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二十一、推しの危機 1

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「かるかん、なかなか鋭い、感謝。っていうか、私がほんとに鈍ちんなだけか。気を付けないと」 

 使用人達とかるかんとの夜の茶会を終え、先に取り分けておいた、この時間に参加できなかった使用人の分と、オリヴェルの分の魔法陣クッキーを侍女達に託したデシレアは、部屋へと戻って寝支度を整える。 

「かるかんちゃまと仲直り出来て、良かったですね」 

 デシレアの髪を梳きながらリナがにこにこと言うのに頷き、デシレアも笑顔になった。 

 因みに、ちゃま付けで呼ぶよう使用人達に言ったのは、かるかん本人、本魔鳥?本使い魔? 

 ともかく、そう呼ばれるのはかるかんの望みではあるが、デシレアとオリヴェルには呼び捨てるようにと言ったのも、かるかんである。 

 そこは、主に対する何かがあるらしい。 

 尤も片方は、機嫌を損ねれば、容赦なくかるかんに無視されてしまう主ではあるけれども。 

「本当にね。夢中になって食べてくれて、すっごく可愛かったし、またお菓子を作ったら食べてくれる、っていうのも嬉しいわ」 

「デシレア様の作るお菓子は、美味しいですから」 

「ふふ。ありがとう」 

「こちらこそ、いつもありがとうございます」 

 鏡越しに見つめ合い、微笑み合えば、ほっこりと優しい気持ちになる。 

「さ、今日はもういいから下がりなさい」 

 髪を梳き終えたリナに言えば、使ったブラシやケープを手早く片付け、洗練された所作で扉まで下がった。 

「それでは、失礼いたします」 

「ええ。おやすみなさい」 

 視線を落とし、やや頭を下げたまま扉の向こうへ消えるリナを見送ってから、デシレアもゆったりと立ち上がり、ベッドへと歩く。 

「オリヴェル様は、今頃カードでもしながら、お酒とおつまみを召し上がっているのかしら」 

 紳士会というものを実際に見ることの無いデシレアは、シガーの煙と香りがくゆるなか、ゆったりとグラスを傾け、カードやチェスに興じるオリヴェルの姿を想像してみた。 

「わああ!絶対格好いい!誰か描いてくれないかな。今度、依頼してみるのもいいかも」 

 それは名案かもしれない、とときめいて、今ならオリヴェル様の夢が見られそう、と浮き浮き幸せな気持ちでガウンを脱いだ、その時。 

「デシレア・・・っ」 

 デシレアは、今ここで聞く筈の無いオリヴェルの、苦悶に満ちた声を聞き、そのひとが自分へと倒れかかって来るのを見た。 

「オリヴェル様!?」 

 王城に居る筈のオリヴェル様が何故、と思う間も無くデシレアはオリヴェルと共に後ろのソファへと倒れ込む。 

「薬を・・盛られた・・・ぐっ」 

 デシレアにしがみ付くオリヴェルから伝わるのは、激しい鼓動と、荒く苦しげな息遣い。 

 そして告げられた言葉に、デシレアは真っ青になった。 

「なっ!早く解毒を・・っ。すぐにお医者様をお呼びしますね!」 

 早く、とテーブルに置かれた呼び鈴を取ろうとしたデシレアは、しかしその手をオリヴェルに押さえられた。 

「大丈夫だ・・・毒じゃない・・・。命にかかわるものでは・・ない・・・ぐぅっ」 

「毒では、無い」 

 命に別状はないと聞き、ほっと安心しかけるデシレアだが、オリヴェルの様子は尋常ではない。 

「神経興奮剤・・・のようなものだ」 

「興奮剤。でもすごく、苦しそうです」 

「否定はしな・・ぐぅっ」 

 そう言っていつものようにニヒルに笑いかけ、ぐっ、と息を詰まらせるオリヴェルの背を、デシレアは必死に擦った。 

「ああ・・・君の手は・・・心地いいな・・・」 

