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39.愛撫
しおりを挟む「ん・・・」
「寝ていていい」
浅いまどろみのなか、誰かが寝台にあがった気配に意識を向ければ、優しい声が佳音を包む。
「シライ・・・?」
「遅くなってすまない。起こすのも何だからな。今日は別に寝ようとも思ったのだが、どうにも・・佳音?」
「シライ。シライだ。嬉しい」
眠りの邪魔をして申し訳ない、だが別に寝るなど出来なかった、と言おうとしたシライは佳音にぎゅうと抱き付かれて思考を止めた。
「シライ。今日はもう帰って来ないかも、って」
「寂しかったか?」
「うん。すっごく寂しかった」
未だ覚醒しきっていないのか、素直に甘えて来る佳音をシライも抱き締め返す。
「佳音」
堪らず口づければ、嫌がることなく受け入れただけでなく積極的に応え攻め込んで来て、シライは歓喜した。
そうして互いの口腔で舌を絡め合い、口の外でも絡め合って互いの唇を濡らしながらシライが佳音の寝衣を脱がせば、佳音もまたシライの寝衣に手を掛ける。
「すごい筋肉」
自らはだけさせたシライの胸元に手を這わせ、うっとりと呟く佳音を引き上げるようにして口づけ、膝立ちにさせて後孔をやわやわと刺激すれば焦れるように腰が揺れた。
「欲しいか?」
「うん・・・ほしい」
薄暗がりのなか、あえかな笑みを浮かべる佳音は極上の色気を纏い、シライの理性を崩壊させる。
「ならば、自分で挿れてみるか?」
冗談のように言ったシライが、そのまま佳音の後孔を指でほぐしていると、何かを考えたような佳音に、とん、と胸を押された。
「佳音?・・・っ」
一度では倒せなかったシライに焦れたように幾度も佳音に挑まれたシライが、自ら寝台へ仰臥すると、満足そうな笑みを浮かべた佳音が、あろうことかシライへと跨る。
「佳音っ」
余りのことに驚き、佳音を止めようとしたシライはしかし、その煽情的な姿に息を止めた。
シライの腰をしっかりつかむように膝を突き、自らの指で後孔を開いてシライの熱杭を埋めようと蠢く。
「んっ・・・」
くぴ、と佳音の後孔がシライの先端を含めば、佳音が眉を寄せて違和に耐えているのが分かり、ぐぐっ、と少しずつ呑み込んでは、残りの長さを計る姿が可愛い。
「シライぃ・・・これいじょうはいんない」
「っ!」
可愛くもじれったい佳音の動きに耐えていたシライは、涙目の佳音に訴えられ、荒ぶる腰を思い切り突き上げた。
「あああああっ」
突然の刺激に叫んだ佳音がぶるぶると身体を震わせ、シライの腹に両手を置いて懸命に姿勢を保つ。
「佳音」
「まっ・・って・・おれにやらせて」
その腿にシライが手を這わせれば、そう言った佳音がゆっくりと身体を上下させ、後孔を締めてシライの熱杭を扱く。
「くっ」
全身を波打たせるようにして、シライを悦ばせようとする佳音の腰を支え撫であげ、佳音の嬌態を見つめるシライの瞳が、堪えようのない情欲に染まっていく。
「ああ・・・佳音・・・最高だ」
「んっ・・くっぅん・・・シライ・・シライ・・・」
「佳音」
懸命に腰を振る佳音の、乱れた髪が汗で光る額を流れ首筋を流れる。
「やあ・・・またおっきく・っ」
怒張は限りなく佳音の内部を広げ抉って、佳音を益々乱れさせシライは堪らず腰を突き上げてしまう。
「ああっ・・んっ」
ずるりと落ちかけた佳音の手。
その刺激が起爆となって、シライは大きく腰を回し佳音を蹂躙し始めた。
「ああっ・・・んっ・・んっ・・シライ・・・っ・・シライっ・・すきっ・・だいすきっ」
「かのんっ」
突き上げられるままに揺れ、乱れる佳音が告げる言葉にシライは心からの至福を感じる。
互いの汗が交じり合い、絶頂しても突き上げを止めないシライに佳音は嬌声をあげ続けることしか出来なくなる。
「あっ・・・ああっ・・・あっ・・あっ・・・」
まるで乗馬をしているかのように身体が揺れ、ただひたすらに快楽を追い求める。
今の佳音に分かるのはただひとつ。
この快楽を与えているのがシライだということ。
「シライも・・きもちい・・いっ?」
「ああ・・最高だ佳音」
「うれし・・っ・・あっんっ」
蕩けた目でシライを見た佳音は、自分のなかでシライが大きく膨らむのを感じて、悦びに後孔をきつく締めた。
「くっ」
きゅ、と佳音に締め上げられ、シライは大きく身震いするように佳音のなかに熱い飛沫をまき散らす。
「んっ・・・あああ」
その刺激に再び達した佳音が、ゆっくりと力を失って倒れ込む。
「佳音」
大きく胸が上下し、息を乱す佳音を抱き締めるシライの瞳は、未だ情欲に濡れたまま。
「シライ・・・」
「佳音。もう一度、いいか?」
背を擦り、頭を撫でて佳音の呼吸が整うのを待っていたシライが佳音の耳に囁けば、佳音が困ったようにシライを見た。
「嫌か?」
「ううん・・でもおれ・・もうちから・・はいんなくて・・うえのれない」
「っ・・・佳音っ」
今度は自分が伸し掛かる形で佳音を組み敷いたシライは、ぐりぐりと佳音の後孔を責めながらその息を奪うように口づけ、胸の突起を摘まみ上げて佳音をこれ以上なく善がらせる。
「んあっ・・あっ・・・んっ」
佳音の手がシライの髪に触れ、結び紐をほどけば空色の髪が佳音の上にも降り注ぐ。
「シライ・・・シライ・・・っ」
その髪に指を絡ませ、喉を反らせて、佳音はいつ果てるともなく啼き続けた。
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