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第一章 復讐の少女。
第八話 狩りを通して
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翌日の朝、村の出入り門の前で俺は二人を待っていた。
今日はステーデと共に狩りをする。聞いた話だと彼女は戦闘種族。なら、狩りでもして少しでも気が晴らせればと思ったのだ。
それに狩りでは人柄やコンディションが出る。互いの事を知るのには丁度いいと考えての狩りだ。
暫く待っていると、エレンとステーデの二人がやって来た。
ステーデは初めて会ったときのとは違うが、黒色のフードを被っていた。
エレンはいつも通りの動きやすさ重視の軽装だ。
「お待たせしました」
「待たせたわね。ちゃんと弁当作ってきた?」
会って早々それかよ。
「作ってきたぞ。....いつも思うけど何で俺が弁当を作らないと行けないんだ....?」
「だって私、料理出来ないし、スティも得意じゃないみたいよ?」
いや、お店で買うという選択肢は....スティ?
「エレン、スティって....」
「ええ、ステーデの愛称よ。可愛いでしょう?」
たったの一晩で愛称で呼ぶのか....。
チラッとスティことステーデのことを見てみると苦笑いを浮かべている。
エレンは昔から初めて会った相手でも何でも、誰彼構わず仲良く成ろうとする。
それは良いことなのだろうが、よくスキンシップが過ぎることがしばしば有るのが玉に瑕だ。
多分、ステーデもこの一晩で色々あったのだろう。
御愁傷様。
「それじゃぁ出発しようか。今日も稼ぐわよッ!!」
襲いかかってくるCランクの魔獣、魔刃狼《ブレイドウルフ》をの攻撃を軽くステップを踏み、かわす。
ブレイドウルフは再び飛び上がり、前足に生えた巨大な刃を俺目掛けて降り下ろすが、それを【部分装甲】で覆った左腕で受けて、動きを止めたブレイドウルフを右手に握る片手剣で切り裂く。
ブレイドウルフの刃は鋭く、そこらの大木なら易々と切り裂くことが出来る。だがその刃は長く、その体に不釣り合いなほどに大きい為、奴らは仲間を傷つけぬ様に僅か2、3匹でチームを組んで狩りを行う。
ブレイドウルフの刃は強力だが動きを制限する枷にもなっていて、その単調な攻撃は容易く見切ることができる。
俺が相手していた魔刃狼のチームは狩り終えた。他に二つのチームがあった筈だ。
「エレン、ステーデ!!」
俺は残りの相手をしている二人の様子を確認する。
エレンは元々が後方からの支援攻撃を主体としているため、接近して動き回るブレイドウルフに手間取っているようだ。ステーデが大丈夫なら手を貸そう。
そのステーデは....
「《我が狼爪よ、敵を刻み、その爪を血に塗らせ》!! 【血爪】!!」
彼女の両手が深紅の魔力を纏い、妖しく輝き出す。
突然、ステーデの姿が霞むようなスピードで動きだす。その姿を目で追うことさえ困難な速さだ。
俺が確認出来たのは彼女の周りを囲む全ての魔刃狼が反応することさえ出来ず、紅く輝く手で切り裂かれ血を撒き散らした、といことだけだ。
いつの間にか側には戦闘を終えたエレンが居り、俺と同じく目を見開いている。
「凄いじゃないか、ステーデ!! あのスキルもそうだけど、あのスピードはなんだッ。見えなかったぞ!!」
「私も見えなかった!! 突然スティの姿が消えたと思ったら狼達が倒れてて。さすがライカンスロープね!!」
俺達は素直に凄いと思い、ステーデを誉める。本当の事だ。あんなの見たことながない!!
