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第2章 グランタリア大陸東部編
72.ラバネス半島三国会議②
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マリナ女王の発言を聞いて、リンメイさんが話をまとめようとする。
「シオン君は大陸の三国に、工場及び倉庫を作るということでいいわね」
「はい……」
「それじゃあ、トランスベル王国にも工場を作ってほしいぜ」
「そうだぞ。ラバネス半島で『ロンメル商会』の工場がないのは、余の王国だけだ。大陸に工場を作るぐらいなら、こちらに工場を作るのが先であろう」
「兄上、父上、それは個別でシオン君と話をしましょう。皆さんが集まっている場で話すことではありませんよ」
ロナウド王太子とゲアハルト国王陛下をカムシン第二王子が諭す。
……そんなに工場があるのとないのと問題になるのかな……商品が国中に広まっているなら、工場の有無なんて関係ないように思うんだけど……
セレーネ王妃が立ち上がってメイリンさんをジッと見つめる。
「私達が集まったのは、『ロンメル商会』の工場をどこに建設するかを問うためではありません。ロンメル商会の全ての商品を、ラバネス半島の女性達に安心して供給するため、シオン君と『ロンメル商会』が、大陸の国々に取り込まれないようにどうするかを話し合うためです」
するとマリナ女王陛下が、僕を見て難しい表情をする。
「ならば、どうやってラバネス半島の我々三国が『ロンメル商会』とシオンへの優位性を高めるかじゃな。それなら、わらわがシオンの婚約してもよいぞ。それならば許嫁の国に『ロンメル商会』が甘くても、どの国も文句はつけられまい」
「では娘のフィーネと、婚約というのも有り得ますね」
「グヌヌヌ……余のところは息子ばかり……カムシンであれば女装をすればあるいは……」
「父上、変なことを考えないでください」
……マリナ女王陛下と婚約……フィーネとも……それってどちらかの国の王になるって事では……いやいや、僕に国王が勤まるはずないし……
「……すごくありがたい提案だと思うんですけど……謹んでお断りします……」
「わらわでは不満と申すか!」
「私のどこがダメなのよ!」
「二人がイヤってことじゃなくて……二人のどちらかと結婚することになったら、僕が王様をしなくちゃいけないじゃないか……」
僕は必死にマリナ女王陛下とフィーネに言い訳をする。
するとマリナ女王がニヤニヤと笑む。
「冗談ではなく、わりと真面目な提案なのじゃが。婚約したからといって、必ず結婚する必要はないからのう。名目上だけでも婚約しておけば、婚約者の国を蔑ろにすることはできまい。昔から、からめ手に婚姻の約定を使うのはよくある手じゃ」
「……それならシオンよりも、アレンのほうがいい……」
体をもじもじとさせて、フィーネがポツリと呟く。
「あら、いいんじゃないかしら。私は賛成よ」
「セレーネ、婚約はフィーネにとって重要なことだ。軽はずみに決めることではない」
「あら、ディルメス侯爵家ならば、王家との吊り合いを考えても妥当だわ。それにアレン君はシオン君のお兄さんだし、『ロンメル商会』と王家の繋がりも強くなるでしょ。反対する道理がありませんわ」
「ぐぬぬぬ……しかし、フィーネはまだ子供、婚約には早すぎる」
「貴族の婚約なんて、早い娘なら赤ちゃんのうちから婚約しています」
フィーネを婚約させることを反対してごねるライオネル陛下を、セレーネ王妃が言い負かす。
……なし崩し的にフィーネとアレン兄上との婚約が決まっちゃったけど、これでいいの?……
ゲアハルト国王陛下は不満そうな表情で長テーブルをバンと叩く。
「また出遅れてしまったではないか」
「我が王家に娘はいません。それに父上、これは勝負ごとではありませんからね」
それをカムシン第二王子が軽くいなした。
そのやり取りを見て、セレーネ王妃が上品にコホンと咳をする。
「話が逸れてしまいましたので、もう一度申し上げます。今回お集まりいただいたのは、『ロンメル商会』のことも含めてですが、これからラバネス半島の三国は、どのようにグランタリア大陸の国々と渡り合っていくかという点です」
「左様、もしグランタリア大陸の国々が、何かを仕掛けてきたとしても、それに対抗できうる力を我々も持っておく必要がある。そのために集まってもらったのだ」
ライオネル国王陛下は、同意するように大きく頷く。
……これが、セレーネ王妃とライオネル国王陛下の真の意図だったのか……
