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第27話 俺の切り札
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夜間、交代で森を見張り、早朝に俺達二人は出発した。
『奈落の髑髏』も夜は行動を控えていたようで、あまり距離は離されていない。
俺とエリスは定期的に『ナゾテイン』を補給して大森林を駆け走る。
昼過ぎに、岩から出る湧き水の傍で休憩していると、スマホ画面に表示されている赤い点が動かなくなった。
「奴等、どうやら古代遺跡に到着したようだな」
「ダントンは無事でしょうか?」
「それは大丈夫だろ。ドワーフ達が発見した古代遺跡は三つ。後一つ残っているからな。そこへ行くにはダントンは必要だ」
俺の説明を聞いて、エリスは安堵した表情を浮かべる。
それから俺達二人は、、『奈落の髑髏』のいる地点を目指す。
樹々の間を影のようにすり抜け 、二時間ほど走っていくと、目の前に崖が現れた。
その崖の中腹に、鈍色をした金属の円盤が見える。
そして崖の麓には奴等と一緒にダントンもいた。
縄で体を縛られているが、どうやら無事なようだ。
「ダントンは素早く動けそうにありません。どうするのですか?」
「俺に考えがある」
俺はスマホを取り出し、画面を切り替え、素早く四回タップをする。
これで奴等の体内で蚊の卵が溶けて、副作用が現れるはずだ。
それを待つ間に俺とエリスは作戦を立てる。
それから少しの間、茂みに隠れて様子を見ていると、ジャドの様子がおかしくなった。
右足に力が入らないようで、歩く度にカクカクと動きがおかしい。
次にレイヴンが手で腹を押えて、苦しそうに座り込む。
続いてヴェノムが首元を片手で押えて悶え始めた。
そして最後に、ゲイルが静かに口元を抑える。
どんな副作用が生じたのかは不明だが、連中は普段通りの動きはできなさそうだ。
俺はエリスに合図し、茂みから立ち上がった。
すると彼女は樹々の中へと消えていく。
「やっと追いついたぞ、『奈落の髑髏』! ダントンを返してもらおうか!」
「ノアか、ヒャッ! この遺跡は俺達のものだ、ヒャッ! ドワーフを、ヒャッ ! 返して欲しければ、ヒャッ! 大人しく、ヒャッ! そこで見ていろ、ヒャッ!」
「ヒャックリが止まらないのか。キチンと話せないようだが、それで俺達『不死の翼』と戦えるのか? もちろん『獅子の咆哮』も一緒に来てるぞ!」
「嘘は止めろ、ヒャッ! 『獅子の咆哮』は来ていない、ヒャッ! お前達だけなら対処は簡単だ、ヒャッ! 殺してやる、ヒャッ!」
ヴェノムはヒャックリを繰り返しながら、邪剣を構え走ってくる。
それと同時にレイヴンの姿が消え、次の瞬間に地面にうずくまっていた。
上手く透明になれないようだ。
ジャドも駆けてくるが、途中で膝がカクンと崩れ、体が前のめりに転がる。
ゲイルは長い杖を振り、呪文を詠唱するが、途中で盛大に舌を噛んだ。
俺は森の中へ駆け込みながら、必死にスマホを操作する。
そして空中に現れたショットガンを手に取り、ポーチから弾丸を取り出して素早くセットする。
「これでも喰らえ!」
フォアエンドをスライドさせ、引き金を引く。
ドン!
轟音が響き、その瞬間にヴェノムは必死に体を横へ飛ばす。
ドン!
ドン!
ドン!
ドン!
