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第一章 エレナの才能開花編
21:魔族姫の誕生
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「──エレナ様、お目覚めになったのですね!」
アムドゥキアスがぱぁっと目を輝かせ、エレナの両手を己の両手で包む。エレナはアムドゥキアスの美しい顔に心臓が昂ってしまった。
「嗚呼、なんて華奢な手なのですか! 今すぐアドラメルクに言いつけて食事を作らせましょう!」
「え、ちょ、ちょちょちょっと待って! 貴方、誰!?」
「? 私、テネブリス国王直属右補佐官のアムドゥキアスですが……」
「いやいやいや、名前じゃなくて! なんていうかその、貴方、私の事大嫌いでしたよね……?」
「嗚呼っ!」
アムドゥキアスが大袈裟に身体をふらつかせる。そうして壁に両手をつくと、そのまま思い切り頭をそこにぶつけ始めた。これには流石のエレナもドン引きである。
「私の!! 私の馬鹿!! こんな!! 尊いお方に!! どうして!! あんな失礼な行いを!! 嗚呼、エレナ様、お許しください……っ、私は、私はぁああああ!!」
「えっと……」
「すみませんエレナ様。アムドゥキアスはちょっと執着心が強いというか何かを尊ばないと生きていけない体質のようでして、こういうところがあるんですよ。多分、治癒魔法を使用して黄金に輝くエレナ様の姿に感銘を受けてしまったのではないかと。エレナ様にとってはあまりの手の平返しで不愉快だとは思いますが……あれでも面倒見のいいやつなんです」
「いやいや、不愉快じゃないよ! 驚いただけでむしろ嬉しいけど……」
エレナはチラリとアスモデウスを見た。アスモデウスは眉を顰める。
「何こっち見てんのよ」
「いや、貴方まであんな風になったら怖いなって思って」
「なるわけないでしょ! アタシは腐ってもアンタの事をエレナ様なんて呼ばないっ!」
ふんっとそっぽを向くアスモデウスにエレナは胸を撫で下ろした。アスモデウスの方は通常運転のようで安心したのだ。そこでエレナはアムドゥキアスにふと自分の疑問をぶつける。
「えっと……アムドゥキアスさん。質問いいですか」
「はっ、なんなりと」
「貴方とアスモデウスさんはその、人間に色々と嫌な事をされていたんですよね? だから人間を毛嫌いしている。であるならば、今の私は貴方達にとって何なのでしょう?」
これは当然の疑問だろう。アムドゥキアスがこんな風に態度を変えてしまっては、彼がエレナをどういう存在として確立しているのか気になるところだ。アムドゥキアスはにっこり微笑んだ(なお、額から流れる血のせいでせっかくの美形の笑みが台無しである)。
「……私とアスモデウスは約二年ほど、人間の奴隷だった時期がありました」
「! 奴隷って……!!」
「ろくに食事も与えられず、臭い汚いという最悪の環境で人間の虐待の対象になっていたのです。魔族の血は一時的な魔力リソースとして使えるので、限界まで血を抜かれたこともありますね。その時の苦痛と屈辱といったら……っ、二十年経った今、思い出すだけでも震えが止まらなくなる」
アムドゥキアスが目を伏せ、唇を噛みしめる。アスモデウスも舌打ちをして、俯いた。エレナは何を言っていいのか分からなかったので、何も言わない。アムドゥキアスの言葉は続いた。
「私は人間が怖くて堪らない。おそらくこの城にいる魔族達の過半数はそうでしょう。ですが、あの時。マモンを救うべく、長時間戦い続けた貴女に心を動かさなかった者もいないでしょう。美しい黄金色に輝き、苦痛に耐えながらも必死に前を向き続ける貴女をどうして『我らを虐げた者達と同じ種族、故に憎むべき対象』だなんて思えるのでしょうか」
「アムドゥキアスさん……」
「私は、我らを虐げた『人』は憎みますが、『種』は憎まないことにしました。……と、いうことで私は魔王の一人娘であり、我らが尊い姫である貴女様に相応しい態度へ改めております。今までのご無礼、誠に申し訳ございません」
深々と、頭を下げるアムドゥキアス。するとここでマモンがアスモデウスの腕を肘でつついた。アスモデウスが「何よ」とマモンを睨む。
「何よ、じゃないですよアス。貴方もエレナ様に言わなければならないことがあるのでは?」
「…………、」
アスモデウスがエレナに視線を向けた。エレナは思わず姿勢を正す。何を言われるのか、緊張してしまった。
「……悪かったわね」
「!」
