79 / 145
第四章 エレナと桃色の聖遺物
79:魔王の婚活大作戦【後編】
しおりを挟む
次の手は「お見合い大作戦」だ。
これまたそのままのネーミングで、アムドゥキアス達が王妃に相応しいと認めた女性と魔王をお見合いさせるというものだった。人選はリリスだ。最初は「ぜひ私が王妃候補に!」と名乗り出た彼女だが、アムドゥキアスとアスモデウスの竜人兄弟がそれを断固却下した。故に彼女は大人しくサキュバスの人脈を活かして、魔王に相応しい女性探しを買って出たのだ。
アムドゥキアスがエレナとリリィを朝早くから追い出すことに成功し、さっそくリリスが選んだ女性と魔王の見合いが大広間にて始まる。
まず一人目は若いエルフの女性で、その美貌には竜人兄弟も納得するレベルだ。その上、エルフ族特有の知性も兼ねているようで、リリスの人選の良さにアムドゥキアスは拍手を送った。
大広間で長いテーブルを挟み、対面するエルフの女性と魔王。それを見守るアムドゥキアス、アスモデウス、リリスはそのシュールさにどんな顔をしていいのか分からなかった。エルフの女性は頬を赤らめて魔王を見ている。魔族にとって魔王とは尊敬に値する人物である上にその膨大な魔力は魅力的なものだろう。故に彼女のこの反応は当然とも言える。しかし……
「──では、魔王様のお話もお聞きしたいですわ。魔王様は趣味などお持ちでしょうか?」
「あぁ。趣味とは己が好んで行うことだったな。それに準ずるならば、我の趣味はエレナとリリィを抱きしめることだろうか。愛らしい娘と息子の温もりは何者にも変えられない幸福だろう」
「……。……は、はぁ……」
アムドゥキアスとアスモデウスは顔を見合せた。その答えは少しズレていますよ、陛下。そう教えてあげたいが、対談中にいちいち指摘するのも無粋だろうと何も言えない。しかしここでひくりと唇を引き攣らせつつも、相手の女性は粘った。絶賛婚活女子の技術が炸裂する。
「えっと、それでは……その、陛下の好物はなんでしょう?」
「エレナがテネバーサリーの際に我にくれた手作りケーキだ。……すまない、訂正しよう。我が子らの手作り料理全てだ……!!」
「へ、陛下の好きな言葉は……」
「エレナの『パパダイスキ』だ。最近はリリィも我をパパと呼んでくれるようになった故、リリィの『パパ』という二文字も大変愛らしい」
「え、えーっと、そのぅ……こ、好みの女性のタイプとか……」
「やんちゃでいつ見ても飽きない可愛らしさがあり、嘘の付けない素直な子だ」
──む、惨い。惨過ぎる……。
一連のやり取りにアムドゥキアスは目頭を押さえる。なんとかエレナやリリィと関連させない気の利いた質問をしても魔王はそれを押しのけて我が子自慢である。そんな自分の失態に気づかない天然魔王にアスモデウスはため息を吐きながら、対談を中断した。エルフの女性は既に涙目であった……。
──結局、二人目以降の女性達も抜け殻と化して帰っていった。自分の話題を持たない魔王は見合いをしても、エレナかリリィの事柄しか話せないのである。結婚相手には“一番”に愛されたいというのが普通だろうが、魔王の一番は既にいることが明らかであるので大抵の女性は引いてしまう。そんな見合いが上手くいくはずもなく時間だけが残酷に過ぎていく。
──しかしそこでついに、救世主が現れた。
リリスが選んだ全員の女性との見合いが終了した直後、玉座の間の扉が勢いよく開かれる。現れたのはエレナとリリィだった。
「──パパ! 話は聞いたよ! 私達のママを探してるって本当なの!?」
「!?」
エレナとリリィの後ろにはアスモデウス。どうやら彼が帰城した二人に事情を話してしまったようだ。エレナは足早に魔王の側へ歩み寄ると、戸惑う魔王を抱きしめる。魔王はキョトンとした。
「ごめん! 私の言葉でパパを混乱させちゃったよね。確かに私は母親に憧れてる。でも、今は母親が居なくても幸せだよ。だって、貴方がいるから! 私達は十分幸せなんだよ。むしろ幸せすぎてお腹いっぱいなくらい! ね? リリィ」
