5 / 6
しあわせなしにかた
しおりを挟む
死んで…もらう…? つまりは殺すってことか、そんなことが許されるわけがない。
ただ今のこの状況が非日常的すぎて、なんだか初めて恐怖を感じた。
『ここに集まっていただいたみなさんは、死にたがりなのです。ですので私がその願望を叶えてあげましょうと思いましてねぇ。素敵でしょう?』
いま僕の自己嫌悪がMAXであったら、この提案は喜んでいただろう。あいにく今はそんな死にたい気分ではない。
ここに来て、死にたくないと思っている自分に少し呆れた。
『死ぬ際は自由な死に方を指定できますのでご安心を。1番に死にたい方はいらっしゃいますかねぇ…?』
死ぬ時に安心もクソもねぇよ!と思った。この瞬間にはい死にます!と決められる人はそうそういないだろう。むしろそれは一種の才能なのでは?そんな人は生きるべきだと思うのだが?
少しの沈黙のあと1人の女の子が手を挙げて立ち上がった。今にも死にそうな雰囲気をしている小柄な女の子だ。静かに、それでもしっかりとした足取りで画面の前へ歩いていった。
『おやおや、おじょうちゃんが天国へ一番乗りしますか?』
静かにコクリと頷いた女の子。だらりと垂れた腕にはたくさんの傷跡があった。この子の苦労がひと目でわかるものだ。
『どのように死にたいのですか?指定がなければこちらで選ばせていただきますよ』
「…苦しいのは…もうイヤだ…から。痛くなくて怖くないまま…死にたい……。」
ただ今のこの状況が非日常的すぎて、なんだか初めて恐怖を感じた。
『ここに集まっていただいたみなさんは、死にたがりなのです。ですので私がその願望を叶えてあげましょうと思いましてねぇ。素敵でしょう?』
いま僕の自己嫌悪がMAXであったら、この提案は喜んでいただろう。あいにく今はそんな死にたい気分ではない。
ここに来て、死にたくないと思っている自分に少し呆れた。
『死ぬ際は自由な死に方を指定できますのでご安心を。1番に死にたい方はいらっしゃいますかねぇ…?』
死ぬ時に安心もクソもねぇよ!と思った。この瞬間にはい死にます!と決められる人はそうそういないだろう。むしろそれは一種の才能なのでは?そんな人は生きるべきだと思うのだが?
少しの沈黙のあと1人の女の子が手を挙げて立ち上がった。今にも死にそうな雰囲気をしている小柄な女の子だ。静かに、それでもしっかりとした足取りで画面の前へ歩いていった。
『おやおや、おじょうちゃんが天国へ一番乗りしますか?』
静かにコクリと頷いた女の子。だらりと垂れた腕にはたくさんの傷跡があった。この子の苦労がひと目でわかるものだ。
『どのように死にたいのですか?指定がなければこちらで選ばせていただきますよ』
「…苦しいのは…もうイヤだ…から。痛くなくて怖くないまま…死にたい……。」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
ファムファタールの函庭
石田空
ホラー
都市伝説「ファムファタールの函庭」。最近ネットでなにかと噂になっている館の噂だ。
男性七人に女性がひとり。全員に指令書が配られ、書かれた指令をクリアしないと出られないという。
そして重要なのは、女性の心を勝ち取らないと、どの指令もクリアできないということ。
そんな都市伝説を右から左に受け流していた今時女子高生の美羽は、彼氏の翔太と一緒に噂のファムファタールの函庭に閉じ込められた挙げ句、見せしめに翔太を殺されてしまう。
残された六人の見知らぬ男性と一緒に閉じ込められた美羽に課せられた指令は──ゲームの主催者からの刺客を探し出すこと。
誰が味方か。誰が敵か。
逃げ出すことは不可能、七日間以内に指令をクリアしなくては死亡。
美羽はファムファタールとなってゲームをコントロールできるのか、はたまた誰かに利用されてしまうのか。
ゲームスタート。
*サイトより転載になります。
*各種残酷描写、反社会描写があります。それらを増長推奨する意図は一切ございませんので、自己責任でお願いします。
夜通しアンアン
戸影絵麻
ホラー
ある日、僕の前に忽然と姿を現した謎の美少女、アンアン。魔界から家出してきた王女と名乗るその少女は、強引に僕の家に住みついてしまう。アンアンを我が物にせんと、次から次へと現れる悪魔たちに、町は大混乱。僕は、ご先祖様から授かったなけなしの”超能力”で、アンアンとともに魔界の貴族たちからの侵略に立ち向かうのだったが…。
顔
鳥類
ホラー
色々煮詰まっててちょっとした短編を書きたくなったので。
設定の一部だけは元々あって、本当は漫画にしたかったのですが、とりあえず短編として。
多分ホラー…です…?
架空の病気(?)表現と、いじめ・暴力表現があります。
苦手な方は回避お願いいたします。
そして色々ふわっとしてますので、サラッと読んでいただけたらと思います。
元々ハピエン脳で、余り暗い話を書けないタイプなので、練習のつもりもあります。
後から、悔いる
玉響なつめ
ホラー
男は、疲れていた。
真っ暗な家に帰ってきてふと台所の机の上に、メモがあるのを見つける。
喧嘩をしてしまった妻からだろうか。
それは次の行き先を見つける、宝探しのゲームのようでなんとなしに男は従った。
彼が、ゲームの果てに見つけたのは……
※小説家になろう にも掲載中
赤い目の影が笑う
きもとまさひこ
ホラー
愛梨には影がいる……名前はイリア
2004年に文学フリマで販売した「作家たちの夢束」という同人誌に寄稿した短編です。
※ これはホラーだろうと思ったので、ジャンル変更しました。
刀剣遊戯
飼育係
ホラー
『刀剣遊戯』
それは刃物で人を殺すことを最高の快楽とする殺人鬼たちが集う闇のウェブサイトの名であり、彼らが人の生命を弄ぶために催す血と狂気に彩られた祭典のことである。
愛知の大学に通う桐崎隆二はサークル仲間である神無月に誘われ岐阜県関市で開催される刃物まつりに出掛けた。
大好きな彼女を喜ばせようと意気込む隆二だが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる