人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚

咲良喜玖

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第三部 小さな国の人質王子は大陸の英雄になる

第14話 狂気の剣姫と激怒の大元帥

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 「決勝戦を始めます。青コーナーから登場するのが、ルコットの大貴族バルディッシュのゴルド君です。堅実な戦い方で、予選を戦い抜きました。拍手を」

 青の入場口からゴルドが歩く。
 拍手を浴びる彼は決勝に出られる自分に満足している。悦な表情であった。

 それに対して。

 「赤コーナーから登場するのが、特別招待枠からの選手。ガルナズン帝国大元帥殿のお子様。レベッカさん。戦わずにして相手が降参するという謎の勝ち筋でありましたが、こちらの決勝までやってきました。皆さん、拍手を」

 審判団のレベッカへの評価は曖昧である。
 それは彼女の剣技があまりにも速くて、子供部門程度の審判には、彼女が使う剣術の美しさを理解していないのだ。
 そう。彼女の前で子供たちが肩を痛めて寝転がるだけにしか見えていないのである。
 ちなみに子供部門の審判は、一般兵たちが務めているので、彼らでは、彼女の剣技を見極められないのだ。
 おそらく、彼らと戦っても、レベッカの方が勝つだろう。

 不機嫌そうな顔のレベッカは、肩を落として、のそのそとリング中央に向かって歩いていた。
 もうすでにやる気がない。

 両者は挨拶の為に向かい合った。

 「貴様、私の前に来るとはな」
 「・・・はい」

 投げやりな返事である。

 「舐めているのか。貴様は」
 「・・・はい」

 相手の声が聞こえていない。
 何か言ってきていると思って返事をしている。
 
 「貴様、帝国の大元帥の娘だったとはな。見かけたことが無い奴だと思ったらそういう事だったか」
 「・・・はいそうです」

 レベッカは、ゴルドの事を完全に見ていなかった。
 リング外で、戦いを見守っているダンの事を見ていた。

 「貴様、どこを見ている。私は正面にいるのだぞ。おい」
 「・・・いいから。うっさい。審判の人。試合始めてよ」
 「は、はい。両者、よろしいですか」

 威圧された主審の人は段取り通りの展開を話し出す。

 「いいよ。とっととやろう。こいつと話すのも時間の無駄だから」
 「き、貴様!」
 
 審判は、怒りだそうとしているゴルドを無視して再度聞く。
 試合開始の段取りの動きをしてほしいのである。

 「君、試合開始。いいかな」
 「あ。わかりました」
 「うん。では開始線まで下がってください」
 
 主審が両者を下がらせると、彼は両手を上に上げて、下へと勢いよく振り下ろした。

 「試合はじめ!」
 
 ◇

 試合開始直前。
 開始線に移動しているレベッカを見つめるフュン。

 「なんで、不貞腐れているのでしょうか。ゼファー、わかりますか?」
 「なぜでしょうか。戦える機会があるというのに、すでにやる気がありませんね。珍しいです」
 「んん。戦えるのにやる気がないのは、やっぱりおかしいですよね。先程の会話が背中越しだと見えませんね。レベッカがこちらを向いてくれると助かるのですが・・・」
 
 二人は、あんなレベッカを見たことが無いと、同じ角度で首を傾げていた。

 ◇

 開始と同時にゴルドは走る。
 レベッカの事しか見えていない。
 それに対してレベッカは肩を落としてゆっくり歩いていた。
 しょぼくれている状態の彼女は、木刀を地面と平行にする。

 「くらえええええええええええ」

 大声と共にゴルドの木刀がこちらに向かってきた。
 彼女の顔面スレスレの所まで来ても、レベッカは動かない。

 「おそい」

 ゴルドの木刀が何かに弾かれた。
 勢いよく突進するような形からジャンプして攻撃していたゴルドは、木刀を弾かれた衝撃で空中でバランスを崩して地面に落下した。
 レベッカの背後でゴロゴロと転がっていく。

 「ぐああああああ」

 レベッカは後ろを振り向いた。

 「立てよ。まだ何もしてないぞ」
 
 そう言った彼女の言葉通り。
 観客席の一般人と審判団は、今の行動がゴルドが勝手に転んだ結果に見えていた。
 しかし、フュンやゼファー、ネアルには別の動きに見えていたのだ。

 ◇

 「素晴らしい。何だあの剣技は・・・大元帥殿。あなたが教えたのですか。それとも、隣のゼファー殿かな」 

 優雅に足を組みながら座るネアルは、横目でちらりと二人を見た。

 「いいえ。教えてません。私もゼファーも、そして師であるジスターも、あのような剣技は教えていないのです。私たちが教えているのは基礎のみ。彼女を真の意味で強くするために、基礎しかやらせていません」
 「なに。しかし今の・・・どう見ても剣の達人の間合い。あの速度とあの角度で、相手の剣に自分の剣を滑らせるなど。誰かに教わらなければ出来ない芸当」

 先程のレベッカは、叩きつけるようにして上から振りかぶったゴルドの剣に対して、彼の剣が地面と平行になった瞬間に、柄の部分から剣先まで一気に自分の剣を滑らせて、攻撃を弾き飛ばしたのだ。 
 その一瞬。
 その瞬間だけの防御チャンスを逃さない彼女の目。
 それに剣を滑らせる腕前にネアルは満足して、更にその美しさに惚れ惚れとしていた。

 「だから天才なのです。だから問題なのです」

 彼女が天才である分、問題児であるのだ。 

 ◇

 必死に立ち上がったゴルドは、剣を握り直す。
 手の平に汗があり、棒が滑り落ちる感覚を得る。

 「・・・ま、まだまだ」
 「まだはない。もう諦めろ」
 「う、うるさい。このおんな」

 何度も何度も剣を振って、何とかして攻撃を当てたいゴルド。
 彼女の頭や体を狙っていく。
 彼の攻撃は、子供にしてはよく出来ている。
 速さもあり、力強さもある。
 だが彼女にはその程度では意味がない。
 レベッカは実力差を見せつけるように、今度はゆっくり木の棒を動かして、誰もが目で追える範囲で弾いていった。

 「ほら、これも・・・こっちも、それも遅い」
 
 8歳になる歳の少女と13歳の男の子。
 力が絶対的に違うはずなのに、一撃も彼女に当てることが出来ない。
 
 「なぜだ……なぜ私の攻撃が」
 「会心って知ってるか」
 「会心?」
 
 レベッカは攻撃を捌きながら、ゴルドに話しかけた。

 「それぞれの武器が持つ。一番力が入る地点。そこで切ったり叩いたりすると、このようになる」

 レベッカが振った木の棒が、彼の木の棒に当たるとバチンっと鳴る。
 ゴルドが彼女の剣にぶつけた時には鳴らない強烈な音だった。
 
 「ぐおっ。なんだ」

 今までで一番強く弾かれたことで、ゴルドは後ろに大きくのけ反った。

 「武器ってのにも、持ち方があるんだよ。単純に持ってるだけじゃ、あんたは私には勝てん!」

 レベッカは自分の武器を軽く握って上下左右に振ってから、彼女は木の棒の中央を指さした。

 「ここ。ここが会心が出る地点。ここのポイントで斬る!」
 
 小さな指が指し示す地点は、木の棒でもほんの僅かな場所。
 そんなところで狙って相手を斬るなんぞ、誰が出来るものかと、ゴルドも主審も思っていた。

 「じゃあ、私は終わらせることにする。それじゃあな。名前・・・なんだっけ。別にいいや」

 レベッカの一閃がゴルドの肩に入った。
 ゴキッと音が鳴る。

 「ぐああああああ・・・・き、貴様あああああ」
 「負けを認めろ。そしたら私は、彼にした事を許してやる」
 「な、何の話だ?」
 「彼の体に傷がある。とても強い子なのに、傷がある!」
 「・・・知らん、私は知らん。貴様になんの関係がある・・・あああああああ」

 レベッカは木の武器で、ゴルドの肩を軽く突いた。
 撫でるくらいの優しい攻撃だったが、痛みが激しくゴルドはのたうち回る。

 「負けを認めろ。彼に謝罪しろ。屑貴族が。それに貴様は、他の戦っている子らにも何か言っていたな。戦いに降りるような事を言っているんだな」
 「し、知らん・・・き、貴様のような、敵国の女に負けられるか」
 「今は、敵国なんか関係ない。武の道に反するようなことをして、私が許すわけがない」 
 「敵国だ。敵だ。貴様の父も敵だ。あんなニコニコしているだけで、能がなさそうな男。いずれ私が殺してやるわ。あんなもの。能なしに決まっている。この偉大なゴルド様が、貴様の父を殺してやるわ」

 ゴルドは彼女に対して、言ってはならない事を言ってしまった。
 彼女にとって父とは、心から尊敬する人物。
 国を代表する大元帥として、民から崇拝されていることを、彼女はとても誇りに思っている。
 だから、自分が馬鹿にされるよりも、我慢が出来ないのである。

 ◇

 異変を察知したのは、フュン、ゼファー、そして会場の脇にいるジスターであった。
 その中でジスターがリングに突入したが、彼女の動きが速かった。

 一閃がとんでもない速さでゴルドの胴体を捉える。
 木でもその威力を殺すことが出来ずに血を吐くゴルドは、強烈な痛みの中でレベッカに降伏を宣言した。

 「ごはっ・・ま・・・負け・・・き、棄権する・・・」

 しかし、今のレベッカは止まらない。
 そもそも話を聞いていなかった。
 二つ目の攻撃を仕掛けようと、抜刀術の構えになって、一閃を繰り出そうとしたときに会場に声が響く。

 「レベッカ! やめなさい!」

 会場に響くフュンの声を無視して、彼女の一閃は繰り出された。
 横に一閃。ゴルドの顔面を狙った一撃。
 この一撃は、間違いなくゴルドの顔を粉微塵にする一閃。
 こんなものを子供に食らわせてはいけないと、ジスターが前に出た。

 「レベッカ様! 終了です。彼は負けを認めました。これ以上は駄目ですぞ」

 ジスターが、レベッカの攻撃を刀の鞘で防ぐ。

 「そこをどけ。ジスター。こいつは父を馬鹿にした。殺す! この世に形すら残さない」
 「降伏をした者に追撃をするなどありえません」
 「父を馬鹿にしたことがありえない」
 「それは、私にもわかります。ですが、あなたは武人でありますでしょう。レベッカ様。この少年は負けを認めたのですぞ。ですから手を引きなさい」
 「負け? そんな勝負どうでもいい。そこをどけ。ジスター」
 「どきません。レベッカ様。ジスターは、あなた様を叩きのめしても止めます」
 「どけ。ジスター!」
 「止めます、レベッカ様!」

 二人の言い争いから、レベッカの猛攻が始まった。  
 地に伏せるゴルドの前にいるジスターが邪魔だから。
 レベッカは左右にステップをしてジスターをすり抜ける。
 その動きはまさに、神懸かっていた。
 ジスターの目をもってしても、レベッカの動きが追えない。
 しかし、彼女の標的は明確。
 ジスターは後ろを向いて出現してくるレベッカを待つ。

 自分の右から出てきたレベッカ。
 ジスターは、鞘に納めたままの剣でレベッカの攻撃の軌道に合わせた。
 二つの武器が轟音を鳴らして止まる。

 「邪魔をするな」
 「します! やめなさい」
 「はあああああああああああ!」

 木の棒を滑らせて、レベッカは濁流のようにうねる剣技を見せた。
 今までに見せたことがない剣技だった。

 「くっ。それなら」

 ジスターは自分の剣を捨てて、ゴルド少年に被さった。
 彼女の攻撃から身を挺して守ろうとしたのだ。

 「どけ。ジスター。止められん!」

 走り出した剣を止められない。
 レベッカの一撃は、ジスターの脇腹に深く入った。

 「ぐわっ。ごほ」
 「あ・・・あなたは・・・」
 「な、なんの。心配ご無用」

 ゴルドが心配になるほどに、ジスターに深いダメージが入る。
 彼は立ち上がってレベッカを見つめた。

 「やめなさい。レベッカ様。あなたの剣はこのような振る舞いをするためのものなのですか。相手を制圧するだけのために、振るう剣だったのですか。それではいけませんぞ。ジスターは! そのような剣は教えていませんぞ。ジスターも、ここで一つ本気を出します。言う事を聞かないのなら・・・あなたの骨を折ってでも、止めてみせましょう」
 「うるさいジスター。そこをど・・・・ん!?」

