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第三章

3人と冒険者登録に向けて

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誓約完了後、俺は3人を連れて、近くの宿に入った
このまま屋敷に向かうと明らかに印象悪くなると思ったのと、3人の怪我とかをすぐにでも見てやりたかったからだ

部屋に入り、荷物を置くと3人を見た
猫型の獣人は表情を変える事なく、俺の傍に来るとちょこんと足元に座った
童顔の女性は私物を渡されたからなのか、知らないがずっと杖を抱きしめながら俺を不思議そうに見ている

きっと貴族なのがバレてるのらしくて、きっと自分の中の貴族像が違うから俺を観察しているのだろう

そしてオッドアイの女性なんだけど先程から黙って、床に正座で座っている
俺への警戒心は無いのだが教育をされてるはずなのだが先程から椅子に座る気配がない

「椅子に座ったら?」  「いいえ お構いなく」

椅子に座ることを促したが呆気なく断られてしまった
猫型の獣人に至ってはすっかり俺の足元が気に入ったのか、膝辺りに頭をスリスリと押し付けてきている

そんな彼女達の胸元に烙印が刻まれてあった
それは奴隷呪印と言われ、奴隷である証であるのと、同時に雇い主に反逆させない絶対忠誠の呪いだ

「とりあえず自己紹介からだな
俺はシモン・フェルストリー
フェルストリー家が三男だ」

「わ、私はミュレーヌ・ファティリスと言います
聖職者をしておりました……」

俺が名乗れば、まずは童顔のミュレーヌが名乗ってくれた

【ミュレーヌ・ファティリス】はエロゲー野郎が言っていたが攻略キャラの一人で堂々とパッケージに描かれているくらいに有名な女性だ
確か本来なら王都の教会で聖職者として出てくる筈なんだが何故、奴隷になっていたかは不明だ

「アタイはネロ
ネロ・ガンボルト」

【ネロ・ガンボルト】もパッケージに描かれた攻略キャラの一人で彼女は【魔眼】の持ち主であり、ストーリーには重要キャラだ
本来ならば彼女は隣国の将の娘として出てきてくるらしい………

だが、今では二人ともが奴隷となっている……
何かありそうだ……

「……無い」  「無い?」

猫型の獣人を見ると簡潔にそう言ってきた
無いと言うことは名前が無いのだろう……

「アソコでは何て呼ばれてたんだ?」  「猫ちゃん」  「おぉふ……、安直な……」

聞くとあだ名で呼ばれてたらしいが確かにこれから俺と共に行動するのなら名前が無いとやりずらいな

「ならユキと名乗れ」  「ユキ……、えへ……」

俺がそう言うとユキは自分の名前を噛み締めるように呟くと二ヘラと笑った

(笑うとめっちゃ可愛いやん!?)

その笑みは爆発的な衝撃で可愛いがすぎた
ユキは言わば、俺好みのキャラクリで作られた容姿だからな
可愛いがすぎるわ……

一度、息を吐いて落ち着くと俺は3人を見た

「俺が君達を雇ったのは冒険者としての仲間になってほしいからだ
もちろん付いてきてくれるなら命の保証、身の回りの生活環境等は用意する
奴隷と言う立場で嫌と言うのならすぐにでも烙印を消し、解放するし、ちゃんと元の場所に帰してやることも「いやぁぁぁ!!」っお!?」

先ずは3人の気持ちと考えを尊重すべく俺はこれからの目的と付いてきた時の利益を言い、それが嫌なら奴隷としての証でもある烙印を消してあげて、帰りたい場所に帰すと言おうとした瞬間、ミュレーヌが悲鳴混じりに叫び、俺にしがみついてきた

「帰りたくない!! あんな場所、帰りたくない!!
お願いです!! 性処理でも何でもしますから捨てないでください!!」

しがみつきながら必死に頼み込んでくるミュレーヌに慌てながらも頭を撫でると今度はネロが俺の足を掴むと膝を舐め始めた

「ちょっ!? 何して」  「私は貴方に買われた 貴方に命を救っていただいた だからこれからも忠誠を捧げさせてください」

見ればネロも涙目になりながら膝から下へ、舐めていき、しまいには靴上からつま先にキスをした

(あれぇぇ!? エロゲー野郎の言ってた性格じゃないんですけど!?
何で二人してそんな奴隷適性あるの!?)

あまりにエロゲー野郎の説明とかけ離れすぎて唖然としながらやめさせようとすると顔を掴まれ、ユキが俺の顔を舐めてきた

「ご主人様 ユキを捨てるの?
いや……、ユキを捨てないで……」

寂しそうに泣きながらユキが俺の口周りを舐めてきた

「だぁ~!? 捨てねえから一旦、落ち着け!?」

時間がかかったが三人に落ち着いて貰い、俺は落ち着かせる為に疲労した体を椅子に座らせ、乱れた息を落ち着かせた

ミュレーヌはまさに聖母と言わんばかりの母性が溢れる性格をしていて、ネロはまさに軍人と言わんばかりの性格だと説明されていたが、今の二人はその性格からかけ離れすぎている……
ミュレーヌはまるでダメ彼氏に捨てられそうになってる彼女だ
ネロに関しては軍人なのは間違いないがその方向性が何故か奴隷寄りになっていて、ドSな彼氏の為に尽くすドM変態彼女を思い浮かべてしまった

