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79.北西部の戦い②
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俺達の乗った『タンク一号』で、敵軍に強襲して二時間後、敵軍の本陣の天幕を破壊した。
それが合図となって、敵軍は戦意を失い、降参した。
戦場では敵兵のうめき声が埋め尽くしている。
俺達の攻撃で命を落とした敵兵の数は少ないが、多数の兵士が負傷し、ほとんどの兵は戦意を喪失した。
俺は横のハッチを上にあげ地面に下りる。
そして『タンク一号』を見ると矢が幾つも刺さっていて、プラ板とスライムの体液でできた装甲はベコベコに歪んでいた。
俺は目の前で尻もちを着いている貴族に向かって声をかける。
「お前が、この戦の総大将か?」
「そうだ。俺が総大将のアカンデニル・グレンバーン将軍だ。このような卑怯な戦い方をして許されると思っているのか。ダメンハイン共和国へ戻ったら、評議会に訴え出てやるからな」
グレンバーン将軍は、俺を指差してワァーワァーと騒ぐ。
俺は両手を腰に当て、将軍を見下ろす。
「残念ながら俺はダメンハイン共和国の人族ではない。だからダメンハイン共和国の評議会が騒ごうが俺の知ったことではない。それよりお前を捕縛して連行する」
「交渉だ。俺と交渉しよう。お前が、あの兵器を持ってダメンハイン共和国に組するなら、ダメンハイン共和国の評議会にとりなし、好待遇を約束しよう」
「まったく興味もそそらない誘いだな。俺はリンバインズ王国を気に入ってるし、裏切るつもりなどない。つまらない事を言うな。スイ、連行しろ」
俺の後ろで護衛をしていたスイが、前に出てグレンバーン将軍に縄をかける。
そして担ぎあげて『タンク一号の中へと連れていった。
俺は周囲を見回して大声を張り上げる。
「ダメンハイン共和国軍の兵士達よ、総大将のグレンバーン将軍は捕縛した! お前達も武器を捨てて投降しろ! そうすれば傷の治療ぐらいはしてやる! 降参しない者は新兵器で踏みつぶす! どちらかを選べ」
俺の言葉でダメンハイン共和国軍が負けたと知った敵兵達は、次々と武器を捨て、その場に崩れ落ちていく。
その場の指揮をジェシカとハミルトンに任せ、俺はハルトマン伯爵とドレムラート侯爵がいる領都へと向かった。
すると領都の大門の前で、ハルトマン伯爵とドレムラート侯爵が護衛の兵士達と共に立っていた。
俺は『タンク一号』を停止させ、スイに運転を任せて天井のハッチを開けて、外に顔と腕を出す。
そして大きく手を振って、大声で話しかけた。
「おーい、俺はリンバインズ王国の者だ。戦意はない」
俺の声が届いたのか、二人を護衛する兵士達が後ろへ下がる。
俺は横のハッチから地面に下り、二人の方へ歩く。
そして二人の対面に立った。
「俺は南部諸侯のフレンハイム伯爵です。ダメンハイン共和国軍との戦いの援軍に来ました」
俺の言葉を聞いてドレムラート侯爵が大きく頷く。
「フレンハイム伯爵といえば南部三大諸侯の一人。援軍に駆け付けてくれたとは頼もしい。それで先程のダメンハイン共和国軍の騒ぎは、フレンハイム伯爵が起したモノであるか?」
「後ろの新兵器でちょっとダメンハイン共和国軍の陣へ突入したんですよ。敵軍の総大将、グレンバーン将軍を捕縛しました」
俺が説明していると、『タンク一号』のハッチから、スイがグレンバーン将軍を連行してきた。
それを見たドレムラート侯爵が、ハルトマン伯爵へ声をかける。
「信じられるか? 我とハルトマン伯爵を苦しめていたダメンハイン共和国軍を、数時間でフレンハイム伯爵は潰してみせた。これほど愉快なことはないぞ」
「敵の総大将であるグレンバーン将軍を捕縛するとは見事としかいえませぬな」
ドレムラート侯爵は俺を見て、満足そうに微笑む。
「後の事は任されよ。今から軍を動かし、敵兵を一兵残らず捕虜にしてこよう。フレンハイム伯爵は領都で休まれるのがよかろう」
ドレムラート侯爵とハルトマン伯爵は護衛の兵士に指示をし、両軍を動かして敵兵を全て捕虜とした。
そしてグレンバーン将軍は牢屋へ入れられた。
俺達はハルトマン伯爵の邸に招かれ、その日は豪華な宴会となった。
一週間後、ドレムラート侯爵軍は退去を始めた。
俺達が応接室で休んでいると、扉が開いてドレムラート侯爵とハルトマン伯爵が部屋の中へ入ってくる。
そして対面のソファに座り、俺を見る。
「我が軍はドレムラート侯爵領へ戻る。それでフレンハイム伯爵に頼みなのだが、我等と一緒に王宮まで行ってもらえないか。ダメンハイン共和国軍を壊滅させたのはフレンハイム伯爵だ。我等が王宮へ参り、説明するには無理がある。それに我等の馬車では王都まで日数がかかり過ぎるのだ」
「別に私は功が欲しくて参戦したのではないですし、このまま南部へ戻りたいのですが」
「フォルステル王陛下とベヒトハイム宰相には、その旨をしかと報告するが、よろしいか?」
……フォルステル王陛下とベヒトハイム宰相に知られれば、必ず俺に呼び出しがくる……
俺は諦めた表情で手をヒラヒラと振る。
「わかりました。ご一緒しましょう」
俺達を乗せた『タンク一号』は王都を目指すことにした。
残りの九台は、王都へは寄らずにフレンハイム伯爵領へと戻っていった。
ハルトマン伯爵領の領都を出発して十五日後、俺達は王都へ到着した。
王城へ『タンク一号』を乗り入れ、俺、ドレムラート侯爵、ハルトマン伯爵の三人は貴賓室でベヒトハイム宰相を待つこととなった。
貴賓室の扉が開き、ベヒトハイム宰相は部屋に入ってくると、俺を見て顔をしかめる。
「なぜアクスが、この二人と一緒にいる? それに ドレムラート侯爵、ハルトマン伯爵のお二人は、北西部にてダメンハイン共和国軍と交戦中ではなかったのか?」
「その通り。我等はダメンハイン共和国軍と交戦し、領都での籠城戦となり窮地に追い込まれておりました。それをフレンハイム伯爵が新兵器を用い、敵軍を壊滅されたのです」
「は?」
ドレムラート侯爵 の説明を聞いたベヒトハイム宰相は間抜けな声を出して、俺の顔を見る。
そして段々と表情が険しくなり、俺を見据えたまま怒鳴る。
「アクス、今度はいったい、何をした!」
今回は褒められると思ったのは、俺が間違いだったかも。
それが合図となって、敵軍は戦意を失い、降参した。
戦場では敵兵のうめき声が埋め尽くしている。
俺達の攻撃で命を落とした敵兵の数は少ないが、多数の兵士が負傷し、ほとんどの兵は戦意を喪失した。
俺は横のハッチを上にあげ地面に下りる。
そして『タンク一号』を見ると矢が幾つも刺さっていて、プラ板とスライムの体液でできた装甲はベコベコに歪んでいた。
俺は目の前で尻もちを着いている貴族に向かって声をかける。
「お前が、この戦の総大将か?」
「そうだ。俺が総大将のアカンデニル・グレンバーン将軍だ。このような卑怯な戦い方をして許されると思っているのか。ダメンハイン共和国へ戻ったら、評議会に訴え出てやるからな」
グレンバーン将軍は、俺を指差してワァーワァーと騒ぐ。
俺は両手を腰に当て、将軍を見下ろす。
「残念ながら俺はダメンハイン共和国の人族ではない。だからダメンハイン共和国の評議会が騒ごうが俺の知ったことではない。それよりお前を捕縛して連行する」
「交渉だ。俺と交渉しよう。お前が、あの兵器を持ってダメンハイン共和国に組するなら、ダメンハイン共和国の評議会にとりなし、好待遇を約束しよう」
「まったく興味もそそらない誘いだな。俺はリンバインズ王国を気に入ってるし、裏切るつもりなどない。つまらない事を言うな。スイ、連行しろ」
俺の後ろで護衛をしていたスイが、前に出てグレンバーン将軍に縄をかける。
そして担ぎあげて『タンク一号の中へと連れていった。
俺は周囲を見回して大声を張り上げる。
「ダメンハイン共和国軍の兵士達よ、総大将のグレンバーン将軍は捕縛した! お前達も武器を捨てて投降しろ! そうすれば傷の治療ぐらいはしてやる! 降参しない者は新兵器で踏みつぶす! どちらかを選べ」
俺の言葉でダメンハイン共和国軍が負けたと知った敵兵達は、次々と武器を捨て、その場に崩れ落ちていく。
その場の指揮をジェシカとハミルトンに任せ、俺はハルトマン伯爵とドレムラート侯爵がいる領都へと向かった。
すると領都の大門の前で、ハルトマン伯爵とドレムラート侯爵が護衛の兵士達と共に立っていた。
俺は『タンク一号』を停止させ、スイに運転を任せて天井のハッチを開けて、外に顔と腕を出す。
そして大きく手を振って、大声で話しかけた。
「おーい、俺はリンバインズ王国の者だ。戦意はない」
俺の声が届いたのか、二人を護衛する兵士達が後ろへ下がる。
俺は横のハッチから地面に下り、二人の方へ歩く。
そして二人の対面に立った。
「俺は南部諸侯のフレンハイム伯爵です。ダメンハイン共和国軍との戦いの援軍に来ました」
俺の言葉を聞いてドレムラート侯爵が大きく頷く。
「フレンハイム伯爵といえば南部三大諸侯の一人。援軍に駆け付けてくれたとは頼もしい。それで先程のダメンハイン共和国軍の騒ぎは、フレンハイム伯爵が起したモノであるか?」
「後ろの新兵器でちょっとダメンハイン共和国軍の陣へ突入したんですよ。敵軍の総大将、グレンバーン将軍を捕縛しました」
俺が説明していると、『タンク一号』のハッチから、スイがグレンバーン将軍を連行してきた。
それを見たドレムラート侯爵が、ハルトマン伯爵へ声をかける。
「信じられるか? 我とハルトマン伯爵を苦しめていたダメンハイン共和国軍を、数時間でフレンハイム伯爵は潰してみせた。これほど愉快なことはないぞ」
「敵の総大将であるグレンバーン将軍を捕縛するとは見事としかいえませぬな」
ドレムラート侯爵は俺を見て、満足そうに微笑む。
「後の事は任されよ。今から軍を動かし、敵兵を一兵残らず捕虜にしてこよう。フレンハイム伯爵は領都で休まれるのがよかろう」
ドレムラート侯爵とハルトマン伯爵は護衛の兵士に指示をし、両軍を動かして敵兵を全て捕虜とした。
そしてグレンバーン将軍は牢屋へ入れられた。
俺達はハルトマン伯爵の邸に招かれ、その日は豪華な宴会となった。
一週間後、ドレムラート侯爵軍は退去を始めた。
俺達が応接室で休んでいると、扉が開いてドレムラート侯爵とハルトマン伯爵が部屋の中へ入ってくる。
そして対面のソファに座り、俺を見る。
「我が軍はドレムラート侯爵領へ戻る。それでフレンハイム伯爵に頼みなのだが、我等と一緒に王宮まで行ってもらえないか。ダメンハイン共和国軍を壊滅させたのはフレンハイム伯爵だ。我等が王宮へ参り、説明するには無理がある。それに我等の馬車では王都まで日数がかかり過ぎるのだ」
「別に私は功が欲しくて参戦したのではないですし、このまま南部へ戻りたいのですが」
「フォルステル王陛下とベヒトハイム宰相には、その旨をしかと報告するが、よろしいか?」
……フォルステル王陛下とベヒトハイム宰相に知られれば、必ず俺に呼び出しがくる……
俺は諦めた表情で手をヒラヒラと振る。
「わかりました。ご一緒しましょう」
俺達を乗せた『タンク一号』は王都を目指すことにした。
残りの九台は、王都へは寄らずにフレンハイム伯爵領へと戻っていった。
ハルトマン伯爵領の領都を出発して十五日後、俺達は王都へ到着した。
王城へ『タンク一号』を乗り入れ、俺、ドレムラート侯爵、ハルトマン伯爵の三人は貴賓室でベヒトハイム宰相を待つこととなった。
貴賓室の扉が開き、ベヒトハイム宰相は部屋に入ってくると、俺を見て顔をしかめる。
「なぜアクスが、この二人と一緒にいる? それに ドレムラート侯爵、ハルトマン伯爵のお二人は、北西部にてダメンハイン共和国軍と交戦中ではなかったのか?」
「その通り。我等はダメンハイン共和国軍と交戦し、領都での籠城戦となり窮地に追い込まれておりました。それをフレンハイム伯爵が新兵器を用い、敵軍を壊滅されたのです」
「は?」
ドレムラート侯爵 の説明を聞いたベヒトハイム宰相は間抜けな声を出して、俺の顔を見る。
そして段々と表情が険しくなり、俺を見据えたまま怒鳴る。
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