だが、当のステーデは誉められたにもかかわらず、顔を曇らせた。
「....これじゃ駄目なんです。他の皆はもっと速くて、力強かった。出来損ないの僕は....これじゃ復讐なんて夢のまた夢だ....。せめて強い力を持つものを....この手で.....ことが出来れば」
ステーデは悲しそうにし、倒した魔刃狼の素材を剥ぎ取りに向かった。
俺達はその背中を見送ることしか出来なかった。
それから十数対の魔獣を狩り続け、日が傾いてきた頃に帰ることにした。
帰り道、森のなかを歩く。
今日の狩りで分かったことは、ステーデは戦闘種族だけあって俺達の中で多分一番強いだろうということ、それでも本人は自分の非力に嘆いていること、そして何か焦っていることだ。
彼女は、どこか危なっかしく感じる。強い弱いの関係じゃない。
確かに力も、速さも、動きのキレも凄まじかった。だが、まるで自分の命をなげうつかのような様に体を魔獣にさらけ出すように見えるのだ。
俺がどうするべきか考えているとステーデが珍しく自分から俺に話しかけてきた。
「あの、クレインさん。今日一日戦い方を見ていたんですけれど、もしかしてお二人はまだ本格的に狩りを初めて一月経っていませんよね?」
「ん? そうだけど何で分かったんだ? 話してないよな」
「お二人の動きを見れば分かります。ただクレインさんの動きはぎこちなさが残るのに、戦い方はもう出来上がっているようでした」
そんなことも分かるのか。
「ははは、狩り仲間にも良く褒められるよ。成長するのが早いって」
エレンが隣で私はっ? って視線をこっちに向けてるけど無視。
「....それで思ったんですけど。クレインさんのスキルスロットの数は幾つなんですか? まだ狩りを初めて一月にしては沢山のスキルを使っていたようですが」
「ああ..んー....どうするかなぁ......」
そこに気づくか、流石戦闘種族だな。隠しておくべきだったかなぁ....。まぁ今さらだけど。
村の人々に話されると不味い、けどこのまま黙っておいて村人に聞いてまわられたらいずれ皆にバレる、かぁ。
俺は暫く葛藤し続けた結果、村人には内緒にする約束で素直に話すことにした。
「実はな、俺のユニークスキル【可能性獲得】の効果で....」
【可能性獲得】の計四つの効果を説明すると、やはりステーデも驚いていた。
「スロット制限無しでスキルを奪うことのできる....ユニークスキル....」
ステーデは何事か思案顔すると、すぐに俺の顔をみて笑いかけてきた。
「凄いですね!! 通りでスキルの所持数と本人の動きの錬度が合わないわけです。そんなスキルがあるなんてビックリしました。今は全部で幾つのスキルを持っているんですか?」
お、おお。何やら急に元気になったぞ。何か知らんがこのままの調子で行こう。
「え、ええーとだな。確かに十五個....ぐらいかな。まだ全部使いこなせるわけじゃないけどさ」
「そんなに....それだけあれば......」
そして再び思案顔に戻るステーデ。どうしたのだろうか。
「そういえばステーデはどんな幾つのスキル持っているんだ? さっきも格好いいスキル使ってたけど」
ステーデのスキルについて知っておくべきだろうと考え聞いてみると、再び笑顔に戻り答えてくれた。急に元気になったな、ステーデ。何が合ったんだか....これも聞いておくべきなのか?