「オリヴェル様。何か、打てる手はありますか?私に出来ることは?」 

 こんな苦しそうなオリヴェルは見ていたくない、一刻も早く対処を、とデシレアが問えば、オリヴェルが強く頷いた。 

「魔法薬・・・中和剤を・・・作ってほしい・・・」 

「中和剤、ですか?でもあれは」 

 習ったのは、身体強化と攻撃魔法強化の中和剤、しかも適性無し、つまりは才能無しの自分では、と躊躇うデシレアの目を、オリヴェルが見つめる。 

 その瞳は、いつもの群青色よりずっと濃く潤んでいて、まるで宵闇に星が揺らめくような美しさであるのに、同時に浮かぶのは苦悶の表情。 

 少しでも早く何とかしたいのに、自分にはその力が無い。 

 デシレアは、己の才能の無さを呪いたくなった。 

「・・・確かにあれは・・単なる基本の中和剤だ・・だがあれを・・・っ・・君が・・作れば・・・ぐっ」 

 苦しそうに胸を掴んで言うオリヴェルの、その秀でた額にかかる前髪をかきあげながら、デシレアもまた苦しい表情になった。 

「ですが、私の魔力では効果のあるものは作れません」 

「君なら・・いや・・君にしか・・頼む・・・ぐぅっ」 

 この窮状に自分を頼ってくれたことは嬉しい、しかし、と逡巡するデシレアにオリヴェルは信頼の眼差しを向けた。 

「君になら・・できる・・っ・・俺を想い・・俺の回復を願って・・作ってくれないか・・っ」 

 縋るように手を握られ、その熱さに驚いたデシレアはその手をしっかりと握り返し、強い決意と共に頷きを返す。 

  

 私は、私の魔法の才能は信じられないけど、オリヴェル様のことは誰よりも信頼している。 

 

「分かりました。精一杯、作らせていただきます」 

 誰より信じるオリヴェルが言うのである。 

 自分に出来るか分からないが、オリヴェルの信頼には応えたい。 

 そして何よりオリヴェルの苦痛を取り除きたい。 

 その思いで、中和剤を作りに行くべく立ち上がろうとしたデシレアだが、がっしりとしがみ付いたままのオリヴェルが、デシレアから離れない。 

「デシレア・・ああ・・・こうしていると・・少し楽なんだ・・・っ」 

 そう言ったオリヴェルは、デシレアにしっかりと抱き付いたまま、その頭をデシレアの肩に乗せ、ほう、と安堵の息を吐いた。 

「オリヴェル様。では、ノアに薬液を取って来てもらいます。いいですか?」 

 オリヴェルは、自身の研究室に他者が入るのを好まない。 

 故に、ノアでさえ遠慮をしている場所だとデシレアも知ってはいるが、今は緊急事態。 

「ああ・・・かまわない」 

 オリヴェルに許可をもらい、デシレアは呼び鈴を鳴らした。 

「お呼びでしょうか」 

 ほどなく来たのは本日夜間の勤務であろう侍女で、未だ帰宅していない筈のオリヴェルがデシレアの部屋に居たこと、そしてオリヴェルとデシレアの只ならぬ様子にぎょっとしたように一瞬目を見開いたが、すぐに冷静さを取り戻し、騒がずノアを呼んで来るように、というデシレアの指示に頷いて素早く部屋を出て行った。 

「ノア。遅くにごめんなさいね。オリヴェル様が、興奮剤のような薬を盛られてしまったらしいの。だから、今から言う薬液を取って来て」 

 未だ自室に戻っていなかったのだろう。 

 思ったよりずっと早く部屋に来たノアに、デシレアは素早く現状を説明する。 

 併せて、オリヴェルが自身の研究室にノアが入ること、そして薬液に触れることも許可していると告げれば、ノアは緊張の面持ちで頷いた。 

「畏まりました。それでは、薬液のご指示をお願いします」 

 そうしてデシレアとノアが会話するうちも、デシレアの肩から顔をあげることなく、放すものかと言わぬばかりの様相でしがみ付いたままのオリヴェルを心配そうに見つめ、ノアがメモを取り出す。 