散弾を装填しショットガンを連射する。
「躱すだけか! 芸がないな!」
「斬り刻んでやる、ヒャッ!」
激高するヴェノムを先頭に、レイヴン、ジャド、ゲイルの三人も俺を追いかけてくる。
しかし、副作用の効果で連中は思うように走れない。
俺は時々、ショットガンを撃ち、奴等と適度に距離を開けて、森の中を駆け走った。
後ろを振り返ると、殺気を溢れさせ、三人が駆けてくる。
これだけ崖から遠ざければいいだろう。
今頃は森に隠れていたエリスがダントンを救出しているはずだ。
「そろそろ決着をつけるか」
俺は独り言を呟いて、スマホを操作する。
召喚したのは液体の入った小瓶。
これは『ナゾテイン』ではない。
俺の切り札、『サンダードリンク』だ。
転生前、天界で雷神様の特訓を受けていた俺は、雷神様の神力を浴びて、霊体が逞しく変化した。
しかし、転生した体は、人族の通常のスペックしかなく、本来の力を発揮できない。
そのことを気した雷神様が創ってくれた謎の飲料水、それが『サンダードリンク』である。
このドリンクを飲むことで、俺の霊体の中にある雷神様の神力が開放されるのだ。
ただし制約時間があり、力を発揮できるのは三分。
それを超えると、普通の体に戻ってしまい、猛烈に眠くなる副作用付き。
なので実践では一度も使ったことがなく、仲間もこの切り札のことは知らない。
俺を追ってくる『奈落の髑髏』はBランク冒険者の中でも相当な実力者揃いだ。
『不死の翼』の仲間がいれば、対処は簡単だが、俺一人では少し荷が重い。
俺は走るのを止め、小瓶の蓋を指で飛ばし、ドリンクを一気に流し込んだ。
次の瞬間、俺の体内に神力がが溢れ、体全体が雷に変化する。
「オラァ!」
俺は稲妻の速度で、ヴェノムに接近する。
ヴェノムの剣が振り下ろされる前に、俺の手が彼の腕に触れる。
「ギャァアー!」
一瞬の内に、雷を浴びたヴェノムは、白目を向いて痙攣したまま崩れ落ちた。
「まだまだ!」
俺はレイヴン、ジャド、ゲイルの三人へ次々と襲いかかる。
「ウギャァァアアー!」
「ガァァアー!」
レイヴンとゲイルは感電して、その場に倒れたが、ゲイルだけは避けられた。
稲妻の速度で奴の腕に触れたのに、肉体の感触がなかった。
「フフフ、ガブッ。神力を使いこなす者が、ガブッ。ベルトラン王国にいようとは、ガブッ」
「何回も舌を噛んで痛くないか? 口内炎になったら大変だぞ」
「とぼけた男め、ガブッ。今日の所は引き下がろう、ガブッ。次に顔を合わせる時は、ガブッ。簡単に殺さぬからな、ガブッ」
ゲイルはそう言い残すと、森の暗闇に溶け、姿を消した。
おいおい、ヴェノムよりもヤバイ奴じゃないか!
『奈落の髑髏』を率いていたのは、ゲイルかもしれないな。
倒れている三人へ視線を向ける。
動きだす者はいない。
一瞬だけ触れて感電させたから死ぬこといだろう。
完全に意識を失っているから、当分は起きそうにないな。
三分が過ぎたのか、体と武装が元に戻る。
どういう仕組みなのかは全くわからない。
全ては神力のおかげということで納得しておこう。
全力を出し切ったことで、急激に体が重くなり強烈な睡魔が訪れる。
徐々に意識が途切れてきた。
やはり副作用に抵抗するのは無理だ。
エリスには悪いが、少しの間眠らせてもらうよ。
『奈落の髑髏』も夜は行動を控えていたようで、あまり距離は離されていない。
俺とエリスは定期的に『ナゾテイン』を補給して大森林を駆け走る。
昼過ぎに、岩から出る湧き水の傍で休憩していると、スマホ画面に表示されている赤い点が動かなくなった。
「奴等、どうやら古代遺跡に到着したようだな」
「ダントンは無事でしょうか?」
「それは大丈夫だろ。ドワーフ達が発見した古代遺跡は三つ。後一つ残っているからな。そこへ行くにはダントンは必要だ」
俺の説明を聞いて、エリスは安堵した表情を浮かべる。
それから俺達二人は、、『奈落の髑髏』のいる地点を目指す。
樹々の間を影のようにすり抜け 、二時間ほど走っていくと、目の前に崖が現れた。
その崖の中腹に、鈍色をした金属の円盤が見える。
そして崖の麓には奴等と一緒にダントンもいた。
縄で体を縛られているが、どうやら無事なようだ。
「ダントンは素早く動けそうにありません。どうするのですか?」
「俺に考えがある」
俺はスマホを取り出し、画面を切り替え、素早く四回タップをする。
これで奴等の体内で蚊の卵が溶けて、副作用が現れるはずだ。
それを待つ間に俺とエリスは作戦を立てる。
それから少しの間、茂みに隠れて様子を見ていると、ジャドの様子がおかしくなった。
右足に力が入らないようで、歩く度にカクカクと動きがおかしい。
次にレイヴンが手で腹を押えて、苦しそうに座り込む。
続いてヴェノムが首元を片手で押えて悶え始めた。
そして最後に、ゲイルが静かに口元を抑える。
どんな副作用が生じたのかは不明だが、連中は普段通りの動きはできなさそうだ。
俺はエリスに合図し、茂みから立ち上がった。
すると彼女は樹々の中へと消えていく。
「やっと追いついたぞ、『奈落の髑髏』! ダントンを返してもらおうか!」
「ノアか、ヒャッ! この遺跡は俺達のものだ、ヒャッ! ドワーフを、ヒャッ ! 返して欲しければ、ヒャッ! 大人しく、ヒャッ! そこで見ていろ、ヒャッ!」
「ヒャックリが止まらないのか。キチンと話せないようだが、それで俺達『不死の翼』と戦えるのか? もちろん『獅子の咆哮』も一緒に来てるぞ!」
「嘘は止めろ、ヒャッ! 『獅子の咆哮』は来ていない、ヒャッ! お前達だけなら対処は簡単だ、ヒャッ! 殺してやる、ヒャッ!」
ヴェノムはヒャックリを繰り返しながら、邪剣を構え走ってくる。
それと同時にレイヴンの姿が消え、次の瞬間に地面にうずくまっていた。
上手く透明になれないようだ。
ジャドも駆けてくるが、途中で膝がカクンと崩れ、体が前のめりに転がる。
ゲイルは長い杖を振り、呪文を詠唱するが、途中で盛大に舌を噛んだ。
俺は森の中へ駆け込みながら、必死にスマホを操作する。
そして空中に現れたショットガンを手に取り、ポーチから弾丸を取り出して素早くセットする。
「これでも喰らえ!」
フォアエンドをスライドさせ、引き金を引く。
ドン!
