271 / 358
第二部 辺境伯に続く物語
第270話 続 帝国のお姫様たち
しおりを挟む
帝国歴525年10月22日。
帝国の最前線都市リーガにて。
現在の主は、かつての当主ウィルベルではなく、リナ・ドルフィンである。
フュンの指名により、彼女がここの担当となった。
彼女を支えるのは、フラム・ナーズローと、もう一人である。
「リナ様。お久しぶりです」
「フュン様。本当にお久しぶりですよ。こちらに顔を出すなら早く言ってくだされば歓迎の準備を」
「いえいえ。いいんですよ。普段がいいんです」
二人が会話する脇に立つ男性マルベル・オニスタが槍を持って待機している。
彼には強者の風格があった。
ただ待っているだけでも強烈な強さがあったのだ。
体中にある傷がより一層の強さを醸し出している。
「この方が例の・・・」
「ええ。そうです。マルベルですよ」
「そうですか。マルベルさん、僕がフュンです。よろしくお願いします」
「どうもです」
一瞬だけこちらを向いて頭を下げた。
無視するわけではないけど無視に近い形である。
「ごめんなさいフュン様。マルベルは無口に近くて、これが限界です」
「ええ。大丈夫。失礼をしているわけではないのは知ってますよ」
「はい。彼は兄様の家の護衛だった者です」
「ええ。その話はウィルベル様本人から伺いました。リナに預けると、ウィルベル様が言ってましたよ。あなたを守ってくれるはずだから、マルベルをそばに置いてほしいとね」
「はい。兄様の最後の私へのプレゼントです。重宝しています」
「そうですか。よかった」
マルベル・オニスタは、ウィルベルの護衛隊長だった男だ。
紋章も毒もない彼は、ウィルベルのそばに居ながらナボルとは無関係の人物。
ドルフィン家が経営している孤児院から出てきた男性で、彼の名前の半分はウィルベル自身から名付けられたもの。
彼は、生まれた時にすぐに両親が亡くなったらしく、親に名付けすらされなかった子供だったのだ。
だから彼は、そのウィルベルの恩に対して、誠心誠意奉公するために、ただただウィルベルとその家族を守るだけに徹していた忠義の男である。
主な仕事がお屋敷警護であった。
なので、バルナとシャイナを守り続けていた男性である。
「マルベルさん。リナ様をお願いしますね。敵はもういないとしても、あなたならば彼女を護れるはずだ」
「はい・・・」
返事一つであった。でも彼の心は真っ直ぐに見える。
「強いだよ。あんた強いだよね」
「我もそう思います」
二人の強者は、強者に惹かれていた。
「ん・・・」
聞かれても返事は一つである。
さっきよりも短いので、フュンには敬意を払ったと見える。
「やっぱり。強いんだよね~。フュン様。この人強いだよ」
「そんなに言わなくても、シャーロット。わかっていますよ。ハハハ。気になるのですか?」
「フュン様、手合わせしたいだよ。鈍らないように戦っておきたいだよ」
「それは……マルベルさんがいいのならどうぞ」
「ズルいですぞ。そいつだけ。殿下。我にも許可を」
「あ、はい。どうぞ。聞いてみてください」
このやりとりがめんどくさいと思っても、フュンは二人に丁寧に答えてあげていた。
シャーロットが前に出てきた。
剣を構えて、決闘しようぜとマルベルの前に立つ。
「んじゃ。拙者と戦うだよ。いいかな」
「ん・・」
「どっちこれ??? どっちだよ」
シャーロットは振り向いて、フュンに聞いてきた。
「それは・・・どっちでしょうね?」
「お前とは戦わないらしい。マルベル殿は断ったのだ。我が聞こう」
フュンが悩んでいる間に、ゼファーが前に出て行った。
「我と手合わせしてもらいたい。マルベル殿」
「ん・・」
「え? どっちですか。殿下、これ。どっちでしょう!?」
首を縦にも横にも振らないので、その返事が良いのか悪いのか、どちらか分からない。
独特な雰囲気を持つ男性である。
「すみませんね。この二人は、強い人だと戦いたいみたいで。それで、マルベル殿は戦ってもいいんですか?」