「人間、それも元白髪の聖女だった貴女を憎むべき存在としか思っていなかった。でもアンタは違ったのよね。アタシ達を、“救うべき対象”として想ってくれていたんでしょ。多分アンタはマモンじゃなくても、全然知らないゴブリンの腕が吹き飛んでも同じことをしたと思う。アンタがそういう無類のお人よしなんだっていうのは理解できたわ」
ここでアスモデウスの言葉にマモンとアムドゥキアスが大きく頷く。
「……アムも言っていたけれど、人を憎めど種は憎まず。憎しみなんて汚いもんを全人類に向けるのも何の得にもならないし馬鹿な話よね。でも、憎しみとか恨みってそういうことにも気付けない沼なの。目が覚めたわ、有難う」
「っ、アスモデウスさん、」
「……っ、そ、それに一応、親友のマモンも救ってもらったし。尊敬する陛下が悪夢に魘されることもなくなったし。……あ、アンタには、かっ、感謝してる」
アスモデウスはそう言うなり、くるりと振り返って足早に部屋を出ていった。その後姿にアムドゥキアスが再度エレナに頭を下げた。
「引き続き弟がご無礼をしでかしてしまい、申し訳ございません。もしエレナ様の気が済まないのであればアスモデウスを引きずり出して頭を下げさせます」
「ううん。そんなことしなくても私は怒ってないから大丈夫だよ。一部の人間が貴方達に酷いことをしているのは理解しているし、私も白髪の聖女だった時はただ聞いたことだけを本気にして貴方達を誤解していたから」
「エレナ様……」
アムドゥキアスが熱のこもった瞳でエレナを見つめる。しかし、そこでどういうわけか部屋の外が随分と騒がしくなった。
「なんか部屋の外が騒がしくない?」
「あぁ、きっとアスモデウスが皆にエレナ様が目を覚ました事を伝えたんでしょう。エレナ様、覚悟はいいですか?」
「覚悟? なんの?」
キョトンとするエレナにマモンがニヤリと口角を上げる。
「城中の魔族達がエレナ様に今までの無礼を謝罪したいから部屋に押しかけてるんですよ。一人一人懇切丁寧に謝罪させていただきますので、今日丸々一日は付き合ってくださると助かります」
「えっ!? 一日潰れるの!? 本当に!? 謝罪なんていらないって言ってよ!」
「いえいえそんなわけには。謝らずにはエレナ様に顔向けできないと皆言っておりますので……」
「お食事はこのアムドゥキアスがお持ちしますからご安心を!」
「……パパぁ……」
「すまないエレナ。そんなに愛らしい目を向けられても我には何も出来ん……」
「そんなぁ」
エレナはため息と共にがっくり肩を落とした。
***
この日、テネブリスに魔族の姫が誕生した。
彼女はそれはそれは美しい金髪をもち、また奇跡にほぼ等しい治癒魔法の才能があった。
魔族達は言う。エレナが治癒魔法を用いる姿は黄金の光に包まれてまるで女神のようだ、と。
そして後に、彼女はその特徴からこう呼ばれるようになる。
──黄金の魔族姫、と。
アムドゥキアスがぱぁっと目を輝かせ、エレナの両手を己の両手で包む。エレナはアムドゥキアスの美しい顔に心臓が昂ってしまった。
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「えっと……」
「すみませんエレナ様。アムドゥキアスはちょっと執着心が強いというか何かを尊ばないと生きていけない体質のようでして、こういうところがあるんですよ。多分、治癒魔法を使用して黄金に輝くエレナ様の姿に感銘を受けてしまったのではないかと。エレナ様にとってはあまりの手の平返しで不愉快だとは思いますが……あれでも面倒見のいいやつなんです」
「いやいや、不愉快じゃないよ! 驚いただけでむしろ嬉しいけど……」
エレナはチラリとアスモデウスを見た。アスモデウスは眉を顰める。
「何こっち見てんのよ」
「いや、貴方まであんな風になったら怖いなって思って」
「なるわけないでしょ! アタシは腐ってもアンタの事をエレナ様なんて呼ばないっ!」
ふんっとそっぽを向くアスモデウスにエレナは胸を撫で下ろした。アスモデウスの方は通常運転のようで安心したのだ。そこでエレナはアムドゥキアスにふと自分の疑問をぶつける。
「えっと……アムドゥキアスさん。質問いいですか」
「はっ、なんなりと」
「貴方とアスモデウスさんはその、人間に色々と嫌な事をされていたんですよね? だから人間を毛嫌いしている。であるならば、今の私は貴方達にとって何なのでしょう?」
これは当然の疑問だろう。アムドゥキアスがこんな風に態度を変えてしまっては、彼がエレナをどういう存在として確立しているのか気になるところだ。アムドゥキアスはにっこり微笑んだ(なお、額から流れる血のせいでせっかくの美形の笑みが台無しである)。
「……私とアスモデウスは約二年ほど、人間の奴隷だった時期がありました」