(とりあえずコイツらに何かあったのか、調べる必要が出てきたな
あとでベルゼブブ辺りに頼んで探ってもらうか)

何故、彼女達が奴隷堕ちしているのか……
そしてミュレーヌのあの拒絶の仕方について気になる事が出来、調べてもらう事を決めた

「とりあえずお前らを見捨てねえから安心して、今日は休んでくれ
明日 早めに起きて、準備を済ませてから冒険者登録する為に冒険者ギルドに向かう
と、忘れる所だった」

そう伝えてから俺は眠る前に済ませようと三人に近付くと先ずは三人に《クリーン》をかけ、清潔にし、《ヒール》《リジェクト》で傷を治し、体を清めてやった
またメルデウス達を呼び出して、アレをやりたいがここだと狭いのと目立つ為、面倒だが個別で切り替えながら唱えるしかなかった

三人に傷が無いことを確認するとようやく一息付けると靴を脱ぎ、椅子に座った

(さーて、今のうちにチャットしておくか)

三人をチラッと見るとミュレーヌとネロは驚いて、俺を見ていたがコソコソと耳打ちし合うと小さな桶を取り出した
その桶は部屋に置いてあった物で旅の疲れを軽減する為に体を拭くようにと、ここの女将が置いているとの事だ
タオルは持参しろと言っていたがな……

[ベルゼブブ 今いいか?]

[主人様~!! 私に用?]

[あぁ 少し調べて貰いたい事が出来たからな
お前の部下なら怪しまれず調べられるだろ?]

[そうだね~ 蝿だから周りに居ても大丈夫だしね
それで調べる内容は?]

聞かれると俺は教会と所属してる聖職者達、そして隣国の軍とガンボルトとその周りの奴らを指定して、調べるようチャットした

[いいよ~ ってか、ルシファーがうるさいのを何とか言って!?
毎日、メルデウスを部屋に連れ込んでバッコンバッコンしまくってうるさいのよ!!
メルデウスも声が大きくて私、寝不足なの!!]

[わかった あとで言っておく]

そう送り、チャットを閉じてから俺は頭を押さえた

(何やってんだよ……  ルシファーにメルデウス……
別に俺はいいが周りが迷惑極まりないんだが……)

とりあえずルシファーとメルデウスの関係が暴露され、それに巻き込まれてる周りを不憫に哀れみ、今度会ったら注意しとこうと決めると時計を見た
時計は日付が変わって、少し経ったことを指している

俺も眠ろうと振り返ると思わずポカンとした

「ご、ご主人様……  お身体を流す準備は出来ました」  「ぜひ 私達にご主人様の身体を拭かせてください」

そこには桶に水魔法で水を張り、着ていた奴隷服を綺麗に畳むと正座し、俺にお辞儀する三人がいた
ミュレーヌとネロは少し頬を染めながらも裸を隠さずにしている
一方でユキは当然と言わんばかりに俺を見てきている

「一応言っておくが無理強いはしてないし、奴隷だからと言って無理にやらなくていいんだぞ?」

「いいえ これは私達が望んでしているのと」  「ダメ、ですか?」

俺は額を押さえ、遠回しに『嫌ならやめろ』と言ってるがネロは真っ直ぐ俺を見てきて、ミュレーヌはまた泣きそうな表情をし始めた

(あ、これは断れないやつだ……)

このままだとまた先程みたいなことになると考えた俺は三人の言われるままに体を拭いてもらうことにした

「ご主人様 気持ちいいですか?」  「痛かったら言ってくれ ご主人様には気持ちよくなって貰いたい」  「……おう」

ミュレーヌとネロに腕と背中をタオルで拭かれながら俺は心を冷静にさせるのに必死だった
こんな美人に耳元で囁かれながらこんなことをされてるのだから一般男性にとっては同人誌にネタにされるくらいに羨ましい光景だろう……

(だがな……  当のされてる本人は冷静になることに全集中してんだよ!!
エロゲーだからセーフ? 普通にアウトだよ!?)

必死に頭を氷点下くらいの思考にさせ、落ち着かせているが急に「あぐ!?」性器を掴まれて、見るとユキが思いっきり前に来て、ガン見していた

「ユキ!?」  「大丈夫 ご主人様」

慌てる俺を見てからユキが顔を近づかせてきて、次に何するか理解した俺は止めとうと口を開いたがカプッと咥え込まれ、「あぁ!?」と変な声が出てしまった

「ご主人様 まだお若いのにそんなに大きくて凄いですね」  「ユキ 次は私だ 早く交代してくれ」  「あ!? ずるいです!! 私だってご主人様の為にしたい!!」  「聖職者は後にしろ」  「今はご主人様の奴隷です!!」


ミュレーヌとネロが言い争いをしてる中、俺は(止めろよ!? あとやっぱりそっちの知識も学んでるんだな!?)とツッコミに似た助けを求めたがそれが声に出ることなく……

結局のところ、入れはしなかったが三人の口で抜かれる事となったのは言うまでもないだろう……
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