「はい・・」
「いいんだ!?」
フュンは許可に驚いていた。
実際、『ん』は断りの言葉かと思っていたのである。
「それじゃあ、僕らはお仕事があるので、訓練用の木の武器で戦ってくださいよ。三人とも。いいですね。熱くなっても、自分の武器では戦わないでくださいよ。約束ですよ」
「はい。殿下」
「うんだよ」
「はい・・・・」
三人はこのまま訓練となり、フュンとリナは会議となった。
◇
リナが案内してくれた会議室には、サティとアンもいた。
「フュン君。こっちこっち。ハハハハ」
「フュン様。お久しぶりです」
対照的な二人は、相変わらずである。
「はい。今行きますよ~」
こちらの男性も、相変わらずである。
四人で席に座ると。
リナが用意してくれていた紅茶を、彼女のメイドたちが運んできてくれた。
「それで、フュン様。私たちに何の用で。アンやサティまで呼ぶとは珍しいです」
「ええ。三人にお伝えしたい事とやって欲しいことがあるのですよ。よろしいですか?」
三人が黙って頷く。
「それでは、まず。ここリーガ。ここを潰します」
「え!? ここをですか」
「リナ様には申し訳ないですが、ここは潰します」
「ですが、それでは防衛の要の一つを失いますよ」
サティが聞いた。
「ええ。その通りです。ですから、ここよりさらに西に新しい都市を作ります。この五年の間にです」
「な!? フュン様。まさか。前線都市を移動すると!?」
リナが聞いた。
「はい。その通りです。しかし、そこを前線都市と命名しません」
「「え?」」
「最初はそこを攻略の基地とします。僕はここから王国を制するつもりです。両国の戦いの歴史に終止符を打ちます。大陸から戦争という二文字を消し去ります」
「ば、馬鹿な・・・そんなことができるとは!?」
「ええ。思えない。ありえない。そう思いますよね。でも僕はやります。英雄ネアルの好戦的な面を逆に利用して、王国を倒してしまい、王国と帝国が一つとなることで、アーリア大陸を平和に導きたい。そのきっかけの一つとして、新都市を作成します。僕らが作ったサナリアをモデルにして、最高の都市をアーリア大陸の中央に築くのですよ」
フュンは、アーリア大陸の地図を広げた。
「その都市は、フーラル湖の正面に作成していく。ここが本当のアーリアのど真ん中です。そうなると帝国にとっては前線都市になりますが、のちに一つの国となった時には、ここが都となりえます。大陸のど真ん中にありますから。このように・・・」
フュンは、地図に落書きのように線を引いた。
中央から十字。そしてずらして斜めにも線を引く。
地図に十字とバッテンが描かれた。
「これで、道路を作ります。こうなるとアーリア大陸の主要都市を結べます。これにて、大発展をする大陸へとなりますよ。僕らの大陸は、一個の国となった方がよりよい生活を送れるはずなんです。無益な戦争をするのは無駄なことです。どうせやるなら、経済を発展させるための戦争。経済戦争をするべきだ。各都市が競い合うようにして発展していくのです。ど真ん中の都市が各地の競争を促す。それをリナ様とアン様とサティ様にお任せしたい。帝国の三姫が作る、新都市であります! どうでしょうか! これ、実現したら凄くないですか!!」
ニッコリと笑うフュンの提案は新たな帝国の在り方を示すものだった。
あまりにも屈託がなく、まるで子供のような笑顔に、三人もつられて笑顔になる。
「そうですね。フュン様。一大事業ですね」
「ええ。リナ姉様。これは大変ですよ。難しい」
「わかっていますよ。サティ。フュン様の願いですよ。今まで大変じゃなかったことがありますか?」
「ふふふっ。たしかに、フュン様は、簡単な事を頼みませんものね。全部難しいものでしたね」
二人は笑いあうと。
「ボクは、やるよ~。面白そう!!!」
アンは元気に返答した。何も考えずに即答であった。
「ええ。アン様、一緒にやりましょうよ。どうです、リナ様。サティ様」
