18禁ゲームの貴族に転生したけど、ステータスが別ゲーのなんだが? えっ? 俺、モブだよね?

ライカ

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第三章

冒険者に向けて

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あれから三年の月日が流れた……
俺も13歳となり、色々と環境が変わった
先ずは屋敷にローリアス姉様が住む様になった
何でも出産はコッチでやるみたいだ
王都ではなく、何でここなのかと言うとフェルストリー領は自然に溢れてる為、母体にストレスを感じさせないからだそうだ
そしてもう一つ、フェルストリー領が安全に出産する確率が他の領より高いとの事らしい

それもその筈だ
出産率が高いとなると必然的にそれだけこの領には出産に必要な知識と熟練の腕を持つ女医が居るって事だ

それに俺とフローラの事があるから更に安全かつ子供が死産にならないようにする環境と設備が向上していった
だからローリアス姉様はここでの出産を決意したのだろう
ローリアス姉様がいると言う事はユーリ兄さんも居るが、城の仕事もある為に屋敷と城を数日かけて行き来する日々が始まった

ユーリ兄さんは『絶対に出産には立ち会いたい』と言っていたから仕事の量は少ないだろうが必死に早く終わらせて、屋敷に戻って来てるらしいが無理して倒れたら意味ないんだがな……

そして難産になり、時間が掛かったものの医師達による必死の治療等によりローリアス姉様は無事に赤ちゃんを産んだ
産機を少しオーバーしていたからなのか、産まれた赤ちゃんは少しより大きかった印象だ

ちなみにユーリ兄さんはギリギリ間に合わず、産まれた喜びを噛み締めた後、一人廊下で膝を抱えて、落ち込んでいた

三年が過ぎれば、フォルティナとシャルロッテも成長したのは当たり前だ
フォルティナは身長が伸びると今では俺と同じ背丈になって、しかも前よりグラマーな体型になっている
そしてシャルロッテも俺より小さいが首の所に頭があるくらいにまで身長が伸びていて、そして細身だが出る部分は出てるといった体型だ

そしてなによりシャルロッテの胸が急激に大きく成長していた
今では今まで着ていた下着が着れずに全て、オーダーメイドで作ったのを着ているがすぐに着れなくなってしまっているらしく、お気に入りが着れないと嘆いていた

そんなシャルロッテの胸を妬ましくフォルティナは睨んでいた
逆にフォルティナは年相応より少し小さいくらいで、何でか知らないが物凄く安心した
いや、それについては明確に理解している
これでフォルティナまで胸が大きくなってたら正直に言ってしまうと約束を破り、すぐにでもフォルティナを抱いて女にしてしまう恐れがあるからだ

ただでさえ、フォルティナやシャルロッテ……
そしてフローラ等の美人から迫って来られると俺の理性がプツンと切れてしまいそうで怖くなる時がある

特にフローラだ……
妹だと思っていたが今でも風呂に入って来たり、一緒に寝たりしているがすっかり美少女から美女に変わってしまって、女の武器を手に入れてからと言うモノ、俺を一から誘惑してくるのだ……

最初は(可愛い大人の真似事だな)と思っていたが今となってはそこで止めなかった事を後悔する程、成長した体を押し付けては耳元で「お兄様……  好き……  早くフローラを抱いて……」と永遠に囁かれてしまっている

俺も年齢が年齢だから精通は来ている為、必死に自分のモノを隠すハメになり、うつ伏せに寝るしかなくなった

そしてユリアナ先生はなんと教員免許を取得していた
これで俺とフローラが学園に入る頃にはユリアナ先生が担当になる可能性が出てきたのだ
ユリアナ先生に何で取ったかを聞くと「まだ教え足りないのと目を離すと心配だから(シモンが)」と言っていた

そんなにフローラが心配なのかと思ったが確かにフローラの魔法の腕前はまだ未熟な部分もある
だから目を離すと心配と言ったのだろう……
流石はユリアナ先生だ

ヒュレムはあれから夢中で薬作りに没頭している
元々が仕事熱心な為、一度やり始めたら止まらないと言う事が何度もあって部屋を訪れると床に倒れて、眠っているなんて日常茶飯事だった

だからヒュレムに従者兼見張り役として一人付ける事になった
すると床で寝るなんて事は無くなって無いがかなり減った

最近なんだが俺が部屋を訪ねると必ず俺を抱き寄せ、匂いを嗅いでるんだが何でだ?

まぁ、そんな日常を過ごしていたのだが今日、俺は父上にあるお願いを言った
父上は俺が頼むと難しくも真剣な顔で話を聞いてからゆっくりと俺を見た

「シモンよ 言ってる事は理解しておるな?
動物を飼うのとは違うぞ?」

「はい 父上
それは重々、理解しております
だからこそ、こうして父上に頼んでいるのです」

真っ直ぐ父上の目を見ながら俺が言うと父上はジッと見つめ、やがて息を吐いた

「冒険者になった後、パーティーメンバーに奴隷を雇う……
確かにギルドで組むよりかは信頼出来る……
だが、シモン」

「父上の言いたい事は分かります
だからこそ、私は奴隷を【買う】のでは無く、【雇う】のです
ちゃんとした給金、居住地などは私がギルドの仕事で得た報酬の中から渡します」

父上が何故、こうも渋るのかは分かる……
奴隷とは言わば金持ち貴族の象徴であるからだ
その貴族が善良であれど世間の目から見て、貴族がその奴隷をどう扱ってるかなんて事はきっと同人ネタで書き切られてる内容が殆どだろう……

そういう風に見られなくするには奴隷にちゃんと人間性を与え、職を与え、働く姿を見せる事でその貴族が奴隷をどうしてるかを見せる必要がある

フェルストリー家もその一つだ
王都の屋敷に居る従者達やメイドは皆、元奴隷で父上と母上が出来るだけ奴隷商から救って来たり、雇って来たりした人たちが殆どである
だからフェルストリー家は王都でも善良と言われている

「父上 私もフェルストリー家が三男です
父上の考え、志を持つ者です
どうか私を信じてもらえませんか?」

子供の我儘で言ってるのでは無い事を真剣に俺が伝えると、父上はようやく頷いてくれた

「分かった シモン
お前がそこまで言うのであれば私はお前を全面的に協力しよう
奴隷を雇うのであれば私が保証人になってやる」

「ありがとうございます!! 父上!!」

父上は笑顔でそう言ってくれて、俺は立ち上がると頭を下げて礼を言った

「しかしお前が冒険者ねぇ……
ユーリとゼアルも冒険者になったが血は争えないのかね」

父上は懐かしそうにそう呟いたが俺には冒険者になって、とある目的があった

それはこの世界、ルミナス・エルドの【主人公】を探す事だ

俺がモブである以上、主人公の存在が絶対的にストーリーの重点に置かれる
そしてこのゲームでは男でも、女でもなれるから性別の確認も必要だ
エロゲー野郎の話は全て男主人公の場合のみで話してたから女の方のストーリーが同じかは分からない……
だが、どちらにせよだ

俺の未来は主人公がとっても大事になる

そして確認しなきゃならないのは【ソイツが転生者であるか?】だ

大抵のこう言ったエロゲー転生モノだと、主人公に転生してた場合は相当のクズかカスが多いのがテンプレだ

そしてそう言うヤツに限って、ヒロイン全コンプのハーレムor逆ハーレムエンドを目指すのがオチだからな

その確認が必要だ……

もしクズだったりしたら俺が完膚なきまでに潰して、面倒臭いが主役の座を明け渡してもらうか、性格を更生させる

転生者で尚且つ、善良ならば協力してモブになり続けられて幸せな日常を送れる

転生者では無い場合は……

(いや、そんな事はないか……)

こう言ったヤツは大抵、転生者がお決まりだからな

そんな事はありえない 起きる筈がない
そう決めつけて、俺は父上に改めて礼を言ってから部屋を出て、自室に戻るとすぐに冒険者になる為の準備に取り掛かった

仲間となる奴隷の為に準備は入念に行っておかないとな

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