するとリンメイさんが片手をあげる。
「商業ギルドとしては、ラバネス半島三国側の肩を持つつもりもありませんし、グランタリア大陸の三国に肩入れするつもりもありません」
いったん言葉を切って、皆を見回して、リンメイさんは話を続ける。
「商業ギルドが望むのは、全ての商会及び商人が円滑に商売ができる環境です。ですから、競い合いのような考え方は、賛同できかねます。対立するのではなく、平和的かつ友好的な関係を摸索されてはいかがでしょうか」
「全てが永続的に平和裏に事が進むのであれば、我々も会合を開いたりはせん。国同士が友好な関係を保つには、それなりに拮抗した力でなければ成立しない。力関係が一方に傾いているのでは良好な関係とはいえぬ。『ロンメル商会』の件も含めてだが、そうなる前に対処法が考えておく必要があるのだ」
……ライオネル王陛下とリンメイさん、どちらも言ってることは正しいような……立場が違うと考え方も違うんだな……
ゲアハルト国王陛下が厳しい表情をして、ライオネル国王陛下へ鋭い視線を送る。
「遠回りな言い回しは好かぬ。何を申したいか、率直に申せ」
「そうだな。先に皆で会合を開いた時に、近々、同盟へ向けて進むため、連携を密にしようという話で終わった。しかし、そこから進展がない。グランタリア大陸の国々と対等な関係を構築していくのであれば、ラバネス半島三国の同盟は必須ではないかと考えている。その先の連合国も視野にいれて話し合いがしたいのだ」
「なるほどのう……三国がバラバラに力を示しても、大陸の国々には通じぬ。またラバネス半島の小国が騒いでおると思われるだけよのう。しかし半島全体が一つの国になれば、大国の国々も無視はできんというわけか。先にも話したが、わらわは同盟に賛成じゃ。連合国についても前向きに賛成といっておこう」
マリナ女王陛下は楽しそうにニヤニヤと笑う。
……マリナ女王陛下って、僕とほとんど変わらない年齢なのに、生粋の女王様なんだな……
ライオネル国王陛下とマリナ女王陛下の話を聞いて、ゲアハルト国王陛下が焦った表情を浮かべる。
「ちょっと待て。余を抜きに話を進めるな。別に同盟にも連合国にも反対するつもりはない。余も賛成だ。連合国の初代君主は余が務めよう」
「わらわは、それでも良いぞ」
「我もそれで良い。その方向で、まずは同盟を結ぶところから始めようではないか」
三人の国王がそれぞれに同盟について賛同する。
…………また斜め上の話すぎて、話の途中から理解が追いつかないんですけど……
「シオン君は大陸の三国に、工場及び倉庫を作るということでいいわね」
「はい……」
「それじゃあ、トランスベル王国にも工場を作ってほしいぜ」
「そうだぞ。ラバネス半島で『ロンメル商会』の工場がないのは、余の王国だけだ。大陸に工場を作るぐらいなら、こちらに工場を作るのが先であろう」
「兄上、父上、それは個別でシオン君と話をしましょう。皆さんが集まっている場で話すことではありませんよ」
ロナウド王太子とゲアハルト国王陛下をカムシン第二王子が諭す。
……そんなに工場があるのとないのと問題になるのかな……商品が国中に広まっているなら、工場の有無なんて関係ないように思うんだけど……
セレーネ王妃が立ち上がってメイリンさんをジッと見つめる。
「私達が集まったのは、『ロンメル商会』の工場をどこに建設するかを問うためではありません。ロンメル商会の全ての商品を、ラバネス半島の女性達に安心して供給するため、シオン君と『ロンメル商会』が、大陸の国々に取り込まれないようにどうするかを話し合うためです」
するとマリナ女王陛下が、僕を見て難しい表情をする。
「ならば、どうやってラバネス半島の我々三国が『ロンメル商会』とシオンへの優位性を高めるかじゃな。それなら、わらわがシオンの婚約してもよいぞ。それならば許嫁の国に『ロンメル商会』が甘くても、どの国も文句はつけられまい」
「では娘のフィーネと、婚約というのも有り得ますね」
「グヌヌヌ……余のところは息子ばかり……カムシンであれば女装をすればあるいは……」
「父上、変なことを考えないでください」
……マリナ女王陛下と婚約……フィーネとも……それってどちらかの国の王になるって事では……いやいや、僕に国王が勤まるはずないし……
「……すごくありがたい提案だと思うんですけど……謹んでお断りします……」
「わらわでは不満と申すか!」
「私のどこがダメなのよ!」
「二人がイヤってことじゃなくて……二人のどちらかと結婚することになったら、僕が王様をしなくちゃいけないじゃないか……」
僕は必死にマリナ女王陛下とフィーネに言い訳をする。