轟音が響き、その瞬間にヴェノムは必死に体を横へ飛ばす。
ドン!
ドン!
ドン!
ドン!
散弾を装填しショットガンを連射する。
「躱すだけか! 芸がないな!」
「斬り刻んでやる、ヒャッ!」
激高するヴェノムを先頭に、レイヴン、ジャド、ゲイルの三人も俺を追いかけてくる。
しかし、副作用の効果で連中は思うように走れない。
俺は時々、ショットガンを撃ち、奴等と適度に距離を開けて、森の中を駆け走った。
後ろを振り返ると、殺気を溢れさせ、三人が駆けてくる。
これだけ崖から遠ざければいいだろう。
今頃は森に隠れていたエリスがダントンを救出しているはずだ。
「そろそろ決着をつけるか」
俺は独り言を呟いて、スマホを操作する。
召喚したのは液体の入った小瓶。
これは『ナゾテイン』ではない。
俺の切り札、『サンダードリンク』だ。
転生前、天界で雷神様の特訓を受けていた俺は、雷神様の神力を浴びて、霊体が逞しく変化した。
しかし、転生した体は、人族の通常のスペックしかなく、本来の力を発揮できない。
そのことを気した雷神様が創ってくれた謎の飲料水、それが『サンダードリンク』である。
このドリンクを飲むことで、俺の霊体の中にある雷神様の神力が開放されるのだ。
ただし制約時間があり、力を発揮できるのは三分。
それを超えると、普通の体に戻ってしまい、猛烈に眠くなる副作用付き。
なので実践では一度も使ったことがなく、仲間もこの切り札のことは知らない。
俺を追ってくる『奈落の髑髏』はBランク冒険者の中でも相当な実力者揃いだ。
『不死の翼』の仲間がいれば、対処は簡単だが、俺一人では少し荷が重い。
俺は走るのを止め、小瓶の蓋を指で飛ばし、ドリンクを一気に流し込んだ。
次の瞬間、俺の体内に神力がが溢れ、体全体が雷に変化する。
「オラァ!」
俺は稲妻の速度で、ヴェノムに接近する。
ヴェノムの剣が振り下ろされる前に、俺の手が彼の腕に触れる。
「ギャァアー!」
一瞬の内に、雷を浴びたヴェノムは、白目を向いて痙攣したまま崩れ落ちた。
「まだまだ!」
俺はレイヴン、ジャド、ゲイルの三人へ次々と襲いかかる。
「ウギャァァアアー!」
「ガァァアー!」
レイヴンとゲイルは感電して、その場に倒れたが、ゲイルだけは避けられた。
稲妻の速度で奴の腕に触れたのに、肉体の感触がなかった。
「フフフ、ガブッ。神力を使いこなす者が、ガブッ。ベルトラン王国にいようとは、ガブッ」
「何回も舌を噛んで痛くないか? 口内炎になったら大変だぞ」
「とぼけた男め、ガブッ。今日の所は引き下がろう、ガブッ。次に顔を合わせる時は、ガブッ。簡単に殺さぬからな、ガブッ」
ゲイルはそう言い残すと、森の暗闇に溶け、姿を消した。
おいおい、ヴェノムよりもヤバイ奴じゃないか!
『奈落の髑髏』を率いていたのは、ゲイルかもしれないな。
倒れている三人へ視線を向ける。
動きだす者はいない。
一瞬だけ触れて感電させたから死ぬこといだろう。
完全に意識を失っているから、当分は起きそうにないな。
三分が過ぎたのか、体と武装が元に戻る。
どういう仕組みなのかは全くわからない。
全ては神力のおかげということで納得しておこう。
全力を出し切ったことで、急激に体が重くなり強烈な睡魔が訪れる。
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