「そうですね。面白いのは間違いない。それにです。私たちだって、スクナロ兄様とジークには負けたくないですわ」
「あ。それは分かりますよ。リナ姉様。そうですね。これを完成させれば、私たちも兄様とジークに負けませんものね。フュン様、私もやります。ここで、大陸の人々に帝国の三姫の名を轟かせてやりましょう」
二人が了承した。
これにより、帝国の三姫は、アーリア大陸に変革を起こす大都市を作り上げることを決めた。
この都市が、後に・・・・。
それはここから先の話である。
ガルナズン帝国は少しずつ新たな時代に進んでいく。
帝国の最前線都市リーガにて。
現在の主は、かつての当主ウィルベルではなく、リナ・ドルフィンである。
フュンの指名により、彼女がここの担当となった。
彼女を支えるのは、フラム・ナーズローと、もう一人である。
「リナ様。お久しぶりです」
「フュン様。本当にお久しぶりですよ。こちらに顔を出すなら早く言ってくだされば歓迎の準備を」
「いえいえ。いいんですよ。普段がいいんです」
二人が会話する脇に立つ男性マルベル・オニスタが槍を持って待機している。
彼には強者の風格があった。
ただ待っているだけでも強烈な強さがあったのだ。
体中にある傷がより一層の強さを醸し出している。
「この方が例の・・・」
「ええ。そうです。マルベルですよ」
「そうですか。マルベルさん、僕がフュンです。よろしくお願いします」
「どうもです」
一瞬だけこちらを向いて頭を下げた。
無視するわけではないけど無視に近い形である。
「ごめんなさいフュン様。マルベルは無口に近くて、これが限界です」
「ええ。大丈夫。失礼をしているわけではないのは知ってますよ」
「はい。彼は兄様の家の護衛だった者です」
「ええ。その話はウィルベル様本人から伺いました。リナに預けると、ウィルベル様が言ってましたよ。あなたを守ってくれるはずだから、マルベルをそばに置いてほしいとね」
「はい。兄様の最後の私へのプレゼントです。重宝しています」
「そうですか。よかった」
マルベル・オニスタは、ウィルベルの護衛隊長だった男だ。
紋章も毒もない彼は、ウィルベルのそばに居ながらナボルとは無関係の人物。
ドルフィン家が経営している孤児院から出てきた男性で、彼の名前の半分はウィルベル自身から名付けられたもの。
彼は、生まれた時にすぐに両親が亡くなったらしく、親に名付けすらされなかった子供だったのだ。
だから彼は、そのウィルベルの恩に対して、誠心誠意奉公するために、ただただウィルベルとその家族を守るだけに徹していた忠義の男である。
主な仕事がお屋敷警護であった。
なので、バルナとシャイナを守り続けていた男性である。
「マルベルさん。リナ様をお願いしますね。敵はもういないとしても、あなたならば彼女を護れるはずだ」
「はい・・・」
返事一つであった。でも彼の心は真っ直ぐに見える。
「強いだよ。あんた強いだよね」
「我もそう思います」
二人の強者は、強者に惹かれていた。
「ん・・・」
聞かれても返事は一つである。
さっきよりも短いので、フュンには敬意を払ったと見える。
「やっぱり。強いんだよね~。フュン様。この人強いだよ」
「そんなに言わなくても、シャーロット。わかっていますよ。ハハハ。気になるのですか?」
「フュン様、手合わせしたいだよ。鈍らないように戦っておきたいだよ」
「それは……マルベルさんがいいのならどうぞ」
「ズルいですぞ。そいつだけ。殿下。我にも許可を」
「あ、はい。どうぞ。聞いてみてください」
このやりとりがめんどくさいと思っても、フュンは二人に丁寧に答えてあげていた。
シャーロットが前に出てきた。
剣を構えて、決闘しようぜとマルベルの前に立つ。
「んじゃ。拙者と戦うだよ。いいかな」
「ん・・」
「どっちこれ??? どっちだよ」
シャーロットは振り向いて、フュンに聞いてきた。
「それは・・・どっちでしょうね?」
「お前とは戦わないらしい。マルベル殿は断ったのだ。我が聞こう」
フュンが悩んでいる間に、ゼファーが前に出て行った。