するとマリナ女王がニヤニヤと笑む。
「冗談ではなく、わりと真面目な提案なのじゃが。婚約したからといって、必ず結婚する必要はないからのう。名目上だけでも婚約しておけば、婚約者の国を蔑ろにすることはできまい。昔から、からめ手に婚姻の約定を使うのはよくある手じゃ」
「……それならシオンよりも、アレンのほうがいい……」
体をもじもじとさせて、フィーネがポツリと呟く。
「あら、いいんじゃないかしら。私は賛成よ」
「セレーネ、婚約はフィーネにとって重要なことだ。軽はずみに決めることではない」
「あら、ディルメス侯爵家ならば、王家との吊り合いを考えても妥当だわ。それにアレン君はシオン君のお兄さんだし、『ロンメル商会』と王家の繋がりも強くなるでしょ。反対する道理がありませんわ」
「ぐぬぬぬ……しかし、フィーネはまだ子供、婚約には早すぎる」
「貴族の婚約なんて、早い娘なら赤ちゃんのうちから婚約しています」
フィーネを婚約させることを反対してごねるライオネル陛下を、セレーネ王妃が言い負かす。
……なし崩し的にフィーネとアレン兄上との婚約が決まっちゃったけど、これでいいの?……
ゲアハルト国王陛下は不満そうな表情で長テーブルをバンと叩く。
「また出遅れてしまったではないか」
「我が王家に娘はいません。それに父上、これは勝負ごとではありませんからね」
それをカムシン第二王子が軽くいなした。
そのやり取りを見て、セレーネ王妃が上品にコホンと咳をする。
「話が逸れてしまいましたので、もう一度申し上げます。今回お集まりいただいたのは、『ロンメル商会』のことも含めてですが、これからラバネス半島の三国は、どのようにグランタリア大陸の国々と渡り合っていくかという点です」
「左様、もしグランタリア大陸の国々が、何かを仕掛けてきたとしても、それに対抗できうる力を我々も持っておく必要がある。そのために集まってもらったのだ」
ライオネル国王陛下は、同意するように大きく頷く。
……これが、セレーネ王妃とライオネル国王陛下の真の意図だったのか……
するとリンメイさんが片手をあげる。
「商業ギルドとしては、ラバネス半島三国側の肩を持つつもりもありませんし、グランタリア大陸の三国に肩入れするつもりもありません」
いったん言葉を切って、皆を見回して、リンメイさんは話を続ける。
「商業ギルドが望むのは、全ての商会及び商人が円滑に商売ができる環境です。ですから、競い合いのような考え方は、賛同できかねます。対立するのではなく、平和的かつ友好的な関係を摸索されてはいかがでしょうか」
「全てが永続的に平和裏に事が進むのであれば、我々も会合を開いたりはせん。国同士が友好な関係を保つには、それなりに拮抗した力でなければ成立しない。力関係が一方に傾いているのでは良好な関係とはいえぬ。『ロンメル商会』の件も含めてだが、そうなる前に対処法が考えておく必要があるのだ」
……ライオネル王陛下とリンメイさん、どちらも言ってることは正しいような……立場が違うと考え方も違うんだな……
ゲアハルト国王陛下が厳しい表情をして、ライオネル国王陛下へ鋭い視線を送る。
「遠回りな言い回しは好かぬ。何を申したいか、率直に申せ」
「そうだな。先に皆で会合を開いた時に、近々、同盟へ向けて進むため、連携を密にしようという話で終わった。しかし、そこから進展がない。グランタリア大陸の国々と対等な関係を構築していくのであれば、ラバネス半島三国の同盟は必須ではないかと考えている。その先の連合国も視野にいれて話し合いがしたいのだ」
「なるほどのう……三国がバラバラに力を示しても、大陸の国々には通じぬ。またラバネス半島の小国が騒いでおると思われるだけよのう。しかし半島全体が一つの国になれば、大国の国々も無視はできんというわけか。先にも話したが、わらわは同盟に賛成じゃ。連合国についても前向きに賛成といっておこう」
マリナ女王陛下は楽しそうにニヤニヤと笑う。
……マリナ女王陛下って、僕とほとんど変わらない年齢なのに、生粋の女王様なんだな……
ライオネル国王陛下とマリナ女王陛下の話を聞いて、ゲアハルト国王陛下が焦った表情を浮かべる。
「ちょっと待て。余を抜きに話を進めるな。別に同盟にも連合国にも反対するつもりはない。余も賛成だ。連合国の初代君主は余が務めよう」
「わらわは、それでも良いぞ」
「我もそれで良い。その方向で、まずは同盟を結ぶところから始めようではないか」
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