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第一章 ラバネス半島編
34.王達の話し合い!
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『ロンメル商会』が休業していたことで、トランスベル王国の王家とナブラスト王国の王家がブリタニス王国に集結してしまった。
そのことに驚いたブリタニス王国は、早急に騒ぎの主犯格である商業ギルドのギルドマスター、ゲスガルを捕縛するために動くけど、一足早くゲスガルは逃亡していた。
父上と一緒に王都ブリタスの王城へ赴いた僕は、謁見の間で、皆さんと顔を合わせ、この経緯を聞き、『ロンメル商会』の業務を再開するにした。
そして翌日の夜、トランスベル王国の王家とナブラスト王国の王家が来訪をしたことを祝う晩さん会が、ブリタニス王国の王家の主催で開かれ、僕と父上も参加することになった。
ちなみにセレーネ王妃のご厚意で、レミリア、アグウェル、リムルの三人も参加していたりする。
晩さん会は城の広間で開かれた。
リムルはロナウド王太子とカイロス第二王子に捕まり、アグウェルはレミリアをゲアハルト国王陛下に紹介していた。
キッチリとした正装に身を包み、緊張しながら父上の隣に立っていると、マリナ女王陛下とフィーネとキレイなドレスを着飾って歩いてきた。
そして真赤なドレスを着たマリナ女王陛下が目の前でクルリとターンする。
「どうじゃ、わらわのドレス姿は、なかなか似合っておろう」
「はい。二人とも、とても似合っていて可愛いです」
「でしょ。今日のために、大至急で王都ブリタスの高級洋服店で仕立ててもらったんだから」
薄いピンク色のドレスを身を包んだフィーネが嬉しそうに微笑む。
二人は僕の左右の手を握って、ライオネル王陛下とセレーネ王妃のところまで歩いていく。
僕の姿を見たセレーネ王妃はフンワリと微笑む。
「この度の騒動では色々あったけど、おかげでマリナ女王陛下やゲアハルト国王陛下とお知り合いになれて良かったわ。今までは国と国が対立していたから、こういう機会はなかったもの」
「そうだじゃな。今まで話しもすることができんかったからな」
「これもシオンが繋いでくれたご縁のおかげね。まさかトランスベル王国の王宮とも繋がっているとは知らなかったわ」
「わらわも『ロンメル商会』を王宮御用達の商会にしなければならんな」
そう言って、マリナ女王陛下は僕を見て、ニヤニヤと悪戯っ子のように微笑む。
そういえばトランスベル王国の王宮御用達の商会になったことを、ブリタニス王国の王宮の誰にも伝えていなかった。
するとセレーネ王妃の隣で、にこやかに微笑んでいたライオネル王陛下が真剣な表情をする。
「セレーネの言う通りこれも縁だ。我はこれを期に、三国の仲を強めていきたいと考えている」
「それは良い提案じゃ。狭いラバネス半島で三国が争っても仕方がないと、わらわも昔から考えていたのじゃ。これを期に三国が連携できれば、半島に和平も訪れよう」
「我はもう少し先への展望を考えている。我達の代で三国が密になったとしても、子孫の代でバラバラになれば、せっかくの機会を逃がすことになる。これを期に一気に三国での同盟を視野にいれてもよいと我は考えているのだ」
「もし、それ実現できれば素敵なことね」
「皆で何の話をしておるのだ? 王国の首脳の集まりなら余も参加しよう」
ライオネル王陛下とセレーネ王妃が互いに微笑み合っていると、いきなり後ろから声が聞こえ、振り返るとゲアハルト国王陛下が、ロナウド王太子とカムシン第二王子を伴って歩いてきていた。
リムル、アグウェル、レミリアも一緒だ。
その姿を見たライオネル王陛下は両手を広げて、ゲアハルト国王陛下に話しかける。
「マリナ女王とも話していたのだが、三国の王が集う機会などめったにない。この縁を逃がさず、この機会に、三国の仲を進め、これからは連携を密にし、先々で同盟を組めればという話をしていたのだ。
そうなれば三国が平和となり、もっとラバネス半島が発展するだろうとな」
「うむ、条件次第ではその話に乗ってやってもよいぞ。余を同盟の盟主とするのならな」
「父上、他の王国の王達が半島の平和について話しているのに、そこで盟主に拘るのはおかしいだろ」
「そうです父上。これを期に三国が連携を密になれば、今までのように国々が対立する必要もないのですよ。そうなれば命を失う兵や庶民もいなくなります。これは大事な和平へと進む話なのです。もっとラバネス半島全体のことを考えて述べてください」
ゲアハルト国王陛下の態度を、ロナウド王太子とカムシン第二王子が諫める。
その様子にマリナ女王陛下はニッコリと微笑む。
「わらわはゲアハルト国王が同盟の盟主になっても構わんと思っておるよ。王と言ってもわらわは女性の身、一国を束ねるだけでも精一杯じゃ。三国の同盟が成り、平和が続くのなら将来的に三つの国が一つと成っても良いぐらいじゃ」
「それは我も同感だ。三国が密の交流し、平和が保たれるのであれば誰が盟主でも構わない。我等の代でもし同盟を組めたなら、ラバネス半島に平和をもたらせた功績は後の世にまで語り継がれるであろうしな。それ以上のことは望みはしない。我もマリナ王女も同意しているのだ、ゲアハルト国王よ、同盟が成った暁には、そなたが盟主になられるとよろしい」
「わかった、わかった。意地の悪いことを言った余を許せ。余も三国が連携を密にすることには賛成である。同盟に向けて話をしようではないか」
慌てて言葉を訂正して、ゲアハルト国王陛下もライオネル王陛下とマリナ女王陛下の話に同意するという。
……なんだかボンヤリと聞いていたけど……もしかして、なんだかスゴイ流れになってない?
