18禁ゲームの貴族に転生したけど、ステータスが別ゲーのなんだが? えっ? 俺、モブだよね?

ライカ

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第一幕

突然、始まった世界

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「知らねえ天井だ……」

そんな何処でもありそうなセリフを呟きながら俺は見覚えの無い部屋で目覚めた
体を動かしても痛みは無い、意識はハッキリしている
ゆっくりと体を起こして、部屋を確認する
見慣れない部屋……、見慣れない雑貨類……

「やっぱりここってクリエイトエリアの俺の家じゃねぇな
現実の俺の自室でもねぇ……」

ベットで胡座をし、最後の記憶を探る……


俺は学校帰りにいつものようにVRセットをセットすれば、日課になってる【アルタナシア・ドリーム】にログインした

アルタナシア・ドリーム
RPGゲームでは国外含むランキングで、一位を死守し続けていて、人気が鰻登りで止まることを知らない大人気ゲームだ
内容は、シンプル且つやり込みが凄い……
ダンジョンはもちろんの事……
鍛冶場、薬師、サモナー専用トリートメント屋等……
様々な事業を自分で展開でき、職業の数は数知れず、スキル数などは最早数えるのが面倒くさい程ある
そして課金をし、購入出来るクリエイトエリアは自分専用の鍛冶場や自宅、温泉等が設置でき、自由度が跳ね上がっている

そんな中、俺はギルメンにメッセージを飛ばし、一人ソロでダンジョンに潜り、ボスを倒して、ドロップを整理して……

「ヤベェ……、そこから先の記憶がねえ…」

頭を掻きながら徐に頬に手を置いて、引っ張ってみる

「イデデデデデ……!?
痛い……、つうことは夢オチじゃねぇか……」

手を離し、項垂れながらため息を吐く………
実際にVRセットの重みも無いし、痛覚があるってんなら、現実だろうと理解できた
アルタナシア・ドリームでは五感をも刺激する為、モンスターに攻撃されたら痛いし、美味い物は美味いと感じることが出来る

だけど、痛覚とかはある程度、抑制が効くのか、デスしてもあっさりとした痛みがあるくらいだ
まぁ、簡単に言えば、確かに痛いが常識範囲内の痛みという事になるが……

さっきの頬の痛みはその抑制が効いてない事が重く俺の心にのしかかる

「これは現実、これは現実……
何でこうなっちまったんだろうな……」

頭を上げ、ベットから下りる
すると、違和感に気付いた

(何だ?
ベットから下りたが……、ベットってこんなに大きかったか?)

俺の身長はリアル計算だと、176cm、そしてアバターの身長は183cmなんだが、今、俺が寝ていたベットは下りると丁度、首のところにマットレスの最高地点がある

リアルとアバターなら大体、太ももか、膝上くらいなんだが……、明らかにこのベットは、高すぎる……

部屋を歩き、近くの扉を開けると中には服がギッチリとハンガーにかかって、丁寧に整頓されていた
どうやら俺は何らかの貴族に転生……、したんだと思う、多分だけど……

服を見て回るがどれもこれも何処か、高価そうで、かなり派手な物もあった
ふと、近くに鏡がある事に気付いた

「は?」

だが、そこに写し出された姿を見て、俺は呆然と乾いた声が出た

そこに写し出された姿はリアルでも、アバターでも無いのは当たり前だが……

そこには黒髪の美少年が写っていた

「……待て待て待て まさかとは思ってたが、子供になってたんかよ」

頭を押さえながらじっくりと自分の姿を見る
ベットから下りた際に自分の手が小さいのと、ベットの高さから薄々と気付いていたが……
大体の予想だと、今の自分の年齢は7歳から10歳くらいの見た目だ
背丈もそのくらいだし、顔を見ても幼いと見える

(流石にこれだけじゃあ情報が少ないな
出来れば何らかの本、もしくは地図とかあればいいんだが)

腕を組んで、首を傾げながらザッと服を見ていると後方でガシャンと音がした
慌てて振り返るとそこには大体、今の俺より二つくらい年上そうなメイドが驚いた表情で、口元を両手で押さえていた
そして足元にはタオルと恐らく水が入っていただろう水桶と板が落ちていた
そしてそのメイドの顔を見た時、ふと自然と名前が出てきた

「メル?」

「っ!?
だ、誰か!? し、シモン様が!!シモン様がお目覚めに!!」

俺が名を呼べば、メイド…、メルは慌てながら部屋を飛び出して行った
そしてメルは俺の名前を呼んだ際、自分の頭に【シモン・フェルストリー】と言う名が思い浮かんだ

「シモン……、俺の名か
ん? シモン・フェルストリー?」

自分で名を確認するように言うとふと、何処かで聞いた事のある名だと思った
(何処で聞いた?)と考えながら桶とタオルを板に乗せ、近くの机に置くとふと、窓の外を見た

部屋とかに注意が向けていたので外を見ていなかったから気付かなかったが外は雲一つも無い快晴……
そして鳥が飛んでいる



『実はよ……、ヒロインの一人には元婚約者が居てよ
ソイツがなかなかの酷いヤツでさー、そこからそのヒロインが酷い事になってしまうんだよー
っで、その婚約者って名前がよ』


「シモン・フェルストリー!?」

外の風景を見ていたらふと、大学の時によく連んでいた友人との会話を思い出した
そしてその瞬間、俺は思わず叫んでいた

その友人は俺とは違い、休日を18禁ゲームに注ぎ込む、通称【エロゲー野郎】と呼ばれていた
そんな彼に何度も愚痴を聞かせられながら、俺に勧めてきたゲームがあった

(ってことはここは︎【ルミナス・エルド】の世界で!?
俺はシモン・フェルストリーに転生したのか!?)

震える手で俺は自分の腕を押さえた
確証は無い……
だが、そうとしか言えない……
自分の名前、メイド、部屋の装飾……
それらが俺を自覚させてくる

膝から崩れ落ち、俺は頭を抱えながら思わず叫んでいた
いや、もう叫ばずにはいられなかった

「ルミナス・エルドなんてやったことねぇよぉぉおおおおお!?」


自分がどの立場にいるかも分からない……
メインキャラの一人なのか? 敵なのか? はたまたモブなのか?
そんな何も知らないまま、俺の転生ライフはこうして幕を開けた



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