「っ、エレナ……!」
「うん! リリィも、パパがいてくれるから毎日が楽しいよ。パパがリリィを撫でてくれる時、ふわふわぁ~ってするし。リリィもお腹いっぱい~!!」
「リリィ……!!」
魔王は堪らず二人を抱きしめる。二人も彼の熱い抱擁ににっこりだ。貴重な一日という時間を掛けたというのに非常にあっさりとしたオチである。しかしこれで胃が痛くなる心配もなくなったアムドゥキアスとアスモデウスはほっと胸を撫で下ろした。一件落着したならば、この話はもう終わり。アムドゥキアスはくいっと眉を吊り上げると、服が泥だらけであるエレナとリリィに対して「教育係モード」を発動させた。
「ところでエレナ様にリリィ様、お二人はなぜそんなに服が汚れているのですか?」
「うっ!? こ、これは……っ! せっかくだからと思って女の子になったノームの胸を揉ませてもらおうとしたら、拒否された拍子にこうなっちゃって……!!」
「何を訳の分からないことを言っているのですか。ほら、さっさと着替えてきてください! ああもう、髪にも土がついているではありませんか……。お二人とも、今日の夕飯は身体を清めてからですからね!」
「えー!! お腹すいたのにぃ!」
「教育係モード」のアムドゥキアスにエレナとリリィはたじたじである。するとそこで、リリィが何かを察したような表情を浮かべた。そしてアムドゥキアスを指さし、一言。
「──ママ?」
「は?」
「シトリがね、ママはよくガミガミ怒って怖いものだとも言ってたの! つまりリリィとエレナのママは……アムドゥキアスだったんだねっ!」
「っ!!」
このリリィの鋭い推測には魔王とエレナもハッとしてアムドゥキアスを見た。アスモデウスとリリスが盛大に噴き出す。アムドゥキアスはわなわな震えて顔を赤らめた。魔王がそんな彼の肩を掴む。
「アムドゥキアス、お前が、ママだったのか……? つまりお前は我の妻……?」
「へ、陛下ぁ!! お気を確かに! よりにもよってここで、時々出てくる天然ボケを発揮しないでください!! エレナ様とリリィ様は期待を込めた目で私を見ない! 馬鹿なこと言っていないで早く着替えて!! あと、アスモデウスとリリスは後でぶん殴るから覚悟しておけ」
「──はーい! アムママもこう言ってるから、着替えようかリリィ」
「うん! 着替えるー!!」
「え、エレナ様! その呼び方も禁止ですっ! なんですかアムママって!!」
クスクス笑いながら大広間を出ていく悪戯っ子二人。アムドゥキアスはそんな彼女らに思わず芽生えそうになった母性を必死に抑えつつ、ため息を溢した。夕飯の支度をし始める魔族達を眺めながら、魔王に視線を移す。
「──それで陛下、本当のところ今回突然王妃を迎えようとした理由はなんなのですか。貴方は自分の都合だけでこんな強行する御方ではありません」
「アムドゥキアス。お前は我を相変わらず買いかぶり過ぎだ。今回も我の我儘でお前達を振り回したのだ。……すまなかったな。どうしても我はあの子達に──、」
魔王はそこで言葉を止めた。その表情筋のない顔に哀愁が漂う。アムドゥキアス、アスモデウス、リリスはそんな彼の雰囲気にどこか嫌な予感がした。
「陛下?」
「……。……いや、なんでもない。本当に今回は我のただの我儘なんだ。すまないな」
──我はあの子達に、親がいない悲しみを背負ってほしくなかったのだ。
──いつの日か、我が我でなくなった時のために、あの子達に母親を遺しておきたかった。
魔王はその言葉を心の奥底に閉じ込める。大切な部下に心配をかけさせたくないと思ったのだ。魔王の目に宿る赤い瞳がユラユラとやや不安げに蠢いていた……。
これまたそのままのネーミングで、アムドゥキアス達が王妃に相応しいと認めた女性と魔王をお見合いさせるというものだった。人選はリリスだ。最初は「ぜひ私が王妃候補に!」と名乗り出た彼女だが、アムドゥキアスとアスモデウスの竜人兄弟がそれを断固却下した。故に彼女は大人しくサキュバスの人脈を活かして、魔王に相応しい女性探しを買って出たのだ。
