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修学旅行
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コツコツとする音がこっちに近づいて来る。
ヒールの様な高い音ではなく、ローファーなどの靴が硬い地面を踏んでいる様な音だ。
辺りを見回すと木に隠れる人影が見えた。影が見えている方に歩いて行くとそこに居たのは、目を真っ赤に染めた来未が居た。
来未は、木に隠れたまま涙声で聞いて来た。
「何でっ……拓真っ君が、ここにっ居るの?」
「何でって、そりゃあ彼奴らが来未を置いて来たって話を電車内で聞いたからよ!探すしか選択しねぇだろ!来未は、いつも周り合わせてばかりだからな!」
来未は、泣き止んでいた筈なのにまた、泣き始めた。俺は、困って頭をかく。
「ほら、泣きやめよ!もうすぐ集合時間だろ?帰るぞ!それに、たまには、自分を出してもいいんじゃねぇか?俺みたいにな。一匹狼も悪くねぇぞ。まぁ、そんな俺に声を掛けてたのは、来未だけどな」
俺は、来未に背中を向け歩き始める。来未が着いて来ているか確認しようとした時、俺の背中に衝撃があった。少しだけ首を動かし背中を見ると来未が俺の制服を掴み顔をうずくめて居た。俺は、何も無かった様に前を向く。
「もう少し……待って。私ね、怖いんだよ。また、1人になるのが……私の見た目と性格ってさクラスの中心的イメージがあるじゃん」
そう言われて見ればそんな気もするが……性格と見た目で判断する事かそれって。
「それでね。中学校の時に1人になっちゃったんだ。目立ち過ぎたんだよ。別に、誰かにイジメをした訳じゃないんだよ。ただ、友達が私の事をうざく思っちゃったんだろうね……構ってもらえなくなっちゃった……それが、私にとっては、とても悲しかったんだよ。クラスの中心から外側に。私には、考えられなかった日々の始まりだったんだ」
こんな風な弱い来未を見たのは、初めてだ。いつもは、あんなに明るいのに。来未の過去には、そんな事があったんなんて、俺より酷いな。俺は、単に反抗期+人が信じられなくなっただけだからな。自分が望んで1人になった。
こんな俺でも来未の過去を消せるか?せめて上書き出来れば良いと思う!来未は、周りに合わせるより自分の思う事をして輝いている方が俺は、好きだ。
ヒールの様な高い音ではなく、ローファーなどの靴が硬い地面を踏んでいる様な音だ。
辺りを見回すと木に隠れる人影が見えた。影が見えている方に歩いて行くとそこに居たのは、目を真っ赤に染めた来未が居た。
来未は、木に隠れたまま涙声で聞いて来た。
「何でっ……拓真っ君が、ここにっ居るの?」
「何でって、そりゃあ彼奴らが来未を置いて来たって話を電車内で聞いたからよ!探すしか選択しねぇだろ!来未は、いつも周り合わせてばかりだからな!」
来未は、泣き止んでいた筈なのにまた、泣き始めた。俺は、困って頭をかく。
「ほら、泣きやめよ!もうすぐ集合時間だろ?帰るぞ!それに、たまには、自分を出してもいいんじゃねぇか?俺みたいにな。一匹狼も悪くねぇぞ。まぁ、そんな俺に声を掛けてたのは、来未だけどな」
俺は、来未に背中を向け歩き始める。来未が着いて来ているか確認しようとした時、俺の背中に衝撃があった。少しだけ首を動かし背中を見ると来未が俺の制服を掴み顔をうずくめて居た。俺は、何も無かった様に前を向く。
「もう少し……待って。私ね、怖いんだよ。また、1人になるのが……私の見た目と性格ってさクラスの中心的イメージがあるじゃん」
そう言われて見ればそんな気もするが……性格と見た目で判断する事かそれって。
「それでね。中学校の時に1人になっちゃったんだ。目立ち過ぎたんだよ。別に、誰かにイジメをした訳じゃないんだよ。ただ、友達が私の事をうざく思っちゃったんだろうね……構ってもらえなくなっちゃった……それが、私にとっては、とても悲しかったんだよ。クラスの中心から外側に。私には、考えられなかった日々の始まりだったんだ」
こんな風な弱い来未を見たのは、初めてだ。いつもは、あんなに明るいのに。来未の過去には、そんな事があったんなんて、俺より酷いな。俺は、単に反抗期+人が信じられなくなっただけだからな。自分が望んで1人になった。
こんな俺でも来未の過去を消せるか?せめて上書き出来れば良いと思う!来未は、周りに合わせるより自分の思う事をして輝いている方が俺は、好きだ。
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