 レベッカは、後ろの気配に気づき、振り向いた。

 『バシン』

 大きな音が会場に響くと、レベッカの左頬とフュンの右手が赤く腫れた。

 「レベッカ。何をしている。ジスターにまで怪我を負わせたな!」
 「父!?」
 「その子をどうしようとしたのだ」
 「・・・こいつ、父を馬鹿にした」
 「そんなことはどうでもいい。何をしようとした!」
 「父を馬鹿にしたから!」
 「レベッカ!」
 
 フュンの逆鱗に触れた気がして、レベッカの体が震えて、顔は下を向く。
 今までの穏やかな父とは違う。
 激しい怒りを感じていた。

 「こいつだけは許さない。この世に残してはいけないと・・・思った」
 「なぜだ」
 「父を馬鹿にしたから!!!」

 下を向いていた彼女がフュンを見るために顔を上げた。

 「そんなことのためにか」
 「そんな事じゃない。父を馬鹿にしたから」
 「では、なぜ降伏した子に攻撃をした。レベッカに剣を教えた者たち全員が、そんなことを教えるわけがないぞ」
 「だ、だって」
 「言い訳をするな。武人失格だ。レベッカ!」
 「え!?」
 「剣を置け!」
 「は、はい」
 「そこに立っていろ!」

 フュンは投げ捨てるようにレベッカを置き去りにして、審判の方に向かった。

 「この子の親はわかりますか」
 「それはおそらく、あちらの貴族の方の席に・・・」
 「ゴルド君でしたよね」
 「はい、そうです」

 フュンは案内された方角に歩きだし、観客席の方に向かった。
 
 「ゴルド君の親御さんは」
 「私だが」
 「申し訳ありませんでした。あなたのお子さんを必要以上に傷つけてしまいました」
 「ああ。本当ですな。野蛮な子で。さすがは帝国の方だ。それじゃあ慰謝料をもらおうかな。怪我をしたようですしね」
 「ええ。お支払いします」

 フュンが深く礼をしてお詫びを入れると、レベッカは何とも言えない気持ちになった。
 思いあがった心を持ったことに反省をし始めた。

 「ああ、それと。どうしようかな。そちらの娘さんには土下座でもしてもらいましょうかね」
 「ええ。それはさせません。それは彼女の罪として釣り合わない。お宅のお子さんに怪我と恐怖を与えたことは僕が謝ります。ですが、まだ戦いの最中の怪我ですし。彼への追撃はジスターが止めていますし、降参後の攻撃は幸いにもゴルド君に入っていません。それに彼の怪我程度であれば、体の障害や死ぬような攻撃とはならない。まだこの少年部門の戦いでの範囲の怪我だ。だから、彼女があなたに土下座することはない。あれくらいの怪我・・・それくらい覚悟の上であなたも彼もこの大会に参加していますでしょう・・・・それにですよ。それでは今回の事件は解決しません」
 「なんですと」
 「彼女の怒った理由が、あなたの息子さんが僕を侮辱した事ともう一つあります。それで、あなたは彼に何を教えたのですか。人を馬鹿にしても良いと? 人を一方的に傷つけても良いと? まあ、どちらにしてもあなたの育て方はどうなっているのでしょうか?」
 「そ・・それは・・・」

 まさか、フュンの方から反論が来るとは思わないゴルドの父。
 言葉を返せなかった。

 「でも僕を馬鹿にすることなんて、本当にどうでもいいです。些細なこと過ぎます。僕はそれくらい何とも思いませんしね。それよりも僕はもう一つの方が気になっています。だから、そちらとお話したい。そう思っています。ですから、後でお会いしましょう」
 「は?」
 「ネアル王との三者面談ですね。まだそこにいてくださいね」
 「え?」

 激怒していたフュンは颯爽とその場を後にした。
 
 
 
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