僕の予想を遥かに越えてるから、どうしてこうなったのか、全く理解できないんですけど……
そのことに驚いたブリタニス王国は、早急に騒ぎの主犯格である商業ギルドのギルドマスター、ゲスガルを捕縛するために動くけど、一足早くゲスガルは逃亡していた。
父上と一緒に王都ブリタスの王城へ赴いた僕は、謁見の間で、皆さんと顔を合わせ、この経緯を聞き、『ロンメル商会』の業務を再開するにした。
そして翌日の夜、トランスベル王国の王家とナブラスト王国の王家が来訪をしたことを祝う晩さん会が、ブリタニス王国の王家の主催で開かれ、僕と父上も参加することになった。
ちなみにセレーネ王妃のご厚意で、レミリア、アグウェル、リムルの三人も参加していたりする。
晩さん会は城の広間で開かれた。
リムルはロナウド王太子とカイロス第二王子に捕まり、アグウェルはレミリアをゲアハルト国王陛下に紹介していた。
キッチリとした正装に身を包み、緊張しながら父上の隣に立っていると、マリナ女王陛下とフィーネとキレイなドレスを着飾って歩いてきた。
そして真赤なドレスを着たマリナ女王陛下が目の前でクルリとターンする。
「どうじゃ、わらわのドレス姿は、なかなか似合っておろう」
「はい。二人とも、とても似合っていて可愛いです」
「でしょ。今日のために、大至急で王都ブリタスの高級洋服店で仕立ててもらったんだから」
薄いピンク色のドレスを身を包んだフィーネが嬉しそうに微笑む。
二人は僕の左右の手を握って、ライオネル王陛下とセレーネ王妃のところまで歩いていく。
僕の姿を見たセレーネ王妃はフンワリと微笑む。
「この度の騒動では色々あったけど、おかげでマリナ女王陛下やゲアハルト国王陛下とお知り合いになれて良かったわ。今までは国と国が対立していたから、こういう機会はなかったもの」
「そうだじゃな。今まで話しもすることができんかったからな」
「これもシオンが繋いでくれたご縁のおかげね。まさかトランスベル王国の王宮とも繋がっているとは知らなかったわ」
「わらわも『ロンメル商会』を王宮御用達の商会にしなければならんな」
そう言って、マリナ女王陛下は僕を見て、ニヤニヤと悪戯っ子のように微笑む。
そういえばトランスベル王国の王宮御用達の商会になったことを、ブリタニス王国の王宮の誰にも伝えていなかった。
するとセレーネ王妃の隣で、にこやかに微笑んでいたライオネル王陛下が真剣な表情をする。
「セレーネの言う通りこれも縁だ。我はこれを期に、三国の仲を強めていきたいと考えている」
「それは良い提案じゃ。狭いラバネス半島で三国が争っても仕方がないと、わらわも昔から考えていたのじゃ。これを期に三国が連携できれば、半島に和平も訪れよう」
「我はもう少し先への展望を考えている。我達の代で三国が密になったとしても、子孫の代でバラバラになれば、せっかくの機会を逃がすことになる。これを期に一気に三国での同盟を視野にいれてもよいと我は考えているのだ」
「もし、それ実現できれば素敵なことね」
「皆で何の話をしておるのだ? 王国の首脳の集まりなら余も参加しよう」
ライオネル王陛下とセレーネ王妃が互いに微笑み合っていると、いきなり後ろから声が聞こえ、振り返るとゲアハルト国王陛下が、ロナウド王太子とカムシン第二王子を伴って歩いてきていた。
リムル、アグウェル、レミリアも一緒だ。
その姿を見たライオネル王陛下は両手を広げて、ゲアハルト国王陛下に話しかける。
「マリナ女王とも話していたのだが、三国の王が集う機会などめったにない。この縁を逃がさず、この機会に、三国の仲を進め、これからは連携を密にし、先々で同盟を組めればという話をしていたのだ。
そうなれば三国が平和となり、もっとラバネス半島が発展するだろうとな」
「うむ、条件次第ではその話に乗ってやってもよいぞ。余を同盟の盟主とするのならな」
「父上、他の王国の王達が半島の平和について話しているのに、そこで盟主に拘るのはおかしいだろ」
「そうです父上。これを期に三国が連携を密になれば、今までのように国々が対立する必要もないのですよ。そうなれば命を失う兵や庶民もいなくなります。これは大事な和平へと進む話なのです。もっとラバネス半島全体のことを考えて述べてください」
ゲアハルト国王陛下の態度を、ロナウド王太子とカムシン第二王子が諫める。
その様子にマリナ女王陛下はニッコリと微笑む。
「わらわはゲアハルト国王が同盟の盟主になっても構わんと思っておるよ。王と言ってもわらわは女性の身、一国を束ねるだけでも精一杯じゃ。三国の同盟が成り、平和が続くのなら将来的に三つの国が一つと成っても良いぐらいじゃ」
「それは我も同感だ。三国が密の交流し、平和が保たれるのであれば誰が盟主でも構わない。我等の代でもし同盟を組めたなら、ラバネス半島に平和をもたらせた功績は後の世にまで語り継がれるであろうしな。それ以上のことは望みはしない。我もマリナ王女も同意しているのだ、ゲアハルト国王よ、同盟が成った暁には、そなたが盟主になられるとよろしい」
「わかった、わかった。意地の悪いことを言った余を許せ。余も三国が連携を密にすることには賛成である。同盟に向けて話をしようではないか」
慌てて言葉を訂正して、ゲアハルト国王陛下もライオネル王陛下とマリナ女王陛下の話に同意するという。
……なんだかボンヤリと聞いていたけど……もしかして、なんだかスゴイ流れになってない?
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