「我と手合わせしてもらいたい。マルベル殿」
「ん・・」
「え? どっちですか。殿下、これ。どっちでしょう!?」
首を縦にも横にも振らないので、その返事が良いのか悪いのか、どちらか分からない。
独特な雰囲気を持つ男性である。
「すみませんね。この二人は、強い人だと戦いたいみたいで。それで、マルベル殿は戦ってもいいんですか?」
「はい・・」
「いいんだ!?」
フュンは許可に驚いていた。
実際、『ん』は断りの言葉かと思っていたのである。
「それじゃあ、僕らはお仕事があるので、訓練用の木の武器で戦ってくださいよ。三人とも。いいですね。熱くなっても、自分の武器では戦わないでくださいよ。約束ですよ」
「はい。殿下」
「うんだよ」
「はい・・・・」
三人はこのまま訓練となり、フュンとリナは会議となった。
◇
リナが案内してくれた会議室には、サティとアンもいた。
「フュン君。こっちこっち。ハハハハ」
「フュン様。お久しぶりです」
対照的な二人は、相変わらずである。
「はい。今行きますよ~」
こちらの男性も、相変わらずである。
四人で席に座ると。
リナが用意してくれていた紅茶を、彼女のメイドたちが運んできてくれた。
「それで、フュン様。私たちに何の用で。アンやサティまで呼ぶとは珍しいです」
「ええ。三人にお伝えしたい事とやって欲しいことがあるのですよ。よろしいですか?」
三人が黙って頷く。
「それでは、まず。ここリーガ。ここを潰します」
「え!? ここをですか」
「リナ様には申し訳ないですが、ここは潰します」
「ですが、それでは防衛の要の一つを失いますよ」
サティが聞いた。
「ええ。その通りです。ですから、ここよりさらに西に新しい都市を作ります。この五年の間にです」
「な!? フュン様。まさか。前線都市を移動すると!?」
リナが聞いた。
「はい。その通りです。しかし、そこを前線都市と命名しません」
「「え?」」
「最初はそこを攻略の基地とします。僕はここから王国を制するつもりです。両国の戦いの歴史に終止符を打ちます。大陸から戦争という二文字を消し去ります」
「ば、馬鹿な・・・そんなことができるとは!?」
「ええ。思えない。ありえない。そう思いますよね。でも僕はやります。英雄ネアルの好戦的な面を逆に利用して、王国を倒してしまい、王国と帝国が一つとなることで、アーリア大陸を平和に導きたい。そのきっかけの一つとして、新都市を作成します。僕らが作ったサナリアをモデルにして、最高の都市をアーリア大陸の中央に築くのですよ」
フュンは、アーリア大陸の地図を広げた。
「その都市は、フーラル湖の正面に作成していく。ここが本当のアーリアのど真ん中です。そうなると帝国にとっては前線都市になりますが、のちに一つの国となった時には、ここが都となりえます。大陸のど真ん中にありますから。このように・・・」
フュンは、地図に落書きのように線を引いた。
中央から十字。そしてずらして斜めにも線を引く。
地図に十字とバッテンが描かれた。
「これで、道路を作ります。こうなるとアーリア大陸の主要都市を結べます。これにて、大発展をする大陸へとなりますよ。僕らの大陸は、一個の国となった方がよりよい生活を送れるはずなんです。無益な戦争をするのは無駄なことです。どうせやるなら、経済を発展させるための戦争。経済戦争をするべきだ。各都市が競い合うようにして発展していくのです。ど真ん中の都市が各地の競争を促す。それをリナ様とアン様とサティ様にお任せしたい。帝国の三姫が作る、新都市であります! どうでしょうか! これ、実現したら凄くないですか!!」
ニッコリと笑うフュンの提案は新たな帝国の在り方を示すものだった。
あまりにも屈託がなく、まるで子供のような笑顔に、三人もつられて笑顔になる。
「そうですね。フュン様。一大事業ですね」
「ええ。リナ姉様。これは大変ですよ。難しい」
「わかっていますよ。サティ。フュン様の願いですよ。今まで大変じゃなかったことがありますか?」