アムドゥキアスがエレナとリリィを朝早くから追い出すことに成功し、さっそくリリスが選んだ女性と魔王の見合いが大広間にて始まる。
まず一人目は若いエルフの女性で、その美貌には竜人兄弟も納得するレベルだ。その上、エルフ族特有の知性も兼ねているようで、リリスの人選の良さにアムドゥキアスは拍手を送った。
大広間で長いテーブルを挟み、対面するエルフの女性と魔王。それを見守るアムドゥキアス、アスモデウス、リリスはそのシュールさにどんな顔をしていいのか分からなかった。エルフの女性は頬を赤らめて魔王を見ている。魔族にとって魔王とは尊敬に値する人物である上にその膨大な魔力は魅力的なものだろう。故に彼女のこの反応は当然とも言える。しかし……
「──では、魔王様のお話もお聞きしたいですわ。魔王様は趣味などお持ちでしょうか?」
「あぁ。趣味とは己が好んで行うことだったな。それに準ずるならば、我の趣味はエレナとリリィを抱きしめることだろうか。愛らしい娘と息子の温もりは何者にも変えられない幸福だろう」
「……。……は、はぁ……」
アムドゥキアスとアスモデウスは顔を見合せた。その答えは少しズレていますよ、陛下。そう教えてあげたいが、対談中にいちいち指摘するのも無粋だろうと何も言えない。しかしここでひくりと唇を引き攣らせつつも、相手の女性は粘った。絶賛婚活女子の技術が炸裂する。
「えっと、それでは……その、陛下の好物はなんでしょう?」
「エレナがテネバーサリーの際に我にくれた手作りケーキだ。……すまない、訂正しよう。我が子らの手作り料理全てだ……!!」
「へ、陛下の好きな言葉は……」
「エレナの『パパダイスキ』だ。最近はリリィも我をパパと呼んでくれるようになった故、リリィの『パパ』という二文字も大変愛らしい」
「え、えーっと、そのぅ……こ、好みの女性のタイプとか……」
「やんちゃでいつ見ても飽きない可愛らしさがあり、嘘の付けない素直な子だ」
──む、惨い。惨過ぎる……。
一連のやり取りにアムドゥキアスは目頭を押さえる。なんとかエレナやリリィと関連させない気の利いた質問をしても魔王はそれを押しのけて我が子自慢である。そんな自分の失態に気づかない天然魔王にアスモデウスはため息を吐きながら、対談を中断した。エルフの女性は既に涙目であった……。
──結局、二人目以降の女性達も抜け殻と化して帰っていった。自分の話題を持たない魔王は見合いをしても、エレナかリリィの事柄しか話せないのである。結婚相手には“一番”に愛されたいというのが普通だろうが、魔王の一番は既にいることが明らかであるので大抵の女性は引いてしまう。そんな見合いが上手くいくはずもなく時間だけが残酷に過ぎていく。
──しかしそこでついに、救世主が現れた。
リリスが選んだ全員の女性との見合いが終了した直後、玉座の間の扉が勢いよく開かれる。現れたのはエレナとリリィだった。
「──パパ! 話は聞いたよ! 私達のママを探してるって本当なの!?」
「!?」
エレナとリリィの後ろにはアスモデウス。どうやら彼が帰城した二人に事情を話してしまったようだ。エレナは足早に魔王の側へ歩み寄ると、戸惑う魔王を抱きしめる。魔王はキョトンとした。
「ごめん! 私の言葉でパパを混乱させちゃったよね。確かに私は母親に憧れてる。でも、今は母親が居なくても幸せだよ。だって、貴方がいるから! 私達は十分幸せなんだよ。むしろ幸せすぎてお腹いっぱいなくらい! ね? リリィ」
「っ、エレナ……!」
「うん! リリィも、パパがいてくれるから毎日が楽しいよ。パパがリリィを撫でてくれる時、ふわふわぁ~ってするし。リリィもお腹いっぱい~!!」
「リリィ……!!」