「僕はパッシブスキルも合わせて十個ですね。
さっき僕が使ったのは【血爪】というライカンスロープに伝わるエクストラスキルです。紅い魔力を纏う腕の筋力、速度、丈夫さを上げて敵を切り裂く為に先祖が作り編み上げたスキルらしいです」
彼女は少し悲しそうにし、続ける。
「僕の【血爪】は未完成なんです。僕は手首から先だけですけど....皆は肩から先、全部を纏うんです。もっと凄い人は【血狼】スキルに進化して全身を魔力で覆えるんですが....。僕にもそれだけ戦える力があればよかったんですけど..」
「ステーデ....」
何も言えない。彼女は自分の事を落ちこぼれと言い、それゆえに仲間を救えず、逃げることしか出来なかったと考えている。
彼女を見て思い出すのは過去の自分。飛鳥を守れず自分の非力さを嘆く、主人公を目指す前の俺の姿。ここから立ち直るには長い時間がかかるだろう。
「でも大丈夫です!! ....絶対にあいつらを倒せるだけの力をてにいれて見せる。それに....するためのちからも....あれが有れば..だし....」
最後の方は聞き取れ無かったが、どうやら昨日よりは元気がでたようだ。
「少しずつでもいい。立ち直る事が出来ればこれからの事も考える事が出来るようになるだろ」
俺がそう言うと、ずっと黙っていたエレンが口を挟んできた。
「そうよ!! 今、こいつ何を目的で動いてると思う? メインヒロインを探すためよ!? まったく、もうこんなに可愛い女の子がいるっていうのにねぇ」
「うるさいな、べつにいいだろ。俺の目指す主人公は仲間を守れる奴なんだよ。その中で一番重要なのは主人公が命を睹してでも守りたいと思う相手、ヒロインだろ。俺のエゴだ、からかってくれるなよ」
「はいはーい」
まぁ俺の目的はさておいてだ。彼女の魔王軍、そしてその幹部への復讐は暫く止めておくべきだろう。何か切っ掛けが有れば飛び出しかねない。
「ステーデ、何かあったら俺達を頼っていいぞ。戦闘はお前には敵わないかもしれないけど、協力出来ることがあれば何でも力になるからな」
「そうよ、余程危険じゃないものなら私の事も使っていいからね!!」
ステーデは少しだけ顔を俯かせたが、直ぐに明るい顔を俺達に向けると頭を下げた。
「はい!! よろしくお願いします!!」
+++ +++ +++
....見つけた、復讐を成し遂げるために必要な鍵を。
あの力があれば、こんな僕でももっと強くなれる。
もっともっと強くなったら、黒兵を殺して、炎帝を殺して....僕がライカンスロープを復興させよう。
その為にはあの人を....。
でも..本当に良いのだろうか.....。
あんなに優しくしてくれた人を、命の恩人を自分の復讐の為に....犠牲にして..。
......いや、いいんだ。僕は復讐を成し遂げたい、この恨みを晴らしたい。
あの人だって協力出来ることは力になると言っていたじゃないか。
なら力になってもらおう。
これが酷いこじつけだとしても....僕はやってやる。
明日、僕は....この恨みを晴らすために動く。
あの廃れた力を使って、あの鍵を奪うんだ。
今日はステーデと共に狩りをする。聞いた話だと彼女は戦闘種族。なら、狩りでもして少しでも気が晴らせればと思ったのだ。
それに狩りでは人柄やコンディションが出る。互いの事を知るのには丁度いいと考えての狩りだ。
暫く待っていると、エレンとステーデの二人がやって来た。
ステーデは初めて会ったときのとは違うが、黒色のフードを被っていた。
エレンはいつも通りの動きやすさ重視の軽装だ。
「お待たせしました」
「待たせたわね。ちゃんと弁当作ってきた?」
会って早々それかよ。
「作ってきたぞ。....いつも思うけど何で俺が弁当を作らないと行けないんだ....?」
「だって私、料理出来ないし、スティも得意じゃないみたいよ?」
いや、お店で買うという選択肢は....スティ?
「エレン、スティって....」
「ええ、ステーデの愛称よ。可愛いでしょう?」
たったの一晩で愛称で呼ぶのか....。
チラッとスティことステーデのことを見てみると苦笑いを浮かべている。
エレンは昔から初めて会った相手でも何でも、誰彼構わず仲良く成ろうとする。
それは良いことなのだろうが、よくスキンシップが過ぎることがしばしば有るのが玉に瑕だ。
多分、ステーデもこの一晩で色々あったのだろう。
御愁傷様。
「それじゃぁ出発しようか。今日も稼ぐわよッ!!」
襲いかかってくるCランクの魔獣、魔刃狼《ブレイドウルフ》をの攻撃を軽くステップを踏み、かわす。
ブレイドウルフは再び飛び上がり、前足に生えた巨大な刃を俺目掛けて降り下ろすが、それを【部分装甲】で覆った左腕で受けて、動きを止めたブレイドウルフを右手に握る片手剣で切り裂く。
ブレイドウルフの刃は鋭く、そこらの大木なら易々と切り裂くことが出来る。だがその刃は長く、その体に不釣り合いなほどに大きい為、奴らは仲間を傷つけぬ様に僅か2、3匹でチームを組んで狩りを行う。
ブレイドウルフの刃は強力だが動きを制限する枷にもなっていて、その単調な攻撃は容易く見切ることができる。
俺が相手していた魔刃狼のチームは狩り終えた。他に二つのチームがあった筈だ。
「エレン、ステーデ!!」
俺は残りの相手をしている二人の様子を確認する。
エレンは元々が後方からの支援攻撃を主体としているため、接近して動き回るブレイドウルフに手間取っているようだ。ステーデが大丈夫なら手を貸そう。
そのステーデは....
