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第一章 ラバネス半島編
19.香水と石鹸が爆発的な人気に!
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僕とレミリアは別室でアグウェルさんの面接を続けていた。
「どうして僕が転生者だと?」
「シオン様が『鑑定』を使えるように、私の『魔眼』は全てを見通すことができるのですよ」
『魔眼』のスキルは『鑑定』よりも上位のスキルだ。
それなら僕の正体を知っていたとしても、納得できる。
僕は体を前屈みにして息を大きく吐く。
「ひとつお聞きしたいのですけど、我々とは? アグウェルさんの他に誰かいるのかな?
「はい。妻と別れた時に娘を引き取っておりまして。娘の名はリムル、種族は妖魔族のサキュバスです。ここに連れてきておりますので、呼んでもよろしいですか?」
え……この部屋には三人しかいないと思うけど?
どこにも人が隠れる場所なんてないよね?
「リムル、姿を現しなさい」
「はい、お父様」
部屋の隅の暗がりが靄となって、その靄が段々と人の形に変わっていく。
そして胸の先と三角ゾーンだけを隠し、頭に雄牛のような角を生やし、背中にコウモリの翼を持つ、最高にスタイルの良い、ムチムチしたサキュバスが姿を現した。
その瞬間に、高速で僕の目がレイミアの手によって覆われる。
「子供は見てはいけません」
「私は健全な女の子です。まだ処女なんだから」
「そんなこと聞いてません」
なぜかレイミアとリムルが口喧嘩をはじめた。
「リムルよ、主様の前ですよ。きちんとした服装に変化しなさい」
「はーい、お父様」
「シオン様、もう目を開けられても大丈夫ですよ」
アグウェルさんの言葉を聞いて、レミリアが僕の目を覆っていた両手を放す。
すると僕の目の前に、なぜか真っ白なブカブカのシャツに生足の姿でリムルが立っていた。
なぜ、その服装のチョイスを……むちゃくちゃ色っぽいんですけど。
なるべくリムルの姿を見ないように顔を背けたまま話を続ける。
「では二人共、採用します。アグウェルさんとリムルさんはレミリアから教わって『ロンメル商会』の運営について勉強してください」
「仰せのままに。シオン様は私と娘の主なのですから、今後は私の娘も、名前だけでお呼びください」
「わかった。ではアグウェル、リムル、よろしく頼んだよ」
「御意」
こうして『ロンメル商会』のアグウェルとの面接は幕を閉じた。
その後に僕が転生者であることをレミリアに打ち明けたけど、彼女は『知っていました』と微笑み、誰にも話さないと約束してくれた。
たくさんの応募者の中から、今回採用したのはシャム、アロム、アグウェル、リムルの四人だけだった。
王都ブリタスの店舗と工場、ナブラスト王国の王都ナブルの店舗には、王宮から派遣してもらっている人員と入れ替わる人員が必要なので、その人員の募集についてはジョルドが商業ギルドと交渉してくれるという。
今回、自分達で面接をしてみたけど、読み書き、四則演算、礼儀作法ができる人員の確保については、商業ギルドにお願いするのがよさそうだ。
それから一週間、シャム、アロム、アグウェル、リムルの四人はレミリアの指導を受け、その後に四人は『ロンメル商会』の主要要員となった。
これでジョルドは父上の下で執務長として仕事に専念できるし、レミリアの負担を減らせることもできるよね。
王都ブリタスの店舗と王都ナブルの店舗で商品の販売を始めてから一ヵ月が過ぎ、『ボーン食器』の売れ行きは好調で、それを上回る勢いで香水と石鹸が爆発的に売れた。
王都の貴族から一般庶民に至るまで、女子の間で香水と石鹸が大人気となり、その噂は一気にブリタニス王国内、ナブラスト王国内へと広がっていく。
最近では僕も忙しくなり王都ブリタスの店舗の最上階にある私室で暮らすことが多くなった。
父上とアレン兄上と頻繁に会えないのは寂しいけど、僕も一応は『ロンメル商会』の代表だからね。
店舗の執務室でレミリア、 アグウェルと話をしていると、いきなり扉が開いて父上とアレン兄上が飛び込んできた。
「毎日のようにナブラスト王国中の諸侯が邸に訪れるのだ。そのどれもが領地で香水と石鹸が足りないから卸してくれという。この状況を何とかしてくれ」
「僕も貴族学院へ行くと、女子達から石鹸と香水が欲しいとせがまれるんだよ。少し分けてもらえないか」
石鹸と香水が大ヒットして品薄なのは知ってるけど、そこまで切実だったの?
