「死にたがりは死ね！」

自殺願望あるやつ語ろうぜ

他人を貶し合い。傷の舐め合い。愚痴。同情。自慢。掲示板は人間の汚い部分がすべて見れる。とてもおもしろい。


インターネットが普及したこの現代。匿名で好きなことを世界に発信することができる。情報を収集することだってできる。
それはとても便利。そして楽しい。

もともと内気な性格でもあったため、学校でのいじめは日常茶飯事だった。1度は両親に話したが、「学校は我慢して行きなさい」の一点張りで全く聞いてもらえない。そしていつしか僕は家に引きこもるようになっていた。

学校で傷ついた言葉、両親からの言葉、そして暴力。ここに吐き出せば励ましてくれる人がたくさんいた。
毎日のように「死にたい」と言っても、「一緒に生きよう」と言ってくれる仲間がここにはいる。
僕はこの世界にのめり込んでいったんだ


毎日特にすることは無いから、昼過ぎに起きて馴染みの掲示板で挨拶と死にたい言葉を書き込む。そして仲間の言葉をただただ待つ。
この場所は、僕が生きていく上で必要なのだ。


そんなある日、自殺願望のある人が集まる板を見つけた。みんなそれぞれに自分が考えた自殺方法を書き込んだり、集団自殺を呼びかけたりしている。「今から死にます」との宣言などもある。僕は身震いした。

今この子はその場で首を吊ったのだろうか。はたまた高いところから落ちて散ったのだろうか。乗り物に轢かれたかもしれない。
その書き込みのしたには、その子の知り合いと見られるたくさんの人から。たくさんの悲しみの言葉や幸せを願うコメントがあった。

こんなにもたくさんの人に愛されていたことを、この子は気付けなかったのだろうか？


常日頃病んだ書き込みをしている僕は、今まで調べてきた自殺に関する知識をまとめたものを書き込んだ。
きっとここにいる人は、この僕が考えた自殺方法を褒め讃えるだろう。
また新しい居場所ができたようで、僕は気分がよかった。