「《我が狼爪よ、敵を刻み、その爪を血に塗らせ》!! 【血爪】!!」
彼女の両手が深紅の魔力を纏い、妖しく輝き出す。
突然、ステーデの姿が霞むようなスピードで動きだす。その姿を目で追うことさえ困難な速さだ。
俺が確認出来たのは彼女の周りを囲む全ての魔刃狼が反応することさえ出来ず、紅く輝く手で切り裂かれ血を撒き散らした、といことだけだ。
いつの間にか側には戦闘を終えたエレンが居り、俺と同じく目を見開いている。
「凄いじゃないか、ステーデ!! あのスキルもそうだけど、あのスピードはなんだッ。見えなかったぞ!!」
「私も見えなかった!! 突然スティの姿が消えたと思ったら狼達が倒れてて。さすがライカンスロープね!!」
俺達は素直に凄いと思い、ステーデを誉める。本当の事だ。あんなの見たことながない!!
だが、当のステーデは誉められたにもかかわらず、顔を曇らせた。
「....これじゃ駄目なんです。他の皆はもっと速くて、力強かった。出来損ないの僕は....これじゃ復讐なんて夢のまた夢だ....。せめて強い力を持つものを....この手で.....ことが出来れば」
ステーデは悲しそうにし、倒した魔刃狼の素材を剥ぎ取りに向かった。
俺達はその背中を見送ることしか出来なかった。
それから十数対の魔獣を狩り続け、日が傾いてきた頃に帰ることにした。
帰り道、森のなかを歩く。
今日の狩りで分かったことは、ステーデは戦闘種族だけあって俺達の中で多分一番強いだろうということ、それでも本人は自分の非力に嘆いていること、そして何か焦っていることだ。
彼女は、どこか危なっかしく感じる。強い弱いの関係じゃない。
確かに力も、速さも、動きのキレも凄まじかった。だが、まるで自分の命をなげうつかのような様に体を魔獣にさらけ出すように見えるのだ。
俺がどうするべきか考えているとステーデが珍しく自分から俺に話しかけてきた。
「あの、クレインさん。今日一日戦い方を見ていたんですけれど、もしかしてお二人はまだ本格的に狩りを初めて一月経っていませんよね?」
「ん? そうだけど何で分かったんだ? 話してないよな」
「お二人の動きを見れば分かります。ただクレインさんの動きはぎこちなさが残るのに、戦い方はもう出来上がっているようでした」
そんなことも分かるのか。
「ははは、狩り仲間にも良く褒められるよ。成長するのが早いって」
エレンが隣で私はっ? って視線をこっちに向けてるけど無視。
「....それで思ったんですけど。クレインさんのスキルスロットの数は幾つなんですか? まだ狩りを初めて一月にしては沢山のスキルを使っていたようですが」
「ああ..んー....どうするかなぁ......」
そこに気づくか、流石戦闘種族だな。隠しておくべきだったかなぁ....。まぁ今さらだけど。
村の人々に話されると不味い、けどこのまま黙っておいて村人に聞いてまわられたらいずれ皆にバレる、かぁ。
俺は暫く葛藤し続けた結果、村人には内緒にする約束で素直に話すことにした。
「実はな、俺のユニークスキル【可能性獲得】の効果で....」
【可能性獲得】の計四つの効果を説明すると、やはりステーデも驚いていた。
「スロット制限無しでスキルを奪うことのできる....ユニークスキル....」
ステーデは何事か思案顔すると、すぐに俺の顔をみて笑いかけてきた。
「凄いですね!! 通りでスキルの所持数と本人の動きの錬度が合わないわけです。そんなスキルがあるなんてビックリしました。今は全部で幾つのスキルを持っているんですか?」
お、おお。何やら急に元気になったぞ。何か知らんがこのままの調子で行こう。
「え、ええーとだな。確かに十五個....ぐらいかな。まだ全部使いこなせるわけじゃないけどさ」
「そんなに....それだけあれば......」
そして再び思案顔に戻るステーデ。どうしたのだろうか。
「そういえばステーデはどんな幾つのスキル持っているんだ? さっきも格好いいスキル使ってたけど」
ステーデのスキルについて知っておくべきだろうと考え聞いてみると、再び笑顔に戻り答えてくれた。急に元気になったな、ステーデ。何が合ったんだか....これも聞いておくべきなのか?