「ふふふっ。たしかに、フュン様は、簡単な事を頼みませんものね。全部難しいものでしたね」
二人は笑いあうと。
「ボクは、やるよ~。面白そう!!!」
アンは元気に返答した。何も考えずに即答であった。
「ええ。アン様、一緒にやりましょうよ。どうです、リナ様。サティ様」
「そうですね。面白いのは間違いない。それにです。私たちだって、スクナロ兄様とジークには負けたくないですわ」
「あ。それは分かりますよ。リナ姉様。そうですね。これを完成させれば、私たちも兄様とジークに負けませんものね。フュン様、私もやります。ここで、大陸の人々に帝国の三姫の名を轟かせてやりましょう」
二人が了承した。
これにより、帝国の三姫は、アーリア大陸に変革を起こす大都市を作り上げることを決めた。
この都市が、後に・・・・。
それはここから先の話である。
ガルナズン帝国は少しずつ新たな時代に進んでいく。
23
お気に入りに追加
463
あなたにおすすめの小説
治療院の聖者様 ~パーティーを追放されたけど、俺は治療院の仕事で忙しいので今さら戻ってこいと言われてももう遅いです~
大山 たろう
ファンタジー
「ロード、君はこのパーティーに相応しくない」
唐突に主人公:ロードはパーティーを追放された。
そして生計を立てるために、ロードは治療院で働くことになった。
「なんで無詠唱でそれだけの回復ができるの!」
「これぐらいできないと怒鳴られましたから......」
一方、ロードが追放されたパーティーは、だんだんと崩壊していくのだった。
これは、一人の少年が幸せを送り、幸せを探す話である。
※小説家になろう様でも連載しております。
2021/02/12日、完結しました。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
子爵家の長男ですが魔法適性が皆無だったので孤児院に預けられました。変化魔法があれば魔法適性なんて無くても無問題!
八神
ファンタジー
主人公『リデック・ゼルハイト』は子爵家の長男として産まれたが、検査によって『魔法適性が一切無い』と判明したため父親である当主の判断で孤児院に預けられた。
『魔法適性』とは読んで字のごとく魔法を扱う適性である。
魔力を持つ人間には差はあれど基本的にみんな生まれつき様々な属性の魔法適性が備わっている。
しかし例外というのはどの世界にも存在し、魔力を持つ人間の中にもごく稀に魔法適性が全くない状態で産まれてくる人も…
そんな主人公、リデックが5歳になったある日…ふと前世の記憶を思い出し、魔法適性に関係の無い変化魔法に目をつける。
しかしその魔法は『魔物に変身する』というもので人々からはあまり好意的に思われていない魔法だった。
…はたして主人公の運命やいかに…
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
弟のお前は無能だからと勇者な兄にパーティを追い出されました。実は俺のおかげで勇者だったんですけどね
カッパ
ファンタジー
兄は知らない、俺を無能だと馬鹿にしあざ笑う兄は真実を知らない。
本当の無能は兄であることを。実は俺の能力で勇者たりえたことを。
俺の能力は、自分を守ってくれる勇者を生み出すもの。
どれだけ無能であっても、俺が勇者に選んだ者は途端に有能な勇者になるのだ。
だがそれを知らない兄は俺をお荷物と追い出した。
ならば俺も兄は不要の存在となるので、勇者の任を解いてしまおう。
かくして勇者では無くなった兄は無能へと逆戻り。
当然のようにパーティは壊滅状態。
戻ってきてほしいだって?馬鹿を言うんじゃない。
俺を追放したことを後悔しても、もう遅いんだよ!
===
【第16回ファンタジー小説大賞】にて一次選考通過の[奨励賞]いただきました
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる