18禁ゲームの貴族に転生したけど、ステータスが別ゲーのなんだが? えっ? 俺、モブだよね?

ライカ

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第二幕

メリスト家の庭園にて

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「もう……、シモン様のイジワル……」

「悪かったって」

庭園に使う廊下で、頬を膨らませたフォルティナに頭を掻きながら謝っていた

「私は義父様達の前であんなに恥ずかしい姿を見せたくなかったわ……」

「悪かったって、お前があまりに可愛かったから少しな」

「っ、む、むぅ……」

俺の言葉に頬を赤らめながらも膨らんだ頬は戻らず、恥ずかしそうに見てくるフォルティナは素直な事を言えば、めっちゃ可愛い……
しかも美容とかもちゃっかりしてるから、まさに高嶺の花と言うべきだろう

「ちょっとお兄様、お姉様
私が居るのを忘れないでくれる?」

「忘れてねぇよ よく合わせてくれた」

フォルティナと話してる隣でフローラが嫉妬して、俺の腕を掴んできたが頭を撫でれば、「えへへ……」とくすぐったそうに笑った

「フローラも可愛いな」 「当たり前だよ お兄様の妹なのだから」

そんなやり取りをしていると扉を潜り、ようやく庭園に辿り着いた

メリスト公爵家の庭園ははっきり言えば、ウチより広い……
広すぎて、ここでかくれんぼなんてしたら、一日が終わると確信はあった
と言うか……、子供の俺達ならば、ここで遭難しかけるだろうな……

(まぁ、目立つのはあの真ん中の木だな)

だけど、それでも目印になりそうなのは一つだけあった
それは巨大な大樹がこの庭園の中央に聳えているからだ
その大樹は屋敷よりも高く、その周辺も太陽光が入り、植物が育つから、かなりの大きさだ

「あっ!!お兄様!!
薔薇がありました!!」

隣でキョロキョロしていたフローラだっだが薔薇を見つけると嬉しそうに指差して、駆け出していた
俺とフォルティナがその後ろを付いて行けば、フローラは一面に広がる薔薇達を見ていた

「やっぱり薔薇って、綺麗……
何でこんなに綺麗なのかしら?」

「フローラは本当に薔薇が好きですわね」

「えぇ、お姉様
私は薔薇が好きなのよ」

ウットリとしているフローラの隣にフォルティナが立ち、聞くとフローラも嬉しそうに答えていた
そんな二人を見つつ、俺も薔薇達を見ていると

「青?」

視界の端に青色が映り、見るとそこには青い薔薇が数十本は咲き乱れていた
しかも青だけでは無く、黒、ピンク、水色等、様々な色の薔薇が咲いていた

「ピンクなどはあるヤツだけど、黒とか、青って……」

「お目が高いわね シモン
それらはようやく私が品種を改良して、咲かせた自慢の薔薇達よ」

青い薔薇を眺めていると後ろから声が聞こえ、振り返るとそこには後ろに纏めた髪が少し綿飴のようにもっこりとしているが繊細なデザインのドレスで、それすらオシャレと思えるくらいモデルみたいな女性が立っていた

「ご機嫌よう シャーリー義姉様」

「もう……  普通にお姉ちゃんでいいのよ?」

「うっ……  わ、分かりました……
シャーリー、お、お姉ちゃん……」

「よろしい♪」

フォルティナが彼女に挨拶をするとシャーリーは不満そうにフォルティナに近付き、その口元を人差し指で突けば、フォルティナは押され気味に答えると満足そうに笑った

【シャーリー・メリスト】はこのメリスト家、二女だが彼女はまだ婚約者等は居らず、こうして公爵家の屋敷近くで、自分の土魔法で、ずっと植物や花などを育てることに人生を賭けている

実際、メリスト家の収入の一部は彼女の育て上げた植物によるモノもあった

「お久しぶりでございます シャーリー姉様」

「ん~~~ 私の可愛いシモンとフローラ!!
会いたかったわ!!」

「きゃっ!? も~、シャーリーお姉様
いきなり抱きつかれては、驚きますわ」

俺とフローラが揃って、礼をするとさっきまでとは打って変わって、ニパァと効果音が出るような笑みを浮かべると二人まとめて、抱きしめられた
ちなみに初めて会った時、シャーリー姉様含むメリスト家の姉弟には仲良くしてもらっているがフォルティナ程、溺愛はされてない……、はず……

「シャーリー姉様 この薔薇も姉様が?」

「えぇ!! 特にこの黒の薔薇は、最近、咲いたものよ!!
この黒の薔薇でドレスの装飾の幅が広がるわ!!」

シャーリー姉様が離ると、俺は後ろにある薔薇達を指差して聞けば、シャーリー姉様は嬉しそうに胸を張って自慢してきた
シャーリー姉様にとっては我が子と同じみたいだから聞かれたり、褒められれば嬉しいのだろう

「それでも私のドレスに合わせるために、白の薔薇を急に咲かせたのには驚きましたわ」

「あら? 仕方ないじゃない
可愛い妹を着飾りたいのはお姉ちゃんの楽しみでもあるのだから」

少しフォルティナが困った笑みを浮かべていたが、シャーリー姉様がフォルティナを抱きしめ、頭を撫でながら可愛がってるのを見るに(暴走したな……)と予想がついた

「シャーリー フォルティナを離してあげたら?
独り占めしたら、流石にシモン達も困ってるわよ」

「はーーい ソシアお姉ちゃん」

ふと、こちらに近づいてくる女性を見つけるとその女性は扇を広げ、口元を隠しながらそう言えば、シャーリー姉様がフォルティナから離れた

【ソシア・メリスト】は最もメリスト公爵家当主に近いと言われている女性だ
美貌は男どもを虜にし、領主の経済を任せられていたりする程、知識が豊富である

「お久しぶりです ソシアお姉様
そのドレス、ソシアお姉様が関わってる商会の新作ですか?」

「えぇ、そうよ フローラ
また貴女にも送ってあげるわね」

フローラはソシア姉様の着ているドレスに目をキラキラさせていた
ソシア姉様はフローラの頭を撫でて、微笑めば、ゆっくりと俺に近づいてきた為、身構えた

「お久しぶりです ソシア姉さ「シモン 私はそんなつまらない挨拶を教えてないわ」

俺が挨拶をしてる最中だが、ソシア姉様がそれを遮ると俺の顎を掴むと俺の唇はソシア姉様の唇で塞がれた

そして閉した唇だっだが舌が入ってきて、俺の舌を舐め上げてから少し俺の唾を飲んで、ゆっくりと口を離してくれた
離れた瞬間、透明な糸がソシア姉様と繋がってたがソシア姉様はそれを指で切り、ぺろっと自分の指を舐めた

「ん……、私の挨拶はコレって教え込んだじゃない?」

「ソシア姉様…… 流石に恥ずかしいのですが……
それにいきなり過ぎて、フォルティナ達が驚いておられます」

そう言いながらソシア姉様の後ろを見るとフォルティナとフローラが顔を真っ赤にしながら見ていた

「あら、そう言えばフォルティナには教えてなかったわね?
気にしなくてもいいわよ フォルティナ
これは私なりのシモンへの挨拶なのよ
貴方から愛する婚約者を奪わないわ」

ソシア姉様はフォルティナに優しくそう言い、そして何か耳元で囁けば、フォルティナが更に顔を真っ赤にした

きっとソシア姉様に何か吹き込まれたのだろうがあんまり気にしない方がいいと思った

(さて、そろそろいいかな…)

俺はさっきから気になってた事があり、チラッと空を見てからソシア姉様とシャーリー姉様を見た

「すみません 姉様方
少し席を外します」

そう言い、サッと屋敷に入っていく………、ように見せて、俺は屋敷脇の陰に来た

「《召喚 バロン アモン》」

そしてすぐさまバロンとアモンを召喚した

「お呼びですか? 主人よ」

「如何なされましたか?」

バロンとアモンはすぐに俺の前に膝を付いて、俺を見てきたが、すぐに理解してもらうために俺は《共有》のスキルを使い、すぐにバロンとアモンと繋がった

「感じたか?」

「……………はい 今、はっきりと
この街の外周付近に三匹………、一小隊が空域を廻っておりますね」

俺が聞くとアモンはすぐに状況を把握し、俺と合ってるかの確認のため、聞いて来た
そしてその内容が合っている事を確かめてから俺は頷いた

「あぁ、敵対マーカーが出てる以上、敵と見ていい
お前達は奴らの目的を把握、ソイツらの排除を頼む
もし手が足りなければ、俺にチャットを飛ばしてくれ
すぐに増援を送る」

「了解しました 我が主人
一つ 確認だが、もし捕まってる人間等が居た場合」「救助しろ」

そう言うとバロンとアモンはすぐにその姿を黒く、影に溶け込めば向かっていった

「さて、俺も怪しまれないように戻らないとな」

バロンとアモンを見送った後、俺もすぐに屋敷内から出てくるように見せて、フォルティナ達の元へ戻った

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