「まず、北側の棚にあるヨクリョウ、これは紫の瓶。それと、同じく北側の棚にあるトムクジュ、緑の瓶。それから南の棚にある赤い瓶、ビャクニンと白い粉ドゥラーケ。薬液はそれぞれ名前の札が付いているから、きちんと確認してね。あと、調剤するために必要なからの広口瓶と薬匙にガラス棒。扉の傍の棚に木箱があるから、それに入れて運ぶといいわ」 

「畏まりました」 

 固い顔で頷いたノアが、従っている侍女に何か指示を出しながら去って行く。 

 その間にもオリヴェルの呼吸はどんどん荒くなり、身体の熱も上がり続ける。 

「デシ・・レア・・・」 

 掠れた声が痛々しく、デシレアの胸を締め付ける。 

「オリヴェル様。着衣を緩めましょう。少しは楽になると思います」 

 額に噴き出す汗を侍女が用意した布で拭い、デシレアはそっとオリヴェルの襟元に手をかけた。 

「ああ・・・」 

 目を閉じたまま、その手を素直に受け入れたオリヴェルだが、男性の衣服、しかも着ている状態のものを脱がすという行為に不慣れなデシレアは、なかなか襟元を寛げることが出来ない。 

「ご、ごめんなさ・・」 

「いや・・・なれているほうが・・ぐぅっぅ・・っっ!」 

 何かを言いかけ顔を歪めたオリヴェルは、普段の彼からは考えられないような乱暴な所作で自らタイを引き抜き投げ捨てて、襟元を寛げた。 

「オリヴェル様。上着も脱いでしまいましょう」 

 そんな粗野な雰囲気のオリヴェル様も素敵、と一瞬見惚れ、デシレアはこんな時に自分は何を、と自らを諫めて上着に手を掛ける。 

 しかし、不慣れは不慣れ。 

 やはり迅速に脱がすということは出来ず、たどたどしくもたつきながら、何とか上着を脱がせた時には息さえ上がっていた。 

「ああ・・ありがとう」 

 普段ならば、上着を脱がせるだけで息まであがるデシレアの不器用さを、楽しく指摘しそうなオリヴェルが、ただ素直に礼を言う。 

 そのことに、デシレアは胸が苦しくなった。 

「オリヴェル様」 

 オリヴェルの辛さを少しでも緩和したいのに、襟元を寛げても上着を脱ぎ去っても楽になった様子は無く、呼吸は更に乱れていく。 

 

 オリヴェル様が、少しでも安心できますように。 

 

 体調の不快さを取り除くことが出来なくとも、精神的に楽になってくれればと願い、デシレアは額の汗を拭い、背中をそっと擦り続ける。 

「デシレア・・・」 

 そんなデシレアの肩口に、オリヴェルが額を擦り寄せた。 

「オリヴェル様」 

 泣きたくなるほどオリヴェルが大切だと感じて、デシレアはそっとその美しい青銀の髪を撫でる。 

「ああ・・・心地がいい・・すまない・・デシレア・・君を離してやれない」 

「離さなくて、大丈夫です。ずっと傍に居ます」 

「デシレア・・デシレア・・・」 

 相当に苦しいのだろう。 

 とうとうオリヴェルは、デシレアをソファの背に押し付けるようにして抱き込んだ。 

「苦しいだろう・・デシレア・・すまない」 

「謝らないで。存分に寄り掛かってください」 

 分かっていても行動を止められない。 

 デシレアをソファに押し付けながら、そう言って謝罪の言葉を口にするオリヴェルの髪を、デシレアは優しく梳いた。 

「デシレア・・・ありがとう・・デシレア・・」 

 うなされるようにデシレアの名を呼び続けるオリヴェルの、首筋にかかる息が熱い。 

「オリヴェル様」 

 その鼓動の速さに心配が募り、早く、とノアの帰りを焦れて待つデシレアを、オリヴェルの強い腕が抱き締める。 

「オリヴェル様」 

 これほどに苦しむオリヴェルを前に、何も出来ない自分を歯がゆく思いながら、デシレアもまた、オリヴェルを強く抱き締め返した。 

 

 

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