うーん、でも石鹸と香水の在庫も限られているから、多くを分けてあげるほどの余裕はなんだよね。
でも二人は家族だからできる限りのことはしてあげたい。
僕はアグウェルに指示して石鹸と香水を用意し、二人に持って帰ってもらった。
父上もアレン兄上も相当な量を持っていったけど、背嚢型のマジックバックを持ってきていたからよかったよ。
「どうして僕が転生者だと?」
「シオン様が『鑑定』を使えるように、私の『魔眼』は全てを見通すことができるのですよ」
『魔眼』のスキルは『鑑定』よりも上位のスキルだ。
それなら僕の正体を知っていたとしても、納得できる。
僕は体を前屈みにして息を大きく吐く。
「ひとつお聞きしたいのですけど、我々とは? アグウェルさんの他に誰かいるのかな?
「はい。妻と別れた時に娘を引き取っておりまして。娘の名はリムル、種族は妖魔族のサキュバスです。ここに連れてきておりますので、呼んでもよろしいですか?」
え……この部屋には三人しかいないと思うけど?
どこにも人が隠れる場所なんてないよね?
「リムル、姿を現しなさい」
「はい、お父様」
部屋の隅の暗がりが靄となって、その靄が段々と人の形に変わっていく。
そして胸の先と三角ゾーンだけを隠し、頭に雄牛のような角を生やし、背中にコウモリの翼を持つ、最高にスタイルの良い、ムチムチしたサキュバスが姿を現した。
その瞬間に、高速で僕の目がレイミアの手によって覆われる。
「子供は見てはいけません」
「私は健全な女の子です。まだ処女なんだから」
「そんなこと聞いてません」
なぜかレイミアとリムルが口喧嘩をはじめた。
「リムルよ、主様の前ですよ。きちんとした服装に変化しなさい」
「はーい、お父様」
「シオン様、もう目を開けられても大丈夫ですよ」
アグウェルさんの言葉を聞いて、レミリアが僕の目を覆っていた両手を放す。
すると僕の目の前に、なぜか真っ白なブカブカのシャツに生足の姿でリムルが立っていた。
なぜ、その服装のチョイスを……むちゃくちゃ色っぽいんですけど。
なるべくリムルの姿を見ないように顔を背けたまま話を続ける。
「では二人共、採用します。アグウェルさんとリムルさんはレミリアから教わって『ロンメル商会』の運営について勉強してください」
「仰せのままに。シオン様は私と娘の主なのですから、今後は私の娘も、名前だけでお呼びください」
「わかった。ではアグウェル、リムル、よろしく頼んだよ」
「御意」
こうして『ロンメル商会』のアグウェルとの面接は幕を閉じた。
その後に僕が転生者であることをレミリアに打ち明けたけど、彼女は『知っていました』と微笑み、誰にも話さないと約束してくれた。
たくさんの応募者の中から、今回採用したのはシャム、アロム、アグウェル、リムルの四人だけだった。
王都ブリタスの店舗と工場、ナブラスト王国の王都ナブルの店舗には、王宮から派遣してもらっている人員と入れ替わる人員が必要なので、その人員の募集についてはジョルドが商業ギルドと交渉してくれるという。
今回、自分達で面接をしてみたけど、読み書き、四則演算、礼儀作法ができる人員の確保については、商業ギルドにお願いするのがよさそうだ。
それから一週間、シャム、アロム、アグウェル、リムルの四人はレミリアの指導を受け、その後に四人は『ロンメル商会』の主要要員となった。
これでジョルドは父上の下で執務長として仕事に専念できるし、レミリアの負担を減らせることもできるよね。
王都ブリタスの店舗と王都ナブルの店舗で商品の販売を始めてから一ヵ月が過ぎ、『ボーン食器』の売れ行きは好調で、それを上回る勢いで香水と石鹸が爆発的に売れた。
王都の貴族から一般庶民に至るまで、女子の間で香水と石鹸が大人気となり、その噂は一気にブリタニス王国内、ナブラスト王国内へと広がっていく。
最近では僕も忙しくなり王都ブリタスの店舗の最上階にある私室で暮らすことが多くなった。
父上とアレン兄上と頻繁に会えないのは寂しいけど、僕も一応は『ロンメル商会』の代表だからね。
店舗の執務室でレミリア、 アグウェルと話をしていると、いきなり扉が開いて父上とアレン兄上が飛び込んできた。
「毎日のようにナブラスト王国中の諸侯が邸に訪れるのだ。そのどれもが領地で香水と石鹸が足りないから卸してくれという。この状況を何とかしてくれ」
「僕も貴族学院へ行くと、女子達から石鹸と香水が欲しいとせがまれるんだよ。少し分けてもらえないか」
石鹸と香水が大ヒットして品薄なのは知ってるけど、そこまで切実だったの?
うーん、でも石鹸と香水の在庫も限られているから、多くを分けてあげるほどの余裕はなんだよね。
でも二人は家族だからできる限りのことはしてあげたい。
僕はアグウェルに指示して石鹸と香水を用意し、二人に持って帰ってもらった。
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