、好きなだけ抱いてもらえ「母上ぇ!! 早く冒険者として登録したいのですが!?」

それを見て、母上は嬉しそうに頷くと余計な事を話し始めたので慌てて止めるように俺は急かした
こんな入り口で息子の猥談はよしてください……

「それもそうね
それじゃあ皆、付いてきて」

母上は口元を隠し、微笑むとサッと振り返るとギルドの中に入って行った
その後に続いて、中に入ると中はどうにもお腹の空く匂いが漂っていた
まだ朝早くだが、既に冒険者と見える人が朝食を食べていた

そして奥に着くと壁の扉を開けて、中に下りて行く……
すると急に視界が広がるとそこはイメージ通りの冒険者ギルドがそこにあった

数個のカウンターには受付嬢が数名鎮座し、依頼書をまとめているのか、忙しなく手元を動かしている
そして端にはテーブルと椅子が数個置いてあり、そこで酒を飲んでるオッサン達が見られる
そして目立つのは壁にかけられたボードだ……
そこには依頼書が刺してあり、そこから取って、受付でクエスト受注と言う流れだろう

「それじゃあシモンちゃん
ちょっと待っててね? 寂しいからって泣いちゃダメよ?」

「母上……、13になったのでそれは無いです……」

俺の鼻を指でツンツンしながら母上はそう言ってきて、苦笑いを浮かべながら頷き、返事を返せば、母上は意気揚々とカウンターの中に入って行った

元々、母上は元ギルドマスターだから簡単に入るのを許されてるのだろうと思ったがそれにしてもここはどうやら見た目の割にだが、相当な強者が多いようだ……

あそこでボードを見てるパーティーは剣士2、術者1、弓兵2とバランスが良い……
恐らくだが剣士二人が前線でタンクの役割を担い、弓兵二人がそれを刈りながら援護、そして術者は魔法で支援したりすると見た

それに見た感じからするにレベルは40くらいだろう……


(って、アルタナシア・ドリーム基準だとまだまだ低過ぎるけどな)

だが、この世界なら十分なレベルだろう……

そんな事を考えていると母上が一人の女性を連れて戻ってきた

「お待たせ~ 紹介するわ
こちらはうさうさ亭のギルドマスターの「ビビス・ファインコットよ よろしく」

母上の紹介を遮り、ビビスさんは自分の名を言ってきた
母上はそんなビビスさんに頬を膨らませながらジトーと見ているが、そんな事より俺の番だ

「お初にお目にかかります
私は「シモン君でしょ? 初めましてって事はないんだけど、流石に覚えてないか~」

自己紹介しようとしたらビビスさんはにヘラと笑いながら俺の頭を撫でてきた

「仕方ないわよ シモンちゃんとフローラがまだ産まれて間もない時だからね」

「そういやそうね
あの時のアンタ、シモン君達を抱きしめ続けて、私に抱っこさせてくれなかったんだからね」

「し、仕方ないじゃない!?
シモンちゃんとフローラがあ、あんな…… あんな……  ふぇ……」

母上とビビスさんが話していると当時の事を思い出したのか、母上が泣きそうになり、ビビスさんが慌てて母上の口を押さえた

「あーもー、泣くなら外に行きなさいよ
シモン君達の登録の邪魔になるから」

ビビスさんがそう言うと母上は慌てて目元を拭った

(さっきから母上の扱いが上手いな……)

先程からビビスさんが母上とやり取りしてるのを見ていたがそんな印象が付いた
きっと母上とは親友の仲なのだろう

「さて、それじゃあ四人分の冒険者カード作るわよ
手を出して?」

ビビスさんが母上から離れて、近づいてくると俺達の手に何も書かれていないプレートを置いた

「それに魔力を流すか、血を垂らす事で情報が刻まれて、冒険者カードになるわ
冒険者カードにお金を貯める事も出来るから無くさないようにね?
無くしたとしても本人にしか使えないから大丈夫だし、新しく作った方に移植されるから問題ないわ」

冒険者カードの軽い説明を受けて、俺は魔力を流すとプレートに文字が刻まれた
見ると俺の名前が書かれているがその他の所は空欄だ

「うん 全員分、ちゃんと出来たみたいね
それじゃあ作ってくるから依頼書を見たりしといてね
初仕事して慣らす意味でね」

そう言って、ビビスさんがプレートを回収して、カウンターに入ろうとしたから俺は慌てて呼び止めた

「あの!?」  「ん~?」

ビビスさんは俺を見てくると俺は息を整えてから口を開いた

「出来るなら少し行きたい所があるのでその場所近郊の依頼とかありますか?」

「へぇ、何処?」

ビビスさんがそう聞いてきて、俺は口を開いた
これでようやく目的の為に動く事が出来る

そう……  全ては主人公を見つける為の目的が……




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