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第2章 グランタリア大陸東部編
81.王妃達の話し合い!
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来賓室で五か国の王妃の挨拶が終わり、皆で談笑していると、シャーレ王妃が『ロンメル商会、サポートの会』の婦人部を作りたいと言いだした。
シャーレ王妃は話を続ける。
「別に婦人部と言っても、別に特別なことをしようというわけじゃないの。夫達って国王だから、なにかというと国同士でいがみ合おうとするでしょ。国がどうとか、地位や立場も関係なく、女性同士で繋がろうってことなの」
「うむ、普段はわらわも、ナブラスト王国の女王という立場と地位に縛られておる。『ロンメル商会』を盛り立てようというのは皆同じ気持ち、そういう立ち位置で女性同士で交流を深めるのも面白いかもしれんのう」
「王家の女性は特に国の立場や地位に縛られるもの。そういう機会があれば、もっと気軽に交流できますものね。私もシャーレ王妃の提案に賛同いたしますわ」
シャーレ王妃の言葉にマリナ女王陛下、セレーネ王妃も深く頷く。
するとフィーネがにこやかに微笑む。
「それなら、月に一回は皆で集まってお茶会を開くのもいいな」
「でも、他国へ月に一回訪問するのは、王妃という立場上、ちょっと難しいかしら」
……普通に考えれば、他国へ訪問する際には大量の手土産を持参しないし、そうなると馬車や荷馬車を連ねて移動しないといけなくなし、それを護衛する多くの兵士も欠かせない。
それに旅をするとなれば片道数日はかかるし、その間の宿泊の手配も必要になってくる。
そんな仰々しい旅を月に一回行うのは無理があるよね。
するとマリナ女王陛下が僕をみてニヤニヤと笑う。
「そういうことなら、シオンに頼んで、姿見の転移ゲートを、それぞれの王妃の部屋に設置してもらえばいいではないか。そうすれば会いたい時、互いに行き来できるじゃろ」
「マリナ女王、それは『ロンメル商会』とラバネス半島三国の秘密ですよ」
「すでにわらわ達は『ロンメル商会、サポートの会』の婦人部の面々であろう。女性だけで秘密を共有していればいいじゃろう。アミーレ王妃、シャーレ王妃、ソーニャ王妃もシオンには感謝しておる。秘密を漏らすことはなかろうて」
セレーネ王妃が焦りの声をあげるが、マリナ女王陛下は平気な表情でニヤリと笑む。
……たしかに姿見の転移ゲートを使えば、旅をする必要もないから、魔獣や野盗に襲われる心配もない。誰にも知られずに会合を開けるから便利なのはわかるけど……
アミーレ王女は僕のほうへ顔を向けて、ふわりと微笑む。
「シオン君、転移ゲートって何かな? 私、そんな話、聞かせてもらってないんだけど」
「……これは秘密のことだったので……」
「私がシオン様の代わりにお話しさせていただきます」
レミリアがスッとソファから立ち上がり、王妃達を見回す。
「シオン様は特殊なスキルをお持ちで、そのスキルを活用して商品を作られているのです。そして、そのスキルを使えば、姿見を転移ゲートに変化させることができ、それで『ロンメル商会』の各国の店舗を行き来しておりました。このような転移ゲートが作れることを他者に知られれば、シオン様の身に危険が及ぶ可能性がありますので、ごく親しい人達の間でのみ秘密を共有していた次第です」
「たしかに、転移ゲートを作れるのであれば、転移ゲートを量産して他国へ侵入することも可能になる。諜報活動の他にも、兵を大量に他国へ忍ばせることもできるわね。こんなことが公になれば、シオン君の身に危険が及ぶのは当然ね。私達も婦人部の一員なのだから、秘密は絶対に守るわ」
「ええ、そうね。シオン君には日焼け止め薬を作ってもらって、感謝しかありませんから、私も秘密は必ず守りますわ」
「クラウスの友達のシオン君を裏切ることなんてできないわ。私も秘密を厳守します」
シャーレ王妃、ソーニャ王妃、アミーレ王妃も秘密を守ってくれるという。
五人の王妃達の話しは進み、それぞれの王妃の部屋に姿見の転移ゲートを設置することが決まった。
するとロナウド王太子が体を縮ませながら、片手を上げる。
「俺の部屋にも転移ゲートをつけてもらってもいいか?」
「そうですね。私達の母は既に亡くなっているのでトランスベル王国に王妃はいませんし。婦人部に適任な女性を派遣するこもできませんので、男で申し訳ないですが、私達が参加するということでよろしいでしょうか?」
五つの国の王妃が女王が集まるのに、トランスベル王国だけ不参加というのは不都合だよね……ロナウド王太子、カムシン第二王子、頑張ってね。
他人事のように聞いていると、フィーネが僕に声をかける。
「会合には、シオンは強制参加だからね。だって『ロンメル商会、サポートの会』婦人部の集まりなんだから、『ロンメル商会』の会長がいないとダメでしょ」
「……はい……」
「それでは皆さんで各国の情報交換をいたしませんか? 情報を共有することで、私達の関係もより親密になると思いますわ。それに一人で悩んで解決できないことでも、王妃が五人も集まれば、解決できる問題も多いでしょう」
「それがいいですわ。頼りない男達に国のことは任せてられませんもの」
五人の王妃達は、それぞれの国の問題点や、王家特有の悩み事などを話し合い始めた。
