捨てたのは、そちら



 トルッツィ伯爵家の跡取り娘であるアダルジーザには、前世、前々世の記憶がある。

 そして、その二回とも婚約者であったイラーリオ・サリーニ伯爵令息に、婚約を解消されていた。 

 理由は、イラーリオが、トルッツィ家よりも格上の家に婿入りを望まれたから。

「だったら、今回は最初から婚約しなければいいのよ!」

 そう思い、イラーリオとの顔合わせに臨んだアダルジーザは、先手を取られ叫ばれる。

「トルッツィ伯爵令嬢。どうせ最後に捨てるのなら、最初から婚約などしないでいただきたい!」

「は?何を言っているの?サリーニ伯爵令息。捨てるのは、貴方の方じゃない!」



 さて、この顔合わせ、どうなる?

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