「! 奴隷って……!!」
「ろくに食事も与えられず、臭い汚いという最悪の環境で人間の虐待の対象になっていたのです。魔族の血は一時的な魔力リソースとして使えるので、限界まで血を抜かれたこともありますね。その時の苦痛と屈辱といったら……っ、二十年経った今、思い出すだけでも震えが止まらなくなる」
アムドゥキアスが目を伏せ、唇を噛みしめる。アスモデウスも舌打ちをして、俯いた。エレナは何を言っていいのか分からなかったので、何も言わない。アムドゥキアスの言葉は続いた。
「私は人間が怖くて堪らない。おそらくこの城にいる魔族達の過半数はそうでしょう。ですが、あの時。マモンを救うべく、長時間戦い続けた貴女に心を動かさなかった者もいないでしょう。美しい黄金色に輝き、苦痛に耐えながらも必死に前を向き続ける貴女をどうして『我らを虐げた者達と同じ種族、故に憎むべき対象』だなんて思えるのでしょうか」
「アムドゥキアスさん……」
「私は、我らを虐げた『人』は憎みますが、『種』は憎まないことにしました。……と、いうことで私は魔王の一人娘であり、我らが尊い姫である貴女様に相応しい態度へ改めております。今までのご無礼、誠に申し訳ございません」
深々と、頭を下げるアムドゥキアス。するとここでマモンがアスモデウスの腕を肘でつついた。アスモデウスが「何よ」とマモンを睨む。
「何よ、じゃないですよアス。貴方もエレナ様に言わなければならないことがあるのでは?」
「…………、」
アスモデウスがエレナに視線を向けた。エレナは思わず姿勢を正す。何を言われるのか、緊張してしまった。
「……悪かったわね」
「!」
「人間、それも元白髪の聖女だった貴女を憎むべき存在としか思っていなかった。でもアンタは違ったのよね。アタシ達を、“救うべき対象”として想ってくれていたんでしょ。多分アンタはマモンじゃなくても、全然知らないゴブリンの腕が吹き飛んでも同じことをしたと思う。アンタがそういう無類のお人よしなんだっていうのは理解できたわ」
ここでアスモデウスの言葉にマモンとアムドゥキアスが大きく頷く。
「……アムも言っていたけれど、人を憎めど種は憎まず。憎しみなんて汚いもんを全人類に向けるのも何の得にもならないし馬鹿な話よね。でも、憎しみとか恨みってそういうことにも気付けない沼なの。目が覚めたわ、有難う」
「っ、アスモデウスさん、」
「……っ、そ、それに一応、親友のマモンも救ってもらったし。尊敬する陛下が悪夢に魘されることもなくなったし。……あ、アンタには、かっ、感謝してる」
アスモデウスはそう言うなり、くるりと振り返って足早に部屋を出ていった。その後姿にアムドゥキアスが再度エレナに頭を下げた。
「引き続き弟がご無礼をしでかしてしまい、申し訳ございません。もしエレナ様の気が済まないのであればアスモデウスを引きずり出して頭を下げさせます」
「ううん。そんなことしなくても私は怒ってないから大丈夫だよ。一部の人間が貴方達に酷いことをしているのは理解しているし、私も白髪の聖女だった時はただ聞いたことだけを本気にして貴方達を誤解していたから」
「エレナ様……」
アムドゥキアスが熱のこもった瞳でエレナを見つめる。しかし、そこでどういうわけか部屋の外が随分と騒がしくなった。
「なんか部屋の外が騒がしくない?」
「あぁ、きっとアスモデウスが皆にエレナ様が目を覚ました事を伝えたんでしょう。エレナ様、覚悟はいいですか?」
「覚悟? なんの?」
キョトンとするエレナにマモンがニヤリと口角を上げる。
「城中の魔族達がエレナ様に今までの無礼を謝罪したいから部屋に押しかけてるんですよ。一人一人懇切丁寧に謝罪させていただきますので、今日丸々一日は付き合ってくださると助かります」
「えっ!? 一日潰れるの!? 本当に!? 謝罪なんていらないって言ってよ!」
「いえいえそんなわけには。謝らずにはエレナ様に顔向けできないと皆言っておりますので……」
「お食事はこのアムドゥキアスがお持ちしますからご安心を!」
「……パパぁ……」
「すまないエレナ。そんなに愛らしい目を向けられても我には何も出来ん……」
「そんなぁ」
エレナはため息と共にがっくり肩を落とした。
***
この日、テネブリスに魔族の姫が誕生した。
彼女はそれはそれは美しい金髪をもち、また奇跡にほぼ等しい治癒魔法の才能があった。
魔族達は言う。エレナが治癒魔法を用いる姿は黄金の光に包まれてまるで女神のようだ、と。
そして後に、彼女はその特徴からこう呼ばれるようになる。
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