……頼りない男達って……各国の王陛下達だよね……なんだか女性が集まると、すごいな……婦人部には逆らわないようにしよう……
シャーレ王妃は話を続ける。
「別に婦人部と言っても、別に特別なことをしようというわけじゃないの。夫達って国王だから、なにかというと国同士でいがみ合おうとするでしょ。国がどうとか、地位や立場も関係なく、女性同士で繋がろうってことなの」
「うむ、普段はわらわも、ナブラスト王国の女王という立場と地位に縛られておる。『ロンメル商会』を盛り立てようというのは皆同じ気持ち、そういう立ち位置で女性同士で交流を深めるのも面白いかもしれんのう」
「王家の女性は特に国の立場や地位に縛られるもの。そういう機会があれば、もっと気軽に交流できますものね。私もシャーレ王妃の提案に賛同いたしますわ」
シャーレ王妃の言葉にマリナ女王陛下、セレーネ王妃も深く頷く。
するとフィーネがにこやかに微笑む。
「それなら、月に一回は皆で集まってお茶会を開くのもいいな」
「でも、他国へ月に一回訪問するのは、王妃という立場上、ちょっと難しいかしら」
……普通に考えれば、他国へ訪問する際には大量の手土産を持参しないし、そうなると馬車や荷馬車を連ねて移動しないといけなくなし、それを護衛する多くの兵士も欠かせない。
それに旅をするとなれば片道数日はかかるし、その間の宿泊の手配も必要になってくる。
そんな仰々しい旅を月に一回行うのは無理があるよね。
するとマリナ女王陛下が僕をみてニヤニヤと笑う。
「そういうことなら、シオンに頼んで、姿見の転移ゲートを、それぞれの王妃の部屋に設置してもらえばいいではないか。そうすれば会いたい時、互いに行き来できるじゃろ」
「マリナ女王、それは『ロンメル商会』とラバネス半島三国の秘密ですよ」
「すでにわらわ達は『ロンメル商会、サポートの会』の婦人部の面々であろう。女性だけで秘密を共有していればいいじゃろう。アミーレ王妃、シャーレ王妃、ソーニャ王妃もシオンには感謝しておる。秘密を漏らすことはなかろうて」
セレーネ王妃が焦りの声をあげるが、マリナ女王陛下は平気な表情でニヤリと笑む。
……たしかに姿見の転移ゲートを使えば、旅をする必要もないから、魔獣や野盗に襲われる心配もない。誰にも知られずに会合を開けるから便利なのはわかるけど……
アミーレ王女は僕のほうへ顔を向けて、ふわりと微笑む。
「シオン君、転移ゲートって何かな? 私、そんな話、聞かせてもらってないんだけど」
「……これは秘密のことだったので……」
「私がシオン様の代わりにお話しさせていただきます」
レミリアがスッとソファから立ち上がり、王妃達を見回す。
「シオン様は特殊なスキルをお持ちで、そのスキルを活用して商品を作られているのです。そして、そのスキルを使えば、姿見を転移ゲートに変化させることができ、それで『ロンメル商会』の各国の店舗を行き来しておりました。このような転移ゲートが作れることを他者に知られれば、シオン様の身に危険が及ぶ可能性がありますので、ごく親しい人達の間でのみ秘密を共有していた次第です」
「たしかに、転移ゲートを作れるのであれば、転移ゲートを量産して他国へ侵入することも可能になる。諜報活動の他にも、兵を大量に他国へ忍ばせることもできるわね。こんなことが公になれば、シオン君の身に危険が及ぶのは当然ね。私達も婦人部の一員なのだから、秘密は絶対に守るわ」
「ええ、そうね。シオン君には日焼け止め薬を作ってもらって、感謝しかありませんから、私も秘密は必ず守りますわ」
「クラウスの友達のシオン君を裏切ることなんてできないわ。私も秘密を厳守します」
シャーレ王妃、ソーニャ王妃、アミーレ王妃も秘密を守ってくれるという。
五人の王妃達の話しは進み、それぞれの王妃の部屋に姿見の転移ゲートを設置することが決まった。
するとロナウド王太子が体を縮ませながら、片手を上げる。
「俺の部屋にも転移ゲートをつけてもらってもいいか?」
「そうですね。私達の母は既に亡くなっているのでトランスベル王国に王妃はいませんし。婦人部に適任な女性を派遣するこもできませんので、男で申し訳ないですが、私達が参加するということでよろしいでしょうか?」
五つの国の王妃が女王が集まるのに、トランスベル王国だけ不参加というのは不都合だよね……ロナウド王太子、カムシン第二王子、頑張ってね。
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「会合には、シオンは強制参加だからね。だって『ロンメル商会、サポートの会』婦人部の集まりなんだから、『ロンメル商会』の会長がいないとダメでしょ」
「……はい……」
「それでは皆さんで各国の情報交換をいたしませんか? 情報を共有することで、私達の関係もより親密になると思いますわ。それに一人で悩んで解決できないことでも、王妃が五人も集まれば、解決できる問題も多いでしょう」
「それがいいですわ。頼りない男達に国のことは任せてられませんもの」
五人の王妃達は、それぞれの国の問題点や、王家特有の悩み事などを話し合い始めた。
……頼りない男達って……各国の王陛下達だよね……なんだか女性が集まると、すごいな……婦人部には逆らわないようにしよう……
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