「僕はパッシブスキルも合わせて十個ですね。
さっき僕が使ったのは【血爪】というライカンスロープに伝わるエクストラスキルです。紅い魔力を纏う腕の筋力、速度、丈夫さを上げて敵を切り裂く為に先祖が作り編み上げたスキルらしいです」
彼女は少し悲しそうにし、続ける。
「僕の【血爪】は未完成なんです。僕は手首から先だけですけど....皆は肩から先、全部を纏うんです。もっと凄い人は【血狼】スキルに進化して全身を魔力で覆えるんですが....。僕にもそれだけ戦える力があればよかったんですけど..」
「ステーデ....」
何も言えない。彼女は自分の事を落ちこぼれと言い、それゆえに仲間を救えず、逃げることしか出来なかったと考えている。
彼女を見て思い出すのは過去の自分。飛鳥を守れず自分の非力さを嘆く、主人公を目指す前の俺の姿。ここから立ち直るには長い時間がかかるだろう。
「でも大丈夫です!! ....絶対にあいつらを倒せるだけの力をてにいれて見せる。それに....するためのちからも....あれが有れば..だし....」
最後の方は聞き取れ無かったが、どうやら昨日よりは元気がでたようだ。
「少しずつでもいい。立ち直る事が出来ればこれからの事も考える事が出来るようになるだろ」
俺がそう言うと、ずっと黙っていたエレンが口を挟んできた。
「そうよ!! 今、こいつ何を目的で動いてると思う? メインヒロインを探すためよ!? まったく、もうこんなに可愛い女の子がいるっていうのにねぇ」
「うるさいな、べつにいいだろ。俺の目指す主人公は仲間を守れる奴なんだよ。その中で一番重要なのは主人公が命を睹してでも守りたいと思う相手、ヒロインだろ。俺のエゴだ、からかってくれるなよ」
「はいはーい」
まぁ俺の目的はさておいてだ。彼女の魔王軍、そしてその幹部への復讐は暫く止めておくべきだろう。何か切っ掛けが有れば飛び出しかねない。
「ステーデ、何かあったら俺達を頼っていいぞ。戦闘はお前には敵わないかもしれないけど、協力出来ることがあれば何でも力になるからな」
「そうよ、余程危険じゃないものなら私の事も使っていいからね!!」
ステーデは少しだけ顔を俯かせたが、直ぐに明るい顔を俺達に向けると頭を下げた。
「はい!! よろしくお願いします!!」
+++ +++ +++
....見つけた、復讐を成し遂げるために必要な鍵を。
あの力があれば、こんな僕でももっと強くなれる。
もっともっと強くなったら、黒兵を殺して、炎帝を殺して....僕がライカンスロープを復興させよう。
その為にはあの人を....。
でも..本当に良いのだろうか.....。
あんなに優しくしてくれた人を、命の恩人を自分の復讐の為に....犠牲にして..。
......いや、いいんだ。僕は復讐を成し遂げたい、この恨みを晴らしたい。
あの人だって協力出来ることは力になると言っていたじゃないか。
なら力になってもらおう。
これが酷いこじつけだとしても....僕はやってやる。
明日、僕は....この恨みを晴らすために動く。
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