魔王は堪らず二人を抱きしめる。二人も彼の熱い抱擁ににっこりだ。貴重な一日という時間を掛けたというのに非常にあっさりとしたオチである。しかしこれで胃が痛くなる心配もなくなったアムドゥキアスとアスモデウスはほっと胸を撫で下ろした。一件落着したならば、この話はもう終わり。アムドゥキアスはくいっと眉を吊り上げると、服が泥だらけであるエレナとリリィに対して「教育係モード」を発動させた。
「ところでエレナ様にリリィ様、お二人はなぜそんなに服が汚れているのですか?」
「うっ!? こ、これは……っ! せっかくだからと思って女の子になったノームの胸を揉ませてもらおうとしたら、拒否された拍子にこうなっちゃって……!!」
「何を訳の分からないことを言っているのですか。ほら、さっさと着替えてきてください! ああもう、髪にも土がついているではありませんか……。お二人とも、今日の夕飯は身体を清めてからですからね!」
「えー!! お腹すいたのにぃ!」
「教育係モード」のアムドゥキアスにエレナとリリィはたじたじである。するとそこで、リリィが何かを察したような表情を浮かべた。そしてアムドゥキアスを指さし、一言。
「──ママ?」
「は?」
「シトリがね、ママはよくガミガミ怒って怖いものだとも言ってたの! つまりリリィとエレナのママは……アムドゥキアスだったんだねっ!」
「っ!!」
このリリィの鋭い推測には魔王とエレナもハッとしてアムドゥキアスを見た。アスモデウスとリリスが盛大に噴き出す。アムドゥキアスはわなわな震えて顔を赤らめた。魔王がそんな彼の肩を掴む。
「アムドゥキアス、お前が、ママだったのか……? つまりお前は我の妻……?」
「へ、陛下ぁ!! お気を確かに! よりにもよってここで、時々出てくる天然ボケを発揮しないでください!! エレナ様とリリィ様は期待を込めた目で私を見ない! 馬鹿なこと言っていないで早く着替えて!! あと、アスモデウスとリリスは後でぶん殴るから覚悟しておけ」
「──はーい! アムママもこう言ってるから、着替えようかリリィ」
「うん! 着替えるー!!」
「え、エレナ様! その呼び方も禁止ですっ! なんですかアムママって!!」
クスクス笑いながら大広間を出ていく悪戯っ子二人。アムドゥキアスはそんな彼女らに思わず芽生えそうになった母性を必死に抑えつつ、ため息を溢した。夕飯の支度をし始める魔族達を眺めながら、魔王に視線を移す。
「──それで陛下、本当のところ今回突然王妃を迎えようとした理由はなんなのですか。貴方は自分の都合だけでこんな強行する御方ではありません」
「アムドゥキアス。お前は我を相変わらず買いかぶり過ぎだ。今回も我の我儘でお前達を振り回したのだ。……すまなかったな。どうしても我はあの子達に──、」
魔王はそこで言葉を止めた。その表情筋のない顔に哀愁が漂う。アムドゥキアス、アスモデウス、リリスはそんな彼の雰囲気にどこか嫌な予感がした。
「陛下?」
「……。……いや、なんでもない。本当に今回は我のただの我儘なんだ。すまないな」
──我はあの子達に、親がいない悲しみを背負ってほしくなかったのだ。
──いつの日か、我が我でなくなった時のために、あの子達に母親を遺しておきたかった。
魔王はその言葉を心の奥底に閉じ込める。大切な部下に心配をかけさせたくないと思ったのだ。魔王の目に宿る赤い瞳がユラユラとやや不安げに蠢いていた……。
0
お気に入りに追加
3,058
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
神のいとし子は追放された私でした〜異母妹を選んだ王太子様、今のお気持ちは如何ですか?〜
星井柚乃(旧名:星里有乃)
恋愛
「アメリアお姉様は、私達の幸せを考えて、自ら身を引いてくださいました」
「オレは……王太子としてではなく、一人の男としてアメリアの妹、聖女レティアへの真実の愛に目覚めたのだ!」
(レティアったら、何を血迷っているの……だって貴女本当は、霊感なんてこれっぽっちも無いじゃない!)
美貌の聖女レティアとは対照的に、とにかく目立たない姉のアメリア。しかし、地味に装っているアメリアこそが、この国の神のいとし子なのだが、悪魔と契約した妹レティアはついに姉を追放してしまう。
やがて、神のいとし子の祈りが届かなくなった国は災いが増え、聖女の力を隠さなくなったアメリアに救いの手を求めるが……。
* 2023年01月15日、連載完結しました。
* ヒロインアメリアの相手役が第1章は精霊ラルド、第2章からは隣国の王子アッシュに切り替わります。最終章に該当する黄昏の章で、それぞれの関係性を決着させています。お読みくださった読者様、ありがとうございました!
* 初期投稿ではショートショート作品の予定で始まった本作ですが、途中から長編版に路線を変更して完結させました。
* この作品は小説家になろうさんとアルファポリスさんに投稿しております。
* ブクマ、感想、ありがとうございます。
父が死んだのでようやく邪魔な女とその息子を処分できる
兎屋亀吉
恋愛
伯爵家の当主だった父が亡くなりました。これでようやく、父の愛妾として我が物顔で屋敷内をうろつくばい菌のような女とその息子を処分することができます。父が死ねば息子が当主になれるとでも思ったのかもしれませんが、父がいなくなった今となっては思う通りになることなど何一つありませんよ。今まで父の威を借りてさんざんいびってくれた仕返しといきましょうか。根に持つタイプの陰険女主人公。
偽物と断罪された令嬢が精霊に溺愛されていたら
影茸
恋愛
公爵令嬢マレシアは偽聖女として、一方的に断罪された。
あらゆる罪を着せられ、一切の弁明も許されずに。
けれど、断罪したもの達は知らない。
彼女は偽物であれ、無力ではなく。
──彼女こそ真の聖女と、多くのものが認めていたことを。
(書きたいネタが出てきてしまったゆえの、衝動的短編です)
(少しだけタイトル変えました)
【完結】中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら聖女ですらなくなりました。
氷雨そら
恋愛
聖女召喚されたのに、100年後まで魔人襲来はないらしい。
聖女として異世界に召喚された私は、中継ぎ聖女としてぞんざいに扱われていた。そんな私をいつも守ってくれる、守護騎士様。
でも、なぜか予言が大幅にずれて、私たちの目の前に、魔人が現れる。私を庇った守護騎士様が、魔神から受けた呪いを解いたら、私は聖女ですらなくなってしまって……。
「婚約してほしい」
「いえ、責任を取らせるわけには」
守護騎士様の誘いを断り、誰にも迷惑をかけないよう、王都から逃げ出した私は、辺境に引きこもる。けれど、私を探し当てた、聖女様と呼んで、私と一定の距離を置いていたはずの守護騎士様の様子は、どこか以前と違っているのだった。
元守護騎士と元聖女の溺愛のち少しヤンデレ物語。
小説家になろう様にも、投稿しています。
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる